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2017年10月6日(金)

TVアニメ『キノの旅』第1話収録の手ごたえは? 悠木碧さん&斉藤壮馬さんのインタビューをお届け

文:てけおん

 本日10月6日より各局で放送開始となるTVアニメ『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』。本作に出演しているキノ役・悠木碧さんとエルメス役・斉藤壮馬さんのインタビューをお届けします。

『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』
▲斉藤壮馬さん(左)と悠木碧さん(右)

 本作は、時雨沢恵一先生が執筆、黒星紅白先生がイラストを担当する電撃文庫『キノの旅 the Beautiful World』のアニメ化作品。2003年のアニメ化に続いて、2度目のアニメ化です。

『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』

 本作は、人間であるキノと、言葉を操る二輪車・エルメスの旅を描いた物語です。目的もなく、あちこち旅をしている彼らは、世界のあちこちにある個性豊かな国を訪れ、基本的に3日間だけ滞在し、次の国へと旅立っていきます。

 彼らが訪れる国に暮らす人々は、自分たちなりの法や常識をもって暮らしていて、その様子がキノとエルメスを通して描かれていくのです。

『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』PV第1弾

 いよいよ本日よりAT-X、TOKYO MX他で放送開始となる『キノの旅』ですが、物語の軸となるキノとエルメスを演じる悠木さんと斉藤さんへさまざまな質問をぶつけてみました。第1話のアフレコを終えた2人は何を話してくれるのでしょうか? 今夜の放送が待ちきれない人は、ぜひチェックしてみてください。

『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』

――第1話のアフレコを終えて、キノとエルメスを演じた感想をそれぞれお聞かせいただけますか?

悠木さん:『キノの旅』は、原作小説も読んでいましたし、以前アニメ化(※2003年に制作されたもの)された際にも“優しい国”に登場する“サクラ”という役で出演させていただいたことがあります。ファンの皆さんには、すでに「キノはこういう声でしょ」というイメージがあると思うんですが、そんな中で、新しいキノを構築しなければいけないと思っています。

 とはいえ、前作にも出演したからこそ以前のキノの声のよさも知っていますから、それをリスペクトしていけたらいいなと思いながら演じました。

 実際にアフレコで出演者の皆さんとの掛け合いが始まると、自然と作品の世界に入ってしまうくらい、きちんと世界観が構築されている作品ですので、演じる上で動揺するようなことはありませんでした。アフレコを通じて、淡々と世界のいろいろなものに好奇心を持つキノのビジョンがわかってくるような気がしてうれしかったです。

――演じる上での動揺はなかったとのことですが、アフレコの前はいかがでしたか?

悠木さん:実は、今回のアニメ化よりも前に『多数決ドラマ』という企画でキノを演じさせていただいたり、公式サイトで公開されているボイスドラマ『コミケの国』もあったりして、ちょっとずつ皆さんにキノの声をお披露目させていただいていたので、段階を踏んで慣れてきてはいます。けれど、いざアニメーションの映像に声をあてると、「ファンの方々にどう響くんだろう」などと考えてしまい、ドキドキでした。

 アフレコそのものへの緊張よりも、一番大きかったのは「私自身が気に入らなかったらどうしよう?」という不安でした。私の中でキノのイメージがとても崇高なもので、「私が演じて大丈夫なのかな?」という点がもっとも不安でした。

 でもスタジオに入ると「やらねば!」という気持ちにもなりますし、エルメスとの掛け合いが始まると「あ、キノってきっとこういう人なんだ」「この会話のテンポはこういう感じなんだ」みたいなことがだんだんとわかって、すごく楽しかったです。

『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』

――演じるにあたって、以前の作品に目を通したりはしたのでしょうか?

