2018年10月25日(木)
新作『ぷよぷよeスポーツ』の開発経緯やキャラ選定を質問。『ぷよクエ』今後のアップデートにも迫る
10月25日に配信される『ぷよぷよeスポーツ』ならびに、運営中の『ぷよぷよ!!クエスト』についてのインタビューを掲載します。
『ぷよぷよeスポーツ』は、日本eスポーツ連合(JeSU)公認タイトルである『ぷよぷよ』シリーズをより多くの人に楽しんでもらうためのダウンロード販売専用ゲーム。定番の“ぷよぷよ通”ルールに加え、一発逆転が狙えて大連鎖が気軽に楽しめる“ぷよぷよフィーバー”ルールの2つが収録されます。
今回、『ぷよぷよ』シリーズ総合プロデューサーの細山田水紀さんに、2タイトルについて質問。開発中の出来事やeスポーツの最近の流れ、今後の運営についてお聞きしました。
『ぷよぷよeスポーツ』は試行錯誤から生まれたタイトル
――『ぷよぷよeスポーツ』を開発することになった経緯をお話いただけますか?
ゲームソフトだけの話ではないので、いきなり質問の回答から外れてしまうのですが、以前から『ぷよぷよ』を使ったゲーム大会をやりたいと思っていました。実際に秋葉原のイベントで大会を実施した際には、多くの方にご参加いただき大変盛り上がりました。
少し前に、セガ社内でエレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)に注力していくという話が持ち上がった時、「『ぷよぷよ』は向いている」という声があがりました。一般的にeスポーツというとコアな人が多額の賞金を懸けて戦うイメージがありますが、『ぷよぷよ』は幅広い層が遊んでいますし、認知度もある。日本ならではのeスポーツタイトルはあっていいと思っていたので、私からも手を挙げました。
――大会が先行して動いていたわけですね。
はい。ビジネス的な話になるのですが、eスポーツの大会を行うだけだと収支的にマイナスなので、普通であればなかなかやれません。そんな中で、他社さんがイベントを行うことを宣言し始めたり、統一団体の“日本eスポーツ連合(JeSU)”が立ち上がったりしていったため、セガとしても何か動くべきだという話となりました。
実は『ぷよぷよテトリス』は、eスポーツを意識しながら開発していたんですよ。Red Bullさんのゲーム大会“Red Bull 5G”やフジテレビONE“いいすぽ!”などで扱っていただき、その盛り上がりは肌で感じていたので……。大会をすることでトッププレイヤーを育てることができます。最近では高校生などの若い人や女性が出てくるなど、新たな世代のプレイヤーが生まれてきました。
その大会で使うソフトが『ぷよぷよテトリス』でもいいのですが、ちょっと参加してみたいと思った人に「3000~5000円出して、『ぷよぷよテトリス』や『ぷよぷよクロニクル』を買ってください」だと、ハードルがあるじゃないですか? 新たなチャレンジを行うのであれば、入りやすいものがあったほうがいい。でもタダでソフトを配布するわけにはいかないので、そこの折り合いをつけたかったんです。
――そこで新作の開発を考えたのでしょうか?
