硬派なSPRG『マーセナリーズラメント』レビュー。シンプルさの奥に油断できない戦略性が光る【電撃インディー#393】
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ライドオンジャパンより、2月9日にSwitch版の発売を予定しているタクティカルシミュレーションRPG『マーセナリーズサーガ』シリーズ7作品目『マーセナリーズラメント 銀狼と巫女を廻る七つ星』のレビューをお届けします。
広がる謎の病と逃れられぬ死の運命
まず初めに『マーセナリーズサーガ』シリーズは、作品をまたいだストーリーの繋がりはないため、どの作品からプレイしても入りやすいのが特徴です。
今作のストーリーは謎の病により人間がゾンビ化し大量発生した大陸を舞台に、ゾンビ退治を生業とする銀狼傭兵団の隊長・ヨハンが主人公。
ある日、彼は死神と名乗る男と遭遇してこれを撃退しますが、死神は「凶兆が最も高まる100日後、逃れられぬ死が訪れる」という不気味な言葉を残していくところから物語は始まります。
前作はイケオジ系主人公でしたが、今作は銀髪細身のイケメン・ヨハン。見た目に反してクール系ではなく、曲がったことが嫌いな熱血系なのもギャップがあってイイ!
傭兵団には、喧嘩っ早い姉御肌系のライラ、軟派でお調子者のエルマー、元司祭の美男子マリアンと一癖ある性格と経歴のキャラたちが周りを固めてくれています。
メインストーリーを進めることで傭兵団の活躍を聞きつけて仲間が増えていくのも、シンプルで分かりやすい点。戦士、弓兵、ヒーラーに魔術師など、仲間になるキャラは戦闘スタイルが被らないのもお約束です。
そんな傭兵団たちは、不治の病を治療できる唯一の存在アマーリエに出会います。彼女との出会いによって、傭兵団はゾンビ退治から救いの旅へとシフトしていきます。しかし、その裏で暗躍するヨハンに迫る死の予言……。
世界設定は死の病や宣告と死に迫るものですが、前向きなキャラが多く話が暗くなりすぎないのも良い点です。全体的にストーリー構成が王道一直線なので、誰が離脱するとか死ぬかといった不安を抱えずに進められます。
装備品やスキル、クラスなど選択肢の多い豊富な戦略性
バトルは一般的なタクティカルシミュレーション。高低差による命中補正や背面や側面からのダメージアップなど、正統派なシステムを採用しているため、シミュレーションRPGの入門書としても最適なゲームでしょう。
1人のキャラだけを強化して進められるタイプのゲーム性ではなく、各ユニットの配置やヘイト管理をしっかり行っていくのが重要。シンプルゆえにゴリ押しが効かないので、とても歯ごたえがあります。細かな難易度が調整でき、自身の腕前に合ったものでプレイ可能なのも嬉しい点です。
各クラスには攻撃スキルからパッシブスキルまで用意されており、戦闘後に得たポイントを消費して習得、強化できます。さらに各キャラは、一定以上のレベルに到達すると上級クラスに転職可能。一度習得したスキルは転職後も使えるので、戦略性がどんどん広がっていきます。
スキルを強化すると、ダメージアップのほか攻撃範囲が拡大するなど性能が変化。そしてレベルアップに応じて消費MPが増加していきます。ユニークなのは戦闘中に任意のスキルレベルでスキルを使用できる点で、状況に応じて消費MPを節約できます。
また装備品にはセット効果や特別な効果を持つものが存在し、これらの組み合わせでもキャラを強化可能。装備品は合成もできるため、自分だけの強力な装備品を整える楽しみもありますね。
そして、バトルの要となっているのが、戦闘中の攻防によってたまるパワーを消費して4ターンの間大幅なステータスアップ状態にできる“降臨”。
この“降臨”は単純なパワーアップだけではなく、別キャラが攻撃時に“降臨”中のキャラと敵を挟み込むように隣接していると連携攻撃を繰り出せます。追加ダメージが与えられるだけでなく、敵からの反撃もキャンセルできる強力なシステムです。
さらに“降臨”中は超強力な必殺技を繰り出せます。必殺技はダメージとともに追加効果を与えたり、味方全員のHPを回復したりと戦況を一変させるものばかり。ただし、発動と同時に残りターン数に関わらず”降臨”が解除されてしまうデメリットも持っています。
“降臨”中のステータスアップや必殺技は魅力ですが、それでも単独で戦えるほどの圧倒的な強さではなく、敵の集中攻撃で倒されることもありました。むしろ上手く配置して連携を組んでいく面白さがあります。
非常にオーソドックスなシミュレーションRPGですが、装備品やスキルを組んでいく面白さや“降臨”のタイミングに配置など、気の抜けないタクティカルバトルを最後まで堪能できるオススメの一本です。税込み2,200円と値段も安く、選びやすいタイトルなのでぜひこの機にプレイしてみてはいかがでしょうか。
©RideonJapan,Inc.
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