倒した敵が仲間になる理由にも闇が…。ゲームでは語られない、スクエニRPG『DI』裏設定
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- 長雨
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スクウェア・エニックスの『ディープインサニティ』は人々を覚めない眠りと狂気に導く“ランドルフ症候群”が拡大する世界を、時間軸の異なるTVアニメ、マンガ、ゲームのコンテンツで描くメディアミックスプロジェクトです。
本作のプロデューサーである石井諒太郎さんと、世界観原案並びにマンガ『Deep Insanity NIRVANA』の作者・塩野干支郎次さんに行ったインタビューを、全3回に渡ってお届けします。
第3回目は3作品のつながりなど、知るとより本作が楽しめる要素についてお聞きしました。
第1回、第2回のインタビューはこちら
塩野さんのお気に入りはマヌエラ
――塩野さんは、描いていて楽しかったシーンはありますか?
塩野干支郎次(以下、塩野)さん::マヌエラの出てくる場面は楽しいです。邪悪だけど明るくて、動かしやすい。
石井諒太郎(以下、石井)さん:彼女は出てくるシーンは明るいですよね。でも、絶対に腹黒い(笑)。
ゲームを作っている立場としても、両方で活躍する彼女が登場するのは嬉しいです。
――マヌエラのように、人物やシーンを覚えておくとアニメ版やゲーム版でニヤリと出来るようなシーンなどはありますか?
石井さん:共通のキャラやシチュエーションなど、各コンテンツを見ることでつながりが発見できることは多いと思います。
例えば、マンガに出てくるジェームズ・チャンは、アニメにも登場しますので、ぜひチェックしてみてください。
――まだ少し先にはなりますが、11月25日に発売となるコミック3巻の見どころについても少しだけ教えてください。
塩野さん:潜水艦を信奉するヤバい集団が出てくるところです。“スカード”ではなく人格のある人間と戦うシーンが多いので、これまでとは違う感じになるかもしれません。
――マンガは、独自の結末になるのでしょうか? それとも、ゲームやアニメとある程度すり合わせる形でしょうか?
塩野さん:時系列も探索している場所も違うので、どんな結末になっても影響は起こらないと思います。さまざまなリンクは発生すると思いますが、基本的には個別で完結する形ですね。
石井さん:マンガのキャラクターを今後ゲームにも出したいなという想いはありますが、まだ具体的には決まっていません。せっかく同じ世界観を共有しているので、切り分けた展開だけというのはもったいないと思いつつも、雑には扱いたくないので上手く考えたいです。
知ると楽しい作品間のつながり
――そろそろ、締めの質問に移ろうと思います。マンガとも深く関わるアニメ、ゲームの注目点を教えてください。
石井さん:アニメやゲームのなかにも、マンガに登場するキャラクターがたくさん登場します。
アニメは、マンガとゲームのあいだを繋ぐものとして作りました。一部のキャラクターの過去が明かされたり、コンテンツ間のリンクを見つけたりできるので、楽しみにしてほしいです。
またゲームは、アニメやマンガを読むことで、より理解を深めて遊んでいただけるかなと思います。
――いよいよ配信がスタートしたゲームの魅力も、ぜひ教えていただけますか?
石井さん:今回はステキな世界観や物語を楽しんでもらうため、“邪魔にならないシステムにしよう”というコンセプトのもとで作っています。
そのため難易度は高くなく、エリアを探索する、といった世界観を味わえるシステムも用意しているので、ぜひ“アサイラム”を体感してほしいです。
また、まだ言えない設定が多いですが、知っておくと「マジかよ」となる知識を1つ。
本作は物語を進めるなかでいろいろな敵と戦って、その一部が“スリーパー”として加入します。これは倒したときに仲間になっているんじゃなくて、遺伝子情報を奪ってクローンとして新しく作っているという設定です。これを知ってプレイすると、「ああ、このキャラが!」となると思いますよ。
――バトルシステムは爽快感もありつつ、駆け引きが重要になる面白い内容ですね。
石井さん:得手不得手が分かれるアクションゲームではなく、コマンドバトルから派生したスキル選択式にしました。それだけでは芸がないので、もう1つ遊びのギミックとして、綱引きや相撲と呼ばれる現在のシステムを取り入れました。この要素を入れたい! というよりも、とっつきやすさを考えた結果です。
――ゲームにも、マンガに負けず劣らずの個性的なキャラたちが登場します。石井さんのお気に入りはいますか?
石井さん:餅木スミレ(声優:本渡 楓)は好きですね。ビジュアルこそかわいいですが、中身は承認欲求の塊でいいやつとは言えません。そんな子が主人公のパートナーって、なかなかないじゃないですか(笑)。
明るいけど、ときどき毒を吐きつつ、ウー・イノミネタス(声優:梅原裕一郎)と掛け合いをするのが面白いです。絶対に恋にならない関係がいいですよね。
ちなみにアニメでは、スミレの過去のエピソードが出ます。そこでアイドル時代を表現する音楽として、GEMS COMPANY(ジェムズ カンパニー)の曲が流れますよ。
お2人の思う作品の魅力は
――改めてお2人が思う『ディープインサニティ』の魅力とは何だと思われますか?
石井さん:なんだか、よくわからからない雰囲気。タイトル通りグロテスクで、怖くて、気持ちよく見られるものだけじゃない。でも、わからないことがわかっていくのが魅力です。日本人だから抵抗ないですが、ネイティブの方にはえげつないタイトルですよね。
塩野さん:面白いビジュアルのものが、たくさん出てきます。気持ち悪いけどかっこいい、尖ってて危険だけどかわいい、いろいろなものがたくさんあります。
石井さん:塩野さんのデザインではどういう生物か、動き、生態まで書かれていて、見ていて楽しかったです。ゲームのデザインは三面図や立ち絵なので、どんな生き物かまで描かれていて感動しました。
動きをつけるときの参考になったので、これからはデザイナーにそこまで依頼しようと思いました(笑)。
――キャラは名前からというお話でしたが、“スカード”はどんなところから発想を広げていったんですか?
塩野さん:オーダーは、小型歩行や、中型飛行などの指示だけでした。そのため浮かばないときは、紙にぐちゃぐちゃに線を引いてあとから何か見えてくるのを待ったりしました。
石井さん:そんなことが! 本当はもっと具体的にお願いするのですが、今回は我々が下手に考えるよりも塩野さんのセンスに任せた方がいいだろうとお願いした感じです。
――最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
塩野さん:ゲームやアニメのヴィジュアルに負けないように、頑張ってまた描きます(笑)。
石井さん:今回全体として独特の世界観のお話になったと思っています。興味を持っていただけたらアニメ、マンガも見ていただけると、ゲームもより楽しめると思います。
ぜひすべてを見たうえでゲームをプレイして、こういうことだったのかと言うことを体験してもらえると嬉しいです。
※ゲーム画面は開発中のものです
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