最近まで大会では『ぷよぷよテトリス』を使っていたのですが、発売されてから4年経っています。ゲーム大会を行うことでソフトが売れる、プロモーションにつながるならいいのですが、すでに購入している人も多く、これ以上のアップデートを行っていくことは難しいと判断しました。大会をすることは決まっていたので、我々としてeスポーツをさらに盛り上げるためにできることはソフトを作ること。ただ、フルプライスのパッケージを作ると開発費や開発期間がかなり必要になりますし、初めての方や久しぶりにプレイする方にも手が届きにくくなります。
そこで「コンセプトをしぼって、内容と価格のバランスがいいeスポーツ専用のタイトルを作って、できるだけ多くの人にプレイしてもらうのはどうですか?」と、弊社における開発の最高責任者である名越(編注:名越稔洋氏)と社長の松原(編注:松原健二氏)に直談判しに行きました。
――ということは、もともとはソフトを出す予定はなかったと。
もともと予定にはありませんでした。2人の反応は「いいんじゃない?」という感じでしたね。コンセプトとして、対戦に特化したタイトルを、『ぷよぷよ』シリーズや『ぷよぷよ!!クエスト(ぷよクエ)』で培ってきたものをうまく利用して作ることを想定していたので、それも伝えました。
実は事例がありまして、3DS『ぷよぷよ!!-Puyopuyo 20th anniversary-』のフルパッケージ版を出した約1年後に、1人用モードのみを収録した3DS『ぷよぷよ!!ミニバージョン』をニンテンドーeショップで配信したところ、めちゃくちゃ売れたんですよ!
――どれくらい売れたのでしょうか?
タイトルが出て1年くらいしてから、ダウンロード版を出してもよい状況になったので、サクッと起動して遊べるような感じもありつつ、これまでにないお求めやすい価格で遊べるものを用意したところ、すごい反響で、30万本以上売れました。このような趣旨のタイトルが求められていることも想像はしていましたが、そこで知ることができました。
結果的に、大会を行っていくうえで新たにゲームソフトがあったほうがいいのではないか?ということやそのタイトルを安価で提供して、その後すでに出ているスペシャルプライス版や今後の新作フルパッケージ版も購入して頂く道筋も作ることなどが合致して、ソフトの開発が動き出しました。
――これまでの『ぷよぷよ』シリーズと比べて、ルールをしぼった理由を教えていただけますか。
これはコストと期間の問題です。ルールを増やすとチェックの工程が増えるうえに、開発期間が長くなります。いろいろなルールを入れることも考えたのですが、今回は2つとしています。
大会は“ぷよぷよ通ルール”でやるのですが、皆で遊ぶ場合、キャラクターごとに特徴があって、盛り上がることができるルールがあってもいいと思いました。“ぷよぷよフィーバールール”は久々で、ぷよぷよチャンピオンシップに来た人からも要望が出ていました。今後大会が進化していくにはキャラの差があるということも考える余地があったので、現状の形にしています。
――試金石的な意味もあるのでしょうか。
ありますね。当初は“とことん”や“練習”などのモードを入れることも考えました。逆に、最小限の形にするということを考えた場合、すべてのキャラクターをなくして、さらに“通ルール”だけ収録することも考えました。
無料で配るようなタイトルであれば、極限まで割り切ることも必要だったかもしれないのですが、それだとタイトルとしての『ぷよぷよ』である必要性や魅力が少ないわけですし、未来もなくなるだろうと考えていました。そのバランスを見て決めました。
先ほどからの発言で、「コストをかけないように」と言っているのですが、開発メンバー個々の努力によって想定していなかったことも入れ込みました。地味にいろいろな要素があり、結局は結構かかっています。ハハハハハハ(笑)。
――具体的には?
例えばキャラクターに関する部分です。キャラクターのイラストを転用している部分も多いのですが、そんなことはありません。デザインこそベースはありますが、いくつか調整したりしているものや、演出などはそれぞれ細かく入れ込んだりしているので、新キャラ1人作るのと同等の工数がかかっている部分もあります。
――『ぷよクエ』キャラから登場するメンバーがいますが、こちらの意図は?
そんなことはないという方もいらっしゃるのですが、『ぷよぷよ』から『ぷよクエ』に行く人がいれば、『ぷよクエ』から入って『ぷよぷよ』に来る人もいます。同時に遊んでいる方もかなり多く、実際に『ぷよクエ』の1,900万ダウンロード達成はリアルな数値で、現在も多くの方に楽しんでもらっている『ぷよぷよ』シリーズ作品の中の1つでもあります。
これまでの『ぷよぷよ』シリーズで起こった歴史や現在、そして今後のことを考えた時に、『ぷよクエ』で初登場したキャラクターも出して行くべきと考えており、それによって『ぷよクエ』のユーザーの一部が『ぷよぷよ』に来てくれて、シリーズが発展していくならばそれは個人的にアリだと思います。
――キャラの違いはあるのでしょうか?
