垣間見える死生観。ドゥデク王事件におけるタトゥロックの考えが明らかに(ネタバレあり)【電撃オクトラ日記#456】

タダツグ
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 10月28日に、リリース2周年を迎えるスクウェア・エニックスのiOS/Android用RPG『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー) 大陸の覇者』。その目玉施策のひとつとして“追憶の覇者”ガチャに女帝タトゥロックが追加されました。

 今回は、見事タトゥロックのお導きに成功したわたくしゲームライターのタダツグが、彼女のトラベラーメモリーをご紹介します。

※本記事内には物語のネタバレを含む表現がありますので、ご注意ください。

気高き豹:タトゥロックが持つ独特の死生観が語られる

 トラメモの序章を取り上げた前回は、ドニエスクのドゥデク王がタトゥロックに敗れて死亡。その意思を継いで戦い続けたドニエスク兵たちも、ガ・ロハの圧倒的な戦力に飲み込まれ、壊滅したところまでが描かれました。

 続きとなる“気高き豹”は前・後編の2章仕立てで展開。戦火はいよいよドニエスクの町にまで及んでいきます。町を守るドニエスク兵のみならず、武器さえ持たぬ住民たちまで容赦なく手にかけていくガ・ロハ兵たちの恐ろしさには震えが走りました。

 混乱のなか、抵抗もできない子どもを愉悦のままに殺そうとするガ・ロハ兵。しかし、それを止めたのは他ならぬタトゥロックでした。

 部下を手にかけ「子を喰ろうて腹は満ちぬ……得るのは虚栄のみよ」と口にするタトゥロック。類まれなる力で相手を屈服させていく女傑ですが、戦いに関しては譲れない矜持があるようです。

 少なくとも、暴力や人を殺める背徳感に快楽を見出しているわけではなさそう。むしろその行動には高い知性を感じます。そんな彼女がなぜこのような蛮行に……?

 自分を助けたのが他ならぬタトゥロックその人だと知った子どもは、ドゥデク王や町の人々の仇を討つため、無謀にも彼女に突進します。

 それを軽々とはねのけたタトゥロックは、少年にいつか力をつけ、あらためて自らを殺しにくるよう諭します。

 「存分にまぐわってやろうぞ」という表現も、なんというかじつに彼女らしい個性だと思いつつ(苦笑)。

 そうして少年を解放したタトゥロックは、傍に控えていたペラギアに戦況報告を求めます。ペラギアによると、どうやらガ・ロハは戦力的にドニエスクを圧倒しているものの、その根強い抵抗に感嘆している様子。

 それは他ならぬタトゥロックも認めているところで、あらためてドゥデク王の最期の言葉を思い出すのでした。

 ドゥデク王のことを猛者と認めたタトゥロックは、その死体を「丁重に扱え」と命令します。そこに「我らの礼を以て」と付け加えて。この「礼」とはまさか……? “気高き豹 前編”は、気になるここで終了することに。

 後編では、ドニエスクの城を占拠したタトゥロックの前にペラギアと、大きな壺を抱えたガ・ロハの兵士たちが現れるシーンからスタート。この壺の中身はやはり、本編で大きな物議を醸すこととなるドゥデク王の分断された身体でした。

 「死してなお……よい面構えじゃのう」と口にするタトゥロック。ここで自分は、小さな違和感を覚えました。

 というのも、オルステラ諸国の王たちにドゥデク王の分断した肉体を送りつけてきたのは、タトゥロックからの無言の圧力であり、挑発の意味が込められていると思っていたからです。

 ただ、この口ぶりを見ると、タトゥロックは本当にドゥデク王、そしてドニエスクの強さを認めているように思えるんですよね。

 ここでペラギアに、オルステラで死を迎えた魂について問うタトゥロック。その問いにペラギアは、オルステラでは全ての魂は死後“門”をくぐり、死の国へ導かれると考えられていると答えます。

 ここでいう“死の国”とは、まさに“全てを極めし者編”で冒険の舞台となった“辺獄”のことですが、タトゥロックが反応したのは辺獄ではなく“全ての魂”の部分でした。

 どうやらガ・ロハでは、雄々しく生きて散った魂のみが転生の誉を得ると考えられているとのこと。これはつまり、雄々しく戦って散ったドゥデク王には転生の資格があると考えていたりする……ということ?

 そしてタトゥロックの一族は、死者の国である辺獄を視認できることも示唆されます。どうやら辺獄では、死者たちの魂が妄執に取り憑かれ苦しんでいるとのこと。これはまさしく、メインストーリーで我々が体験してきたことそのものといえますね。


 このあとトラメモは怒涛の展開を見せ、ドゥデク王の身体を分断したタトゥロックの真意が明かされることになります。まさかあの行為に、そのような意図が秘められていたとは! 彼女に対する認識が大きく変化した瞬間でした。

 タトゥロックの、そしてガ・ロハの行いがオルステラの民に許されることはないでしょう。アラウネたちとの戦いに敗れ屈したタトゥロックに「血を晒せ!」と口にして迫るドニエスクの民たちの気持ちも痛いほど理解できます。

 しかし、彼女には彼女なりの美学があり、矜持があったこともまた事実。自分は、本編では明かされなかったこの“独特の死生観”こそが、タトゥロックという人物を語るうえで外せない側面だと感じました。

 ということで、彼女のトラメモのクライマックスはぜひご自身の目で確かめてみてほしいと思います。タトゥロックは2022年11月10日まで開催中の“追憶の覇者”ガチャでお導きできますので、興味があるかたはチャレンジしてみるのもアリかと。

 それでは、今回はこのへんで!


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OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応端末: iOS
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2020年10月28日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応端末: Android
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2020年10月28日
  • 価格: 基本無料/アイテム課金

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