8月4日配信予定の『鋼の錬金術師 MOBILE』先行レビュー。本作をプレイするべき7つの理由とは?

原常樹
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 いよいよ8月4日に配信を控えた、スクウェア・エニックスの新作スマートフォン用アプリ『鋼の錬金術師 MOBILE』。本作の先行レビューをお届けします。

 全世界シリーズ累計8,000万部を突破するなど、大勢のファンに愛され続けている人気コミックス『鋼の錬金術師』。連載20周年というアニバーサリーイヤーに、スクウェア・エニックスより同コンテンツを題材とした新作スマートフォン向けゲーム『鋼の錬金術師 MOBILE』が発表され、リリースを間近に控えた今、期待に胸躍らせているという方も多いのではないでしょうか。

 今年3月~4月に実施されたクローズドβテストのレポートでは、『鋼の錬金術師 MOBILE』のゲーム内容について紹介しました。今回は、本作の魅力に重点を置いて紹介していきたいと思います。

→ゲームの内容がわかるCBTのプレイレポートはこちら

※掲載画像は全て開発中のものとなります。画像、内容ともに実装時は異なる場合があります。

魅力その① フルボイスがたまらないメインストーリー

 『鋼の錬金術師』がダークファンタジーの金字塔としてこれだけ多くのファンに愛され続けているのも、長編ファンタジーとしての完成度の高さやそれにともなう没入感が大きいはず。

 本作ではそんな原作のストーリーを“メインストーリー”にしっかり落とし込んでいます。こう書くと、駆け足のダイジェストではないかと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、本作はひとつひとつのエピソードをじっくりと描いているので好印象。「あれ、原作ではこのあとどんな展開になるんだっけ?」と記憶があやふやな方もメインストーリーを追うだけで、きっとすぐに記憶を取り戻せるはず!

 各シーンで活躍する登場人物たちの3Dモデルも非常に表情豊かで、どこまでが3Dと2Dの垣根が曖昧になるほど……。正直、筆者は違和感のようなものはまったく感じませんでした。しかも、メインストーリーの音声はフルボイス。ゲームのための新録という点もファン心理をくすぐられるものがあります。

 歴史がある作品だからこそ、まだ作品に触れたことがないという若い方もいらっしゃるかもしれません。そういった方はメインストーリーで空気感を確かめつつ、気になったらコミックやアニメを追いかけるという流れからIP全体に触れてみるとおもしろいかもしれません。

魅力その② 原作では描かれなかったサイドストーリー

 『鋼の錬金術師』に登場するキャラクターはかなりの数にのぼります。物語のメインストリームにいる人物たちだけでなく、活躍のシーンは少ないけどなんだか気になる味方や憎めない小悪党に“推し”がいるという方もいらっしゃるはず。

 そんな方のために(?)、本作にはメインストーリーからは一本横道に逸れたところで紡がれるサイドストーリーも用意されています。

 メインになるのは、東部過激派“青の団”を率いるバルドやユースウェルの炭鉱の経営権を奪われたヨキなど、一筋縄ではいかないキャラクターばかり。人選は変化球でもシナリオ自体はストレートなものが多く、名前を持たない市井の人物たちの動向も描かれていたりするので、作品の世界観に対する解像度を上げる役割も担ってくれそうです。

魅力その③ 作品を象徴するような演出や舞台装置

 原作の主な舞台となっていたのはアメストリス国。錬金術の研究が盛んで錬金術を機械と融合させたような高い文明水準を誇る国家です。公衆電話や列車など印象的な舞台装置も作品には数多く登場しますが、こちらを至るところにちりばめているのも『鋼の錬金術師 MOBILE』の魅力。その作り込みには、制作チームの作品に対するリスペクトを感じてしまいます。

  • ▲“新聞”をモチーフにしたメインストーリーの選択画面のセンスもさすがというほかありません。
  • ▲劇中で移動手段としてよく登場するのが列車(オープニングも列車のシーンです)。そんな列車の線路に沿う形でエルリック兄弟が旅をしつつアイテムを回収してくれるモードが“大陸遊歴”。有用なだけでなく、おだやかな空気感が癒しを感じさせてくれます。
  • ▲公衆電話をかけることで、キャラクターを乗せた列車がやってくるというガチャの演出もユニーク。ガチャの結果と因果関係は明かされていませんが、ダイヤルを直接回せるというギミックはシンプルにワクワクするものがあります。