“通ルール”ではキャラに性能はありませんが、“フィーバールール”では落下してくる“組ぷよ”のパターンや連鎖タイプなどがキャラクターによって異なります。
――この価格にした理由を教えていただけますか。
先ほどもあったのですが、過去にスーパーファミコンで遊んでいた人や家庭用ゲーム機をもっていない人などに、大会のためのソフトにフルパッケージ&フルプライスの『ぷよぷよ』を買ってもらうのは、どうしてもハードルがあります。せめて映画館に映画を見に行くくらいの気軽な価格にしたかったので、1,999円(税込)としました。
さらに、『ぷよぷよ』やeスポーツを大きく盛り上げていくべく、期間限定キャンペーンで500円(税込)で販売いたします。正直プロデューサーとしては、この価格は個人的には少し下げすぎな気がしていて、社内でも「1,000円でいいのでは?」とも言われました。
――1,000円でも安いですよね。
eスポーツを盛り上げたいという趣旨で企画するにあたりタダで配ることも考えたのですが、それだと『ぷよぷよ』IPの今後によくないと考えました。また、“Free to Play”で利益を出す運営型タイトルにすることも考えましたが、結果的に運営をやっていくためのコストがかかりますし、もしやるのであれば、そこは時間をかけて企画を考えて、多くの人に長くプレイしていただけるようにやっていくべきだろうと思っています。チャレンジである今回は、できるだけ多くの人にeスポーツ、競技としての『ぷよぷよ』を楽しんでいただくということを前提に、「ワンコインであれば多くの人に買ってもらえる」という意見を反映して、期間限定で値下げします。
個人的にはこの値段であれば、2本購入しても1,000円(税込)なのでPS4とNintendo Switchのどちらも買いたいと思っています。『ぷよぷよ』を応援しようと思っている方や迷っている人には、ぜひそうしていただきたいです(笑)。
――オフラインでは8人によるトーナメントとなっていますが、この人数はアップデートで増えますか?
16人、32人を用意することも考えましたが、画面上のレイアウトの問題がありつつ、あとは「そんなに大人数でやるのだろうか?」ということも考慮しました。オンラインも当初は考えたのですが、期間的な問題もあり、割り切ってこの人数にしています。
――オンラインのトーナメントの実施は予定していますか?
現状はやる予定はありません。この要素を入れるとUIやネットワーク動作の確認など、新規の機能を山のように入れることになる。その他にやりたいこともあったので、優先度を付けたものの、本作ではその機能を入れて期間内に完成させることや価格を下げることはほぼ無理だったので、今回は諦めました。
今回、開発にあたってはその途中でプロ選手にプレイしていただく機会を作って、その要望を聞いて、やりたいことのリストを作りました。また、本作はダウンロード専売ではありますが、WEBアンケートもできるのでぜひご感想やご要望をお聞かせください。いろいろな機能など、今度も絶対にやらないというわけではなく、遊ばれた方の意見で多くあれば、シリーズの次回作などで生かしたいと考えています。
――『ぷよぷよeスポーツ』アーケード版についてご説明いただけますか?
