『ウォーハンマー40K:ダークタイド』レビュー。近接と射撃の使い分けが生死を分ける…飽きの来ない永遠の闘争が魅力的!

hororo
公開日時

 Fatsharkから、11月30日に発売予定のPC(Steam)用協力型FPS『ウォーハンマー40K:ダークタイド』(『以下、ダークタイド』)

 発売前ではありますが、本作を予約したプレイヤー向けに先行テスト版が公開されています。今回の記事では、先行テスト版をもとに本作のシステムなどを掘り下げていきます。

 なお、本作のストーリーやおおまかな魅力については、先行プレイ記事ベータテストレポートで触れていますので、本作に初めて興味を持ったという方は、ぜひ併せてご覧ください。

選んだクラスで得意な戦術が変化! 長所を伸ばすカスタマイズも可能!

 本作の物語をさらっと解説しておくと、プレイヤーが操るキャラクターは、何らかの罪に問われた犯罪者。懲罰部隊として、渾沌(ケイオス)信仰がまん延してしまった積層都市・テルティウムに送り込まれるというお話になっています。

 以前の記事でも軽く触れた通り、本作では始めに自分のキャラクターを作成することから始まります。複数のキャラクターデータを保存できるため深く悩む必要はありませんが、今回の先行プレイ版では文章が日本語化されていることもあって、各クラスの特徴や戦い方をより詳細に理解することができたので、改めて紹介しておきます。

ベテラン

 人類の星間国家である<帝国>に所属する防衛軍の兵士。どちらかと言えば遠距離戦が得意で、通常のFPSのような戦い方を好む人にオススメです。弱点に対する威力がアップしたり、所持弾薬が増えるパッシブを持っているため、銃をメインで扱いたいならピッタリ!

ジーロット

 人類を導く存在であり、崇拝の対象である<皇帝>を奉ずる信奉者。ベテランとは逆に近接戦闘に有利な能力を多く持っており、近接戦闘で敵を倒すことによってタフネス(攻撃を受けた際に体力より先に減るシールドのような扱いのゲージ)を回復したり、自分の体力が減ることで与ダメージが増えたりといった特徴があります。

サイカー

 変異者として知られるサイカーは、非物質世界からの力を利用して戦う魔法使いのような存在です。弾薬を必要としない遠距離攻撃を行えるのが特徴ですが、使いすぎると力の反動で自らが死亡してしまうというデメリットも。味方の強化や敵の弱体化も行える、サポート役的な立ち回りが得意なクラスです。

オグリン

 巨体を持った亜人間であり、その体格を生かした耐久力と突破力は折り紙付き。とにかく打たれ強く、簡単には倒れないのが特徴です。近接攻撃で敵をよろめかせたり、敵の攻撃によって蘇生などのアクションを中断されないといった能力があり、フィジカルを生かした強引な立ち回りが可能です。

 クラスを選ぶと、次はキャラクターの詳細に移ります。本作ではキャラクターがどのように生きてきたのかという経緯を選択することができます。私のようなウォーハンマーファンにとってはたまらない要素ですが、原作を知らずとも詳細な解説が付いているため、気に入ったものを選んでいくだけで大丈夫。出身惑星と幼少期、成長期の経験を選択したら、次はキャラクターの容姿カスタマイズに。

 タトゥーや傷跡の種類が豊富なのが、最高にウォーハンマー感があっていいですね(笑)。

 カスタマイズ項目はそれなりにありますが、やはり戦争だけがある世界、ウォーハンマー。作れるのはイカツイ顔が基本です。しかしなかなかカッコイイ顔も作れたので、自キャラに思い入れがある方は、ぜひ作り込んでみてください。FPSなのでプレイ中は顔を見られませんが、カットシーンでは自分のキャラクターが映りますよ!

 ちなみに、最後には自分のこれまで経歴から監獄船送りになった経緯を文章で表示してくれます。TRPGのキャラクターメイキングを連想させる粋な演出……!

