2019年4月4日(木)
『FFXIV』ピアノと歌と尺八、そしてオタマが15,000人の心を震わせた日本ファンフェス初日ライブ【電撃PS】
オンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV(以下、『FFXIV』)』の次なる拡張パッケージ『漆黒のヴィランズ』が発表された“FFXIVファンフェスティバル 2018-2019”。その最後を飾った日本ファンフェスでは、ランウェイを背にして約270度を15,000人の観客がぐるりと囲む巨大ステージで各種イベントが行われました。言うまでもなく、ファンフェス1日目のラストを彩った“スペシャルライブーピアノ”は、その目玉イベントの1つ。
本記事では、15,000人の光の戦士たちの心を旋律で癒やしたピアノコンサート……ピアノと、歌声と、尺八と、オタマトーンが共演した圧巻の舞台を、写真多めで振り返っていきたいと思います。本ライブでステージに上がったKeikoさん&スーザン・キャロウェイさん&辻本好美さんのコメントもいただいていますので、ぜひ最後までご覧ください!
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■THE PRIMALSライブレポート……近日公開
■出演者コメントをすぐ見たい方はコチラ
ピアノ:Keiko氏……日本を代表するピアニストの1人。『FFXIV』では、“From Astral to Umbral”や“Duality”でピアノアレンジを編曲・演奏しているほか、“ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル2016 in TOKYO”や“FINAL FANTASY XIV ORCHESTRA CONCERT 2017 -交響組曲エオルゼア-”でも楽曲を奏で、多くの観客を魅了した。ファンフェスティバル2018-2019では、ラスベガスと東京のピアノステージに参加。
ボーカル:スーザン・キャロウェイ氏……『FFXIV』では『新生編』“Answers”、『蒼天編』“Dragonsong”、『紅蓮編』“Revolutions”とテーマソングを熱唱してきたボーカリスト。過去すべてのファンフェスティバルで光の戦士たちに迫力の歌声を披露してきた。
尺八:辻本好美氏(“辻”の字は正しくは一点しんにょうのもの)……和楽器・尺八で洋楽も含むさまざまな楽曲を演奏し、世界的な知名度を得ている奏者。アメリカ、フランス、ドイツなどなど世界各国から招聘され、海外で多数の公演を行ってきた。『FFXIV』では、『紅蓮のリベレーター』のいくつかの楽曲で尺八パートを担当しているほか、3月6日に発売された“Piano Collections FINAL FANTASY XIV”では圧倒的な存在感で「紅の夜更け ~クガネ:夜~」を演奏。多くの光の戦士たちから絶賛の声があがった。
ピアノコンサートが始まる午後20時少し前。ステージ上では『FFXIV』グローバルコミュニティプロデューサーの室内俊夫氏とサウンドディレクターの祖堅正慶氏がフォーマルなスーツに身を包み、本ステージのMCを務めていました。もはや安心感さえ覚えるほどの軽快なやり取りでピアノライブの前説がなされ……その後、ステージ後方の花道から、ピアニストのKeiko氏と、これまでの『FFXIV』主題歌を熱く歌ってきたボーカリストのスーザン・キャロウェイ氏が登場。1曲目に備えて、静かに自らの位置につきました。
ピアノライブ最初の楽曲は、ご存知『紅蓮のリベレーター』主題歌。……祖堅氏&室内氏によるコメントを引用すると……。
祖堅氏(以下、敬称略):これ……“Revolutions”って、レボリューションとレボリューションズ、どっちの読み方で読めばいいんでしょうね。
室内氏(以下、敬称略):え、普通に読めばレボリューションズだと思いますが……。
祖堅:作曲者の植松(伸夫氏)さんに聞いても、「どっちでもいいよ」って言うと思うんですよ。
室内:じゃあそれをふまえて、今日のところはどう読むか祖堅さんにお任せしましょうか。
祖堅:わかりました。では1曲目にお届けするのはスーザンさんが歌う“レボリューションズもしくはレボリューション”です。お楽しみください!
