どうしても「セクシーさ」にばかり目が行きがちな本作ではあるが、基本的なプロレス部分に注目していただきたい。待望のタッグ戦が可能になり、さらに磨きがかかった試合。キャラの種類もスーパースターモードの登場により、奥行きのある戦い方ができるようになっている。また、プレイヤーのオリジナルレスラー「ラムダ」が作成可能になり、世界に1人だけのキャラクターを作る楽しみが増した。そして何より、今後のプロレスゲームでは、その性質上かなり必要になってくる「声による連係」が取れるようになったのは大きい。これはXbox Liveを使ってのライブチャットだが、仲間同士でタッグを組む場合、また試合を盛り上げたい場合などに使用することで、あたかも自分がアリーナで戦っているような錯覚さえ起こしてしまうほど、臨場感あふれる試合を行うことができるのだ。これらの要素が1つの力になって集約された『ランブルローズ ダブルエックス』。プロレスゲームファンなら、プレイしないとギザヤバス! | ||||||||
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登場人物 | ||
男塾先輩 :電撃PlayStation編集部の至宝。 編集部の異端児として、某新聞社の山岡さんと同じくらいの扱いを受けるが、社をあげての企画「究極のプロレスゲーム」にたずさわり、その類まれなるプロレス脳を発揮。数々の困難を乗り越えてきた夢を見た。 本当はしがないイチ編集者。プロレスが大好き。ほしのあきも大好き。 格闘スタイル:コマンドサンボ 得意技:ビクトル膝十字固め、バーンナックル |
トニー・ホンダ :マスター・プロレス。 男塾先輩との衝撃的な出会いにより、彼に同調。以後、本誌のプロレス記事のほとんどを手がける。リアルプロレスに関しては、国内外問わず、幅広い知識と独自のネットワークを持つ。 格闘スタイル:ポリネシアン柔術 得意技:ポリネシアン背負い、毒手拳 |
アラケン :げっ歯類最強の男。 電撃PlayStationのニュージェネレーション。vs レジェンド戦において、その素早い動きと持ち前のガッツで応戦するも、先輩の放ったローキック1発に沈む。以後、先輩のもとでログハウスを建てたりしながら修行の毎日を過ごしている。 格闘スタイル:ルチャ・リブレ(ミニマム級) 得意技:トルニージョ、いいわけ |
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●最終話「nMWo結成!
男塾先輩よ、永久(とわ)に……の巻」 ――大会当日になり、表参道にあるXbox 360ラウンジへと向かう先輩。前日からの1人特訓もあってか、若干疲れも見え、その表情は硬い……。そして先輩の傍には、誰もいなかった……。 先輩:……ついに恐れていたことが現実のものとなってしまったか。エントリーはタッグで行うので、パートナーのいない先輩はここで試合終了……ってワケだな。ここ何日かの特訓がムダになってしまったな……。 ――スターバックスで飲めないコーヒーをチビチビやってる先輩。そこへ突如、表参道なのに流木が流れてきた! 謎の声:ケケケ。あきらめたらそこで試合終了じゃなかったのか? 先輩:! お、オマエは……アラケン!! アラケン:まったく、アンタが余計なことするから、またプロレスゲームやりたくなってきちゃったじゃねぇかよ! 先輩:アラケン……。 アラケン:こうなったら、責任とってもらうしかねぇな。オレがアンタと組んで大会に出場するってのはどうだ? 先輩:アラケン……。それじゃダメだな。 アラケン:! オ、オイ、人がせっかく……。 先輩:出場するだけじゃダメだな。……優勝しないと意味がないんじゃーいっ!! アラケン:アンタって人は……どこまでもでっかい男じゃのぅ(涙)。 ――こうして先輩は、タッグパートナーにアラケンを選び、無事大会にエントリーするのだった。
アラケン:連係というか……アンタと組むこと自体初めてだからな。1からやったほうがいいんじゃねぇか? 謎の声:フフフ。だいぶ困ってるようですね。なんなら、僕らが練習代になってあげますよ。 先輩:! そ、その声は……トニー!! トニー:結局来ちゃいましたよ。先輩がここに来れば、プロレスゲームの未来がわかるっていうから……。 先輩:トニー……。オマエってヤツは……。 トニー:先輩には責任を取って、優勝してもらわないといけないってワケですよ。そのために練習してもらわないと。 先輩:……いや、それだけじゃダメだな。 トニー:! アンタ、この後に及んで……。 先輩:俺とオマエで……決勝やらないと、プロレスゲームに未来なんかこないってワケですよ……(先輩後ろを向いて、涙をこらえる)。 トニー:アンタって人は……よし、俺たちは、たった今、この瞬間からチームだ! もう迷いはしない! 俺たちで夢の決勝戦を行うんだ! アラケン:ケケケ。俺もその夢、乗っからせてもらうぜ。 先輩:オマエら……よし! 俺たちは強い! トニー&アラケン:俺たちは強い! ――この瞬間、先輩、トニー、アラケンの3人による歴史的な一瞬、「表参道桃園の誓い」がとりおこなわれたのだ! アラケン:俺たちで会場のヤツらのド肝を抜いてやろうぜ! トニー:ってことは……俺たちはさしずめヒールってことにしておいたほうが、設定的においしいかも。 先輩:うむ。では、今、このときより俺たちは電撃ヒールユニット軍団「nMWo(new Media Works order)」とする! トニー:突発的とはいえ、なかなか突っ込みどころの多い名称ですね。 先輩:まぁ、こんなもんだろ。 アラケン:オイオイ、時間がないぞ。 先輩:では、これから最終特訓に入る!!
