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2018年10月17日(水)

『FGO』のディライトワークスで働く楽しさ、そしてNGワードとは? “肉”も魅力なキャリア相談会をレポート

文:電撃オンライン

 『Fate/Grand Order』の企画・開発・運営で知られるディライトワークスは、10月5日、同社での仕事に興味のある人に向けた情報交換や交流、キャリアの相談を目的とした“肉会(MEAT MEETUP) Vol.5 ゲームディレクター限定キャリア相談会”を開催しました。

“肉会(MEAT MEETUP) Vol.5 ゲームディレクター限定キャリア相談会”
“肉会(MEAT MEETUP) Vol.5 ゲームディレクター限定キャリア相談会”
“肉会(MEAT MEETUP) Vol.5 ゲームディレクター限定キャリア相談会”
“肉会(MEAT MEETUP) Vol.5 ゲームディレクター限定キャリア相談会”

 このイベントは、ゲーム業界関係者に向けたキャリア相談会で、トークセッションや懇親会を通じて、ディライトワークスで働くやりがいやおもしろさについて知ってもらうことを主な目的としています。第5回を迎える今回の“肉会”は、参加者をゲームディレクターのみに限定して開催された。

 トークセッションには、、Fate/Grand Order第2部開発ディレクター・叶良樹氏と、Fate/Grand Order北米版ディレクター・浅沼拓志氏が登壇。さらに、FGO PROJECT クリエイティブプロデューサーの塩川洋介氏もMCとして参加しました。

“肉会(MEAT MEETUP) Vol.5 ゲームディレクター限定キャリア相談会”

 最初にディライトワークスや登壇者に関する簡単な説明をはさんだあと、3人によるトークセッションが開始。この記事では、そのテーマにそってトークの内容をお届けしていきます。

FGO PROJECTにおけるディレクターの役割

“肉会(MEAT MEETUP) Vol.5 ゲームディレクター限定キャリア相談会”

 このテーマについて叶氏は、「“カラフルな黒子”のようなものですね」と話していました。ゲーム開発という裏方の存在ではあるものの、気配を消しても目立ってしまうからだそうですが、普段は『FGO』をユーザーに楽しんでもらうために、開発をどう進めるか、スケジュールをどう整えるかをはじめ、見えないところで頑張っているとのこと。

 基本は裏方ではあるものの、各種イベントでのステージやニコニコ生放送など、『FGO』のよさを伝えるために、どんどん表舞台に出て宣伝することも必要なことのひとつと言っていました。

 浅沼氏は、“黒子”という表現に同意しつつ、“FGO伝道師”であると自分の考えを口にしていました。

 一般の作品であれば、海外展開をする際に“配信する国に合わせた調整”をするのが当たり前としたうえで、「『FGO』の場合は、TYPE-MOONさんが作り上げた日本での感動体験を、可能な限りそのまま海外のユーザーさんに伝えるかに重点を置いています」とのこと。北米版ディレクターである浅沼氏ならではの視点でディレクターという仕事をとらえていることがうかがえるコメントとなっていました。

 さらに、塩川氏から「北米版で“伝道師”を務める中で、大変なことは?」と聞かれると、「キャラクターの持ち味などFGOらしさを、いかにそのまま伝えるかということです」と言い、具体例としてエドワード・ティーチの名前を挙げていました。

 エドワード・ティーチは、“デュフフ”や“拙者”のような、日本のオタク文化やネット文化を下敷きにした言葉を遣うキャラクターで、北米ユーザーの中にもそうした認知があるそうです。彼をはじめ、そのキャラの持ち味を消さないようなローカライズになるよう注意しているとのことです。

 うまく伝えられるよう、いろいろな言語に直してみるなどの工夫をし、キャラクターの魅力がうまく伝わった時は大変だけど、ディレクターとして一番うれしい瞬間だと話していました。ちなみにティーチの場合、結局“デュフフ”はそのまま“デュフフ”にしたそうです。

ディライトワークスでディレクターとして働く魅力

“肉会(MEAT MEETUP) Vol.5 ゲームディレクター限定キャリア相談会”

 続いては、“ディライトワークスでディレクターとして働く魅力”というテーマでトークを繰り広げました。

 叶氏は、「“おもしろい”を追求してゲーム開発ができる環境が整えられている点が魅力」と話しました。ディライトワークスでは、社長の方針もあって、ゲームをおもしろくすることに関して社内で横槍が入るようなことがないそうです。情報共有はしているそうですが、別のディレクターが作った作品を、かなり開発の進んだ状態で知ると、その自由度に驚くこともあるのだとか。

