ソウルライクゲームの殿堂『エルデンリング』、その王道進化の理由とは? 序盤におけるアドバイスも

Deep
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 フロム・ソフトウェアから2月25日に発売される『ELDEN RING(エルデンリング)』。そのプレイレポートをお届けします。

 トライアル&エラーを繰り返し、己の腕を磨き、攻略の糸口を見つけ、高難度の目標を達成する……本作『エルデンリング』は、そんな“ソウルライク”というジャンルを生み出した傑作『ダークソウル』シリーズの王道進化を掲げています。

 そして先に結論から言ってしまいますが、本作はまさにファンの期待を裏切らないゲームになっていると断言できる名作です。

 この記事では、本作をひと足先に堪能した(しすぎた)ライターが、実際のプレイ感も踏まえて本作が“王道進化”たる所以を語っていきたいと思います。

広大ながらシリーズらしい緊張感を失わないフィールド

 『エルデンリング』と『ダークソウル』シリーズとの明確な違いとして、フィールドの大きさが挙げられます。遥か彼方まで続くフィールドにある草原や森林、山、海などバリエーション豊かなシチュエーションは、多くのプレイヤーの冒険心をかき立ててくれるはずです。もちろんグラフィックも最新ゲームらしくリアルで美しく、かつファンタジー感のあるものになっており、『エルデンリング』の世界の雄大さに目を奪われるでしょう。

 しかしこれらの要素は、形は変われど本作でなくても体感できる要素でしかありません。では、なにをもって本作を“『ダークソウル』の王道進化”たらしめているか。それは、オープンなフィールドでありながらソウルライク作品らしい緊張感を維持している点だと感じました。

 ただ道を歩いているだけで不意に亡者の群れに袋叩きにされ、森を散策していればいきなり巨大熊の剛爪に引き裂かれ、のんびり夜道を駆けていれば突然に強大なボスモンスターと遭遇します。ファンにとってはなじみ深い毒沼のように、エネミーだけでなく環境そのものもプレイヤーの障害に。

 このような、広い世界にありながら緩急をつけた緊張を維持し続けるゲーム体験……これは、まさにフロム・ソフトウェアらしさというべきポイントでしょう。


 これらの要素の多くは、霊馬に乗ってしまえばスルーできるものがほとんど。ですが、この困難を乗り越えることで貴重なアイテムや隠されたダンジョンを見つけるきっかけになることも少なくありません。本作はゲーム進行が非常に融通が効き、大ボスがいるであろう巨城の横を通り抜け、別のエリアの攻略を始めることも可能です。

 ふと目に入ったランドマークを追ってみるのもよし、意を決して巨大ダンジョンに挑むもよし。プレイヤーごとに違った進め方ができるゲームとしての懐の深さは、大きな魅力だと思います。地味にワールドマップが存在するのもありがたかったです(笑)。

シンプルながら戦術の幅が広いアクション

 本作のアクションのベースにあるものは、やはり『ダークソウル』シリーズ。しかし、ジャンプの存在やしゃがみによる隠密移動、タメ攻撃による態勢崩しなど、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』や『Bloodborne』のエッセンスも多分に含まれており、これまでフロム・ソフトウェアが生み出してきた作品の集大成といった印象を受けました。

 そして、これらの要素を組み合わせることで行えるバトルは、オープンなフィールドでの戦術をより盛り上げてくれます。

 例えば、道中で小規模な敵拠点を発見した際に、“己の武力だけで正面突破する”、“霊馬に乗って機動力を生かした騎乗戦を仕掛ける”、“草むらにしゃがんでステルスしつつ各個撃破を狙う”など、さまざまなアプローチが可能になっているのです。もちろん“霊馬で駆け抜ける”といった、そもそも戦わない選択肢もアリですね。

 こういった、シチュエーションに対するアプローチの豊富さは、『ダークソウル』シリーズにはなかったおもしろさであり、『エルデンリング』ならではの進化点でしょう。

 また、本作には多彩な武器種が登場し、これらも戦術を広げる要素と言えるでしょう。あくまで個人的な感想になってしまいますが、本作の武器は全体的に攻撃スピードがアップし、『ダークソウル』シリーズよりも扱いやすく強力になっているようです。武器種間のバランスは、かなり注意深く調整したのだろうと感じました。

 どの武器も強くて魅力的なので、どれを使うかめちゃくちゃ悩んだのですが、筆者は鞭系武器を選んで使っています。攻撃範囲が広いうえに敵をバリバリひるませることができるのがGood。いろいろな記事作成のために何度も新キャラを作りましたが、そのたびにメイン武器に採用するぐらいお気に入りです。

 『ダークソウル』シリーズをプレイしていて、「気になってる武器はあるけれど、なんだかんだいつもの武器に落ち着いちゃうんだよな」なんて人も少なくないと思います。そういう人は、この機会に新しい武器種に挑戦してみると新しい発見があるかもしれませんよ!

