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2018年7月14日(土)

【おすすめDLゲーム】『The Forest』で体験する森のサバイバルと洞窟探索のホラー。2つのゲーム性が楽しい

文:キャナ☆メン

 ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回は、PC用ソフト『The Forest』のプレイレポートをお届けします。

『The Forest』

 『The Forest』は、人食いミュータントが生息する森林を舞台にしたオープンワールド型のサバイバルホラーゲームです。

 墜落した旅客機の中で、1人目覚めた主人公のエリック・ルブラン。彼は、息子のティミーが謎の男によって連れ去られるのを目撃し、森林や地下に広がる洞窟を探索して息子の足跡を追います。

『The Forest』
▲暗くてわかりにくいですが、全身を赤く塗った謎の男が、墜落した旅客機から主人公の息子をさらっていくシーンです。

 地上ではクラフトを主体にしたサバイバルを、暗い洞窟では緊張感あるホラーを体験でき、幅のあるゲームプレイがおもしろさになっています。嗚呼……知らず知らず、時が過ぎていく!(笑)

森林を舞台にしたサバイバルは伐採からして楽しい!

 『The Forest』のタイトル通り、サバイバル生活に必要なクラフトでは、木に関連した素材がメインのリソースになります。

『The Forest』
▲サバイバルブックを開くと、さまざまなレシピを参照できます。そのほとんどに、丸太、枝、葉といった木に由来した素材が必要です。

 中でも大量に使うのは丸太ですが、本作は、木を伐採するアクションに、リアリティある手応えを感じる点がおもしろい!

 上手に伐採できるかは、斧の入れ方次第。闇雲に斧を振ってもなかなか木を切れず、逆にコツをつかむと気持ちよく木を切り倒せます。

『The Forest』
▲木を伐採することに爽快感があるゲームで、単調になりがちな素材集めにもおもしろさがあります。丸太を運ぶのは大変ですが(笑)。

 集めた素材から、家や家具、防壁に罠などいろいろなものを作り、場所もレイアウトも自由に拠点を築くことが可能です。

 ツリーハウスやジップラインなど、森らしさを味わえる設備もあり、拠点作りに凝り出すとついつい時間を忘れてしまうでしょう(笑)。

『The Forest』
▲カスタマイズできる家を作り始めよう! と思っても必要な丸太が多いので、最初は小さな拠点から始めるとプレイしやすいでしょう。
『The Forest』
▲滑走する疾走感が気持ちいいジップライン。場所によっては非常に便利な移動手段でもあるので、遊び心も利便性も満たされます。

 また、森には野生動物が数多くいて、その肉は貴重な食糧源に、皮は装備や道具などの素材となります。

 食糧の他、水の確保も欠かせず、時には防寒も必要となるなど、サバイバル性を感じる要素は十分。森の中で暮らしていくだけでも、楽しいゲームになっています。

『The Forest』
▲ウサギは皮をふくめて大量に使うため、罠を仕掛けると集めるのに便利です。

 そして、ゲームサイクルの刺激になっているのが、森をうろつく人食いミュータントの存在です。一番多く見かける人型のミュータントでさえ十分に強く、数の不利もあるので、襲われたら命がけという緊張感があります。

『The Forest』
▲人型のミュータントは、機敏な動きをするのが特徴です。囲まれるとかなり戦いづらいので、探索中などは素直に逃げるのが無難かもしれません。

 しかもミュータントは昼夜を問わず徘徊しているため、拠点を築いている時に襲われることも多々あります。

 日々の襲撃を防いで拠点を築き上げていく様は、墨俣城の逸話の如し。敵の攻撃をしのぐ苦しさがあると、拠点作りのやり応えと達成感が違いますね!

『The Forest』
▲木を切り倒しながら敵も斬り倒し、血に濡れた斧。ミュータントを返り討ちにしながら、コツコツと完成を目指します……!
『The Forest』
▲作業を進め、とりあえず休息が取れる設備まで作ると、気分はだいぶラクに。襲撃の危険を乗り切り、寝床や食糧などを確保していくサバイバル感が楽しいです。

洞窟の恐怖と緊張感。想像力をかき立てるストーリー

 地下に広がる洞窟は、人食いミュータントたちのホームグラウンドとも言える場所で、地上とは別世界とも思えるゲーム体験を味わえます。

『The Forest』
▲洞窟で地図を見つけると、手描き風のタッチでオートマッピングが行われます。

 洞窟に足を踏み入れると、視界は真っ暗。布を巻き付けて燃やした武器を松明の代わりにして、ようやく数歩先が見えてきます。しかし、そのわずかな光が何とありがたいことか……!

 とはいえ、洞窟の入り組んだ道の先には何が待ち受けるか予測できず、潜んだミュータントから奇襲を受けることもしばしばです。文字通りの“一寸先は闇”という状況に、奥へ進むほど恐怖が募ります。

『The Forest』
▲布を巻き付けて燃やした武器は、光源として使えるだけでなく、攻撃によって敵を燃やすこともできます。

 また、洞窟の中は道が狭くて戦いづらいため、ちょっとしたミスや油断が命取りになり、地上よりもミュータントが脅威となります。

 洞窟の探索中は、暗闇の奥にミュータントはいるのかいないのか……その緊張感が絶えません。

 それだけに生還できた時の安堵感が堪らず、だんだんと洞窟で味わう恐怖と緊張感がクセになっていきます。

『The Forest』
▲洞窟内に限った話ではないですが、ミュータントの中には人型よりも圧倒的に強い異形も存在します。その足音や叫び声を聞くだけで、絶望を感じる恐さ……。

 ちなみに、連れ去られた息子を探すというメインストーリーは、洞窟を探索してキーアイテムを得ることで進められます。キーアイテムの他にも数多くの手がかりが存在し、人物の背景や事件の裏側を知るためのヒントになっています。

 ストーリーについて特徴的なのは、セリフなどがなく、手がかりからプレイヤーに想像させる表現手法になっていることです。あえて語らない表現がホラー性を引き立て、事件の裏側にある狂気と不気味な雰囲気を味わえます。

 プレイヤー間の考察やディスカッションがおもしろい作品でもあるので、好みのタイミングで、ネットに上がっている考察を調べてみると楽しいでしょう。

『The Forest』
▲手がかりの一部は、地上で入手することもできます。なお、メモの右側に挟んだ雑誌の表紙を飾る男性と子どもがルブラン親子です。

夏にぴったりのサバイバル&ホラー体験を

 本作は、サバイバルを楽しむ一通りの要素がそろっていて、このジャンルが初めての人を含めて誰でも楽しめるゲームになっていると思います。そのうえで森でのサバイバルらしさが体験でき、タイトルにたがわぬ世界観やプレイを楽しめるのも魅力です。

 また、最大8人のマルチプレイに対応しているので、みんなで凝った拠点作りに挑戦したり、手強いミュータントと戦ったり、他のプレイヤーと一緒にサバイバルを楽しめるようにもなっています。

 迎えるエンディング次第ではクリア後もエンドレスに遊ぶことができ、ゲームを長く楽しめる1本です。森林を舞台にしたサバイバル生活とホラー、夏にぴったりの体験を『The Forest』で味わってみてはいかがでしょうか。

『The Forest』
▲雨が降った後に見えた虹を撮影。なお、本作は海外向けにPS4版も開発されています。

(C) Endnight Games. All Rights Reserved.

データ

▼『The Forest』
■メーカー:Endnight Games
■対応機種:PC
■ジャンル:アクション
■配信日:2018年5月1日
■価格:2,050円(税込)

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