 出身惑星や経歴によってキャラクターのパラメータは変化しないため、自分の好みで選んでいきましょう。

ゲームサイクルには、シンプルながらも飽きさせない工夫がたくさん!

 本作のゲームプレイは単純明快! ミッションに出撃して目標を達成。報酬でもらった通貨を用いて装備を更新し、さらにミッションに挑む、というサイクルで行われます。

 まずプレイヤーは、ゲームを始めると複数のプレイヤーが共通で使用するロビーへと降り立ちます。ここはミッションの受諾や装備の買い物などを行うことができる空間。

 ロビーの施設は最初は利用できませんが、プレイを繰り返して信頼度(いわゆるキャラクターレベル)を上げることで、徐々にアンロックされていく仕組みとなっています。

 ミッションはロビー中央にあるミッションターミナルから受諾。アクセスすると、その時点で発生しているミッションが一覧で表示され、ここから好きなものを選んで出撃する方式です。

 ミッションは一定時間で切り替わり、その都度目標やマップ、難易度などが変化していきます。まずは最低難易度を問題なくクリアできる装備と実力を身に着けるのを目標にしましょう。

 ミッションによっては、達成すると追加の報酬を得られるサブ目標が設定されていたり、敵の数が通常から増減しているなどの環境変化が起こる“ハザード”が発生していたりすることがあり、同じミッションでも難易度や状況によってプレイ内容が変化!

 敵の配置も毎回異なるうえ、敵が大挙して押し寄せてくるラッシュタイミングや、強力な大型エネミーが出現するかどうかもすべて毎回異なるため、ミッションに合わせた完璧な攻略法が存在せず、何度でも新鮮なプレイを楽しめるのが魅力です。

 戦闘は最大4人のプレイヤーで進行する協力プレイ式。人数が足りない場合はAIが埋め合わせをしてくれますが、さすがに先行版の配信直後だけあり、すぐに埋まることが多かった印象です。

 ミッションの種類は複数存在。“暗殺”は最後に待ち受けるボスを倒すというわかりやすいミッション。しかしボスは一定ダメージを防ぐシールドを装備しており、シールドを破壊してから出ないと本体にダメージを与えられません。

 破壊したシールドは時間経過で復活するうえ、通常の敵もこれでもかというほど沸いてくるので、かなり厳しい戦いを強いられます。体感では、暗殺が一番失敗率が高いミッションでした。

 “調査”は、アウスペクスという機器を使い、汚染されたオブジェクトを探し出すというもの。アウスペクス使用時は武器を使用できないため、オブジェクトにアクセスしている味方を守る連係プレイが必要になります。

 敵の基地へ乗り込み物資を奪う“奇襲”は、コンテナから奪取対象である弾薬箱を探し出し、脱出地点まで運搬することが目的です。

 弾薬箱はステージの最後にあるため脱出地点までの距離は遠くないものの、運搬中は攻撃ができないこと、複数個必要なので往復しなければならないこともあり、いかにカバーし合って運搬できるかが大事。

 ミッションの種類は他にもありますが、発生するミッションの種類は日ごとに変わるようで、昨日プレイできたミッションが今日はまるで出てこない、ということもありました。

 それぞれ目標達成までのプロセスは異なるものの、画面にはつねに指示が表示されていますし、目標物がある場合にはマーカーが表示されるため、やることがわからなくなるということはありませんでした。

 なお、ミッションの内容を問わず早く開始したい人は“クイックプレイ”を選択すれば、任意の難易度のなかから適切なマッチを探して合流させてくれるため非常に便利!