……このようなやりとりで光の戦士たちから笑い声が上がり、ピアノライブは和やかな雰囲気のもとでスタートしました。
01 Revolutions (Vo.スーザン・キャロウェイ)
『紅蓮編』の冒険を振り返るにふさわしい1曲目に、会場からは拍手が巻き起こり……一瞬の静寂ののち、続けて2~3曲目が演奏されました。
02 忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~ (Vo.スーザン・キャロウェイ)
※こちらは公式からご提供いただいたお写真です。 |
03 古傷 ~ギラバニア湖畔地帯:夜~
3曲目終了後、祖堅氏が銀のトランクケースを持って再登場。咳払いをし、ケースを開け、彼が中から取り出したのは……知ってる人は知っている、例のオタマトーンでした。しかし、いつものオタマトーンのほかにもう1本、音が出しにくいと噂の大きめオタマも出てきて……。
祖堅:アメリカ、ヨーロッパ……これまでのピアノコンサート、オタマトーン一丁で回ってきました。日本に帰ってきて、いまフタを開けたらですね、オタマくんがですね……なんか、大きくなってますね。今日はこの、ちょっと大きくなったオタマとともに、ナマイ村があるヤンサのフィールド曲を演奏したいと思います。みなさま……笑いの準備は、よろしいでしょうか。
04 父の誇り ~ヤンサ:昼~ (with オタマトーン:祖堅正慶)
オタマトーンの扱いにも磨きがかかった祖堅さんによるパフォーマンスはもちろんのこと……今回はKeikoさんの“お顔芸”にも要注目。祖堅さんがトランクケースを持って登場したときの怪訝そうな顔、オタマトーンを取り出したときには「何やらかすつもりかしらこの人」といった不審そうな顔、盛大に音を外した演奏を聞いたときの“カッ”と目力MAXな顔、祖堅さんが裏声で演奏(?)し始めたときの「嗚呼……」といった顔、演奏後に祖堅さんがダッシュ退場したときには片手を上げて見送るなどなど、無言のツッコミ&パフォーマンスで祖堅さんとセッションしていました。もちろん場内は笑いと拍手で大盛り上がり。ちなみに今回の大きめオタマトーンは肩から下げられるつくりになっているため、“声演奏”時に声とオタマトーンの合奏が可能になっているのだそうです。ネタが進化してる……!
05 宵の海 ~紅玉海:夜~
波にゆらり揺られるような心地よいアレンジが加えられた紅玉海の曲。オーディエンスもじっくり聴き入っている方が多かったように思います。その後は祖堅さん&室内さんがステージに戻ってきて、しばしのトークタイムに。
室内:いやー、素晴らしい演奏でしたね。
祖堅:ヤバいですね。この1つ前に出てきたやつは一体なんだったんですかね。
室内:せっかくですから、スーザンさんもステージにお呼びして、お話うかがっていきましょうか。
(スーザン氏、ステージに登場)
室内:さて、スーザンさんもかれこれ3回目のファンフェスになるかと思いますが、再びこの場に戻ってこられて、ご感想などいかがでしょうか。
スーザン氏(以下、敬称略):今日この場に来られて、とても興奮しています。これだけの数のプレイヤーの方々がおられる大きなステージで歌えることに本当に感謝していますし、とても光栄で嬉しく思っています。
室内:いやあ祖堅さん、スーザンさんのシヴァ、素敵。
祖堅:シヴァは、歌い手さんが変わるとこうまで表情が変わるものなんですねえ。過去のファンフェスとはまたぜんぜん違った色合いの、素晴らしいシヴァでしたね。
室内:Keikoさんはいかがでしたか? 今日もまたずいぶんと前回より会場が広がっちゃいましたけど……!
