対人戦の予行練習で戦術を学んでおこう─『Halo Wars』プレイレポート後編─

 Xbox LIVEで体験版のダウンロードも始まり、すでにプレイされている戦士諸君も多いはず。今回は、対人戦である“スカーミッシュ”に焦点を当てて、“UNSC(国連宇宙司令部)”、“コヴナント”両軍の違いと戦略についてレクチャーしていく! 総員、電源入れ! コントローラ抱え! すでに世界のプレイヤーとの戦争は始まっているのだ!

鶴岡八幡

 RTSのおもしろさに目覚めつつある重度の『HALO』中毒患者にして原理主義者。毎晩仕事が終わってからオンライン対戦で海外の子供たちとたわむれ、悲鳴と悪態を聞くのが無上の喜びという、かなりアブない嗜好の持ち主。よい子はマネしちゃダメ!

よしつね

 自分のプレイを録画して研究するほどのアツさでゲームに取り組むミドルエイジゲーマー。ロジカルな思考から繰り出す戦略は見るべきものがあるが、それがなかなか戦果につながらないのは、年齢のせいなのかプレイヤーとしての基本性能のせいなのか。

今回は操作にも慣れてきたことですし、対人戦モードである“スカーミッシュ”に挑戦していきたいと考えているわけで。

製品版だと3vs3といったバトルも展開できるみたいだけど、体験版ではとりあえず1vs1で、CPUとしか戦えないから、練習と割り切って遊ぶのがいいだろうね。まずは、自軍のリーダーを選んでみて。体験版だと、“UNSC”側はカッター艦長、“コヴナント”側では悔恨の預言者2択だけど。

ねぇねぇ、“フラッド(※)”はいないの?
※フラッド:“コヴナント”と人類共通の敵。寄生生物で、生物なら何にでも寄生することができる。

いるわけねえだろ! あのショウガみたいなヤツが基地とかを作ったり、ユニットを生産したりするのかね?

いや、敵兵に寄生してどんどん数が増えるとか。

歩兵だけじゃないか! アホか!

冗談はここまでにして、とりあえず“UNSC”のカッター艦長から選んで遊んでみるよ。ボーナスは「すべての基地が1レベル上からスタート」ってあるけど?

リーダーにはそれぞれ、固有の能力があるのさ。カッター艦長の場合、普通の基地よりも、兵舎とかの施設を建てられるスペースの数が多いんだよ。だから“物資パッド”を多めに作ったり、“リアクター”を建造するスペースを確保できたりする、ってわけ。

ほほう、初心者にやんわり親切なリーダーみたいですな。とりあえずこいつで行っちゃいましょう。

『Halo Wars』画面写真

▲本作では、リーダーごとに特殊能力“リーダーパワー”やそのリーダーを選ばないと生産できないユニークユニットが用意されているので、それに応じて戦略やユニット運用が変わってくる。まだ明かされていない他のリーダーの能力も気になるところだ。

RTSの戦術を知ることで楽しさをアップさせよう

で、どのような戦術を取りたいのかな?

んーと、勝てる戦術。

漠然としすぎ! 勝敗を決めるゲームなんだから、勝つためにいろいろ考えないとだめでしょ。

そうはいっても初心者だし。

ええい、では説明してやる! 基本的にユニットの種類は3すくみの関係にある。車両ユニットは歩兵に強く、歩兵ユニットは航空ユニットに強く、航空ユニットは車両ユニットに強い。ここまではいいかな?

大丈夫、わかる。

で、“スカーミッシュ”で前回では紹介しなかった航空ユニットも登場するので、バランスよく使いながら、発見した相手のユニットに合わせて、相性のいいアンチユニットをぶつけていく、というのがセオリーになるわけ。

つまり後だしジャンケン最強ってこと?

いや、そうとも言えないのがおもしろいところなんだけど……。試しに、さまざまなRTSで使われる代表的な戦術の1つ、“ラッシュ”をやってみようか。低コストのユニットを大量に生産して、数押しで乗り切る速攻型の戦術なり。

やってみるなり。

『Halo Wars』画面写真

▲何はなくとも物資が重要。物資パッドを作るだけでなく、マップ上に落ちている“物資クレート”をすばやく回収して、基地の増設やユニット生産の効率をアップさせよう。

まず基地に“物資パッド”をいくつかと兵舎、テックレベルを上げるための“リアクター”を作っちゃおう。これぐらいなら手持ちの物資ですぐに作れるから。

テックレベルには、どんな意味があるの?

テックレベルを上げておかないと、基地やユニットのアップグレードができないんだよ。最低1つ、できれば2つは欲しいところ。

なるへそ。では仰せのとおりに建築します。

最初から生産されている“ワートホグ”は、周囲の斥候と物資の回収を兼ねて基地の周りをウロウロさせるように。

へー、結構落ちているもんだね。

キャンペーンの時と違って、“ワートホグ”は強化しないと攻撃能力を持たないから、敵に攻撃されたらすぐに逃げないとだめだからね。

本当に偵察のみなんだね。

“ワートホグ”にガンナーを付けて攻撃できるようにしたら、次は“火炎放射兵”を5個小隊ぐらい作ろうか。

対歩兵用ユニットだね。歩兵が多いの?