 ミッションの目標を達成して脱出するか、プレイヤーが全員死亡してしまうとミッションが終了。そのミッションの難易度に応じた経験値と報酬が手に入ります。

 経験値は前述したキャラクターの信頼度の上昇のために必要で、報酬は装備の更新に使用します。一応、信頼度が上昇したタイミングでも装備が手に入るようですが、タイミングが限られているため、基本的にはブラックマーケットで購入することになります。

 武器にはいくつかの種類とステータスがあり、その数値も武器によってさまざま。

 レアリティが高い武器にはボーナスパラメータが設定されているため、基本的には高いレアリティの武器を狙いたいところです。慣れないうちは、武器の強さを大まかに表した“パワー”の値が高いものに交換していくのがオススメ。

 ちなみに、武器は種類によって使い勝手が大きく異なります。例えば剣は横に大きくなぎ払うようなモーションで、敵に囲まれた際でも使いやすいですが、斧の場合は縦に振り下ろすようなモーションのため、しっかり狙わないと敵に当てるのが難しかったです。

 今バージョンでは74種類の武器があるので、性能も重要ですが、自分が扱いやすいと思う武器や、戦闘スタイルに合った武器を探してみるのもおもしろいかと思います。

 キャラクターの信頼度が上がると、さらなるパッシブボーナスを選べる“偉業”という項目が解放されます。信頼度が5、10、15、20、25、30のタイミングで新たな段階が解放され、各3つのボーナスから1つを選んでセット可能です。

 ここで何を選ぶかで、同じクラスでも得意な立ち回りが変わるイメージですね。なお、特にコストなしで変更できるので、気軽に選べるのもありがたい!

 また信頼度11から解放される施設では、いわゆるデイリークエストのようなものを受けて、それを達成していくことで特別な通貨を得られるところも。

 今後どれだけの設備が実装されるのかは不明ですが、すでに怪しい場所があったり、あとで何かを入れ込めそうなスペースもあったりするので、今後もいろいろ増えていくのかと思うと楽しみですね。

シチュエーションに応じた近接と射撃の使い分けが生死を分ける!

 本作の戦闘が4人のチームプレイで行われるというのは、先ほど説明した通り。基本的にはマップの奥に向かって進み、チェックポイントごとの指令をクリアして最奥を目指し、ミッションの大目標を達成することがクリア条件となります。

 当然、ミッション中はさまざまな敵が襲い掛かってくるので、協力してこれを退けなければいけません。敵は最初から配置されているものもいれば、定期的に発生する敵のラッシュに合わせて、いたるところから出現します。

 正面だけでなく背後や上から降ってくることもあるため、つねに気を抜けない緊張感があって楽しい……! 世界観的にもダークな雰囲気のマップばかりなので、ややホラーじみたビジュアルなのもいいスパイスになっていますね。

 なお本作にはミニマップがなく、マップ構造や敵の位置をふかん的に見ることは叶いません。これが、どこから敵に襲われるかわからない不安感と、チームメンバーとともに可能な限りカバーしあう協力プレイのだいご味を倍増しており、一致団結して生き残るというサバイバル感の演出に一役買っています。

 そして武器にさまざまな種類が用意されているように、敵にも無数のカテゴリーが存在します。数で押してくるような通常の敵は弱攻撃でも倒しやすいのですが、全身をアーマーで防御している敵は銃弾を弾き、重攻撃などを使わないと効率的にダメージが入らないなど、敵に合わせた戦術も必要に……!

 難易度が上がってくると、その他のアクションも重要になってきます。敵が密集していればグレネードを投げ込んだり、ダッシュとスライディングで敵の砲火をかいくぐったりと、立ち回りを考えなければ、混沌のテルティウムで生き残るのは難しくなっていきます。

 特に各クラス固有のアビリティは強力な効果を持つため、使いどころが肝心! 再使用までに時間こそかかるものの、逆に言えばクールダウン以外のコストはかからないため、温存しすぎも損です。

 また、正面から戦うと痛手を避けられないような巨大な敵や、プレイヤーを拘束して行動不能にする敵なども出現することがあり、チームの結束力が試されます。こういった強力な敵はピンを打つことで強調表示することができるため、味方に存在を知らせやすくなっているのは嬉しいですね。

 ちなみにピンは敵に打つ以外にも、地点を指定して味方に指示を出したり、弾薬不足が欲しいという意志表示や、味方へのお礼などにも使えるお手軽なコミュニケーションツールですので、有効活用しましょう。

