モチーフはエベレストと南極大陸? 異星サバイバルゲー『ICARUS』開発者インタビュー
- 文
- セスタス原川
- 公開日時
『DayZ』を手掛けたDean Hall氏率いるRocketWerkzが開発した『ICARUS』(イカルス)の開発者メールインタビューをお届けします。
本作は、今夏にベータ版が配信されたSteamではその面白さから話題になり、ウィッシュリスト・ランキングで5位を達成。全世界規模での盛り上がりを見せている作品です!
『ICARUS』開発者インタビュー
――ついに『ICARUS』がリリースされましたが、今の心境はいかがでしょうか?
『ICARUS』のリリースは、ほんの始まりに過ぎません。ついに私たちのゲームをプレイヤーの皆さんと共有できる日を迎えられて、大変光栄に思います。
これからの数週間は、プレイヤーの皆さんが私たちのゲームでどんな風に楽しむのか見られるので、とてもエキサイティングです。自由度の高いサバイバルゲームなので、私たちが想像もしなかったようなことをプレイヤーの皆さんが実践したり、作ったりしてくれることを期待しています。
『ICARUS』では、豊かなバックストーリーを描き、Unreal Engine4の最新技術を採用しました。また、敵となるのはプレイヤーではなく環境という点にも注力しています。これらすべては『DayZ』では出来なかったことで、今回実現に成功しました。
――βテスト期間では、どのようなフィードバックが得られましたか?
「クマが少ない! もっと嵐を! もっと秘密の洞窟がほしい!」というご要望をいただきました(笑)。私たちにとって、ベータウィークエンド(βテストのこと)の主な目的のひとつは、『ICARUS』のコアとなるゲームシステムのバランス調整とストレステストを行うことでした。
永続的な世界観ではなくセッションベースのゲーム進行といった要素、破壊的な威力の嵐の発生、オープンワールドゲームでのミッションといった要素は、サバイバルゲームとしては、予測されたリスクとなります。しかし、新しいことに挑戦しなければ、このジャンルは進化しません。
また、プレイヤーテスターからの提案で、ゲームに追加された機能のひとつが“前哨(アウトポスト)”です。前哨とは時間制限のない安全区域で、リスクなしで素晴らしい建物を建設できます。プレイヤーは自分の拠点が短期間しかもたないことを懸念していましたが、『ICARUS』では1回のセッションが何週間も続くこともありますよ。
――従来のサバイバルシミュレーションと比較して、ゲームシステムや技術面で大きく変化した部分はどこでしょうか?
『ICARUS』のユニークな点は、ゲームプレイが異なる内容のセッションに分かれていることですね。
私たちは、サバイバルゲームのオープンワールドの性質を、それぞれ焦点を絞ったセッションに分けました。惑星に降下して一定期間を惑星で過ごした後、宇宙ステーションに戻ってキャラクターを成長させ、次のセッションのために新しいテクノロジーをアンロックさせるのです。 これにより、『DayZ』をはじめとする既存のサバイバルゲームで起こりがちな、方向感覚の喪失や混乱を回避できます。
これらのセッションには、調査機器の配備と防衛、敵対するクリーチャーの捕獲、貴重なテクノロジーの回収、エキゾチックの抽出、基地の設置などの目標が含まれます。セッションの長さは数日から数週間まで様々なので、長期的なオープンエンドのサバイバルプレイや、より緊急性の高いミッションのどちらかを選択できます。
――大自然のグラフィックデザインをするにあたり、モチーフにした実際の地域などはありましたか?
エベレストと南極大陸をモチーフに選びました。私は2013年にエベレストに登頂し、昨年の夏は父と一緒に南極大陸でスキーをしました。これらの経験は、『ICARUS』の北極や山岳地帯を表現するのに役立ったかもしれませんね。
これらの旅行の経験が『ICARUS』のプレイと共通している点は忍耐の経験です。未知の世界への挑戦、緊張感、決断などは、現実世界と同様にサバイバルゲームをプレイする上でのコアとなる要素です。
――挑戦できるミッション数はどのくらいでしょうか?(今後も増えていくのでしょうか?)
発売時には、30以上のミッションが用意されていますが、今後も続々と追加される予定です。駆け足でクリアするのもいいですが、しっかり準備してジックリ楽しむのも良いものですよ。
――全てのミッションをクリアしようとした場合、想定されるプレイ時間はどのくらいでしょうか?
それは秘密にしましょう。その答えは、ぜひご自身でプレイして体験してください。
――ソロプレイ、マルチプレイのそれぞれの面白さは? また、プレイヤー数によって難易度も変わるのでしょうか?
『ICARUS』は、シングルプレイでもマルチプレイでも、あるいは友達がミッションにひととき立ち寄ったとしても楽しめるように設計されています。プレイヤーの数が増えたら必ずしも難しくなるとは限りませんが、プレイヤーそれぞれが専門性を発揮する場面は増えますよ。
――βテスト版は日本語対応途中の段階でしたが、正式リリース版では表記言語や音声など、どのあたりまで日本語対応が行われるのでしょうか?
はい、『ICARUS』で表示されるテキストのすべてが日本語に翻訳されます。経験豊富なプロスペクターが音声で案内してくれる場面がありますが、音声は今のところ英語になります。
――リリース後、直近のアップデート予定などあればお聞かせください。また、今後のアップデートの頻度はどの程度を予定していますか?
来年にはふたつの新しいDLCチャプター“New Horizons”と “Dangerous Frontiers”のリリースを予定しています。
またゲーム本体は、追加費用なしで定期的にアップデートしていきたいと考えています。自動化マシンや乗り物はまだ未実装です。今後の追加にご期待ください。
――最後に読者へのメッセージをお願いします。
日本のプレイヤー・コミュニティーが『ICARUS』でどんな活躍をしてくれるのか、とても楽しみです。『ICARUS』のセッションでは、新しいコンテンツやミッションの種類を簡単に追加できますので、今後、プレイヤーの皆さんからどのようなアイデアが出てくるか、耳を傾けて見守っていきたいと思います。
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権利表記:RocketWerkz, Yooreka Studio
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