 浅沼氏は、北米版アプリの市場を1位の立場から俯瞰して見ることができたのは貴重な経験だと語ってくれました。

 また『FGO』は世界展開をしているため、ユーザーの反響を、北米以外に中国・台湾など世界中から得られることや、新規タイトルを作る中で、世界に向けた開発の体制を経験できること、国内で受けているものが世界でどのような反応があるかをリアルな情報として実感できることも、ディレクターとしては大きな魅力だそうです。

 浅沼氏は、そうした経験は、新規タイトルを作るうえで「国の文化や環境で変わらないおもしろさ、普遍的なゲームのおもしろさをどう追求するか」に生きてくるだろうと続けていました。

 塩川氏は、こうした浅沼氏の意見について「自分も、FGO PROJECTが成長していく様を見届けるなかで、ナンバーワンにならないとわからないこともあると感じています。そこは、知識だけでは身に付かない経験ですね」とコメントしていました。ディライトワークスには、同じような意識や視線を持つディレクターが多いそうで、塩川氏は「いろいろ助けられています」と話していました。

どんな人がディレクターに向いているか?

 続いてのテーマは、3人から見て“どんな人がディレクターに向いているか?”というもの。これについて塩川氏は「“裏切者”ですね」と話しました。と言ってもこれは、言葉通りに仲間を裏切る意味での“裏切者”ではなく、“ユーザーの予想をいい意味で裏切る人”とのこと。

 塩川氏にとっては、おもしろいゲームを作ることはディレクターとしては当たり前で、その上をどう目指すかがディライトワークスでディレクターをやっていくうえでは重要になると話していました。

 叶氏は、「『FGO』だと、2017年4月1日に配信した『Fate/Grand Order Gutentag Omen』や、2018年4月1日に配信した『Fate/Grand Order Gutentag Omen Adios』などのアプリは、ユーザーさんの予想をいい意味で裏切れたかなと思います」と振り返っていました。

 他にも、一部のイベントの復刻で新サーヴァントを追加したり、昨年のクリスマスイベントから第2部プロローグまでの流れなども、ユーザーの予想していなかった仕掛けであり、大きな反響があったと明かしていました。

 新規タイトルを作る浅沼氏は、ディライトワークスでは、“普通”にとらわれて予定調和でものを作ろうとすると、「それは本当におもしろいのか、なぜそうするのか」と追及されると話します。いかにおもしろいゲームを創ることに向上心を持てるのかがキーであり、そのような人にとっては最高の環境だと言うと、叶氏も「“普通こうだよね”という言葉は、ウチの会社ではNGワードですね」と話していました。

 塩川氏も同じ意見で、「(予定調和でものを作ることについては)シビアにチェックしています。その厳しさを楽しく思えるかどうかが、ディライトワークスで活躍できるかに関わると思います」と話していました。

ディレクター候補採用オーディションを開催!

 トークセッションのあとは、プロジェクトマネージャーのためのガイドブックの配布や、社内ボードゲームパーティーの開催などを告知。ここでは、次回“肉会”の開催が、11月2日に決定したこともアナウンスされていました。次回は、ゲームプランナー志望者に向けた説明会になるそうです。

“肉会(MEAT MEETUP) Vol.5 ゲームディレクター限定キャリア相談会”

 また、今後もユーザーに『FGO』を楽しんでもらうため、未来の『FGO』を担うディレクター候補を発掘する“三代目 Fate/Grand Order ディレクター候補 採用 オーディション”の開催も発表され、三代目 Fate/Grand Order ディレクターが着用すると思われる“3”とプリントされたTシャツもお披露目されました。

“肉会(MEAT MEETUP) Vol.5 ゲームディレクター限定キャリア相談会”

 なお、三代目とありますが『FGO』の第3部の展開などと関係はなく、叶氏は今後もディレクターとして活躍するので、安心してほしいとのことです。

肉料理を片手に和やかな懇親会に!

 トークセッションや各種告知が終わると、参加者には料理が振る舞われ、塩川氏、叶氏、浅沼氏を交えた懇親会へ。和やかなムードのなか、キャリアやゲーム開発に関して自由な議論が交わされていました。

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 懇親会では振る舞われたさまざまな肉料理の目玉は、何といってもマンガに登場するような見た目のインパクトの大きい“マンガ肉”! ひとつひとつは小ぶりでしたが、中身にギッシリと肉の詰まった食べ応えのある一品でした。

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