実はAC版は昔から考えていて、2006年に『ぷよぷよ』シリーズのプロデュース担当になったタイミングから、現セガ・インタラクティブの代表取締役社長CEOである杉野(編注:杉野行雄氏)に「アーケードをやりたい」と言っていました。『ぷよぷよ』シリーズとしてはメダルゲームで『メダリンク ぷよぷよ!The Medal Edition』を出したり、ゲームセンターで初の基本プレイ無料の『ぷよぷよ!!クエスト アーケード』を展開したりました。
『ぷよぷよ!!クエスト アーケード』はAC用タイトルで基本プレイ無料という、これまでに前例のないことを行ったのですが、賞をいただいたり、他のタイトルのマネタイズで参考にしたりとかもあり、すごく好調でした。これまであまり行くことがなかった人がゲームセンターに行くきっかけを提供できたと、考えています。
――確かに、『ぷよぷよ!!クエスト アーケード』を遊びに行って、他のゲームをプレイしたり、UFOキャッチャーを遊んだりしてもらえれば意味にはありますね。
そうですね。このアーケード版についてはセガ・インタラクティブで現在開発中ということもあるので、多くは言えないのですが、2019年の春以降で稼働予定です。こちらについては大きく変わったことをやるつもりはなく、『ぷよぷよ』が普通に遊べるというコンシューマライクな遊びを用意する予定です。
3回目の『名探偵コナン』コラボが行われる『ぷよぷよ!!クエスト』
――夏に『エヴァンゲリオン』とのコラボがありましたが、いかがでしたか?
前のインタビューでもお話したのですが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の予告が公開されたタイミングということもあり、ものすごく反響がありました。ユーザーアンケートでも人気が高かったタイトルということもあり、かなり楽しんでいただきました。
魔導石ガチャにおいては、10連ガチャを回していくことで手に入る『エヴァンゲリオン』サイドのコラボキャラは手に入ったのですが、『ぷよクエ』サイドのコラボキャラは入らなかったという声もありました。僕もなかなか出なくて、むきになって回しましたね(笑)。
反響は大きかったので、可能であればまたご一緒できたらと思っています。
――先日の生放送で発表されましたが、『名探偵コナン』コラボの第3弾が行われます。やはり1回目や2回目の時の反響が大きかったのでしょうか?
おかげさまで、毎回好調で大変大きな反響をいただいています。おそらく『ぷよクエ』ユーザーとの相性がいいんだろうと思います。
今回は、世良真純と服部平次が出ます。さらに工藤新一も登場します。
――工藤新一が出ることに驚きました。
そうだと思います(笑)。工藤新一は★7まで進化します。また、今回は多大なる関係者のみなさんにご協力いただきまして、今回ボイスを収録させていただきました。
――ボイスは今回のキャラのみになるのでしょうか? 以前のキャラにもボイスが入るのでしょうか?
これまでのキャラにも入るので、過去のコラボで登場した怪盗キッドや少年探偵団など、『名探偵コナン』サイドのキャラすべてにボイスがつきます。ただ、犯人と『ぷよクエ』サイドのキャラはそれ用に収録していないので入っておりません。
――今回はどのような物語が展開するのでしょうか?
サタンが米花町でちょっとしたことをして、事件が起こります。また、推理要素もちょっとだけ入っています。その推理にからんで、クルークが探偵っぽい服で登場するという流れです。
――以前のイベントも配信されるのでしょうか?
はい、過去2回のものも復刻しているので、今までのコラボを遊んでいない人も今回から楽しんでください!
――次にボイスが入るキャラは?
実はいろいろとボイス収録をしました。……直近では先日イベントが行われた魔獣ガールズのモニカ、ヴィヴィアン、レミ、ウーニャ、ネウラに声が入ります。
――次に★7が実装されるシリーズは?
あとでもお話する“ぷよクエカフェ”とのコラボがあるので、“喫茶店の3人娘”シリーズを★7にできないかと相談しています。ただ、これ以外にもいろいろと考えているので、決まり次第、順次発表していきます。
――先日、“天使”シリーズのスキルテキストが変更されましたが、こちらの経緯は?