悠木さん:はい。すこしでも雰囲気やいいところを汲み取って演技に生かせればいいなと思って。ただ、自分で記憶していたよりも女の子らしい声で驚きました。私の中でキノは中性的なイメージが強くあって、だからこそよりそう聞こえたんだと思います。そういったこともあって、私のお芝居ではより中性的なイメージに寄せています。

 これは「もっと声に表情をつけてほしい」とディレクションをいただいたことが理由としてあります。声に表情をつけると、どうしても声が高くなって、女の子らしいキャッキャとした感じになってしまうんです。“声に表情をつけること”と“キノらしさ”のバランスをうまく取るために、いろいろと試しています。

――ありがとうございます。続いて、斉藤さんにもエルメスを演じた感想をお聞きしたいと思います。

斉藤さん:僕も悠木さんとおなじく『キノの旅』は青春時代から一読者として繰り返し楽しんでいた思い出深い作品です。その作品がこうして再度アニメ化されることになり、エルメスを演じさせていただけるというのは、すごくうれしいですし、なんだか不思議な縁を感じています。

 ただ、自分の中にも以前映像化された『キノの旅』のイメージがあるので、同時にプレッシャーを感じてもいます。僕がエルメスの声を担当させていただき、悠木さんが演じるキノと2人で旅をしていくことにしっかり責任を感じながらも、それを楽しめればいいなという思いです。

 具体的なところで言うと『多数決ドラマ』では「自分が原作を昔読んでいた時に思ったままに演じてみよう」とアプローチでお芝居しました。一方『コミケの国』はコメディータッチな内容だったので、「(エルメスは)はじけちゃってください」とディレクションをいただきました。その2つと比べると、アニメのエルメスは、機械っぽく飄々(ひょうひょう)とした方向性ですね。それでいて、人間以上にユーモラスな部分もある。作品にリズムを生むキャラクターという認識です。

 今にして思うと、アニメのアフレコに臨む前に、何回かエルメスを演じる機会があって本当によかったと感じています。第1話のアフレコを終えて、今後はもっともっとエルメスらしいお芝居ができる予感がしているので、楽しみつつ、緊張感を保ちつつアフレコできればいいなと思っています。

『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』

――視聴者も回を重ねていくのが楽しみになるようなコメントですね。続いて、原作小説のファンでもあるお2人のお気に入りキャラクターを教えていただけますか?

悠木さん:原作を読んだ当時はキノがあこがれて、キノになりたいなと思いながら読んでいました。キノは人間としての強さを持っていて、1人で旅ができてかっこいいなぁと思っていた記憶があります。あこがれるあまり、茶色のジャケットを買ったりしました(笑)。

斉藤さん:わかります(笑)。僕はシズが好きで、緑色も好きでしたので、似たようなタートルネックを持っていましたし、剣で戦うというところにも心惹かれました。

悠木さん:『多数決ドラマ』の時にも、確かこんな話をしていました。多感な時期に受けた影響って大きいですよね(笑)。あとは、今になってエルメスのおもしろさがわかった気がします。声がついてテンポが出ると、エルメスがいないと話が進まないことに気がつきました。

斉藤さん:みんな淡々としていますからね。

悠木さん:メカならではの視点とでも言うんでしょうか、命のやり取りなどについてはとてもドライで、かと思えばキノよりも感情豊かな時もあるんです。キノを演じていると「キノにはエルメスというパートナーがちょうどよかったんだな」と強く感じます。子どものころは「なんでバイクがしゃべるんだろう?」ってすごく不思議に思っていたんです(笑)。

斉藤さん:僕は、メカがしゃべるだけでかっこいい! と思っていました(笑)。

悠木さん:今読むと、年齢を重ねてきたこともあってか、エルメスの言葉の数々がとてもしっくりくるんです。大人になってよさがわかったキャラクターです。

斉藤さん:昔から小説を読むと、同性のキャラクターに惹かれる傾向があるんですけれど、師匠の相棒も好きでしたね。

悠木さん:あのコンビはいいよね!

斉藤さん:キービジュアルで相棒の姿を見て、これがあの“少し背が低いハンサム”でおなじみのあの相棒か! と期待がさらに高まりました。

――『キノの旅』のお気に入りエピソードやその理由を教えていただけますか?

