適応係数が悪くても、それでも世界は美しい。田中ロミオの泣きゲー&神ゲー『クロスチャンネル』が半額【電撃衝動GUY】
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5月12日23:59までの期間、NintendoSwitch版『CROSS†CHANNEL ~For all people~』が定価5,980円のところ50%オフの2,980円で販売中です。
本作は所謂“泣きゲー”の名作として名前が上がることも多い1本で、『Fate/Grand Order』などにも参加している松竜さんが原画を、『人類は衰退しました』などでも知られる田中ロミオさんがシナリオを担当する学園青春アドベンチャーゲームとなっています。
一般社会との不適応率を示す“適応係数”が悪い登場人物たち(主人公は80%オーバー)が織りなす物語は、重くシリアスな展開も多いのですが、きちんと青春・学園も描かれています。普段は泣きゲーに興味がないような人であっても、むしろ『クロスチャンネル』の物語には心を動かされる側面がある……気がします。序盤はちょっと下ネタ多めでクセが強いかもしれませんが。
何を言ってもネタバレになりかねない作品なのであまり深くは語れませんが、今なお根強いファンを持つ傑作です。
今回セール中なのは、2003年に発売されたPC版からいくつかのバージョンアップを経て、追加シナリオ等が追加されている『CROSS†CHANNEL ~For all people~』のSwitch版。
基本的にはこちらをプレイすれば『CROSS†CHANNEL』の物語をしっかりと楽しむことができます。
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いびつな少年少女たちの友情、繋がり。
本作で描かれるのは、主に群青学院の放送部に所属する学生たちの物語。
彼らが夏の合宿を終えて町に戻って気来ると、なぜかそこには彼ら以外の人の姿が無く……。といったところから始まり、人の消えた町という特殊な環境下に置かれた少年少女たちが繰り広げる様々な出来事や彼らの関係性が描かれます。
主人公の黒須太一を筆頭に、登場人物は一癖も二癖もある個性派ぞろい。
この辺りは、本作において中核を成す超重要要素なんですが、深掘りするのはネタバレ的にも危険なので今回はふんわりとさせておきます。皆色々抱えているよ、くらいで。
彼らのことを単純に“個性派”と評するのは、本作のファンから怒られそうだなとは思いますが、そこは本作を知る者としてお察しいただければと……。
ぜひ本作をプレイするときは、キャラクター同士の友情や愛、繋がりに注目してみてください。
コミカルとシリアス。メリハリの効いたシナリオ
実力派シナリオライター田中ロミオさんによる、メリハリの利いた文章は本作の大きな魅力となっています。
ギャグシーンなどコミカルに描かれるシーンはとにかく軽快で笑わせてくれる一方、シリアスなシーンは重厚かつ胸に来る表現で描かれ、しっかり泣かせてくれます。
しかし、ギャグシーンはギャグシーンでただのおふざけというわけではなく、気付けばそれらがキャラの魅力になっていて、物語終盤では、そんなギャグシーンのセリフや掛け合いが思い出として積み重なって感極まったり……。
女の子が可愛い……だけじゃない!
原画を担当しているのは松竜さんです。登場する女の子たちはとにかく可愛いです。驚くほど生み出された年代を感じさせません。
ちょっと生意気な後輩、母性溢れるメガネっ娘先輩、ツンデレ(?)お嬢様。属性も多種多様で、女の子との恋愛を楽しむ美少女ゲームとしても素晴らしい作品です。ですが! 本作の女の子たちはそれだけではありません。先ほどもちょっと触れましたが彼女たちもそれぞれ色々なものを抱えています。
過去、家族、異存、若干危険を冒しつつワードを選んでみましたが、シンプルに“攻略対象の女の子”という感じではありません。
また、女の子が可愛いだけじゃないと言いましたが、これにはもうひとつの意味が。
ぜひ登場する男性キャラにも注目してみてください。いわゆる美少女ゲームの友人キャラ。というわかりやすい枠には収まっていない個性的な奴らです。そして彼らもやはり色々なものを抱えています。
何はともあれ遊んでほしい! 半額だし!
少々乱暴ですが実のところこれに尽きるんです。多くの人に遊んでほしいから魅力を伝えたい。でも、できるなら何も知らない状態で遊んでほしい。現在筆者はそんな二律背反に全力で苦しんでいます。
セールで半額です。もちろん通常価格で購入しても後悔しない作品ですが、現在2980円です。安い。
少しいいご飯食べたなぁ。くらいの値段で笑えて泣ける不朽の名作をプレイできるチャンスとなっています。
夏が近づくたびに、ふと登場人物たちのことを思い出すような、そんな作品をこの機会にプレイしてみませんか?
『CROSS†CHANNEL ~For all people~』とは(商品紹介ページより)
不朽の名作として名高い、学園青春アドベンチャー「CROSS†CHANNEL」。
初めて移植された「CROSS†CHANNEL ~To all people~」のシナリオに、他の登場キャラクターたちの視点で世界を描いたシナリオを加えて発売された「CROSS†CHANNEL ~For all people~」を、Nintendo Switchで遊ぶことができます。
あらすじ
「この空が消えてなくなるその日まで――」
黒須太一は群青学院に通い、放送部に所属していた。その仲間たちと、長い夏休みの終わりに合宿を行ったが、その帰路は静寂に包まれていた。かつては結束していた仲間たちはバラバラで、新学期が始まってもまともに部活に参加しているのはただ一人という有様。
ぽつぽつと姿を見せる仲間たちと、太一は触れ合っていく。屋上に行けば、部長の宮澄見里が大きな放送アンテナを組み立てている。それは、夏休みの放送部としての『部活』であったし、完成させてラジオ放送をすることが課題だった。
以前は皆で携わっていた。一同が結束していた去年の夏。そんな二人を冷たく見る、かつての仲間たち。
ともなって巻き起こるさまざまな対立。そして和解。離れていた部員たちの心は、少しずつ寄り添っていく。
そして送信装置は完成する――
装置はメッセージを乗せて、世界へと――
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