魅力その④ 美麗かつ迫力満点の戦闘シーン

 同作における“錬金術”は、現実のそれと比べると魔法に近い性質を持っており、原作コミックやアニメではそんな錬金術が飛び交うダイナミックな戦闘シーンが大きな魅力になっていました。

 『鋼の錬金術師 MOBILE』はターン制のタクティカルバトルという形でこちらの世界観を表現。マス目状に細分化された戦場に配置されたキャラクターが敵に攻撃を仕掛けるたびに多彩なアクションを見せてくれます。

 モデリングが精緻なのは言うに及ばず、大技ではキャラクターの顔がしっかりと映るようなカメラワークにもこだわりを感じます。その一方で演出自体はスピーディーなので、バトルが間延びするという印象もありません。

  • ▲オノマトペを可視化したエフェクトも雰囲気づくりに世界観の再現にひと役買っています。眺めているだけで原作ファンなら胸躍ること間違いなし。

魅力その⑤ バトルの骨太な難易度設計

 ゲームがあまり得意ではないという方も、メインストーリーを読み進めるだけであれば、その過程で得たリソースを投入して手持ちのキャラクターを鍛えるだけで事足ります。

 一方で本作にはバトルごとに特別なミッションも用意されているので、こちらをすべて達成していこうとすると難易度が跳ね上がります。具体的にはキャラクターごとに設定された属性をしっかり確認して戦う相手との相性をチェックしたり、こちらの攻撃の際の反撃の有無を計算したり……考えることも一気に増えるはず。

 そして、ある程度までゲームを進めると、一度クリアしたサイドストーリーに高難易度の“エリートモード”が追加されます。ユニットの育成に自信があるユーザーにはぜひとも挑戦してみてほしいところ。

 さらなるコアユーザーに向けては、PvPの要素がある“軍部演習”も用意されているので、ぜひチェックを。

魅力その⑥ 奥の深いユニット育成

 しっかりバトルを楽しみたいという方にとっては、ユニットの育成が大事に。各ユニットには経験値獲得によって上昇する“レベル”が設定されているだけでなく、そのレベルの最大値を増やす“才能限界突破”、ステータスや特性の効果をアップさせる“覚醒ランク”、ツリー形式でユニットの能力を少しずつ引き出せる“潜在能力”などの要素が用意されています。

 また、各ユニットには“記憶印影”と呼ばれる装備を3つまで装備/強化することも可能で、こちらも戦力の拡充のためには見逃せない要素となっています。

 ユニットの育成に関係するシステムは多岐に渡っているので、ひとまずは“ユニットを強くするための手段はいろいろ用意されている”ぐらいの認識でいいかもしれません。

 筆者のオススメは、編成の軸になりそうなユニットの「潜在能力」の解放。ある程度まで解放すると同じ勢力の味方ユニットといっしょに攻撃を繰り出せる“連携攻撃”が繰り出せるようになるので、敵を討ち漏らしづらくなります。

魅力その⑦ 周回プレイに対するケア

 ユニットの強化手段が豊富だと、そのためのリソースを得るためにシナリオの周回が必要になってきます。これは構造的に仕方ないのですが、本作にはCPUが自動で操作をしてくれる“オート操作”が搭載されています。

 また、一度クリアしたクエストをワンタップでクリアできるようになる“掃討”機能も用意されているのはとくにうれしいポイント。多忙なユーザーでもわずかな時間で効率的に遊べる仕組みが整えられています。

 プレイヤーのLvが上がらないと解禁されない要素も多く、じっくりと腰を据えて遊びたくなる本作。『鋼の錬金術師』という不朽の名作に対するリスペクトを感じられる丁寧な作りで、IPの新たな入り口としても機能してくれそうな予感にあふれています。

 ぜひとも事前登録をしつつ、正式サービス開始を期待して待ちましょう!

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