『ROBOTICS;NOTES』発売から10年。当時描いた2019年の未来はどれぐらい的中したかをチェック【周年企画】

カワチ
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 あの名作の発売日から5年、10年、20年……。そんな名作への感謝の気持ちを込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。

 今回お祝いするのは、5pb.(現 MAGES.)から2012年6月28日にPS3とXbox 360で発売された『ROBOTICS;NOTES(ロボティクス・ノーツ)』です。

科学アドベンチャーシリーズ第3弾の『ROBOTICS;NOTES』

 『CHAOS;HEAD』、『STEINS;GATE』に続く科学アドベンチャーシリーズの第3弾として発売された『ROBOTICS;NOTES』。大ヒットとなった『STEINS;GATE』の次ということもあり、ファンもメディアも注目していました。また、キャラクターがイラストではなく3Dモデルになったのも特徴でした。

 『CHAOS;HEAD』や『STEINS;GATE』が現実よりちょっとだけ未来を舞台にしているのに対して、『ROBOTICS;NOTES』は2019年とかなりの未来を舞台にしていました。2022年の現在、2019年はすでに過去となっており、2012年に原作の志倉千代丸さんをはじめとしたスタッフが思い描いた2019年の未来がどれぐらい的中したか確認する楽しみ方もできるしょう。

 以下で代表的なものをチェックしてみましょう。

ポケコン

 携帯電話やスマートフォンに変わって普及している7インチのタブレット端末。現実でもタブレットは普及していますが、本作のように持ち歩いて常備はしていません。やはりスマートフォンのフィット感がみんな好きなのでしょうか。通勤電車などもタブレットを取り出す余裕がないですしね。

拡張現実

 『ROBOTICS;NOTES』の世界では拡張現実が当たり前になっており、ARアプリを使うことで、その場所の情報を読み取ることができます。スマホゲームなどではキャラクターを呼び出して写真を取れる機能があるなど、現実でも見ることができます。

 ただ、世間の流行的にはヘッドセットを被るVRのほうが流行しているような気もします。

HUG

 “Helpful Unlimited Gear”のことで、障害を持った人間の動きをアシストする医療器具です。半身不随の人でも不自由なく生活できるほどの性能でありながら一般人でも購入可能な低価格で流通しています。

 医療は進歩しましたが、さすがにこれほどまで便利な医療器具は存在しません。HUGはゲーム内に登場する架空の企業・エグゾスケルトン社が開発したものなので、その存在の有無で歴史が大きく変わっているとも言えます。

 こうして振り返ると現実の歴史とはかなり違うことが分かります。気になるのは2037年を舞台にした最新作の『ANONYMOUS;CODE』。『ROBOTICS;NOTES』の歴史の流れを汲んだ作品になるのか、それともまったく違った未来になっているのか。どちらにしろ『ROBOTICS;NOTES』をプレイしてから遊んだほうが楽しそうです。

これまでと違う青春モノのストーリー

 本作のジャンルは“拡張科学アドベンチャー”で、種子島の高校を舞台に“ロボット研究部”に所属する高校生たちの青春を描くというもの。パッケージも青く澄み渡る空が印象的で、これまでの科学アドベンチャーシリーズとはガラリと雰囲気が変わりました。

 一方で物語の後半からは巨大な陰謀など、シリーズらしい不穏な展開も。日常から非日常に変わっていくのは前2作と同じですが、前半と後半の空気感の違いはシリーズ随一かもしれません。

 また、個性的なキャラクターもシリーズの魅力ですが、本作もキャラクターの濃さは負けていません。特に引きこもりのオタク少女・神代フラウは人気です。

 本作の個別ルートは、これまでの科学アドベンチャーシリーズと違って個別エンディングではなく、それぞれの心の氷を溶かす過程を描く本編のサブストーリー的な内容になっています。キャラクターエピソードは本編の1部ではあるものの、どれも完成度が高く、しっかりひとつの物語として完結しています。



 個人的なことをいえば本編よりもキャラクターのエピソードのほうが好きかもしれません(笑)。

 以下で本作に登場するメインキャラクターを紹介します。

八汐海翔(声優:木村良平)

 本作の主人公で格闘ゲームオタクの少年。無気力な性格をした皮肉屋なので、いつもテンションの高かった『STEINS;GATE』主人公・岡部倫太郎とのギャップがあります。9年前に発生したとある事件の被害者で、その後遺症として体感時間が急激に引き伸ばされる“スローモー”という能力を持っています。

瀬乃宮あき穂(声優:南條愛乃)

 海翔の幼なじみでロボット研究部の部長。アニメ『機動バトラーガンヴァレル』の大ファンで、「疾風怒濤の! 元気一発! ガンヴァレル! ジャキーン!」が口癖の元気っ娘です。筆者的にはたまにかける赤いメガネ姿が推し。

日高昴(声優:細谷佳正)

 後輩男子。かつてホビーロボット大会に初出場して3位になったという経歴を持っています。ロボ部の勧誘を「ウザい」と突っぱねていましたが、ある事件がきっかけで入部することに。