“天使”シリーズのスキルですが、かなり前から出ているキャラなので、スキルの説明文が今の仕様と合わないものになっているため、整合性をとるために説明文を修正変更しました。
具体的には、初期実装では“デッキの先頭から順に復活”という復活優先順位が存在していました。その後、利便性向上のため、優先順位を改変しました。マルチプレイが実装された時点で、復活仕様との兼ね合いを考慮し、通常クエストとマルチとで優先度の仕様が別物となりました。
長年の運営にあわせて仕様を少しずつ変更していたのですが、カードの説明文だけは変えていない状態だったので、説明文を変更しました。もし今後も仕様と説明に違和感があると思った場合はぜひご指摘いただけると助かります。
――冬にアップデートが行われるということですが、こちらについてご説明いただけますか?
大きく2つあります。まずは、協力ボスチャレンジイベント“プワープチャレンジ”についてお話します。こちらは、いわゆる“レイドイベント”で、プレイヤー同士が協力して強大なボスキャラクターを倒すというものですね。ボスの体力ゲージはかなり多くてかなり手強いため、協力して挑みます。
――ラッシュイベントの、体力ゲージが1つになっているというイメージでしょうか?
イメージ的には近いのですが、ラッシュと大きく異なるのは、いきなりスキルを使えることと、ギルドメンバー以外とでも遊べることです。そして、チャレンジポイントガチャで報酬を手に入れてもらいます。
まだ内容を調整しているのですが、ひさびさの新規企画イベントで力を入れて作っています。続報にご期待ください。
――もう1つは?
とあるタイトルとのコラボを予定しています。長い歴史があり、多くのファンがいて、濃いファンもいるタイトルです。こちらもご期待ください。
新たな展開をしつつ『ぷよぷよ』の流れを続けていきたい
――“ぷよクエカフェ”ですが、メニュー募集の反響はいかがでしたか?
正直な話、「各地域で数点くればいいかな」と思っていたのですが、おかげさまで予想を超える多くのアイデアをいただきました。むしろ、想定以上に練られていて、選びにくいというものもありました。というのも、味やコストの都合もあり、商品を完成させるコックさんなどの意見を入れる余地のあるアイデアのほうが選びやすいんですね。
商品として提供できなくても、いくつかのアイデアについては賞品を出したり、コメントを出したりさせていただきました。
今回は東京、大阪、名古屋、福岡で行います。久々に開催する場所もあるため、日時を限定して、ぷよクエ生放送に登場する運営プランナーのハリガネスケルトンなどが登場するイベントもやろうかと思っています。あとは新規グッズや既存グッズなどの物販もあり、専用アイテムも販売する予定があるので、足を運んでください。
――eスポーツが昨今話題です。『ぷよぷよ』は以前から大会を行っていたこともあり注目されていますが、最近の勢いはいかがでしょうか?
『ぷよぷよ』は昔から多くの大会を開催しておりますが、今回新しく立ち上げた“ぷよぷよチャンピオンシップ”、“ぷよぷよカップ”などを一気に進めていることもあり、まだ手慣れていないこともあり、一部ご迷惑をおかけしていると思います。申し訳ありません。でも暖かいファンのみなさんに応援されて、大会は非常に盛り上がっております。
盛りあがりでいうと、動画のPV数がかなり伸びました。また、“ぷよぷよカップ”の参加応募者も常に定員数をオーバーしているようで、抽選とさせていただいておりますが、ランダムとはいえ抽選に漏れてしまった方は申し訳ないです。
――反響はあると。
ありますね。これまで浅草橋ヒューリックホールで行っていたのですが、10月度大会は大崎に移転したセガサミーグループ本社オフィスの講堂で行います。ビルからは車両基地が見えますし、鉄道を上から見れるので、大会以外でも見どころはあるかと(笑)。
他には、「うちの村や街でeスポーツをやるのでご協力ください」という案件もたくさんありますね。ちょっと驚いているくらいに来ています。あとは、首都圏のテレビ局はもちろん、地方のローカル番組などで『ぷよぷよ』を扱いたいというケースもあります。
――驚くほどですか。
海外だと、スポンサーがあって、プロモーションの一環としてやることがあるのですが、選挙広報として若い層を取り込みたいというイベントなど、タイトルのプロモーションに紐づかないところでもやっています。番組は増えていますし、イベントも増えています。
どっちが勝ったか負けたかがわかりやすかったり、もともとの知名度があったりするので、格闘ゲームだけでなく、『ぷよぷよ』も番組の候補にあがるようです。
――海外での展開は?