斉藤さん:“城壁のない国”です。アニメ化するのは難しいエピソードかもしれませんが……。『キノの旅』って完全にハッピーエンドで終わることがあまりない作品じゃないですか。この作品を読んだ10代前半の時期って、ちょうどそういうものに魅力を感じるころだったこともあり、印象に残っています。勧善懲悪じゃない物語って、その当時の僕にとってはとても新鮮だったんです。それと、“二人の国”もお気に入りの国です。一言では言えませんが、いろいろな見方ができるエピソードだと思っています。

悠木さん:個人的には“二人の国”は、『キノの旅』におけるギャグ回だと思っているんです。最終的に“女性最強!”で終わるあたりが爆笑ものでした(笑)。

――悠木さんのお気に入りのエピソードも聞かせてもらっていいですか?

悠木さん:斉藤さんが挙げた国もおもしろいんですけど、個人的にはやっぱり“優しい国”が印象に残っています。以前にアニメで私が出演したお話ですし、かつてのキノと境遇が似ている子を演じたことなど、いろんな意味で感慨深い国です。

 それと“大人の国”と、大人の国にもう1度行くキノの話も好きです。あのお話は、「コツコツと読んできた甲斐があったな」と思わせてくれるよさがあります。

――続いて悠木さんにお聞きします。以前アニメ化した『キノの旅』は、悠木さんの声優デビュー作ですが、今度はキノとして新たなアニメ『キノの旅』に出演されることについて、どう思われていますか?

悠木さん:いろんな人の目を気にせずに言うのなら、運命を感じます(笑)。「まじめに声優やっててよかった~!」と思いました。当時初めて『キノの旅』を読んで、さくらだけじゃなくてキノもエルメスも、お父さんもお母さんもすべてのキャラクターを自分で演じてみたりしたんですが、まさかキノを演じることになるとは思いませんでした。

――出演が決まった時はいかがでしたか?

悠木さん:すぐに母に連絡しました! 私ももちろんうれしかったんですけど、母のほうがもっとよろこんでいました。わたしは子役出身で、いろいろなことを親と一緒に乗り越えてきましたが、『キノの国』は、いろいろと悩んでいた時期にいただいたお仕事だったんです。本当に転機になった作品でしたし、母もそのことを覚えているので、感慨深かったんだと思います。

 ただ、子どもの時には子どもの時にしか出せない音があるんです。演じる役は違いますが、「当時のほうがよかった」とは言われないようにがんばりたいです。

『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』

――お2人が演技するにあたって、キャラ作りの上で心がけているポイントはありますか? 自分と似ている部分を気にかけたりはするのでしょうか?

斉藤さん:そのキャラクターが持っている要素――性格だったり育ってきた境遇だったり、さまざまなことを考えて、その中で演技を組み立てていくんです。どちらかというと、キャラクターを演じる時に“自分と近い”と感じる部分からアプローチして役作りはしていないですね。

悠木さん:私の場合は、キャラクターのプロフィールを頭に入れた上で、もっと細かい部分を想像していくんです。例えば「靴をどういう風に履くんだろう? 急いでいる時はかかとをつぶしちゃうのか、それともきちんと履くのか」といったことをいくつも考えて、イメージをふくらませていきます。

『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』 『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』

――お互いの相棒となるキャラクターの気に入っているところを教えてください。

悠木さん:テンポ! 声がついてより思ったのは、「気が合うってこういうことだな!」と感じました。阿吽(あうん)の呼吸というんでしょうか、たまに意見が食い違ったり、理解されなかったりするけれど、「そんなことはどうでもいい」と言わんばかりの、エルメスの空気とテンポがとても好きです。

斉藤さん:原作小説もとてもテンポがいいですよね。エルメス的には「そうそう」や「そうそれ」みたいな間髪入れずに返す感じがとても好きです。ああいう会話のシーンは、2人で旅している感じがとても出ていて好きなんですよ。

悠木さん:波長が合っているというんでしょうか。2人が話しているシーンは、『キノの旅』の中でもとても好きな部分です。

――斉藤さんはいかがでしょうか?

