約10年ぶりのナンバリング新作『ディアブロ4』インタビュー。伝統的要素と挑戦的アイデアのバランスは?
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Blizzard EntertainmentがPC/PS4/Xbox Oneで2023年6月6日に発売予定の『ディアブロ』シリーズの最新作『ディアブロ4』。
先行プレイに続き、開発者インタビューも実施されました。この記事では、アシスタント・ゲームディレクターのジョセフ・ピエピオラ氏とリードデザインのリード・ゲームデザイナーのザヴェン・ハルトゥニアン氏のインタビューをお届けします
また電撃オンラインではメディア向けプレビューイベントにて開発者が語った本作の見所、魅力についても公開。プレイレポートと合わせてお楽しみください。
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伝統と挑戦、その両立を目指した
――約10年ぶりのナンバリングタイトルですが、伝統的な要素と挑戦的なアイデアのどちらを重視したのでしょうか?
ジョセフ・ピエピオラ氏(以下、敬称略):まず今回はオープンワールドが主軸ということ、そして答えとしては両方を重視しています。『D2(ディアブロ2)』のプレイヤーから多いのは幅広いビルドや多彩なスキルの部分について。『D3(ディアブロ3)』は、アクションのクオリティやモンスターを倒す手応えがとくに反響の大きい部分。この2つをオープンワールドに落とし込んだ際に、どう影響するのかを重視しました。
ザヴェン・ハルトゥニアン氏(以下、敬称略):『ディアブロ』をデザインする上で過去作の要素は必ず考えています。今回は過去作におけるプレイヤーからのフィードバックを参考に、『ディアブロ』の新しい世界観にそれらを当てはめたとき、どう見えてくるのか、どう感じるのかが一番のコンセプトになっています。
――UIや操作回りの開発について、意識した点はありますか?
ザヴェン:UXチームがいい仕事してくれたなと自分たちで思っています。『ディアブロ』は元々キーボード&マウスでプレイされていましたが、今回は初めからコントローラーでのプレイを念頭にシステムをスタートしていました。
とくに注意したのは説明です。例えば何かを知りたいときにカーソルを合わせると説明文が出ますが、それぞれの操作スタイルに対応したキーワードをしっかり伝えられるかに注力しています。
また今回はクロスプログレッションに対応しているので、PCからコンソールに変えたり、その逆でプレイする人もいると思います。そういった要素も考慮してデザインをしたので、操作感覚が損なわれないよう、違和感を減らせるようにデザインを心がけました。
――『ディアブロ イモータル(DI)』では、右スティックを使用したスキルエイムが便利だったのですが、本作ではできますか?
ジョセフ:現状できません。コントローラーは多くのボタンを使うため、右手に操作が集中するのは困難という理由で避けました。その代わり、左スティックの押し込みで敵をターゲットするシステムを導入できればなと。ターゲットした敵に対して集中してスキルを使用できるため、より正確なプレイが可能になると思います。
シーズンは年3~4回、アクションやストーリーで新規プレイヤーへのアピールも
――運営型のタイトルということで、ストーリーや新エリアの追加、イベントなどは予定されていますか?
ジョセフ:現状、まだ詳しくは話せません。これまでにもあったシーズンを年に3~4回予定しています。シーズンに関しては新キャラクターだったり、昔登場したキャラを再登場させるなど、コンテンツは豊富に用意していきます。中心となるのは、サンクチュアリの人々に関する世界観の掘り下げをもっと広げていきたいですね。
新シーズンの重要性は開発側も注視していますし、伝統は続けていきたい所です。詳細を話せるタイミングがあると思いますので、それまでお待ち下さい。
――新規ユーザーをつかむための施策は行っているのでしょうか?
ジョセフ:主に2点の大事なポイントがあります。『D3』はアクションや戦闘の部分の評価やフィードバックが高く、新規プレイヤーを多く取り込んだタイトルなので、その点を磨き上げ、コンバットシステムやモンスターの攻撃方法などを直感的に分かるような作りにしています。また世界観やそこに住む人々の環境を伝えやすくする努力も行いました。
もう一点はストーリーの展開について。とくにただストーリーを見る傍観者ではなく、プレイヤー自身もその世界に生きる1人だという没入感をいかに足していけるのかを気を付けました。
――『D3』から数十年経っていますが、『D4』までの間に起こった出来事をゲーム内で知る手段はありますか?