Keiko氏(以下、敬称略):囲まれてますね。みなさん、見えてますかー?(観客からの大拍手)……よかった(笑)。
祖堅:僕の記憶が確かなら……15,000人の前でピアノを弾くっていうと、X JAPANのYOSHIKIくらいしか思い浮かばないんですよね。“YOSHIKIかKeikoか!”ってくらいの。なんかあるんですかね、そうなれる条件みたいなの。
室内:名前がアルファベットじゃないとダメとか……?(笑)
Keiko:アルファベットにしといてよかったです(笑)。
祖堅:そうそう、じつはみなさんに1つ言っておきたいことがあるんです。基調講演で公開されたクリスタリウムという街のウォークスルー動画で、綺麗なピアノが流れていたのを覚えてますか? あれね、じつはKeikoさんが弾いているんですよ。どこで使われるかは言わずに弾いてもらっていたんですけど。
Keiko:今はじめて知りました(笑)。
祖堅:お願いしたとき、僕が“いつまでに納品してほしい”って伝え忘れてたんですが……それを伝える前に「じゃあ明日までに納品しますね」って返事があって。「それだと僕が用意する資料が間に合わないのでもう少し時間ください!」というやりとりがあったくらい、仕事が早い(笑)。
室内:我々とKeikoさんも、もう長い付き合いになりましたね。
祖堅:そうですね。本当にありがとうございます。
Keiko:こちらこそ。ありがとうございます。
おおよそこのような流れがあって、話題は次曲の紹介へと移行しました。
「今日は思う存分魅了されてください。言ってる意味、きっとわかるよね?(笑)」という祖堅さんの言葉どおり、15,000人の光の戦士たちが両手を海藻のように揺らした6曲目は……。そう、ラクシュミ討滅戦。クライマックスには祖堅さんや室内さん、コージさん(ローカライズディレクターのコージ・フォックス氏)、北米コミュニティディレクターのマットさん(Matt Hilton氏)たちが“魅惑の抱擁”エモートを舞う一幕もありました。
06 美の謀略 ~蛮神ラクシュミ討滅戦~(Vo.スーザン・キャロウェイ)
07 Dragonsong(Vo.スーザン・キャロウェイ)
続いては『蒼天編』のメインテーマ“Dragonsong”。これまでの冒険の中でとくに光の戦士たちの思い入れが強いであろう曲なだけに、イントロが流れたときは「おお……」という喜びのどよめきも場内から聞こえました。
08 龍の尾 ~神龍討滅戦~
“Doragonsong”が終わり、スーザンさんがステージを後にします。それを見送ったKeikoさんが次に演奏したのは……4.0メインストーリーのクライマックスを彩った“龍の尾”。ボーカルなしの曲でありながら、プレイヤーによる楽曲総選挙では第3位を獲得している人気曲です。ピアノアレンジ版はKeikoさんの超絶技巧が光る1曲に。
演奏後、しばしの静寂。そののちに場内に響いたのは、力強く伸びる笛の音……。『紅蓮編』を代表する1曲“紅の夜更け ~クガネ:夜~”が、ピアノ&尺八の共演で奏でられました。“Piano Collections FINAL FANTASY XIV”の最後に盛り込まれたこの曲は本当に素晴らしい“衝撃”なので、ファンフェス会場に来られずCDもお手元にないという方がもしいたら……騙されたと思って音盤購入のうえ、ぜひ一度は体験してみてほしいです。
09 紅の夜明け ~クガネ:夜~ (with 尺八:辻本好美)
場内がひとつとなって拍手の嵐が巻き起こるなか、ランウェイを歩いてKeikoさんと辻本さんが去り、ステージの照明が落とされます。あとに残るのは漆黒に輝くグランドピアノのみ……。ですが、これで終わりでないということは、光の戦士たち全員が予感していた様子。鳴りやまず続く拍手。アンコール。ややあって、ステージにKeikoさん&祖堅さんが登場し……この日最後の曲が奏でられたのでした。
10 万世の言葉 ~禁書回収 グブラ幻想図書館 (※連弾 with 祖堅正慶)
「これ譜面真っ黒なんだよ! 編曲したKeikoさんはいいけど、素人の俺が弾けるわけないじゃん!?」と笑いながら言う祖堅さんを、「いやいや、めっちゃ弾けるじゃないですか。いつもなんだかんだで弾いてらっしゃいますよね? 原曲作ったんだし、いけますよ」となだめるKeikoさん。そのやりとりを見て、場内の光の戦士たちは「祖堅さんがんばれー!」と口々に声援を飛ばしていました。