 クールに見えていいヤツだけに物語後半で彼に降りかかる不幸がショックだった人も多いハズ。

神代フラウ(声優:名塚佳織)

 昴のクラスメイトで、天才女子高生プログラマー。ネット掲示板の“@ちゃんねる”に入り浸る@ちゃんねらーで、現実でもネット用語を使います。なかでも「デュフフ」という笑い方はなかなかの衝撃です。ただ、名塚佳織さんボイスだとカワイらしく聞こえるから不思議です。

 登場初期は他人に対して距離を取っていて口数も少なかったですが、部員になってからは徐々に仲間と打ち解けていくことに。その変化にも注目です。

大徳淳和(声優:徳井青空)

 気弱であがり症の3年生。幼いころから空手をやっていますが、人前だと緊張してしまうので大会では予選1回戦負け。今でも茶帯のままです。

 押しの弱い性格で空手部を引退後にロボ部に入部させられることに。実はロボットが苦手なのですが、その理由はストーリーで描かれることになります。

 また、演じている徳井青空さんは元気な女の子を演じることが多かったので、淳和のようなおとなしいキャラクターの芝居は新鮮でした。

 なお、過去に行われた“科学アドベンチャーライブ2012”では、宮野真守さんがオカリンの高笑いで登場したあと、他のキャスト陣がキャラクターの演技で高笑いをするというアドリブになりました。フラウや淳和の高笑いは新鮮で楽しかったです。こういうのはリアルタイムのイベントならではですよね。

愛理(声優:釘宮理恵)

 無邪気で天真爛漫な美少女。肉眼では見えず、ARアプリの“居ル夫。”越しでしか見えない不思議な女の子です。その正体は……ぜひゲームで!

天王寺綯(声優:山本彩乃)

 メインキャラクターではないですが、紹介するべきだろうと思って追加しました。『STEINS;GATE』で登場した綯が20歳になって登場。本作でJAXA(宇宙航空研究開発機構)の新人職員になっている彼女は、とある理由からホビーロボット大会で活躍したロボ部に接触してきます。

 彼女は『STEINS;GATE』と『ROBOTICS;NOTES』を繋ぐ重要な存在。『STEINS;GATE』をプレイした人は綯と聞いて不安を感じたかもしれませんが、そのようなヤバい展開にはならないので安心してください(笑)。

新たなトリガーシステム“ポケコントリガー”

 本作では“ポケコン”がゲームのシステムにも関わっています。ARアプリの“居ル夫。”で背景に隠されたレポートを探したり、SNSアプリの“ツイぽ”で他のキャラクターとやり取りをしたりが可能です。

 おもしろいのは“ツイぽ”で、その場にいないキャラクターの動向が分かったり、登場キャラクターではない一般人のつぶやきを見たりすることができます。最近はゲーム内にSNSを搭載している作品が増えましたが、『ROBOTICS;NOTES』はいち早く取り入れてましたね。

 この“ツイぽ”の中には『CHAOS;HEAD』の西條拓巳や『STEINS;GATE』の橋田至(ダル)と牧瀬紅莉栖もいるので、シリーズプレイヤーはニヤリとしたのではないでしょうか。

その後の展開もチェック!

 2014年6月26日にはPS Vitaで追加要素を加えた『ROBOTICS;NOTES ELITE』が発売。演出が強化されている他、キャラクターの心情などもわかりやすくなっており、感情移入しやすくなっています。

 後に登場したPS4やSwitch、PC版はこの『ROBOTICS;NOTES ELITE』がベースになっています。新規でプレイしようと思っているなら現行機で『ROBOTICS;NOTES ELITE』を遊ぶのをオススメします。

 さらに2019年1月31日には続編『ROBOTICS;NOTES DaSH』が発売に。2019年に続編を出すという仕掛けもニクいですが、『STEINS;GATE』のダルが物語にガッツリと関わるということでもファンを驚かせました。

 ストーリーは本編から半年後の事件を描くものですが、『ROBOTICS;NOTES』のキャラクターもダルも成長を感じられてよかったです。


 『ROBOTICS;NOTES』はアニメにもなっていますが、2クールだったため、ストーリーが丁寧に描かれました。制作がプロダクション I.Gだったため、映像のクオリティも高かったです。特にOPは前期も後期も最高で何度も観ました!

 ロボの動きも迫力があって、「いつか『スパロボ』にも参戦してくれないかな~」と妄想していましたが、『スーパーロボット大戦X-Ω』で本当に参戦してひっくり返りました。

遊んだことがなかった人はぜひチェックしてみてほしい

 科学アドベンチャーシリーズというとショッキングな内容の『CHAOS;HEAD』、感動を呼んだ『STEINS;GATE』を思い浮かべる人も多いと思いますが、『ROBOTICS;NOTES』も名作です。シリーズはすべてストーリーが繋がっているので本作をプレイしたことがない人はぜひこの機会に遊んでもらいたいです。

©MAGES./NITRO PLUS
©MAGES./Chiyo St. Inc. ©MAGES./NITRO PLUS
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