『ウルトラ怪獣モンスターファーム』開発者インタビュー。大事にしたのは原作への敬意と怪獣の魅力【TGS2022】

セスタス原川
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 バンダイナムコエンターテインメントが10月20日に発売予定のSwitch用ソフト『ウルトラ怪獣モンスターファーム』。本作の試遊台が“東京ゲームショウ2022”のバンダイナムコエンターテインメントブースにて出展されます。

 『ウルトラ怪獣モンスターファーム』の又野健太郎プロデューサーにインタビューを実施。本作の開発の経緯や見どころに加えて、『モンスターファーム』に熱中した又野プロデューサーだからこその着眼点などをお伺いしました。

  • ▲又野健太郎プロデューサー。

ウルトラ怪獣の持つ魅力とは?

――開発の経緯はどのようなものだったのでしょうか

 2021年に『ウルトラマン』が55周年を迎えるとを耳にしたことがきっかけです。子どもからお父さん、おじいちゃんの世代まで知っている、幅広いお客様に愛される作品なんだということを意識し、なにか企画として立ち上げられないかと考えていました。

 一方で、僕自身が『モンスターファーム』をすごくプレイしており、小学生時代にはかなり熱中していました。2019年と2020年にNintendo Switchで移植版が発売され、私もプレイしていました。幅広い世代に愛される『ウルトラマン』と育成シミュレーションゲームとして根強い人気を誇る『モンスターファーム』は組み合わせられるんじゃないか、と思いついたのがきっかけですね。

 幸運なことにコーエーテクモゲームスさんとは他のIPでも協業して作品を手掛けてきたので、お話をさせていただき、開発を進めるに至りました。

――版元である円谷プロダクションさんの反応はいかがでしたか?

 『ウルトラマン』のゲームは久しぶりということで、企画に対してはとてもポジティブな反応をいただけました。ただ、ご提案したタイトルがウルトラマンではなく、ウルトラ怪獣にフォーカス、しかもウルトラ怪獣を育成するゲームということもあり、少しだけ不思議な空気が流れましたね(笑)。

――Nintendo Direct mini ソフトメーカーラインナップ 2022.6.28で発表した際の反応はいかがでしたか?

 とてもインパクトがあり、話題を呼べたのかなと思っています。『モンスターファーム』の新作が出ることがとても久しぶりになりますし、それがウルトラ怪獣とのコラボということで、いい反応をいただけたのだろうと感じています。

――ゴモラなど昔ながらの怪獣をピックアップした理由は?

 『ウルトラマン』を共通言語として捉えるにあたり、多くの作品に登場していたり、インパクトの強い怪獣だったりと皆さんがわかるような怪獣を選定したほうがいいと考えました。

――両コンテンツの相性のよさはどこにあると感じたのでしょうか?

 相性がいいかどうかは企画段階では未知数でした。モンスターと怪獣という点ではとても相性がよさそうに見えますが、世界観の違いや怪獣のスケール感など、企画を形にしていく中ではいろいろと解決しなければいけない点がたくさん出てきたことを覚えています。

 怪獣をこの世界だけ小さい存在にする選択肢もありましたが「ウルトラ怪獣を育てる」と聞いて、多くのお客様がイメージするのは大きな怪獣を育てている様子ですよね。お客様が望んでいるのは恐らくその様子だと思いました。

 それを踏まえて、どうやって大きさを感じられる絵作りにするか、ウルトラ怪獣を育てている感覚を生み出すか……その表現は苦労したところです。

――作品を手掛けるうえでこだわったところは?