――そしてさらに月日は流れ、3年後の夏―― |
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●第2話「トニー・ホンダ登場! 恐怖の紅影シスターズの巻」 ――大会を前日にひかえ、先輩はいよいよあせっていた。 先輩:……マズイ。非常にマズイぞ、これは。明日大会というのに、先輩のパートナーがまだ決まってないというのはマズイ……。というか、先輩がいくら1人で練習しても、タッグの連係とか練習できなかったら意味ないじゃん。どうしたものかのぅ……。 ――そんな先輩のもとに、一通の手紙が届く。 先輩:おおぉ! これは先輩のかつての仲間からではないか。ついに来たか! どれどれ……。
先輩:おお! トニーが動いてくれたか!! 彼がいれば鬼に金棒。頼もしい限りだわい。では、早速指定された場所に行くとしようか。 ――先輩はトニー氏が指定した特設会場に向かった。 先輩:しかし……打ち合わせだけなら、こんな場所に来る必要もないと思うが……。まぁ、トニーが考えることなら間違いはないだろう。さて、指定された場所に着いたが、トニーはどこかのぅ。 謎の声:ククク……飛んで火に入る夏の虫とは、まさにこのことだな。 先輩:むっ! 何ヤツ!? トニー:先輩、お久しぶりですね。トニーですよ。 先輩:おぉ! トニーではないか! 久しぶりだのぅ。 トニー:えぇ。先輩も相変わらず元気そうで何よりですね。 先輩:ところでトニー、ほかのメンツはどうしたのかのぅ? トニー:……ほかのヤツらは、来ませんよ。 先輩:どういうことだ? トニー:先輩、アンタのつまらない幻想には、もう付き合ってられないってワケですよ。アンタにはここで選手生命を絶ってもらいますよ! 先輩:! い、いったいどういうことだ!? トニー:アンタがいくらがんばったって、プロレスゲームは本誌でも扱いが小さく、プレイ人口は減るばかり……。どうせもうプロレスゲームは終わりなんだ! だからもう、アンタに頼る必要もないってワケですよ。なので、ここで俺が引導を渡してあげるってワケですよ! 先輩:な、なにを言っているんだトニー! プロレスゲームをあんなに愛していたオマエが、そんなことを言うなんて!? トニー:……まぁ、最後にこの『ランブルローズ ダブルエックス』で対戦して、引導を渡してあげますよ。……これが先輩と俺とのラストマッチってワケですよ!! 先輩:(……くっ、戦うしかないのか。目を覚ましてくれ、トニー!) ――こうして先輩とトニーは、仁義なきプロレスゲーム代理戦争を始めるのだった! トニー:ルールはタッグマッチ20分一本勝負で。試合会場はスカイスクレイパー。 先輩:(スカイスクレイパー? なぜそんな会場にするのだ?) トニー:こっちは紅影でいきますよ。先輩も早く決めてください。 先輩:む? 紅影1人だと? どういうこと……いや、違う! 紅影の2人タッグだとーっ!?
トニー:(ククク……まんまと引っかかりやがったな) 先輩:それではバトルスタート! ……って、なにーっ!!!! 麗琥が凶器を持ってないーっ!?
