豊永利行さんが感じる“ガールズゲーム“の印象とは? インタビュー企画“KEY”連載3回目

原常樹
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 ガルスタオンラインのオリジナルインタビュー企画“KEY”。

 今回の全4回の連載では、豊永利行さんにお話を伺っています。

 前回のお話では、キャラソンについてお話いただきましたが、今回はご自身のアーティスト活動についてや、ガールズゲームというジャンルについての捉え方やスタンスをお話いただきました!

豊永利行さんが思う、ガールズゲームのイメージとは ~3回目~

──役としてステージに立つのが自然というお話も出ましたが、豊永利行というひとりのアーティストとしては自身の特徴・嗜好をどのように捉えられていますか?

豊永 自分の嗜好についてはなんとなくはわかっているつもりです。たとえば、好きな音楽性だったらスイングジャズが好きだったり……。歌唱表現が必要となってくるジャンルが好きなん
ですよね。加えて言えば、僕の耳に心地よい声質を持っている女性の方の歌い方がツボに入ります。椎名林檎さんとかがそうなんですけど……。自分でもそういう歌を歌いたいと思うときも
ありますが、性別が違うという絶対的な壁があって(笑)。

──さすがに性別差は乗り越えられない?(笑)

豊永 「あんなに高いキーであの表現はできない……」みたいな歯がゆさを感じることもありますが、それはそれとして男性の自分ができる最良のアプローチを探っているつもりです。それに自分が好きな歌い方と、自分が向いている歌唱法もイコールではないというのも事実。たくさんのキャラクターソングを歌わせていただく中で、結果的に自分の得意なアプローチ、苦手としているアプローチが把握できるようにもなったので、そこを念頭に置きつついろいろ模索している感じです。

──これまでのお話でも、自身の状況の把握というのは豊永さんがとくに重要視している部分のようにも感じます。

豊永 そうですね。個人の音楽活動をする上で、レーベルのT's MUSICのスタッフさんが僕にやらせたいことと、僕自身がやりたいこととをすり合わせられるように、ちょっと俯瞰の視点を常に持っていることが必要なんです……。まぁ、この業界には感性だけでとてつもないステージを作り上げる方もいるので、そういう本当の意味での天才を見るとうらやましくなりますね(笑)。

──そういったロジカルな視点を持つ豊永さんにとって、ガールズゲームというジャンルはどのように映っていますか?

豊永 男性なので細かい魅力についてはわかりませんが、自分の理想としている人物と恋愛がしたいという没入感を与えてくれるジャンルかなと……。普段の生活では言わないようなセリフもたくさんあるというか、普段言わないセリフだらけ。「女性の方はこう言われると喜ぶのか!」と勉強にもなりますが、まぁ、現実には言えませんよね(笑)。

──「そういうセリフを男性が言わない一方で、女性にとっても言われない」と女性の編集さんもおっしゃっていました。

豊永 たしかに(笑)。いわゆるキュンキュンする感覚は男性よりも女性の方がよく知っているのかなと。キュンキュンする感覚が鋭敏な女性たちから見て、理想のシチュエーションがいろいろ詰まっているというのがガールズゲームだと思いますし、それは男性から見たギャルゲーともまた少し違うと思うんです。このあたりはおもしろいところですけど。

──ガールズゲームも日々多様化しているイメージです。

豊永 ガールズゲームも大まかに分けると“自分が中に入って演者のように楽しむ作品”と“神視点で物語全体を楽しむ作品”の2パターンに分かれるように思いますが、いずれにしてもありきたりな作品ではユーザーの方を満足させられない状態だと思います。だからこそ、作り手側もゲーム性の部分をしっかりと調整したり、シナリオや世界観を作り込んだりすることで特徴づけをしていかなければならなくなっているので大変だなと。イチ役者としてはシナリオが潤沢になっていくのは、すごくやりがいがありますし、おそらく恋愛を楽しむだけではなく、世界観や物語を楽しみたいという方は年々増えているんじゃないでしょうか。

──おっしゃるとおりだと思います。

豊永 『ピオフィオーレの晩鐘』や『夢色キャスト』、『A3!』なんかはまさにそういったニーズに応える作品。どんどん作品も深くなってきていますし、コンテンツはもっともっと細分化していきそうな感じもします。そこに対してユーザーの皆さんがどのような感想を抱くのかもすごく興味がありますね。

──ゲームの収録はひとりずつだと思いますが、イベントなどで掛け合いをしてみたい役者さんはいらっしゃいますか?

豊永 うーん……。普段アフレコをするときも「この役は誰がやるんですか?」とうかがって、その人のアプローチを想像しながらやることが多いんです。そういう意味では受け身の姿勢なので、どなたが相手かで変わっていくもの。そしてその作業がすごく楽しいんです(笑)。自分からボールを投げなければいけないタイプの役もありますし、そういうときにこちらのお芝居をしっかりと受け取って返してくださる役者さんだと共演していてありがたいですね。どうしてもひとりずつのアフレコだと、相手がとんでもない球を投げているのに(相手のお芝居を知らなかったために)普通に返してしまっているときもあるので……。もちろん、ディレクターさんがバランスを調整してくださるんですが、そういう状況下でも一緒に遊んでくれる人の存在はありがたいです!

──イベントなどで一堂に会してお芝居をすると新鮮な感覚も?

豊永 いやー、楽しいですよ! 自分の役のことを考えるのはもちろん、ほかの役者さんと掛け合ったときに「あっ、そのキャラクター、そんなことも言うんだ」という発見もあったりして。もっともっと深め合っていきたいなという気持ちも強くなります。

──キャッチボールは役者のお仕事の醍醐味のひとつなんですね。それでは、最後にファンの方にひと言うメッセージをお願いします。

豊永 『ガールズゲームアワード2018』の声優部門で一位を獲得できたのは皆さんのおかげだと思っています。改めてありがとうございます! ガールズゲームというジャンルはありますが、どの作品でもお芝居をするというスタンスは変わりません。恋や愛に対する価値観に切り込んだ作品も多くありますし、中には夢のような妄想を具現化させてくれる作品もありますが、そんな願望に寄り添うために役者として日々研究していかなければならないと僕は思っています。「豊永利行はこれからどういう表現をしてくれるんだろう?」と楽しみにしてくださっている方の期待にも沿えるように日々チャレンジし続けていきますので、どうか温かく見守っていただけると幸いです! よろしくお願いします。


 インタビューは今回で最後になります。次回は、取材の裏側から見た豊永さんをレポートします。読者プレゼントもありますので、お見逃しなく!

インタビュアー:原 常樹
撮影:編集部

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