『パラッパラッパー』発売から25年。元祖リズムゲームの魅力をチェック【周年連載】
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- ライターM
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あの名作の発売日から5年、10年、20年……。そんな名作への感謝の気持ちを込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。
今回お祝いするのは、SCE(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)より1996年12月6日に発売されたPlayStation用ソフト『パラッパラッパー』です。
なお、記事中の画面はすべてHDリメイク版のものです。
本作はいわゆる音ゲー、リズムゲームの草分け的存在。音や光の順番を覚えて入力するLSDゲームの類いを別にすれば、原点の1つと呼んでも差し支えないでしょう。
発売から四半世紀……発売当時を振り返って思い返すと、最初の印象は“なんとなく楽しそうな謎ゲー”でした。
なにしろリズムゲームという概念が一般的ではなかったことに加えて、流行だったポリゴンどころか、紙のように薄いキャラクターがラップに合わせてふにょふにょと動くなど、斬新にも程があります。
動く絵本と呼びたくなる不思議な世界観
本作のざっくりとしたストーリーは、ニット帽を被った犬の男の子・パラッパが、ガールフレンドのサニーを振り向かせようとさまざまな試練に挑むというもの。
恋敵となる大金持ちのジョー・チンもクセが強く、無駄に長いリムジンでパラッパに嫌がらせをしたり、倒壊必至の高層ケーキを用意したりと、突き抜けた道化役として笑いを誘います。
ゲームはタマネギ先生の拳法道場に始まり、自動車教習所にガレージセール、料理教室でケーキ作り、ドライブ中にトイレの順番待ちを賭けて真剣勝負(!?)などと、若干シュールなステージもアリ。
ビビッドに彩られたポップなデザインのキャラクターは瞬く間に人気となり、PlayStationのマスコット的存在としてさまざまなグッズが登場しました。
1999年にはギター演奏をテーマとした関連作品の『ウンジャマ・ラミー』が、2001年には続編『パラッパラッパー2』も発売されました。
余談ですが、本作の独特のタッチが好きでたまらないという方は、キャラクターデザインを手がけられたイラストレーターのロドニー・グリーンブラットさんの公式サイトをチェックしてください。
なお、2017年にはPS4専用タイトルとしてHDリメイク版が発売されています。当時の内容そのままにキャラクターのエッジが滑らかになるなど、解像度の高いモニタでも違和感を抱くことなく楽しめます。
いま、プレイするならばこちらが便利です。
見た目のカワイらしさとは裏腹の手強さ
本作を語るうえで話題に上がるのが、見た目のゆるさからは想像がつかない難しさです。
これにはいくつか理由があるのですが、お手本終了からプレイヤーの入力開始までの猶予が短いため、初見では容易にミスを招きます。
また、そもそも入力判定が厳しいことに加えて、キャラクターのセリフに意識を引っ張られると入力が遅れがちに……。
ボタン指定が複雑でもリズム自体がシンプルなら楽な方で、変則的な裏拍だったり連打が挟まったりすると、一気に評価が下がってステージ途中で力尽きることも……。
個々のプレイ環境に起因するラグや肌で感じる違和感を解消すべく、今ではほとんどのリズムゲームに任意のタイミング調整がごく当たり前に搭載されているのかと思うと感慨深いモノがありますね。
ちなみに本作の真骨頂は、シビアな入力の合間に挟み込むアドリブで、リズムを拾って“いい感じ”に奏でるとスコアが跳ね上がります。
かつて『電撃PlayStation』編集部で仕事をしていた折、担当から「アドリブを成功させ続けて評価をCOOLにすると隠しモードが発生するよ」と教わったものの、筆者はついぞ成功することなかったことを記しておきます。
©1996 Sony Interactive Entertainment Inc. ©Rodney A. Greenblat / Interlink
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パラッパラッパー
- メーカー: SIE
- 対応機種: PS4
- ジャンル: アクション
- 発売日: 2017年4月20日
- 希望小売価格: 1,800円+税
パラッパラッパー(ダウンロード版)
- メーカー: SIE
- 対応機種: PS4
- ジャンル: アクション
- 配信日: 2017年4月20日
- 価格: 1,800円+税