トニー:まずはこちらの計算どおり。アンタの考えることなんて、すべてお見通しだ! 先輩:さすがトニー。頭がきれるのぅ。しかし凶器がないからといって、そんなことくらいでは先輩は動揺せんよ。貴様にヒールファイトの真髄を教えてくれるわっ! ――先輩、麗琥を使って打撃コンボからコーナーにもたれかかった紅影Aを、さらにボコボコにする! トニー:ルール無用の残虐ファイトってヤツですか…。おもしろい、そうでなくっちゃなぁ! ――トニー、攻撃を返して紅影Bと交代。 トニー:ククク……。ここからが本当の地獄ってヤツですよ。 先輩:! こ、これはっ!? ――トニーの紅影A、Bが場外でグルグルと周り、どちらの紅影が試合の権利があるのかわからなくなってしまった! 先輩:こ、これは……どっちの紅影に試合の権利があるのだ!? トニー:そうやって、いつまでも迷っていればいいさ! 食らえーっ!! ――紅影A、Bの連係攻撃にまったく手が出せない先輩。
トニー:もう降参ですか。先輩も案外たいしたことないですね。…じゃぁ、一気に終わらせてあげますよ!! ――トニー、紅影A、Bの連係攻撃を続ける。先輩のクレメッツ警部は翻弄されて動けず。 先輩:(まずは紅影A、Bを分断させるしかないようだのぅ。……アレをやってみるか) ――先輩のクレメッツ警部、キラームーブを繰り出して紅影Aをフォール! トニー:そんなことをしても、タッグではすぐにカットできるんだよ! ――紅影Bがすぐにカット! 先輩:ほぅ。しかし紅影Aはこれでひとまず引っ込めなければならないようだのぅ。
先輩:のぅ、トニーよ。 トニー:な、なんだ? 先輩:貴様が今リング上で見せた連係攻撃……もっと世の中のプロレスゲーマーたちに見せたいとは思わんかのぅ。 トニー:! だ、だまれ! 俺はもう、そんなことは諦めたんだよ! 先輩:(動揺しているな…。やはりまだ諦めきれてないようだのぅ) トニー:……まぁいい。これで決めてくれるわっ! ――トニー、紅影必殺の飛天召喚を繰り出す! 先輩:! きょ、巨大なカエルが現れて、クレメッツ警部を吸い込んだーーっ!! トニー:ククク……これで貴様も終わりだーーっ!! ――トニー、そのままフォールするも、先輩の麗琥がなんとかカット! 先輩:あ、あぶないところだった……。これでクレメッツ警部も虫の息。麗琥に頼るしかないようだのぅ。 トニー:お互い、まともに動けるのは1人ずつ……。勝負は次の一手で決まる!! ――トニー、素早いロープワークで四方八方から麗琥を攻撃! しかし、ここで先輩が技を返す! 先輩:トニーよ……。確かに貴様は頭も切れるし知識もある……。しかし、それだけではプロレスはできんよ。先輩にあって貴様にないもの……。それはなんだと思う? トニー:先輩にあって俺にないもの……? 先輩:それはな……どんな逆境にあっても決して諦めない心だーーっ!! ――先輩の麗琥、トップロープから華麗にフォーリンエンジェルを決めて3カウントを奪う!! トニー:バ、バカな!? あの波状攻撃を返してフォールを奪うだとっ!? ありえん……。 先輩:ありえんだと? トニーよ……。勝機はたった一瞬。その一瞬をものにできるかどうか、ではなかったのかのぅ。 トニー:……そんな昔に言ったこと、まだ覚えていたんですね。 先輩:トニーよ。確かに現在、プロレスゲームの世間的、編集部的な風当たりは強いと言わざるをえんよ。だがな、ここで先輩が諦めてしまったら、この国からプロレスゲームという文化が消えてしまうような気がしてのぅ……。 トニー:それは……わかってはいます。だけど、もう…この国の人たちは……プロレスゲームなんてやらないんだよっ!! 先輩:この……大バカヤロウ!! トニー:ぶべらっ! 先輩:……本当にこの国の人たちがプロレスゲームから離れていってしまうかどうか……。明日、表参道のXbox 360ラウンジに来れば、その答えが出るような気がするがのぅ……。 トニー:……先輩。 先輩:俺なら……自分の運命ってヤツにジャーマンスープレックスかけてでも変えてやるけどな! 明日、待ってるぜ……。 トニー:(先輩……。相変わらず恥ずかしいセリフをおく面もなく吐ける、その心意気。忘れかけた何かを思い出しましたよ……) |
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――はたして仲間たちはXbox