斉藤さん:キノの好きなところは、たくさんあるのですが、一番はやっぱり“強い”ところです。モトラドは自分ひとりでは走れないので乗り手が強いっていうのは本当に大事なことだと思うんです。顔が中性的で整っていて独特な雰囲気を持っていて、そのうえべらぼうに強いって、もうたまらないじゃないですか!

――TVアニメ『キノの旅』の魅力や、注目のポイントを教えてください。

斉藤さん:原作ファンの方はもちろん、今回初めて『キノの旅』に出会った方にも、絶対に楽しんでいただける内容になっています! 僕たちも全力で収録に臨んでおりますので、よろしくお願いいたします。それから、やっぱり自分の大好きな作品がアニメになるって、すごくうれしいですよね。だから僕自身も、どのエピソードがどんな風に描かれるのか、とても楽しみにしています。キノとエルメスと一緒にみんなで旅をしましょう。

悠木さん:『キノの旅』を長く応援されているファンの方はもちろん、10代の人たちに見てほしいという気持ちがあります。『キノの旅』はかつて10代の私が見て、「うわぁすごい!」と感じた作品で、今10代の人が初めて見ても、絶対に好きになってハマると思うし、絶対に新しいものを発見できるストーリーになっていると思います。

 絵が付くことでキノたちの仕草だったりリアクションだったりがより楽しめると思います。例えば寝転んだりものを食べたりするところで、「あ、キノってこういう風に寝転んだり食べたりするんだ」と発見して、キャラクターとして愛おしく感じてもらえる部分が増えるんじゃないかなと。こういう発見は、私自身も想定していなくて、とっても楽しんでいる部分です。『キノの旅』をご覧になる皆さんにもぜひぜひ楽しんでいただけたらいいなと思います。

『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』

■TVアニメ『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』
【放送情報】
AT-X……10月6日より毎週金曜22:00~
(リピート放送:10月8日より毎週日曜8:00~、10月9日より毎週月曜14:00~、10月12日より毎週木曜6:00~)
TOKYO MX……10月6日より毎週金曜24:30~
サンテレビ……10月6日より毎週金曜24:30~
KBS京都……10月6日より毎週金曜24:30~
BS11……10月6日より毎週金曜24:30~

【配信情報】
AbemaTV……10月6日より毎週金曜24:30~配信開始予定(地上波同時放送)
niconico(ニコニコ生放送/ニコニコチャンネル)他:10月13日より毎週金曜日配信予定
PlayStation Video:10月18日配信開始予定:
※ニコニコ生放送は毎週金曜24:00~配信(ニコニコチャンネルでは最新話は配信開始から一週間無料・第1話は常設無料)

【スタッフ】(※敬称略)
原作:時雨沢恵一(電撃文庫刊)
キャラクター原案:黒星紅白
監督:田口智久
シリーズ構成:菅原雪絵
キャラクターデザイン:アミサキリョウコ
総作画監督:アミサキリョウコ、立川聖治
プロップデザイン:廣瀬智仁、竹上貴雄
色彩設計:合田沙織
撮影監督:平川竜嗣
編集:森田編集室
音楽:出羽良彰
音響監督:飯田里樹
音響効果:上野励
音響制作:マジックカプセル
プロデュース:EGG FIRM
アニメーション制作:Lerche
OP&EDテーマ:やなぎなぎ
製作:キノの旅の会

【出演声優】(※敬称略)
キノ:悠木碧
エルメス:斉藤壮馬
シズ:梅原裕一郎
陸:松田健一郎
ティー:佐倉綾音
師匠:Lynn
相棒:興津和幸
フォト:水瀬いのり
ソウ:緒方恵美 他

※配信・放送日時は予告なく変更になる可能性があります。
※10月13日より毎週金曜日配信予定のメディアは公式サイトでご確認ください。

(C)2017 時雨沢恵一/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/キノの旅の会

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