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「ごまえー!」なプロモーションビデオでプロデューサー急増! Xbox 360版『アイマス』15周年【周年連載】

イマイチP
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 あの名作の発売日から5年、10年、20年……。そんな名作への感謝の気持ちを込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。

 今回お祝いするのは、バンダイナムコゲームス(現バンダイナムコエンターテインメント)より2007年1月25日に発売されたXbox 360用ソフト『アイドルマスター』(以下、『アイマス』)です。

 みなさんこんにちは。ご無沙汰しております&多くの方は初めまして! 電撃で『アイマス』関連のお仕事をいただいて15年以上、イマイチPです。今は『電撃マオウ』で『アイドルマスター ミリオンライブ!』のコミカライズ作品『アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover』と、4コマ『ぷちます!』の編集担当などをしています。

 Xbox 360版『アイマス』発売から15周年ということを聞いて、正直驚きを隠せませんでした……。長くこの業界でお仕事をしていて、そのほとんどの期間、隣に『アイマス』があったということになります。す、すごい!

そもそも『アイマス』とはどんなコンテンツ?

 今もコンシューマタイトルやスマートフォン用アプリ、ライブイベントなどを多数展開している『アイマス』ですが、その躍進のきっかけの1つとなったのがXbox 360版です。元々『アイマス』は、2005年7月にアーケード用ゲームとしてリリースされました。

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 アイドル育成シミュレーションゲームとして誕生した『アイマス』。個性豊かな765プロダクション所属の新人アイドルからプロデューサーしたい子を選び、レッスン、コミュニケーション、オーディションの3つのスケジュールを組み合わせて、担当アイドルをトップアイドルへと導いていくことになります。

 レッスンはミニゲーム形式になっており、ボーカル、ダンス、ビジュアルの3つのステータスを伸ばしていきます。

 オーディションに合格するとライブシーンを楽しめて、そのライブ中に写真を撮影し、ゲームのデータを記録するカードに印刷するという機能があったのがアーケード版の特徴です。

 携帯(当時はスマホではなくいわゆるガラケー)にメールが届く“メール☆プリーズ”機能もありました。また、オーディションは店舗間をネットワークでつないで、他のプロデューサーと対戦するという、なかなかに熱いシステムでした。

 Xbox 360版『アイマス』には“メール☆プリーズ”機能を落とし込んだものがあります。当時はこんな感じで本当に携帯電話にアイドルからメールが届いたんですよ! 本当ですよ!?

Xbox 360版『アイマス』でどう進化したのか?

 そんなアーケード版の稼働から1年半ほどが経過し、Xbox 360版が発売されました。プロモーションビデオが発表された時、アーケード版から進化したグラフィックで本作は大きな話題を集めました。移植作ではありましたが、技術の最先端を感じられるグラフィックで、新たに『アイマス』に興味を持った人は多く、Xbox 360というハードの購入動機に『アイマス』が一役買ったことは伝えておくべきことかと思います。

 Xbox 360版では、新たなアイドル・星井美希(声優:長谷川明子)が765プロに加わりました。天才的なアイドルの素質を持つ一方で、自由奔放でマイペースな性格の美希は、新人プロデューサーさんたちを振り回し、新たな刺激を与えてくれましたね。

 「~なの!」という語尾や、「あふぅ…」というあくびもカワイらしかった!

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 アーケード版は1回のオーディションでの敗北で、高ランクのエンディングを逃すこともあったので、家でじっくりプロデュースを楽しめるのがよかったです。ちなみにアーケード版、Xbox 360版『アイマス』のオーディションシステムはよくできているので一度体験してもらいたいです! 現在では『アイドルマスター シャイニーカラーズ』にも受け継がれています。

 オーディションでは、レッスンで育てた3つのステータスを楽曲に合わせて審査員にアピール! プロデューサー同士の駆け引きが熱いです。ダンス審査員の「お、いいねえ! 気に入っちゃったよオレ!」のセリフもはやりました。

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ダウンロードコンテンツをゲーム業界に広めた作品

 もう1つ語っておくべき要素は、“ダウンロードコンテンツ(DLC)”の存在です。今となってはジャンルを問わず多くのゲームで取り入れられているDLCですが、普及のきっかけになったのはXbox 360版『アイマス』だと思っています。

 ゲーム内メインメニューの“765ショップ”で、アイドルの衣装やアクセサリーを購入することができました。衣装以外にも、アイドルのミニドラマ“アイドラ”も配信。当時としては実験的な部分があったかと思いますが、多くのプロデューサーさんがゲームへの初課金を『アイマス』に捧げたと思います。

 『アイマス』後継作では、アレンジ曲や新曲を配信。『アイマス』とDLCは、深い結びつきを持って展開されていきました。

 先にも書きましたが、このタイトル以降、DLCに関する見方も徐々に変わっていき、例えばRPGでゲーム内マネーや装備を課金要素とする作品も増えていったと思います。そういう意味で、ゲームソフト以外に追加要素を購入することへの意識が変わっていったのも、『アイマス』が大きな役割を果たしたと思っています。

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アイドルコンテンツ、動画配信サービスへの影響も

 DLCの普及以外にも、Xbox 360版『アイマス』はエンタメ業界に大きな影響を与えたと思います。具体的には、アイドルコンテンツと動画コンテンツについてです。

 『アイマス』登場以前から、アイドルコンテンツ自体はあったと思いますが、『アイマス』が広まったのちには、より多くのアイドルコンテンツが生まれていきました。それはゲームのみに限らず、アニメなどでも“アイドルががんばって成長していく”ようなストーリーが多く作られていき、1つの定番ジャンルとして“アイドルもの”が根付いたのは大きかったです。

 折しも、画面を飛び越えて現実世界でも“AKB48”さんがメジャー1stシングル『会いたかった』をリリースしたのが2006年10月25日なので、時代がちょうど“アイドル”というまぶしい光を求めていたのかもしれません。

 動画コンテンツについては、やはりニコニコ動画との関連性が大きかったです。ゲームのライブ動画をPCに取り込んで編集し、独自のミュージックビデオを作ってニコニコ動画にアップ……という活動がXbox 360版の楽しみ方の1つとして広まっていきました。

 その動画のクオリティはプロ顔負け(というよりもプロの方や、後にプロになる方も参加していたとか……?)で、ニコニコ動画をきっかけに『アイマス』を知ったという人も多かったかもしれません。ニコニコ動画も2006年~2007年にかけてサービスインとなったので、タイミングも神がかっていたと言えますね。『アイマス』が“ニコニコ御三家の1つ”と呼ばれたのも懐かしい話です。

業界の特異点となった『アイマス』のこれからにも期待

 ゲーム業界のみならず、さまざまなエンタメ業界にとって大きな転機となったXbox 360版『アイマス』のリリースから15年。その間に『アイマス』はもちろん、ゲーム業界やエンタメ業界全体が大きく変わっていったなと今回の記事を書くに際して考えてしまいました。Xbox 360版『アイマス』を引っ張りだして遊びたくなりましたね!

 『アイマス』は今年2022年7月で17周年を迎えます。すごい! 20周年、30周年に向けて、より大きく広がっていく『アイマス』の今後の展開からも目が離せません。

(C)窪岡俊之 (C)2003 2006 NBGI
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