360ラウンジに集まるのか!? いまだにタッグパートナーのいない先輩は出場することができるのか!? そしてnMWoは、いつ結成されるのか!? 次回はついに最終回! 次回「nMWo結成! 男塾先輩よ、永久に……の巻」 |
先輩:さて……。これで準備はよし、と。今回の大会はかなり多くの応募があったみたいだから、どんな猛者どもが来るか、楽しみだわぃ。一応ウチからは電撃Xbox 360編集部とオンラインとマ王の3チームでエントリーしているからな。最低でも1位、2位、3位を独占しないと。「プロレスゲームは電撃!」と唱え続けてきたことが無駄になってしまう。 この手紙を読んだ、かつての先輩の仲間たちなら、きっと駆けつけて来て先輩を助けてくれることだろう。腕がなるのぅ!! ――そして大会2日前。 先輩:……おかしい。まったく誰からも連絡がない……。みんな先輩のメールアドレス忘れちゃったのかなぁ? ま、まぁとりあえず、大会は2日後だから、きっと大丈夫(←何が?)。こうなったら朝まで1人で特訓じゃーい! ――大会のレギュレーションはタッグ戦となっている。つまり、先輩1人では出場することすらできないのだ! 戦う前から絶体絶命の先輩。そして運命の出会いが訪れる!! |
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●第1話「恐怖の流木マッチ!? げっ歯類の王、アラケンのルチャ地獄の巻 」 先輩:うーーー。さすがに滝の上での特訓は体に堪えるのぅ。というかゲームの特訓なら編集部でよかったような気がするが、まぁいい。先輩は小さなことは気にしないのだ。さてと、「エキシビジョン」の「タッグ」を選んで、と。先輩のキャラは打撃の得意なアイーシャで。相方は……デキシーに。これでスペシャルタッグ「ロデオドライブ」の結成じゃーい!
――そのとき、激流に乗って流れてきた流木が先輩を襲った! 先輩:ぐわっ! な、なんだこの不自然な流木はっ! 謎の声:ケケケ……。こんなところでゲームをやっているとは不届きで世間知らずなヤツ。ここは俺様の縄張りだ! 先輩:貴様! 何ヤツ!? 謎の声:俺様はげっ歯類の王、アラケンさまだ! 先輩:!? よくわからん展開で多少たじろいたが、ただの小さい男ではないか。 アラケン:貴様! 今言ってはならないことを言ったな!! ヌッコロス!! 先輩:(……コイツを利用して、タッグの練習をするとするか。しかし、うまく乗ってくるかのぅ……。)オイ、ならばこの『ランブルローズ ダブルエックス』で勝負を決めようではないか。 アラケン:むむっ!? それはまさか、Xbox 360で3月30日に発売する、セクシーな乙女たちがリング上でくんずほぐれずの女子プロレスを行う『ランブルローズ ダブルエックス』ではないかっ!? 先輩:そうだ! さらに今回はPS2版にはなかった、クイーンズマッチやコスチュームパターンの増加で、よりセクシーさが増しているのだ! ほしのあきと同じくらいセクシーなのだ! アラケン:!! よ、よし。それで勝負してやろう。俺が勝ったら、貴様のマスクを剥いでやる! 先輩:では、先輩が勝ったら貴様のその前歯をいただく!! ――こうして『ランブルローズ ダブルエックス』を使った、人類史上初のデスマッチ「マスカラ・コントラ・マエバ」の火蓋が切って落とされた!! 先輩:ルールは10分1本勝負のタッグ戦だ。先輩は先ほど選んだ、アイーシャとデキシーのロデオドライブでいこう。 アラケン:ならば俺は、キャンディ・ケインとイーブル・ローズでいくとしよう。貴様に恐怖と絶望を与えてやるっ!! ――こうして運命のゴングが鳴った! 先輩:まずはアイーシャで様子見。相手はキャンディなので、最初から持っている凶器のギターには気をつけて……。 アラケン:シャーッ!! 先輩:のわっ!? いきなりギターで殴ってきた! こいつ、生粋のヒールだな!! アラケン:ケケケ、勝てばいいのさ! このままフォールしてやる!! 先輩:そうはさせん! ――ここで、先輩の控えのデキシーがカット!
先輩:ふん、こんなものこうだ! ――先輩、キャンディのギターをあっさり奪い取り、逆にボコボコに殴りだす。 アラケン:貴様! 卑怯だぞ!!!! 先輩:貴様に言われたくないわっ!!!! アラケン:ならば、こうしてくれる!! ――アラケン、先輩のアイーシャを場外に落とすと、そのままロープ越しにプランチャを決める! 先輩:ぐわっ! なかなかやるではないか。 アラケン:場外戦の恐ろしさ、とくと味わうがいい!! ――アラケン、四方から凶器を集めると、それを使って先輩をタコ殴りに!
