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2017年10月18日(水)

【おすすめDLゲーム】セリフのないアクションアドベンチャー『Hob』は初クリアまでのゲーム体験がとても良質

文:キャナ☆メン

 ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。本記事では、日本向けにはPC版が配信されているRunic Gamesの新作『Hob』について、プレイの感想を述べていきます。

『Hob』

 『Hob』は、幻想的な空気感のただようオープンフィールドで、謎解きを主体にした探索を繰り広げるアクションアドベンチャーです。

 ゲームのチュートリアルからストーリーに至るまで、何かを“説明”されることが一切なく、自分で考えるおもしろさ、想像するおもしろさを体験できるゲームになっています。

言葉のないストーリーが想像力をかき立てる

 ゲームの舞台は、不思議な妖精や生命体が暮らす惑星です。プレイヤーは主人公が何者かわからないまま、機械作りのゴーレムに導かれ、探索の一歩を踏み出します。

『Hob』
▲ゴーレムが扉を開け、主人公が外に出る。始まりのシーンです。

 『Hob』の特徴として、ストーリーがセリフやテキストで語られることは一切ありません。日本語に対応していますが、ゲーム本編に文章が存在しないので、関係があるのはローディング画面のTIPSやUIです。

『Hob』
▲ゲームシステムも文章で説明されないので、TIPSに新たな発見があることも(笑)。

 しかし、だからこそ本作は、出来事の1つ1つに想像力をかき立てられます。自分のゲーム体験がストーリーというパズルのピースになり、そのピースを1つずつ埋めていくと、ぼんやりと全体像が浮かんでくる感じです。

 もっとも市販のパズルと違って、本作はクライマックスまで全体像がわかりません。イベントシーンによる描写も最低限しかなく、おそらく万人向けのストーリー演出ではないでしょう。

『Hob』
▲幻想的な空気感がある景色も、想像力をかき立てる要因の1つだと思います。

 ただ筆者は、スタッフロール後のとあるシーンを見て、走馬燈のようにプレイ中の体験を思い出し、コントローラを置いた時、本作が心に残るゲームとなりました。

 それを考えると、セリフやテキストがなくいろいろ想像したからこそ、より強くそのシーンを印象的にしたのかなと思います。

『Hob』
▲マップのところどころに、景色を見るためのポイントがあります。

 ですから世界観や物語について、記事であえて説明はしません。そこはゲーム体験を通じて解いていく謎と直結しているので、なるべく知識は入れずにプレイした方が、楽しめるはずです。

謎解きに手応えを感じるダイナミックな演出

 フィールドには、謎解きが豊富に用意され、敵が随所に徘徊しているので、プレイのテンポはいいように感じます。

 逆に、コントローラを置いてじっくり悩むほどの謎解きはないので、その点は、パズル要素が好きな人は物足りないかもしれません。

 ただ、本作はギミックを解くと地形が派手に変化します。目に見えるフィールドの形が変わることで、どんどん自分で道を切り開いている感覚があり、謎解きに“手応え”があっておもしろいです。

『Hob』
▲ギミックは地形に働きかける派手なものが多く、フィールドの景色はどんどん変わっていきます。
『Hob』
▲新しいエリアが目の前に広がると、「山があるから登るんだ」という登山家のごとく探索意欲が湧いてきます。

 ゲーム的には、ギミックを攻略して行ける場所が増えるというオーソドックスな話なのですが、プレイしているとゲームの世界に引き込まれるものがあり、見せ方ひとつでだいぶ変わるんだなぁという実感があります。

 序盤と終盤では、フィールドの構造も画面に映る風景もまったく変わってくるので、このダイナミックさは『Hob』の大きな魅力でしょう。

『Hob』
▲景観を楽しむスポットが随所にあるものの、眺める景色はある意味で一期一会です。

 バトルに関しては、ローリングの無敵時間が長く、それでいてローリングをキャンセルしてすぐ攻撃に移れるので、アクションが得意でなくとも操作はしやすいと思います。

 ゲームの進捗によって取得できる“グローブアビリティ”が、ギミックとバトルの両方に活用できるのもいいですし、他にも追加アクション取得していけば、できることが増えてバトルが気持ちよくなってきます。

『Hob』
▲グローブアビリティを取得すると、新しいギミックを越えられるようになります。
『Hob』
▲アビリティは敵にも使えます。一筋縄で倒せない敵に出会ったら、試してみるといいかもしれません。
『Hob』
▲追加アクションは元からいくつか選択できますが、探索中に見つけることで、取得可能なアクションを増やせます。

 ただ基本的には、バトルは謎解きの合間のエッセンスという側面が強いです。バトルを主軸にしたゲームではないので、実際、本当の要所を除けば、かなり敵を避けて通ることもできると思います。

 ただ、アクションの手触りはいいので、敵を見ると条件反射で倒したくなってしまいますけどね(笑)。

『Hob』
▲寄り道をすると、少し強めの敵と出会うことが多いです。
『Hob』
▲難易度はいつでもオプションメニューから変更可能です。

初クリアまでのゲーム体験が丁寧に作られたタイトル

 本作は、ある意味で地味なゲームです。小説のようなテキストでシナリオを追えるわけでもなく、死にゲーのように難関バトルで派手な達成感を得られるわけでもなく、ハクスラのように際限なく遊べるやり込み要素があるわけでもない。

 けれど、じわじわと積み上げていくゲーム体験が、クリアした時にカタルシスとなって、心に植え付けられる。クリアまでの最初に味わうゲーム体験に、とても心を砕いて作られたゲームだと思います。

『Hob』

 プレイ時間は、そこそこに寄り道をしてほぼ10時間でした。何かの合間に少しずつプレイするには丁度いいボリュームだと思うので、ぜひダウンロードしてみてはいかがでしょうか。丁寧な作りなので、アクションが苦手な人にもオススメですよ。

(C) 2017 Runic Games, Inc. All rights reserved.

データ

▼『Hob』
■メーカー:Runic Games
■対応機種:PC
■ジャンル:アクションADV
■配信日:2017年9月27日
■価格:1,980円(税込)
※価格はSteamのもの。

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