 武器を語るうえで欠かせない要素として、“戦技”があります。これは武器ごとに設定されている特別な動作で、“強力な攻撃を放つ”、“自身にバフを付与する”など、効果はさまざま。『ダークソウル3』でも存在した要素ですが、本作では戦技の付替えが可能になりました。旅先で手に入れられる“戦灰”を武器にセットすることで、その戦灰に記憶されている戦技を付与することができるのです。


 付与できる武器種は戦技ごとに決まっているようですが、“ロングソードでありながら遠距離攻撃の魔術を放つ”といった能力を付与することもでき、バトルの戦略性をさらに拡張してくれます。さらに、戦技を付与すると戦技に対応した属性を武器に付与できます。能力補正や攻撃属性を変更可能、というのは『ダークソウル』シリーズではおなじみですが、今回のカスタマイズに使用する“戦灰”は使用してもなくならず、付け替えるタイプのアイテムなので、“今から墓地の散策にいくから聖属性を付与ておこう”といった扱い方もできますよ。

 また、武器だけでなく魔術や祈祷……いわゆる魔法の数も非常に豊か。カテゴリこそ『ダークソウル』と比べて呪術や闇術が減っているように見えますが、実際は魔術・祈祷のなかでいくつかのジャンルに細分化されており、星や獣、竜など、さまざまなカテゴリの力を引き出すことが可能です。魔術や祈祷を使用するには、専用の杖や聖印という武器が必要になりますが、これらを新規で入手するには、入手方法を知っておかないと意外と道のりが遠いので、初見プレイですぐに魔法を使いたい場合は最初から魔法を使える素性を選んでおいたほうがいいかもしれません。

序盤をプレイする際に役立つ情報をチョットダケお届け!

 最後に、本作を遊ぶうえで知っておくと便利な要素をネタバレにならない程度ではありますが紹介していきたいと思います。

ソウルライク初心者は、素性“放浪騎士”がオススメ!

 ゲームを開始するとキャラクターメイキングが始まりますが、その際にキャラクターのベースとなる“素性”を選ぶことになります。素性は全部で10種類あり、それぞれで能力値や所持品が異なります。近接攻撃が得意なもの、魔術が得意なものなど個性はさまざまですが、ソウルライク初心者の方には“放浪騎士”が文句なしでオススメ。

 最大HPが全素性で最高値であり、かつ持っている盾もガード時の物理ダメージを完全に防ぐ高性能っぷり。さらに、所持武器のハルバードも威力・リーチともに文句なし! 魔法は不得手ですが、フィジカル面は万全なので迷ったら放浪騎士で決まり!

キャラクターの外見は何度でも変えられる

 この外見はストーリーを進めると行ける“ある拠点”の化粧台にアクセスすることでも変更が可能。ゲーム開始時点では会心の出来だと思ったキャラクターでも、実際に操作してみると「あれ?」と感じることがあるかもしれません。そういう時には、この化粧台を活用しましょう。

ゲーム開始直後に出現するボスの撃破を狙うなら“密使”

 フロム・ソフトウェアのソウルライク作品ではおなじみですが、本作でもゲーム開始直後にプレイヤーの身の程をわからせる系のボスが登場します。概ね2~3回攻撃を受けるとプレイヤーは死亡しイベントが進行してしまいますが、ものすご~~くがんばれば倒すことが可能です。倒すと、強力な直剣と大盾+αが手に入るので頑張ってみるのもアリです。

 挑む場合は、ダメージカット率100%の盾を持ち、回復系の祈祷が使用できる素性“密使”を選ぶのがオススメ。対策としては、ボスが剣による連撃を行ってきたら4発目をパリィし、致命の一撃で体力を減らしていくのがベターです。ただし、密使は体力が低くボスの攻撃を2回受けると死んでしまうので、攻撃は受けない、受けたら祈祷で回復を徹底しましょう。


 とはいえ、それでも勝つのは至難の業。このボスとはおいおい再戦ができるので、スタート時点では負けイベントと割り切ったほうが精神衛生上いいかと思います(笑)。

フィールドにある“光る頭蓋”は積極的に壊そう!

 フィールドを移動していると、ところどころで落ちている“光る頭蓋”を見かけると思います。これは、破壊することで黄金のルーン【1】がドロップ。このアイテムは使用することでルーン(『ダークソウル』でいうソウル)を200入手できます。序盤の敵は倒しても数十程度しかルーンをくれないので、序盤の稼ぎとしてはかなり破格。のちのちも微妙に足りないルーンの調整などにも使用できるので、光る頭蓋を見つけたら積極的に壊していきましょう。ちなみに霊馬に乗っていれば、上を歩くだけで壊せるので便利です。

 『エルデンリング』のディレクターである宮崎英高氏は、本作を説明するにあたり“オープンワールド”ではなく“オープンなフィールド”という言葉を使っています。本作をプレイしていて、筆者はその言葉に“『エルデンリング』の舞台である狭間の地を、世界ではなくゲーム装置として楽しんでほしい”という気持ちが込められているのかなと感じました。『エルデンリング』には、他のオープンワールドゲームにはあるであろう、生者の息遣いをほとんど感じません。故に、世界ではなく装置なのかなと。

 この荒廃した空気感は間違いなく意図したもので、フロム・ソフトウェアらしい褪せたゲーム観の表現なのだと思います。そこに惹きつけられ続けているフロム・ソフトウェアのファンならば、必ずこのゲーム装置の洗礼を受け、いつもと変わらぬモノといつもよりも王道進化を果たしたモノから、あふれんばかりの魅力を叩きつけられ、それに釘付けになることでしょう。

 そして、きっと筆者と同じように狭間の地に降り立ち、かの声を聞くに違いありません。

「褪せ人たちよ、王となれ。」

企画記事

■『ELDEN RING(エルデンリング)』


(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc. / (C)2022 FromSoftware, Inc.

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ELDEN RING(エルデンリング)

  • メーカー: フロム・ソフトウェア
  • 対応機種: PS4
  • ジャンル: ARPG
  • 発売日: 2022年2月25日
  • 希望小売価格: 9,240円(税込)

ELDEN RING(エルデンリング)

  • メーカー: フロム・ソフトウェア
  • 対応機種: PS5
  • ジャンル: ARPG
  • 発売日: 2022年2月25日
  • 希望小売価格: 9,240円(税込)

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