 怪獣が覗き込んでくる描写をはじめ、大きさを感じられるようにすることにはこだわってきました。

 他にも開発の中で意識していたのは、怪獣を育成することに対して、実際の作品では見られないような姿を見せることですね。どちらかといえば、怖い要素のほうが強い怪獣ですが、予想外な演出をして、怪獣をカワイイと思って育てたくなるようにしました。


 例えば、エサを食べた時は、お腹をポンポン叩いて満足している様子を見せてくれます。怒られた時には落ち込んだり、褒められた時には喜んだり、いろいろな反応を楽しめますよ。育成をしているうちに、ウルトラ怪獣に愛着を持っていただけると思います。

――プレイヤーを補助するキャラクターとしてカネゴンが登場していますね。

 カネゴンは『ウルトラマン』の怪獣の中でも作品だけでなく、他のメディア媒体など、いろいろな場面で目にする存在です。カネゴンであれば、助手をしていても意外とすんなり受け入れられるかも? と思い、この作品でも助手キャラクターとして登場させました。

 本作では“カネゾー”という名前で服を着た姿で登場します。服のデザインは“ファームらしい”服装として、オーバーオールのスタイルで、汗を拭くタオルも持たせて、お腹にはがま口型のポケットをつけるなど、愛着が湧くようなデザインにしました。

――原作らしい部分といえば、バトル時に『ウルトラマン』を彷彿とさせるアングルや演出を見て取れました。

 バトルの部分では原作感を大事にしていて、技ひとつを取っても劇中で見られるようなアングルを意識しています。最近の『ウルトラマンシリーズ』で見られるような、下から見上げるアングルも取り入れています。これらから、しっかり『ウルトラマン』らしさを楽しんでもらえるかと。

――『モンスターファーム』のゲーム性にアレンジを加えた部分はどこでしょうか?

 僕自身が『モンスターファーム』のファンなので「こうなっていたらいいな」と感じた要素、たとえば大会予約や技の入れ替え・オンオフ機能などを取り入れています。

 バトル面では、『モンスターファーム』のモンスターのように軽やかに動かすことがウルトラ怪獣らしさの表現とあまり相性がよくなく……このあたりも本作ならではのアレンジを加えました。怪獣らしい重さの表現しつつ、ゲームとしての快適さを担保するために“ダッシュ”の機能を加えました。

 ゲーム全体としては『モンスターファーム』とのコラボレーションタイトルということで、原作をリスペクトしたシステムにしつつ、ウルトラ怪獣らしさを加えて、本作ならではのよさを表現するようにしています。

――又野さんが考える『モンスターファーム』らしさとはどの要素でしょうか?

 いくつかあるのですが、プレイヤーとして楽しかった1つの要素として、育てた怪獣同士を合成するという部分があります。『モンスターファーム』とのコラボタイトルなので、合成は絶対に必要な要素だと思っていましたが、いざ開発を進めていくと、ウルトラ怪獣同士を合成して、別の見た目にするという表現にはとても苦労しました。


――怪獣は種類ごとに得意な戦い方がありますが『ウルトラマン』に詳しくない人でも問題なく遊べるのでしょうか?

 ウルトラ怪獣に詳しくない方でももちろん問題なく遊べます。

 怪獣ごとに得意なトレーニング、苦手なトレーニングなどがありますので、パラメーターの伸びなどを見て、パートナー怪獣の個性を理解していただければ、まったく問題ないかと思います。

――カードとの連動機能もあるとのことですか、どういった仕様なのでしょうか?

 『ウルトラディメンションカード』にUMF Codeと記載された英数字の番号が書いてあり、それを読み込むと怪獣がランダムに生まれる連動機能を用意しています。

――発売を待っているファンへメッセージをお願いします。

 「ゴモラを育てたい!」や「バルタン星人を育てたい!」と、子どものころに誰もが一度は思った夢であるはず! そんな夢を叶えてくれる作品になっています。

 もちろん、怪獣を知らなくても楽しめる作品になっているので、『モンスターファーム』をプレイされた方も、本作にはぜひご注目ください! 発売までまだまだ情報を出していくので、引き続きご期待いただければ幸いです。

――ありがとうございました!

 電撃オンラインでは、東京ゲームショウ2022で遊べる本作の試遊版レビューを掲載しています。又野プロデューサーもインタビューで触れていたように、怪獣をカワイイと思えるポイントがふんだんにありました。本作に興味を持った人はこちらもチェックしてみてください。

※記事内の画面は開発中のもの。
©円谷プロ
©Bandai Namco Entertainment Inc.
開発:コーエーテクモゲームス
モンスターファーム:©コーエーテクモゲームス All rights reserved.

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