そして演奏がスタート。祖堅さんはピアノを尻で弾いたり視線を客席に飛ばしたりピアノにがばっと突っ伏したりといつもどおり破天荒なパフォーマンスでオーディエンスを楽しませていましたが、途中で人差し指を立てて“もう1テイク”の合図をしたあとは全力で演奏。見事に弾き切り、会場15,000人から大きな拍手を獲得していました。
01 Revolutions (Vo.スーザン・キャロウェイ)
02 忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~ (Vo.スーザン・キャロウェイ)
03 古傷 ~ギラバニア湖畔地帯:夜~
04 父の誇り ~ヤンサ:昼~ (with オタマトーン:祖堅正慶)
05 宵の海 ~紅玉海:夜~
06 美の謀略 ~蛮神ラクシュミ討滅戦~(Vo.スーザン・キャロウェイ)
07 Dragonsong(Vo.スーザン・キャロウェイ)
08 龍の尾 ~神龍討滅戦~
09 紅の夜明け ~クガネ:夜~ (with 尺八:辻本好美)
※「辻」の字は正しくは“一点しんにょう”のもの
10 万世の言葉 ~禁書回収 グブラ幻想図書館 (※連弾 with 祖堅正慶)
こうして、鳴りやまない拍手のなか日本ファンフェス初日のピアノライブは幕を閉じました。ファンフェスのピアノコンサートは、演奏自体の素晴らしさもありつつ、随所にパフォーマンスが盛り込まれた内容で僕ら光の戦士たちに届けられます。そこに込められているのは、きっと演奏を聞かせるだけにとどまらない“音を媒体として、来てくれた人に最大限ステージを楽しんでもらおう”という、出演者さんたちの心意気。
Keikoさん、スーザンさん、辻本さん……そしてもちろん祖堅さんも含めたすべての演者さんたちが楽しみながら音を奏で、その楽しさが如実に伝わってくるからこそ、僕ら光の戦士たちは彼らの演奏で、歌で、パフォーマンスでなぜだかうれしくなり、感謝を込めて自然と大きな拍手を返してしまうのかもしれませんね。
もしこの日ライブを体験できなかった方も、もしかしたらいずれまたこんな雰囲気を感じられる機会があるかも? どうかその日を楽しみに『FFXIV』ライフを送ってほしいと思います。
【スペシャルライブ-ピアノ 出演者コメント】
Keiko氏(ピアニスト)
ファンフェスにかかわったすべての皆様、お疲れ様でした! “Oblivion”はもともと好きな曲だったのですが、今回スーザンさんの素晴らしい歌声で初めて弾けた1曲でしたし、“クガネ”は尺八の辻本さんの力強い息吹を吹き込んでもらい、最後は祖堅さんとの楽しい連弾“グブラ幻想図書館”! 15,000人の前での真顔でお尻ピアノという……(笑)。オタマトーンといい、さすが祖堅さんです。
盛り沢山でしたが、無我夢中で演奏したのであっという間の時間でした。“ラクシュミ”を演奏した時に、光の戦士達が笑顔で踊ってくれていた『FFXIV』愛にあふれたあの空間は一生忘れません!
『FFXIV』の美しい音楽を、これからも紡いでいけたら嬉しいです。
スーザン・キャロウェイ氏(ゲスト・ヴォーカリスト)
『FFXIV』ファンフェスティバルに参加できることは、常に私にとって名誉なことです。この素晴らしい作品に参加できてとても光栄に思います。
今回は非常に優れたミュージシャンの皆さんとともにステージに立つことができました。彼らの素晴らしい才能に感謝したいです。そして何より、私の歌声を求めて下さるファンの皆さんに感謝したいです。皆さんに評価をしていただき、また心から支持していただいたからこそ、この素晴らしい経験ができたんだと思います。
私にとって、一生心に刻まれるであろう経験でした。
辻本好美氏(尺八奏者)
今回が私にとって人生初のファンフェスだったのですが、「とにかく楽しかった!」というのが一番の感想です。
何より、会場全体が一体となったあの素晴らしいステージで、素晴らしいピアノの音とともに「クガネ」を演奏できたこと、本当に光栄でした。
祖堅さんをはじめ、演奏をご一緒させていただいたKeikoさん、スーザンさん、スタッフの皆様、会場の皆様に心から感謝です! 本当にありがとうございました!!
次回もパワーアップして、是非参加したいです! また会場で皆様とお会いできますように♪
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