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町田松三さんが新作『ペニーブラッド』の特徴を説明。キャラクター設定や世界観のこだわりなども明らかに

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 “ダブルキックスターターキャンペーン”を実施中の新作RPG『PENNY BLOOD(ペニーブラッド)』の開発者インタビューをお届けします。

 『PENNY BLOOD』の制作には『シャドウハーツ』シリーズを開発した、ゲームデザイナーでシナリオも手がける町田松三氏、個性豊かな人物を描くキャラクターデザイナーの加藤美也子氏、伝説的作曲家の弘田佳孝氏がSTUDIO WILDROSEとして携わっています。

 本作と『ARMED FANTASIA(アームドファンタジア)』の“ダブルキックスターターキャンペーン”が実施中。それに際して、町田さんへのメールインタビューを掲載します。本作の見どころや特徴などをお聞きしているので、チェックしてください。

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日本製のRPGとして挑戦的な世界観に!

ーー本日はよろしくお願いいたします。

 まず最初に、こうして電撃さんからまたインタビューを受けられる機会がめぐってきたことをとてもうれしく思っています。

 『シャドウハーツ』シリーズを製作していたころは大変お世話になりました。つねに温かく開発者とファンとの間の架け橋になってくださっていたのを今でも感謝しています。本日は可能な限り『PENNY BLOOD』についてお話させていただきますので、よろしくお願いいたします。

ーー本作はいつから構想されていたのでしょうか?

 実は、『PENNY BLOOD』の構想はかなり前からありました。実際に企画として成立させ、中身を構築しはじめたのは1年ぐらい前からになります。 

ーー開発がスタートすることになったきっかけは?

 そうですね、やはり今回ダブルキックスターターでご一緒させていただいている『ARMED FANTASIA』の金子さんとの出会いが一番大きな切っ掛けです。私にとっても金子さんは尊敬する世界のゲームクリエイターですが、その方と一緒に大きな挑戦をするという偉業に冒険心をかき立てられ、一大決心をしました。

ーー公開されている2人のキャラ(主人公除く)は仲間となるキャラクターですか?

 はい、そのとおりです。エミリアは勇敢で強い女性を描きたくて生まれたヒロインです。現代の生きにくい世の中で毎日頑張っている女性たちに自分を投影してもらえたらと思い、1923年という女性の活躍の場が広がって行く時代の最先端で傷つきながらも堂々と生きるヒロインを描こうと考えました。エミリアは身体の半分がサイボーグ化されているので多彩な戦闘アクションを見せてくれます。

 一方、スセリは日本で登場する帝都を守る組織の女性で、エミリアとは対照的な大人しやかな大和撫子です。魔法使い系の攻撃やサポートを得意とする位置づけになります。

 2人ともマシューに出会うことで互いに影響し合い、よりいい生き方を模索していきます。

ーー『PENNY BLOOD』で敵となる人物は? 歴史上の人物が敵として出てくるのでしょうか?

 出てきます。有名な歴史上の偉人たちも私流のキャラクターとなって登場します。心強い味方もいれば憎むべき敵もいます。

 そして全員に共通して言えることは、彼らが持っていた意志や希望といったものは史実に沿った描き方をします。ただ名前を引用したキャラにはしないつもりです。

ーー本作でこれまでの作品からあえて変えたこと、もしくは変えなかったことはなんでしょうか?

 変えたことは完全に大人向けのゲームにしたということ。変えなかったのは“愛と涙とお笑いのRPG”であること、です。

 ダークホラーの世界観で展開する物語は日本製のRPGにしては、かなり挑戦的です。演出面でグロテスクな表現もして行くつもりですし、かつてのシリーズもの以上に猟奇的でオカルトの要素が強まっています。

ーー戦闘は最大で何人パーティになるのでしょうか。

 戦闘は4人パーティです。プレイヤーが操作が可能なメインキャラは8人を想定していますので、パーティが2つ編成できる勘定です。ダンジョンによっては攻略するのに2つのパーティを順番に動かすような場所も準備しています。

ーーバトルの“サイコシギル”というシステムはどういったものなのか詳しく教えてください。

 サイコシギルはタイミングに合わせてボタンを押し成否を判定するシステムです。シギル(紋章)のデザインはキャラクターごとにモチーフが違い、ボタンを押すタイミングを示す光点の数も変わってきます。

 『PENNY BLOOD』はターン制のバトルでコマンドを選んでからアクションに移るのですが、アクションの最中に入力が始まります。状況によっては、ここから特別な行動にシフトしたり連携攻撃に発展したりします。連携攻撃は仲間が順番に行動するのではなく、同時に攻撃を行う特別な演出を用意しています。

ーー『シャドウハーツ』シリーズでは、漢祭り、拷問イベント、変わった生き物などギャグ的な要素がファンからは人気でした。『PENNY BLOOD』にもそういったものがあるのでしょうか?

 あるよ(ニヤリ)。しかも『PENNY BLOOD』は『シャドウハーツ』シリーズとはまったく関係ない完全に新しいゲームなので、よりパワーアップしたイベントが盛り込まれていくと思います。

ーーちなみにあの吸血鬼一族は……?

 それは出ません。吸血鬼はもうスペシャルな一枠としてメインキャラに入っていますので。でも、吸血鬼一族じゃない一族は出したらおもしろそうですね。なにかいいアイデアがあったらこっそり知らせてください。

ーーアートの加藤美也子さん、サウンドの弘田佳孝さんには、どのように作ってほしいとオーダーされましたか?


 『PENNY BLOOD』で、加藤さんはキャラクターデザインとアートディレクターを兼務しています。某超大作RPGのようなフォトリアルなモデルや世界を創り上げるのは無理なので、“『PENNY BLOOD』らしさ”が伝わる絵作りをするにはどうしたらいいかと非常に悩んでいました。

 そして何度も検討を重ね、ハッチングの利いた“大人のアメコミ”という着地点を見つけ出したんです。これをトゥーンシェーディングで再現するのも大変だったんですが、ビジュアルディレクターの渡邊さんが頑張ってくれました。それから一気に『PENNY BLOOD』の世界が創り上げられていったので2人には非常に感謝しています。

 一方、楽曲やSEに関しては最初から自分の中で明確な答えが出ていましたので、参加を決意してくれた弘田さんへ全編の雰囲気と物語のキーになる特殊な効果音だけをリクエストしました。あとは弘田節で料理してもらえれば、それで十分です。その後、できあがってきた曲はどれも素晴らしいものでした。

 特に気に入ったのはメインテーマ曲で、ゲール語で“Fhathast beò”という名前を付けさせてもらいました。日本語に訳すなら「それでも生きて行く」という意味になります。これはまさしく『PENNY BLOOD』のテーマそのものです。

ーーこだわりの楽曲を聞けるのはいつごろでしょうか。

 おそらく、もうすぐだと思います。すべて『PENNY BLOOD』の世界がまぶたの裏に広がって行く名曲ですので、ぜひ聴いてみてください。私はもう100回ぐらい聴いてます。

ーー最後に1つだけ……エンディングはグッドエンドとバットエンドの2種類があるのでしょうか?

 あるよ(ニヤリ)。

ーーありがとうございました。

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