『N1RV Ann-A』『DEEEER Simulator』など良作揃い! PLAYISMの出展ゲームを試遊【TGS2019】

キャナ☆メン
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 9月15日まで千葉・幕張メッセで開催中の“東京ゲームショウ2019”にて、PLAYISM(ブース番号8-N09)が出展するタイトルの一部をプレイしてきたので、その試遊レポートをお届けします。

 PLAYISMが出展するタイトルは11作品で、そのうち『OMORI』を除く10タイトルが試遊可能です。筆者はその中から、『N1RV Ann-A(ニルヴァーナ)』、『DEEEER Simulator』、『Orangeblood(オレンジブラッド)』、『OUTRIDER MAKO ~露払いマコの見習い帖~』 、『Ministry of Broadcast(ミニストリー・オブ・ブロードキャスト)』の5作品をプレイしてきました。

『N1RV Ann-A』

 バーテンダーとして客に酒を振る舞い、絶妙な距離感の中で描かれる深い人間ドラマが心を打つ『VA-11 Hall-A』のSukeban Gamesが開発する新作として、発売日の発表が待ち遠しい『N1RV Ann-A(ニルヴァーナ)』。TGS2018でもプレイアブル出展されましたが、今年は新たな客“オリヴィア”が登場し、昨年と異なるシナリオを楽しめます。


 バーテンダーのサムとなって客のリクエストに応じたカクテルを提供し、出したカクテルによって会話の展開が変わるゲームの基本的な流れは同様であるため、その辺りは昨年の試遊レポートを見てもらえればと思いますが、今年の新しい試遊版では、特定ポイントでサムの態度を選択すると会話展開が変わる新要素を体験できました。

 実際の例を挙げると、オリヴィアは最初に、まるで女優でもあるかのような芝居がかったセリフを言うのですが、そこでサムは相手のノリに合わせるか合わせないか、その態度をアイコンから選べます。

 他にも、サムが自分の過去を語る際に、それを冗談めかして話すか、そのまま話すか、あるいは別の態度を取るかを選択できるなど、態度を選べるシーンは会話の中で頻繁に登場します。とはいえそこは、新要素の反応やフィードバックを確認するために、今回の試遊版にはあえて多めに含ませたのかもしれません。

 筆者としては、カクテルでシナリオが分岐する点こそ本シリーズのゲーム的なオリジナリティだと思うので、会話展開を直接選ぶような要素は独自性を薄めるのでは……と考える一方、大人びていて話術のコントロールに長けている(ように感じる)サムと、『VA-11 Hall-A』の主人公ジルとの性格的な違いをゲームシステムでも表現することにつながり、おもしろい試みだとも思いました。

 それに、展開の違うテキストをたくさん読めるのは素直にうれしいところ。人間味とリアリティにあふれる会話劇のおもしろさは健在なので、PS4/Nintendo Switch/PCで発売される製品版への期待が高まるばかりです!

『DEEEER Simulator』

 ゲームの制作過程をチラ見せする動画がSNSで大きな反響を呼ぶ『DEEEER Simulator』を遊んだ感想は、一言にすると“期待通り”でした。

 2足歩行でダッシュするシカのシュールさは得も言われぬ笑劇で、伸ばした首をアンカーロープのように使って宙を舞うシカの姿もいい感じに笑いのツボを突いてきます。クルマに引かれて跳び上がる姿は、もはやチャーミングにすら見える。


 ……いや、そんな風に感じてしまうほど、1つ1つの出来事がおバカで楽しいです。他にも馬に乗ったら移動が遅くて、ツイートを脳裏に浮かべながら「本当に自分で走るほうが速いじゃん!」と思い、反射的に「おい(笑)」と声に出していましたね。

 また、舞台となる街中には高層ビルが建っていましたが、首伸ばしのアクションで頑張れば、屋上に到達することもできます。そこに待っているのは巨大なシマウマ……もちろん乗れました(笑)。


 試遊中、周りに人がいても思わず笑みがこぼれてしまう、見てバカゲー、触ってバカゲー、1つ1つの体験がシュールで楽しいゲームです。もちろんバカゲーは褒め言葉!

 販売プラットフォームはSteam/PLAYISMで、今冬にアーリーアクセス開始予定とのことです。身も心もいい感じにリラックスできる、息抜きにピッタリのゲームになるだろうなぁと思いました。

『Orangeblood』

 本作は、『RPGツクールMV』で制作されたゲームで、現実とは異なる歴史を辿った20世紀末を舞台に、沖縄近海に浮かぶ人工島“ニュー・コザ”で繰り広げられる少女たちの戦いを描いたRPGです。

 多国籍の犯罪組織が混在するニュー・コザは、鉄サビで汚れた人工島を彩るネオンサインと、多文化の暮らしが猥雑に織り成すエキゾチックな光景が世界観を演出し、独特な魅力にあふれたパンクな雰囲気に包まれています。