まあ、それもあるけど、とりあえず“火炎放射兵”と“ワートホグ”2台でマップの北の方に行ってごらん。

あ、なんか建物と敵が。

そこは“物資エレベーター”と言って、歩兵タイプのユニットを配置しておくと無限に物資を供給できる場所なんだ。そこを確保しておけば、基地で生産する物資に上乗せして物資が供給されるから、生産スピードが上がる、というわけ。

「これさえあれば、わが軍はあと10年は戦える」ってわけですね。

若年層にはそのネタわからないから!

『Halo Wars』画面写真

▲物資エレベーターはマップの南北に1つずつ配置されている。自軍が確保することはもちろんだが、敵が確保している物資エレベーターを奪うことで生産効率をさらに上昇(敵を下降)させることも重要だ。

こうなるとだいぶ物資が安定するから、今度は進軍しよう。基地の空いているところに兵器工場を建ててみて。

これは何ができるの?

総合的な戦力強化かな。カッター艦長の特殊攻撃である“MACブラスト”の発射数を増やしたり、兵士の移動速度を上げたり。あとは基地の生産スピードアップとかも重要だね。今回は進軍スピードを上げるために、歩兵の移動速度を上昇させる“アドレナリン”を開発してみて。

ヤク打って特攻ですか、地球軍って厳しいですね。

そういう危険な発言は禁止! とりあえず基地の南東にある四角のマークに向かってみよう。

イエッサー。ありゃ、なんかほったて小屋が。

いや、それ簡易基地だから。とりあえず周囲の“タレット(自動機関銃)”を攻撃してから、基地を破壊しなさい。

なんか今回は指示されてばっかりだなあ。あ、基地を壊したらサラ地になった。

これでもう一つ基地を建設できるから、物資パッドを初めとした施設を増強できるよ。ちなみに基地間の切り替えは方向キーの左を使うべし。

おお、これは便利!

このまま火炎放射兵を強化し続けて、“ワートホグ”と火炎放射兵だけでも敵の基地を落とせちゃう。こういう低コストの大量生産と速攻を組み合わせた攻め手が“ラッシュ”ね。

理解した。でもせっかく優勢だし、他のユニットも作ってみていい?

どうぞどうぞ。特に“スパルタン”を試してみるといいよ。シールド付きの特殊歩兵で、攻撃力をアップさせると普通に強いんだけど、最大の利点は相手の車両、飛行ユニットを乗っ取れるというところなんだよね。

うわ、本当だ、敵の装甲飛行機“レイス”に取りついて殴ってる! 『HALO』っぽい!

いや、これ『HALO』シリーズだから。

そりゃそうだね。

あと覚えておくと便利なのが、LBやRBで部隊を選択した後、右トリガーでユニットの種類別に選択できることと、画面内にいるユニットをAボタンで選択する時に、Aを2回押すと同じタイプのユニットを全選択してくれること。これ結構重要だから覚えておいて。

前線にいる“スパルタン”だけ敵ユニットに向かわせる時とかは、これがあると便利だね。

『Halo Wars』画面写真

▲スパルタンが搭乗している敵ユニットには、スパルタンのアイコンが表示される。ちなみに搭乗しているユニットが破壊されてもスパルタンは脱出するので、敵軍にとってはやっかいすぎるユニットといえる。

“コヴナント”を操って戦ってみた&難度を変えてみた

よしつねさんっていうガイドがいてくれたからかもしれないけど、なんか普通の難度だと手応えが薄かった気がする。

難易度“ノーマル”の“コヴナント”軍は“ラッシュ”に弱いみたいだから、そう感じるのかもね。時間をかけて戦うと、結構手ごわくなったりするよ。あと“イージー”で遊ぶと、まったくといっていいくらい攻めてこないから、好きなだけ資源を貯めて、ユニットのテストをしてみるのもいいかもね。

じゃあ、逆に体験版では最高難易度の“ヒロイック”だと、どうなるかやってみますね。

うん、それがいいよ。違う戦術の勉強もできるだろうし(ニヤニヤ)。

……? まあいいや。さっきは“UNSC”だったから、今度は“コヴナント”で。あ、“コヴナント”だと、“ワートホグ”の代わりに“ゴースト”なんだね。最初から攻撃できる分、ちょっとお得だね。

あとは“シールドジェネレーター”で基地の防御力を上げられるのも利点の1つ。まあ、やることはUNSCとさほど変わらないから、まずは物資の確保と基地の増強、あと“タレット”の設営をしておくといいよ。

でも敵は攻めてこないのに“タレット”必要なの?

いいから作っておきなさい。

(開始6分後)

ギャー! もう基地が攻撃されてる!