ザヴェン:ムービーや解説というものではなく、地形や建物などを通して感じてもらえると思います。例えば『D3』で登場した砂漠エリアに『D4』でも訪れることになります。その時と比較して、からどのように変化しているのかを見られますね。
砂漠のみならず、他のエリアも『D3』に登場したものがあります。過去作のプレイヤーであれば既視感のある光景があると思うので、懐かしい感覚になるハズです。
――本作でメインの悪魔リリスが登場しますが、彼女が抜擢された理由を教えてください。
ザヴェン:リリスが選ばれたというよりも、まず一番フォーカスしたかったのがサンクチュアリの世界です。悪魔リリスと天使イナリウスが作り上げたサンクチュアリという世界をプレイヤーに見せる、伝えていく過程で最も適していたのがリリスという悪魔でした。
ジョセフ:天国と地獄に挟まれた絶妙なバランスで存続しているサンクチュアリにおいて、人々がどのような生活をしているのかを描きたかった。そういった視点から逆算して出てきた存在ですね。
レベル差を埋める工夫や、細かなドロップテーブルも用意
――レベルスケールはどのように変化するのでしょうか?
ジョセフ:他のプレイヤーも存在する、いわゆるシェア ド ワールドということで、レベルスケールは大きな問題でした。大雑把にいえばレベル5のプレイヤーのエリアにレベル45のプレイヤーが入ってくると敵のレベルも相応のものに変化する問題をどうするかということです。
ここで私たちは与えるダメージをパーセンテージにすることで解決しています。先の例のようにレベル差のあるプレイヤーが同じモンスターを相手にした場合、与ダメージがパーセンテージの制限を受けるため、ダメージの割合は同じくらいになります。
一方で、"Strong Hold"というエリアに挑戦する際はレベルを決められます。これに関してはCOOPを組んでいれば、どのレベルに挑戦できるかを決められるシステムを考えています。
――本作のアイテムドロップに関して。前作はランダムでしたが、今作には一定のルールが存在するのでしょうか?
ジョセフ:これまで通り完全ランダムなルートテーブルが存在しますが、その上でモンスターごとの細かなテーブルを用意しています。例えばゾンビ系からは宝石をよくドロップしたり、吸血鬼系なら別の系列のアイテムが出てくるというように、ファミリーごとで振り分けたテーブルを構築しました。
グローバルなモンスターテーブルもありますが、モンスターテーブル。ファミリーテーブル。また各地のアクティビティや"Hell tide"をこなすことで、出現アイテムを絞ることも可能です。
またハーブ系やモンスターの部位は合成に使えます。これらもどこの地域にモンスターがいるのか、どこにハーブが生えているのかを覚えることにより、効率よくパワーアップできるシステムとなっています。
ほぼすべてのコンテンツはソロで楽しめる
――『DI』では、2人以上が必須のコンテンツがありましたが、本作にそれらの要素はありますか?
ジョセフ:本作はストーリーにフォーカスしているので、ほぼ全てのコンテンツがソロで楽しめます。ただ、ゾーンイベントやワールドボスなど大掛かりなイベントに関しては複数で挑むことが前提なので、ソロでは難しいと思います。
ただ、キャンペーンやストーリーの大事な部分はプライベートなセッティングになっているので、他のプレイヤーを見かけることはなくなると思います。大切な体験は自分もしくはCOOP中のフレンドのみがストーリーを見られるのではないかと思います。
――ブッチャーと遭遇したのですが、テスト版のイースターエッグのようなものでしょうか?
ザヴェン:テスト版だけのものではありません。彼はシリーズ皆勤賞なので、今作でも出していきたいと思います。
ブッチャーに関しては、シリーズでお馴染みのトレジャーゴブリン的な存在だと思って下さい。本作でもゴブリンが出ますが、彼らは逃げる存在に対して、ブッチャーは殺しにかかってくる存在です。その分、いいアイテムを落としますし、ブッチャーしか落とさないアイテムもあるのでお楽しみに。
ブッチャーが去る方法は倒すか倒されるしか方法がありません。各ダンジョンで完全にランダムに出現するモンスターなので、緊張感のあるサプライズになると思っています。
――『ディアブロ4』のエンドコンテンツには、どのようなものはありますか?
ザヴェン:今のところ、3つのエンドコンテンツを考えています。1つは“Whisper of Dead”というもので、各地に登場するアクティビティをこなすことで報酬を得られるもの。
2つめは“Nightmare Dungeons”と呼ばれるものです。特定のアイテムを集めることで、このダンジョンにアクセスしたり、ダンジョンの難易度をアップグレードしたりできます。難易度を上げれば手に入るアイテムの等級も上がっていく仕組みです。
最後は“Helltide”というもので、簡単にいうと特定のエリアの難易度が向上するワールドイベントです。発生すると敵の強さが上がりますが、そのぶん見返りも大きい、ハイリスクハイリターンなゲームプレイが楽しめます。
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