反逆するロボットと戦うアクションRPG『Atomic Heart』は能力と銃撃を合わせた爽快感満載の戦闘が楽しめる
- 文
- セスタス原川
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Beep Japan(Beep)より2月21日より発売予定(PS4/PS5版は4月13日)のアクションRPG『Atomic Heart』。本作の日本語版のメディア向け先行体験イベントが実施されました。
本記事では、実際にゲームを先行体験した感想をお届けしていきます。
現実と架空の延長戦にある世界観
本作の舞台は1955年の架空のソ連。実際にプレイしたうえでの世界観の印象は、正史とは異なり進化した機械技術と、その中で漂う20世紀らしい発展途上具合のバランスが絶妙と感じました。
それを最も感じたのはロボットたちのデザインです。自分たちで動いて喋るという、現代の技術でも難しい領域のロボット技術がある中で、その外見はマネキン人形のような簡素な作りが目立ちます。
我々が思い描く未来のロボットではなく「過去にロボットが存在したらこんなデザインだよね」という意図を感じます。これが世界観だけでなく、対面するロボットたちの外見に少しホラー的な要素としても機能しており、顔色1つ変えずにロボットたちが襲い掛かってくる瞬間は、狂気を感じる恐ろしさがありました。
街中にはそんなロボットたちが溢れている中で、高階級の人間と共に居るロボットには近代的なデザインも見られました。これが階級社会というものなのでしょうか?
このようにロボットの外見1つとっても、どのような技術が発展しているのか、ロボットにどんな役割があるのかなど、世界観の考察が楽しめます。他にも、空を飛ぶ車でも車内のデザインはレトロなものだったり、街で流れている音楽やテレビ映像も時代を感じさせる雰囲気でした。
1から100まで文字や映像で解説するタイプの世界観ではなく、散りばめられた情報が繋がることで世界の本質が見えてくるような設計。こういった世界観の魅せ方が好きな方は、プレイしながらの想像や考察が捗ること間違いなしです。
物語の序盤の話にも触れていきましょう。任務を受けた主人公が最高機密施設“3826番施設”に足を踏み入れると、そこには人間を虐殺するロボットたちの姿がありました。
ロボットによる創造主への反逆はこれまでさまざまな作品で描かれてきましたが、本作ではそれにどういった
味付けがされるのか。ストーリーを追っていると、全人類に導入予定のニューラルネットワーク“コレクティヴ2.0”が大きく絡んでいる様子です。どうやら黒幕的な存在は既に見当がついているようですが、その真偽は果たして……?
美麗グラフィックとリアルな視点の没入感
本作の注目ポイントの1つである美麗なグラフィックは、ゲームをプレイしてすぐに実感できました。その中でも映像関連で驚かされた点は、主人公の視点移動のリアリティと自由度です。
視点の揺れや動き方もリアルに描かれており、文字通り主人公の視点がそのまま画面に映されている印象。そのため、移動する際には細かく揺れることはもちろん、アクションで激しく動く際には一瞬何が起きたか分からなくなるほどの視界の乱れが起こります。
キャラクターに話しかけられていたり、移動操作が行えないイベント発生時でも、プレイヤーの視点操作は自由に可能。実際に初めて来る場所を歩いているときは、周囲をキョロキョロと見てしまうのが人間というもの。その動作をゲーム内で実際に行えるので、本当に自分がその場所に訪れたような感覚を楽しめました。
本作は全てのフィールドがリンクしたオープンワールドを採用しています。スタート地点の“空中都市チェロメ”や、物語の始まりで訪れる“3826番施設”は広大なマップとなっており、シームレスな移動が可能。こちらも没入感を高める大きな要素の1つです。
スキル×武器による爽快アクション
アクション要素は、筆者の体感では全体的にやや上級者向けな印象。セーブはチェックポイントに到達かセーブポイントのみ。銃弾は弾数制で無くなった場合は近接攻撃頼り。敵のダメージは高め。今回は三段階難易度の中間、標準のモードでプレイしましたが、序盤からゲームオーバーになる展開が多くありました。
ところが、グローブの能力(ポリマースキル)の使い方と回避の使い方を覚えてからは戦闘の難しさが一転。まずは能力で相手の動きを縛り、有利な状況を作ってから射撃や近接で攻撃する方法がセオリーのようです。
そして、相手の攻撃が来た際は無理に攻撃をせずに回避に徹する。この2つを意識するだけで、戦闘の難易度はかなり易しくなりました。ただただ難しいというわけではなく、用意されたアクションを使いこなせているかどうかを試される戦闘が多かったです。
この進め方を理解してからは、戦闘時の選択肢も広がり、敵も倒せるようになり、本作のアクションの真髄に触れられた感覚がありました。最序盤の能力が使えない状態の戦闘はどうしても苦労する部分がありますが、そこさえ乗り切れば、スキルを受けて動けない敵を一方敵に倒す爽快な戦闘を味わえます。
ゲームをある程度進めるとポリマースキルもさまざまな種類が手に入るようで、最も印象的だったのは相手を持ち上げる重力系の能力。相手を叩きつけてダメージを与えるだけでなく、左手のグローブの力で持ち上げている間に、右手の銃で打つという、まさに本作の銃撃とポリマースキルの組み合わせを体現したような攻撃でした。
他にも、相手を氷結させたり、近くに吸い寄せたりと、ポリマースキルの種類は豊富。同時に使用できる数は2つで、どれを装備するかはプレイヤーの自由。敵に合わせたプリセットを考えて難所を突破するのも面白そうです。
武器もポリマー武器という能力が付随したタイプがあり、打撃以外にも特殊な攻撃が行えました。
戦闘だけでなく、鍵を解除したり、障害物を乗り越えたりとアクションのバリエーションも豊富。各ステージごとに異なるギミックもあり、プレイし続けても飽きが来ることはありません。
道中にはボスステージもあり、そこでは何度も倒されてはやり直して少しずつ攻略法を身に着けていく感覚も楽しめました。強力な攻撃の際には相手が赤く発光するので、その瞬間に素早く移動できる回避をうまく合わせられるのかが攻略のカギとなります。
さまざまなシチュエーションを体験してゲームの先行プレイは終了。ストーリーや世界観はかなり細かい部分まで設定されており、本筋となるメインストーリーはもちろん「なぜこのような世界なのか?」「なぜこんなロボットが使用されているのか」など、世界観の裏付けとなる背景まで細かく作られている印象でした。
アクション面はやりごたえを感じさせてくれる難しさがありつつ、その上でゲームを進めると敵をどんどん倒していく爽快感を味わえます。ポリマースキルや武器はプレイヤーの手札の量であり、これが増えるほど攻略の選択肢が増え、よりゲームの面白さが広がります。
明かされていく世界の謎。気持ち良さが増していくアクション。両方の要素が合わさることで、プレイを続けて先に進むほど面白さが増していく作品と感じました。個人的には、ニューラルネットワーク“コレクティヴ2.0”にどんな裏があるのかが気になるところです。
先駆けて発売となるPC/Xbox版は2月21日より発売予定。このロボット溢れる世界の裏でどんな陰謀が渦巻いているのか、ぜひその目でお確かめください。
『Atomic Heart』メディア向け先行体験イベントレポート
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