ね? 必要だって言ったでしょ? ヒロイックだと敵が“ラッシュ”を仕掛けてくることが多いんだよ。だから、基本的に防衛ユニットを中心に組み立てて、資源をかき集めてアンチユニットや強力なユニットで迎撃して、そこから進軍するのがセオリーになる。この戦術を“ブーム”と言います。

はー、なるほど。とりあえずは迎撃中心ですね。

今回はスペシャルユニットを使ってみたいから、まずは倉庫を多めに作って物資をどんどん稼いでいこうか。あとはテックレベルを上げつつ、“神殿”で預言者の攻撃力をアップさせたり、マルチな活躍が期待できる“エリート儀仗兵”を中心に作ってみて。

物資エレベーターだけ確保したら、“タレット”の強化をしておきますね。

そうそう、そんな感じ。ただし敵がカッター艦長だから、基地の周りに敵兵がいると“MACブラスト”を受ける可能性があるから注意して。

先生、言うのが20秒遅かったです……。

あらま。

『Halo Wars』画面写真

▲カッター艦長のリーダーパワー“MACブラスト”は衛星軌道上からの地上攻撃。敵基地攻略などで威力を発揮する。 ただし斥候部隊を配置するなどして、攻撃目標が見えている状態でないと発射できない。

敵の車両ユニットが多すぎて対応できないのですが!

そういう時は、悔恨の預言者のリーダーパワー“浄化”を使うといいよ。資源を大量に消費して宇宙船からレーザーを発射するんだけど、こまめに発射、停止を切り替えれば節約しながら撃てるから、かなり有効。

了解ですばい。乗り物は作らなくていいの?

あのね、相手には“スパルタン”がいるわけ。この意味わかるかな?

あ、乗っ取られる可能性があるわけか。

正解。だから歩兵を中心に、乗っ取られないユニットを作れば安全ってわけ。

預言者と“タレット”を強化したら、ほったて小屋を攻めに行ってもいい?

OKだよ。ただ基地が攻められたらすぐに戻ること。状況確認のために、方向キーを使ってすぐに基地に視点を戻すといいよ。今回の戦い方だと、預言者がいないと守り切れないからね。ちなみに、分散している部隊をチェックする時も方向キーの右を使うといいよ。

あらゆる戦場の動向をチェックするのが重要という訳ですね。今回の場合だと、スキあらば戦車やら戦闘機“ホーネット”やらやってきますもんね。

“タレット”だけだと守り切れないこともあるからね。ワープさせるだけじゃなくて、カメラを高速で移動させたいなら、Lトリガーを引きながら左スティックを動かすと、カーソルが4倍速で動かせることも覚えておいて。

結構細かい操作があるねえ。

RTSに必要と思われる操作をパッドで全部こなせちゃうのが、このゲームのいいところだね。さっきからチョコチョコ説明しているけど、よく使われるショートカットなんかは一通り登録されているしね。さて、うまく基地を増やせたら、シールドジェネレーター付きの物資生産所として機能させるといいよ。あとは飛行ユニットの“エンジニア”を作ったら、いよいよ今回のビックリドッキリメカが発進します!

“スカラベ”でしょ? 楽しみ過ぎます!

しかも今回は2体出しちゃう! これ1体でユニット20体分使っちゃうけど、お釣りがくる活躍ですよ。しかも“スパルタン”に乗っ取られない!

乗っ取られたらゲームとして絶望ですよ。

ま、そうだわな。よし、完成したので敵陣に突っ込ませますよ?

ラジャー了解。

『Halo Wars』画面写真『Halo Wars』画面写真

▲すべてのユニットと建造物に対して、圧倒的な破壊力を見せる“スカラベ”のレーザー攻撃。また地形走破能力も優れているので、他のユニットなら回り道をしなくてはいけない地形も移動可能。受けたダメージは“エンジニア”で回復すれば問題ない。

拠点防衛用に預言者を置いて、“スカラベ”チームは“物資エレベーター”、基地の順番に蹂躙して回ること。

やばい、強すぎて笑っちゃう、どうしよう。

序盤をいかに乗り切るか、という問題をクリアすれば、この“ブーム”っていう戦術はかなり強いんだよね。相手の戦力や物資が下がったところを見計らって、強力なユニットで一気に押し切る。もちろん“UNSC”でも“スカラベ”の代わりに“バルチャー”とかを大量に用意すればこの戦術を応用できるってわけ。

相手の戦術をユニットや行動から予測して、即時対応していくのが勝利の秘訣ってことですね。

おお、成長したなあ! そういうことですよ。相手との読み合いと操作スピード、部隊を展開する指揮能力の高さが問われるゲームな訳です。普段プレイしない人にとっては、RTSと聞くだけで敬遠したくなるかもしれないけど、かなりとっつきやすくなっているわけですよ。しかも、本作は世界的に人気の『Halo』シリーズということで、かなり間口は広くなっている次第。初めてプレイする人にもオススメな1本ですよ。

まとめ

必勝パターンが無いという部分も含めて、非常にやり込みがいのある作品。RTSに必要な操作もうまくパッドで遊べるように落とし込んであり、マルチプレイになればまた戦略が深みを増して遊び方も多様になってくるはず。 ぜひオンラインのフレンドとチームを組んで、世界中の指揮官と戦ってみてほしい。そこにはまぎれもない“興奮”があるだろう。

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