 本作にはフレンドリーファイアがないため、味方に当たる心配なく攻撃をすることができます。ただし弾は味方を貫通しないため、狭い通路で後ろから敵を撃とうとしても弾の浪費に終わることが多く、戦う場所によって近接武器と銃を適宜切り替えるのが重要。

 またどうしても銃はリロードの必要があるため、安全にリロードを行えないラッシュ中などは近接武器に持ち替えた方がいいなど、キャラクターのクラスだけでなくシチュエーションによって最適な行動を取れるかが生存のカギとなります。

 生存のベースとなる体力は自然回復しないため、敵のダメージは自動回復するタフネスで止めるのが理想ですが、次々に襲い来る敵の波がそれを許しません。加えてタフネスがなくなると、敵の攻撃によってひるみやすくなってしまうという危険も……。

 さらに一部の敵にはプレイヤーの体力の最大値を減らす“腐敗”を発生させるものもおり、腐敗が溜まることでダウンしやすくなっていきます。

 体力や腐敗はマップに点在するメディケアステーションで治療できますが、1カ所のステーションで4人全員回復できるとは限らないのもポイント。回復回数が少ないステーションだった場合、メンバーリストを確認して、他人に譲るという判断もときには必要になります。

 もちろん弾薬も無限ではなく、足りない分は戦場で拾わねばなりません。とはいえ本作では敵を倒しても何もアイテムを落とさないため、マップで見つけられる資源が、プレイヤーが使えるリソースの総量になります。

 こういったリソースには、設置型の弾薬箱やメディカルクレート(一定時間範囲回復を行う設置アイテム)などもあるのですが、発見できるかは運しだい。さらにプレイヤー1人につき弾薬箱かメディカルクレートのどちらか1つしか持てません。誰が何を持っていくか、設置するタイミングはいつにすべきかなど、チームで連携を取れるかどうかが生き残るには重要となります。

 このように、協力プレイを前提に作られている作品だけあって、なかなか歯ごたえのある難易度。もっとも低い難易度であれば気軽に挑戦できますが、試しに一段階上げて挑戦してみたところ、出現する敵の数も増え、一気に厳しい戦いを強いられました。

 しかしそれだけ装備の強化のしがいがあるということ。また装備の性能だけでなく、敵が現れた際の状況判断など、プレイヤースキルが影響するところも間違いなくあります。

 繰り返して自分の腕前が上がっていく嬉しさ、キャラクターの装備が整っていく楽しさ、そして何より厳しい戦いをチームで乗り越えられたときの達成感は本作ならでは。

 原作のウォーハンマー好きは当然として、やりごたえのある協力ゲームを探している方は、ぜひ本作に挑んでみてください!

 シーズン毎に無料のマップやミッションが更新されるので、毎シーズン楽しみましょう。

ゲーム概要

タイトル:『ウォーハンマー40K:ダークタイド』
プラットフォーム:PC(Steam)
ジャンル:協力型FPSゲーム(PVE)
発売日:2022年11月30日(水)
価格:
『ウォーハンマー40K:ダークタイド』(5,200円)
『ウォーハンマー40K:ダークタイド』インペリアルエディション(7,800円)
開発元:Fatshark
発売元:Fatshark

※記事内の内容は先行テスト版のもので正式版とは異なる場合があります。
Fatshark,Level Infinite
Warhammer 40,000: Darktide © Copyright Games Workshop Limited 2022. Darktide, the Darktide logo, GW, Games Workshop, Space Marine, 40K, Warhammer, Warhammer 40,000, 40,000, the ‘Aquila’ Double-headed Eagle logo, and all associated logos, illustrations, images, names, creatures, races, vehicles, locations, weapons, characters, and the distinctive likeness thereof, are either ® or TM, and/or © Games Workshop Limited, variably registered around the world, and used under licence. © Fatshark AB 2022. All rights reserved to their respective owners.

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

関連する記事一覧はこちら