日本のファンと海外のファンで特徴や求めているものは少し違うという議論を海外の担当者としているのですが、海外版も出したいですね。アジアはもともと『ぷよぷよ』の土台があるのですが、欧米では『ぷよぷよフィーバー』以降なかなか展開できていなかったものの、欧米で『ぷよぷよテトリス』が売れたのは『テトリス』に引っ張ってもらったからというもの大きな要因だと思っています。ただ、コアなファンも多く、「WESTプリーズ!」という声も数多くいただいております。出したくないわけではなく、今検討しているところです。
もしかするとタイトル名が変わるかもしれないのですが、海外でもぷよぷよを多くの人に遊んでほしいと常に思っていて、日本国内版と遊べるようにするべく相談しています。
――『ぷよぷよ』についての締めのお言葉をお願いします
『ぷよぷよeスポーツ』とタイトル名に“eスポーツ”が入っているので、「eスポーツはコアな人がプレイするもの」とか「競技に興味ない」とか思う人がいるかもしれませんが、本作は初めてぷよぷよを遊ぶ初心者の方でもかなりシンプルで遊びやすい作りになっています。価格が安いのもなるべくハードルを下げるためにそうしました。
正直、内容を考えたら、期間限定の価格が1,000円(税込)でもいいと思うのですが、それだけ“eスポーツ”や『ぷよぷよ』が広がっていくことなど、いろいろな想いを込めているので、ぜひ多くの人に遊んでいただきたいです。それでおもしろいと感じたら、『ぷよぷよクロニクル』や『ぷよぷよテトリス』、『ぷよクエ』や今後のシリーズを購入したり、プレイしたりしてもらいしたいですね。
2021年で『ぷよぷよ』は30周年となり、先日202●年までの『ぷよぷよ』シリーズの中長期プランを考えました。自分で書いていながら、そこまでのプランが出てくることに驚きました(笑)。その中にはいくつものチャレンジも入っていて、今回の『ぷよぷよeスポーツ』もチャレンジの1つであり、今後の試金石になると思います。
個人的には、たくさん売れて「これはDLCなどをやらないともったいないですよ」、「次の展開もさらなるチャレンジをしていこう」という形にもっていきたいと考えています。キャラクターなどについてすでにご要望をいただいているので、そうなることでフォローができると思います。『ぷよぷよ』全体で盛り上げていきつつ、新しいことをやっていこうと思っているのでよろしくお願いします。
(C)SEGA
(C)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996
データ
- ▼『ぷよぷよeスポーツ(ダウンロード版)』
- ■メーカー:セガゲームス
- ■対応機種:PS4
- ■ジャンル:アクションパズル
- ■配信日:2018年10月25日
- ■価格:1,999円(税込)
- ※2018年10月25日~11月30日23:59まで、期間限定セールで500円(税込)
- ▼『ぷよぷよeスポーツ(ダウンロード版)』
- ■メーカー:セガゲームス
- ■対応機種:Nintendo Switch
- ■ジャンル:アクションパズル
- ■配信日:2018年10月25日
- ■価格:1,999円(税込)
- ※2018年10月25日~11月30日23:59まで、期間限定セールで500円(税込)
- ▼『ぷよぷよ!!クエスト』
- ■メーカー:セガネットワークス
- ■対応端末:PC
- ■ジャンル:RPG
- ■配信日:2018年3月1日
- ■価格:基本無料/アイテム課金