 主人公は、連邦刑務所に捕らわれ、故郷であるニュー・コザに送り込まれた紛争解決業者(トラブル・バスター)のヴァニラ。試遊版では、拳銃の早撃ちを得意とする彼女と、DJでヴァニラの妹であるマチコの2人パーティで街を探索できます。


 個性が強くクセのあるキャラクターらの軽妙なトークは、クライムアクションの映画やコミックを鑑賞しているような気分にさせられ、パンクな人工島の雰囲気とマッチしているのが印象的です。

 また、銃撃戦をベースにしたバトルは、『RPGツクールMV』製であるのを意外に感じるほど凝った作りで、スタイリッシュなガンファイトの演出をテンポよく楽しめました。


 アニメ調のキャラクターをトッド絵で描くグラフィックスも魅力的であり、個人的には1990年代前半のPC-98ゲームを現代に適した形で遊んでいるような懐かしさと新しさ、ゲーム全体から感じる勢いのよさに心を衝き動かされるワクワク感を堪能。ゲーム内で試遊終了のアナウンスを見た時は、「まだまだ遊び足りない――」という思いに駆られましたね。

 販売プラットフォームはSteam/PLAYISMで、発売は11月予定となっています。

『OUTRIDER MAKO ~露払いマコの見習い帖~』

 本作は、マヨイという和風テイストの不思議な世界で、神々の依頼を受けて運び屋の仕事を行う2Dアクションゲームです。


 運び屋の仕事は、マップに存在する指定されたアイテムを収集し、作業台でそれらを梱包した後に、依頼主である神様のもとへ届ければクリア。依頼をクリアするごとに、“天恵”と呼ばれる能力ボーナスを得られます。


 特徴的なのはアクションの部分で、ジャンプから敵の頭上へ急接近する“飛びつき”アクションを仕掛け、頭上から粘着性の“赤蜜”をかけて敵の動きを止め、頭上から降りて足止めしたスキを突き攻撃していく独特なバトルの流れです。

 文章にすると複雑ですが、飛びつき→赤蜜→攻撃という流れはとても軽快なテンポで、逆に軽快すぎて赤蜜を誤射してしまうこともしばしば(笑)。赤蜜の補充は簡単なものの、使いすぎると不足することもあります。


 飛びつきアクションは、敵の頭上に限らず、ギミックや足場の上に乗る際も使えるので、マップ上をピョンピョンと跳ねるようにして、次々と飛びつきアクションを繰り出すのが楽しかったですね。

 発売は2020年予定で、販売プラットフォームはSteam/PLAYISMです。

『Ministry of Broadcast』

 本作は、ジョージ・オーウェル氏の小説『1984年』とリアリティショーを合わせたアイデア・世界観の2Dアクションゲームで、壁で分断された国家を舞台に、家族に会うため、政府が放送するTV番組“ウォールショー”に挑む男を描いています。

 政府の人間の高圧さとバカバカしさ、主人公の身に起きる理不尽なトラブル、陽気でシニカルな態度を崩さない主人公の姿など、試遊したわずかな範囲でも、シーン・セリフともにシュールなユーモアにあふれ、管理主義への風刺とシナリオの作家性を感じ取ることができます。


 中でも印象的だったのは、トゲに覆われた床を頭を使って攻略しようという場面です。ゲーム的にはパズル要素なれど、その解法は、何も考えずにゴールを目指す他の参加者を犠牲にして死体の橋を作るというもの。


 管理主義に抑圧されるディストピアでの命の軽さ、そうした社会における利己的な人間の末路、他者を犠牲にしなければ生きられない主人公の業など、たったワンシーンからさまざまなことを考えさせられるとともに、どこかクスッと笑えてしまう部分が否めないシュールな演出が、絶妙なバランスの世界観とユーモア、ゲームプレイを作り出しているように感じました。

 正直なところ人を選ぶ作品でしょうし、ゲームプレイから何を感じるかは十人十色だろうとも思います。おそらく、ミニシアター系の劇場でノンフィクション映画や歴史映画、風刺映画を観るのが好きという人は、割と好みに合う作風ではないかなと。

 ゲームは今冬発売予定で、Steam/PLAYISMでPC版が販売される他、Nintendo Switch版もリリースされます。

東京ゲームショウ2019 開催概要

【開催期間】
 ビジネスデイ……9月12、13日 各日10:00~17:00
 一般公開日……9月14、15日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)2,000円(税込)/前売1,500円(税込)
※小学生以下は無料

(C)Sukeban Games - Published by Ysbryd Games, Active Gaming Media Inc.
(C)2019 NASPAPA GAMES
(C)2019 grayfaxsoftware. Licensed to and published by Active Gaming Media Inc.
(C)2019 Asamado Games
Ministry of Broadcast c 2019 Published by Hitcents.com, Inc and Active Gaming Media, Inc. and developed by Ministry Of Broadcast Studio. All rights reserved. Logos and trademarks are property of their respective owners.