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駒がぶつかり合う『リアルタイムバトル将棋』タイトル戦の勝者は…

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 シルバースタージャパンに所属している、将棋プロ棋士の星野良生さんのコラム“将棋プロ棋士・星野良生五段のゲーム自戦記”連載第9回をお届けします。

 前回に続いて、『リアルタイムバトル将棋』3つ目のタイトル戦、挑神戦レポート(後編)をお届けします!


栄光は誰の手に……? 白熱する挑神戦は後半へ

 一回戦4試合目のやましゅーまこと´戦は、まこと選手が駒損ながらも、懸命に細い攻めをつなげていく攻防が繰り広げられました。

 が、

 ここから△7五玉なら8六金に紐をつける手段がなく、やましゅ選手が逃げ切っていたでしょう。△9四玉と逃げたのを逃さず、まこと´選手が一本目を取りました。

 2本目は挑神戦で一番盛り上がった試合でした。ぜひ動画で観ていただきたい試合です!

準決勝、Chross―レオ戦

 一本目。やや固さがみられるレオ選手に対し、Chross選手が押し気味に試合を進めていきます。ここから歩があれば▲6五歩を先着してから▲6六銀~▲5五桂~▲5六玉と押し返したい場面ですが、あいにく歩がありません。▲6六銀に△6五歩をChross選手が先着して押し切り、まずは一本目を奪います。

 2本目からレオ選手は戦い方をがらっと変えて、相手の攻めを受けきる作戦に切り替えます。玉で待ち構え△4六角~△4五銀~△4四歩の攻めを、▲4六同玉~▲5七玉と玉の動きの速さを利用して、角を食い逃げします。

 その後も、丁寧な戦い方で駒得維持して駒数勝負に持ち込み、まずは1勝。

 3本目も徹底的に相手の攻めの面倒を見ることに専念し、最後は角のスナイプで快勝。試合中に作戦を変えたレオ選手の懐の深さが際立ちました。

 私は準決勝ではまこと´選手と対戦しました。

 駒得から丁寧に戦い勝勢を気づきますが、入玉禁止で玉が取り返せないのと、玉から目を離してしまったのが重なり、玉で玉を取られて逆転負け。うまく指せていたので、最後まで丁寧に戦って勝ちたい、という欲が逆転負けにつながってしまいました。

 局面が勝勢になったら、多少盛り返されても玉の安全を第一に考えて戦うことが、このゲームでは勝利につながります。

 あまり逆転勝ちが得意ではない私は、こういう逆転負けがあっては勝てる試合がありません。状況判断を正確にして、安全第一の戦い方にシフトする瞬間の精度を磨かなければいけませんね。この負けが響き私は敗退、まこと´選手が決勝へ進出しました。

決勝はレオーまこと´戦

 準決勝が嘘のようにレオ選手が攻めまくって貫禄の優勝。入玉禁止とは思えない図ですが、しっかり金のクールタイムが勝っています。

 電棋戦、銀星戦につづき挑神戦で3冠となりました。防衛戦となる電棋戦では公式戦負けなしのレオ選手からタイトルを奪う選手は現れるのか!? 注目しましょう!



将棋プロ棋士・星野良生五段:シルバースタージャパンに所属しているサラリーマン棋士。2014年4月に棋士デビュー。2021年10月、eスポーツタイトル『リアルタイムバトル将棋』でプロ資格を獲得。


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