アラケン:うるさい! 貴様なんぞに俺の気持ちがわかってたまるか!! 先輩:(こやつ……何か事情があるな)とりあえず、その凶器を放せ!! アイーシャコンボ!! アラケン:ぐわっ! 先輩:リングに上がってこい。ケリをつけてやる。 アラケン:ちょこざいな! 貴様ごときに…負けてたまるかーーっ!! ――アラケン、リングに上がるとイーブルローズにタッチ。先輩もデキシーに交代する。 先輩:ほほぅ。ちゃんとしたレスリングもできるではないか。どうしていままで凶器なぞ使っていたのだ? アラケン:るさい! 貴様みたいに何不自由なくプロレスゲームができるヤツに…俺の気持ちなんかわからねぇよ!! ――アラケン、キラームーブを繰り出す! 先輩:この、大馬鹿野郎ーーーっ!! ――先輩、キラームーブを返す!
先輩:貴様のように、ウジウジしているヤツに先輩が負けるわけがないだろう! アラケン:く…まだだ! まだ終わらんよ! ――アラケン、ダブルエックスムーブを狙うが不発! アラケン:なぜだ! なぜ発動しない!? 先輩:貴様は1つ、大きなミスを犯したのだ!
アラケン:チキショー! ならば……この動きについてこれるか!! ――アラケンのイーブル、物凄い速さでリングを縦横無尽に走り回る! 先輩:たぁっ!! アラケン:アベッ!! ――先輩のローキックが決まり、そのままフォール。ちなみに相方のキャンディはウェイト状態でカットできず。 アラケン:うわーーっ!! 先輩:結末はあっけなかったな……。 ――カウント3入り、先輩のチームの勝利! アラケン:いったいどうして……。ローキックなんぞで決まるのだ……。 先輩:知りたいか? それは貴様が未熟だからだ!! アラケン:!? み、未熟……
先輩:のぅ、アラケンよ。貴様、なんでプロレスを辞めたのだ。 アラケン:!! なぜ、それを……。 先輩:貴様のプロレスからは憎しみしか感じ取れん。プロレスに対して並々ならぬ恨みがあると見受けたが。 アラケン:……そんなことまでお見通しとはな。いいだろう、教えてやろう。 ~~アラケンの回想~~ アラケン:あれは俺がまだ中学生だったころの話だ。俺はそのころプロレスゲームが大好きで、各大会を総なめにしてきたのだ。今にして思えば、俺の最も輝いていた時期だな。そして俺は高校に入学し、全国を目指してプロレスゲームを極めようと特訓していたのさ。 先輩:(やはり……あのロープワークはただ者ではなかった。あれは経験者の動きだ) アラケン:だけど、そんな俺を裏切ったのは、ほかでもない……プロレスゲームだったのさ! 先輩:!? アラケン:プロレスゲームの大会規定で身長が足りなかったのさ……。おかしいだろ? 身長なんて関係ないだろって言っても、取り合ってくれなかったのさ……。そして、落ちるところまで落ちたってわけさ。 ~~アラケンの回想終わり~~ 先輩:そうか……。そんなことがあったのか。 アラケン:だからもう……プロレスゲームなんてやらないって決めたのに……余計なことしやがって! 俺はもう、プロレスゲームなんかやらねぇんだよ!! 先輩:このウスラトンカチがーーっ!! アラケン:ぶべらっ! 先輩:とんだ甘ったれ坊やだな。では貴様は一生そうやって腐っていればいい! アラケン:うるさい! 俺は…もう……プロレスなんて……。 先輩:諦めたら、そこで試合終了ですよ。 アラケン:!! 先輩:もし……貴様がもう一度プロレスゲームに命を賭けるというのなら、明後日、表参道のXbox 360ラウンジまで来るといい。 アラケン:……。 先輩:プロレス人生は……一度きりだぜ。 ――その場を立ち去る先輩。ただ呆然と先輩の後姿を見詰めるアラケン。 アラケン:(先輩……なんとでっかい男よ。アイツなら……もう一度、この夢、賭けられるかもしれんな……) |
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――はたして先輩は大会に間に合うことはできるのだろうか!? そしてXbox
360ラウンジには仲間たちが集まるのだろうか!? 風雲急を告げる次回は、いよいよ大会前日! 男塾先輩の前にかつてない脅威が忍び寄るのだった!! 次回「トニー参上! 恐怖の紅影シスターズの巻」 |