『ロックマン ゼロ』発売から20年。『ロックマンX』の数百年後を描いた世界とアクションの進化に感動【周年連載】

　あの名作の発売日から5年、10年、20年……。そんな名作への感謝の気持ちを込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。

　このたび取り上げるのは、カプコンが世に送り出した『ロックマン ゼロ』。2002年4月26日にゲームボーイアドバンスで発売されてから、今年で20年を迎えます。

　以下でタイトルの特徴を掲載します。なお、物語の内容が一部掲載されています。

　また、画像は『ロックマン ゼロ＆ゼクス ダブルヒーローコレクション』のもの。

物語や設定に引き込まれた『ロックマン ゼロ』

　『ロックマン』と言えば、ファミコン時代から続くアクションゲームの金字塔。海外では『MEGA MAN』の名で人気を博し、世界中から愛されているゲームのひとつと言えるでしょう。『ロックマン ゼロ』は『ロックマンX』の主要キャラクターである“ゼロ”を主人公にしたシリーズです。

　『ロックマン』では“ブルース”、『ロックマンX』では“ゼロ”といったように、主人公を影ながら手助けする兄貴分として登場するキャラクターたち。いざという時に現れるため、スマートなカッコよさが印象的なんですよね。中でも、剣を使った攻撃に「ゼロ、かっけぇ……」とゼロに惚れ込んでいた筆者としては、本作の発売を心より待ち望んでいた記憶があります。

　『ロックマン ゼロ』というタイトルや少し柔らかめのキャラクターデザインから、当初はスピンオフ的な立ち位置のタイトルかと想像していました。

　ですが、実際は『ロックマンX』から数百年後の世界が舞台となっており、続編として描かれています。とはいえ、かなりの年月が経っていて、本作からスタートしても物語をしっかり楽しめるのでご心配なく！

　物語を少し紹介すると、時代は前述したように『ロックマンX』から数百年後。イレギュラー化して暴れる前にロボット（レプリロイド）を排除しようと画策する、人々が暮らす“ネオ・アルカディア”と、それに不満を持ったレプリロイドで結成されたレジスタンスの戦いが描かれます。

　レジスタンスのひとり“シエル”は、ネオ・アルカディアに対抗するために“英雄”ゼロを目覚めさせようとします。記憶を失っていたゼロでしたが、必死に助けを請うシエルに手を貸すことに。仲間となったゼロはレジスタンスの作戦を遂行しながら、ネオ・アルカディアと戦いながら、自身の記憶を取り戻していくことになります。

　「ゼロが出るなら、どこかでエックスも出ないかなぁ」なんて思っていたのですが、それどころかネオ・アルカディアの統率者として登場。これには当時驚かされたものです。ただ、目的やその後の展開はどうなるのかと興味が湧き、物語に一気に引き込まれましたね。

　物語はもちろん、魅力的なキャラクターの存在も本作におけるポイントです。特に注目したいのは、ネオ・アルカディアの四天王としてエックスに従事する“ハルピュイア”、“ファーブニル”、“ファントム”、“レヴィアタン”といった敵キャラクター。

　彼らはネオ・アルカディアに属しているため、ゼロの敵となるわけですが、でたらめにレジスタンスに攻撃を加えようとしてはいません。“ネオ・アルカディアに暮らす人を守る”などの、自身の正義があってゼロの前に立ちはだかります。

　互いに信じる正義と正義のぶつかり合いは、見ているだけで胸をアツくしてくれました。四天王それぞれの個性が強いこともあり、彼らのファンも多かったのではないでしょうか。

大きく進化したアクション要素

　本作は『ロックマン』シリーズおなじみの横スクロールタイトル。ですが、レジスタンスとしてミッションを遂行するため、単にステージ最深部にいるボスを撃破するだけでなく、爆弾の回収、仲間を連れて帰るなどさまざまなクリア方法が用意されています。

　これにより、ゼロとしてミッションに参加している感がより強くなるんですよね。

　個人的に好きなのは、ゼロの攻撃手段です。『ロックマン』シリーズではボスを倒すと、そのボスの攻撃方法を模した特殊武器を使用できるようになるのですが、本作では採用されていません。

　その代わり、遠距離攻撃ができる“バスターショット”、近距離攻撃が可能な“ゼットセイバー”、縦横斜めに攻撃できる“トリプルロッド”、投げたり盾として攻撃を防いだりできる“シールドブーメラン”といった4種の武器が用意されています。

　ステージでは、これらの武器を使い分けてクリアを目指していくわけです。ゼロと言えば剣による華麗な攻撃という印象が強かった筆者は、ゼットセイバーをメインに使っていました。

　ただ……本作では全部の武器を使いたくなるような仕組みが用意されているのです。各武器には熟練度のようなものがあり、使い込むことで武器のスキルがアップしていきます。スキルアップするとゼットセイバーでは連続攻撃ができるようになったり、シールドブーメランでは投げられる距離が伸びたりと、より多彩な攻撃が可能になります。

　ボスを倒して新しい特殊武器を手に入れるという従来のパワーアップ方法もいいですが、本作のようにステージを進めていく中で新しい力を手にするというのもゼロの成長が感じられておもしろかったポイントですね。

　プレイヤー側としてもボスを倒さずともパワーアップできるので、「次のスキルアップでは、どんな攻撃方法が増えるんだろう、「スキルアップで攻撃範囲が広がったから、強かったボスにも勝てるかもしれない」と、モチベーションアップにつながるんですよ。

　筆者はゼットセイバーをメインに使っていたと書きましたが、この武器のスキルアップシステムもあり、結局は全部の武器をまんべんなく使っていました。

　本作では炎、氷、雷といった3つの属性の“エレメントチップ”を入手でき、付け替えることでその属性の攻撃を繰り出せるように。各ボスは3つのうちいずれかが弱点になっており、ボスの属性に対するエレメントチップを付けると大ダメージを与えられるのです。

　属性は3つのみなので、エレメントチップを手に入れてさえいれば、ボスの弱点をつくのは難しくはありません。

　さらに本作では“サイバーエルフ”と呼ばれるサポートアイテムを装着可能。サイバーエルフは種類ごとに一度しか使えないものの、回復したりトゲを回避できたりと手助けをしてくれます。

　こうした弱点をつきやすいことや使い込むことで武器がスキルアップすること、サイバーエルフが便利なことなどのおかげで、ステージ攻略はしやすいです。今思えば、アクションゲーム初心者でも楽しく長くプレイできるようになっていたのだなぁと。

　逆を言えば、あえてエレメントチップを使わずにボスに挑む、サイバーエルフは使わない、道中の敵を極力倒さないようにしてスキルアップを控える、なんてことをして自分の意志で難易度を上げられます。こうしたプレイヤー自身で遊び方を自由に変えられるというのも、本作の魅力ではないでしょうか。

　『ロックマン ゼロ』シリーズは『4』まで続きました。シリーズを重ねるごとにゼロの能力を変化させる“フォームチェンジ”やサイバーエルフの能力を引き出す“サイバー空間”など、いろいろな要素が取り入れられ、ナンバリングごとに異なった遊びができるようになっています。

　2020年には『ロックマン ゼロ』シリーズと『ロックマンゼクス』シリーズを収録した『ロックマン ゼロ＆ゼクス ダブルヒーローコレクション』が発売されています。Nintendo SwitchやPS4、Xbox ONE、PC（Steam）で遊べるので、興味のある方は、こちらでゼロの戦いを体験してみてください！

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