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レビュー:『ディアブロ4』オープンベータの感想は…カスタマイズの多様さと戦闘のテンポ感が中毒性をさらにマシマシに!

hororo
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※『ディアブロ4』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。

 Activision Blizzardより2023年6月6日に発売予定の『ディアブロ4』。25年以上もの歴史を持つハック&スラッシュの代表的なタイトルであり、約10年ぶりとなるナンバリングタイトルの最新作として、大きな期待を寄せられています。

 3月18日から21日にかけて、予約者を対象としたオープンベータテストへの先行アクセスが実施されており、一般公開に先駆けてプレイすることが可能となっていました。なお、誰もが参加できるオープンベータテストは、3月25日から開始予定です。

 今回のレビューは、オープンベータテストの先行アクセスを使ったものであり、使用できるクラスが制限されていたり、レベル上限や訪れることができる範囲が限定されていたりする状態のものであることをご了承ください。

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膨大なスキル群から自分の戦術を組み立てていくのが楽しい!

 『ディアブロ』シリーズ最大の魅力といえば、豊富なスキルを自由に組み合わせたり、さまざまな付加効果のある装備品を収集したりして、独自の戦術を突き詰めていくこと。

 開発者インタビューでも何度か触れられていますが、過去の『ディアブロ』シリーズからの評価が高い点を組み合わせて作られているというだけあって、とりわけスキル周りの完成度は非常に高く感じました。

 各クラスごとに豊富な数のスキルが用意されているにもかかわらず、スキルツリーの構造がわかりやすく、混乱しにくいようにまとめられています。

 スキルは特性によって分類され、基本的には各分類のスキルをひとつずつ習得していくという形。今回私が使用したローグで例えると、まず最初に覚えられる基本スキルは以下の5種類となります。(※スキルの詳細は簡易的にしてあります)

●活性の一撃:近接攻撃をし、リソースの回復量を上昇させる
●ブレード・シフト:近接攻撃をし、敵をすり抜けられるようになる
●釘刺し:近距離に刃を投げつけ、敵の移動速度を低下させる
●ハートシーカー:敵を追尾する矢を放ち、クリティカルヒット率が上昇する
●フォースフル・アロー:敵1体に強力な矢を放ち、脆弱状態にできる

 このなかからひとつ選んで習得するのですが、スキルには個別にレベルがあり、スキルポイントを割り振ることで、スキルの性能を向上させることが可能です。またスキルレベルとは別に、そのスキルにボーナス能力を付加できる“強化”をほどこすことも……!

 例えば私が習得した基本スキルは“ハートシーカー”なのですが、そこから伸びるツリーの先に“ハートシーカー(強化版)”というノードがあります。これはハートシーカーの攻撃でクリティカルヒットが発生すると、攻撃速度が上昇する、という効果をハートシーカーに付与するもの。

 さらにそのツリーの先は、“ハートシーカー(本格)”と“ハートシーカー(極上)”に枝分かれしており、本格では命中した敵へのクリティカルヒットのダメージが上昇する効果が、極上では矢が一定確率で跳弾するようになる効果が追加されます。なお、この最終段階の強化はどちらか一方しか習得することはできません。

 仮にスキルポイントが3点持っていた場合、ハートシーカーを強化込みで最後まで強化してもいいですし、付加効果がいらなければハートシーカー自体のレベルを3まで上げる、という選択もできるわけです。もちろん、ハートシーカーをレベル2にして、ハートシーカー(強化版)を取るのも可。

 一応、スキルポイントを使って別の基本スキルを習得することもできます。ただし、スキルを使うためのスロットは全部で6つしかなく、ある程度スキルツリーにポイントを消費しないとスロットが解放されないため、最初の段階で複数のスキルを習得するのはオススメできません。

 そしてスキルツリーは注ぎ込んだスキルポイントの量に応じて、画面下部へと進んでいき、新しいスキルが習得可能になっていきます。ローグでいえば、基本スキルの次はリソースを消費して使用できるコアスキル。その次は特殊な移動方法を兼ね備えた敏捷性スキル。そして敵を欺く遁走スキルに、武器やスキルに追加効果を付与する注入スキルというように、さまざまな分類のスキルがアンロックされていきます。

 もちろん基本スキルと同じように、各スキル分類ごとに複数のスキル&強化ノードが用意されていて、どのようにスキルポイントを割り振っていくかはプレイヤーしだい。最大6つのスキルスロットにどのスキルをセットするのか、どのスキルのレベルを上げるのか、強化ノードはどれを取るのか。考えることはいろいろあり、スキルツリーを眺めて戦術を考えているだけで時間が溶けてしまうほど……!

 ちなみにスキルポイントの振り直しはワンボタンで実行可能です。それまでに使用したスキルポイントに応じたゴールドを消費してしまうものの、そこまで高いとは感じません。手に入れたアイテムに合わせて、気軽にスキルセットを組み替えられるのは嬉しいですね。

 地味に嬉しいのが、各スキルやノードにタグが付いており、キーワード検索で絞り込めること! 例えば敵を脆弱状態にさせるスキルや、脆弱状態の敵に対してボーナスを得られるスキルを中心にビルドを組み立てたい場合、脆弱キーワードを選択するだけで、該当するスキルがハイライトされて一目瞭然! 

 戦術の軸にしたいスキルを選んでしまえば、あとはそのスキルが持つキーワードで逆引きすれば、おおよそのビルドの完成形が見えてくるというわけです。これはかなり優秀!

 ちなみに私はたくさんの矢が画面を飛び交うのが見たくて、矢を複数放つスキルと跳弾系の強化を組み合わせたビルドで戦っていました。うまくハマると画面内の敵が一気に溶けて楽しい反面、ボスのような単体で強い相手には効果が薄いのが悩みどころ。

 今回のベータテストではレベル25が上限で、まだ取れないスキルも多かったので、製品版が発売された際にはこのビルドのさらなる方向性を探ってみたいですね!

オープンワールドになったことで、フィールドの探索要素がさらに楽しく!

 本作では、フィールドがオープンワールドになったことで、序盤からさまざまな地域へ足を運ぶことができるように! メインクエストは早い段階で枝分かれし(ベータテストでは、そのうちのひとつしかプレイできませんが)、プレイヤーが自分の意志で進路を選択していくことになります。

 加えてかなりの量のサブクエストも用意されているため、あちこち依頼をこなしているうちに、あれよあれよとレベルが上がっていきます。さらにクエストとは関係ないダンジョンや、リリスの像といった収集要素までふんだんに盛り込まれているため、寄り道が止まらない……!

 しかも、エリアごとに達成度が設定されていて、一定の達成度になるごとにスキルポイントのボーナスなどが得られるので、歩き回ることでの実益もある。探索好きとしては嬉しい悲鳴かもしれませんね。

 ダンジョンにも、初回踏破ボーナスがあるので、見かけるとついつい入ってしまうんですよね。そのあと、サブクエストで同じダンジョンに戻ってくることもあるのですが……(笑)。

 そういった二度手間を楽しめるのも、本作の戦闘の楽しさがあってこそ。とにかく自分の考えた戦術がうまくいったときの快感がすさまじく、レベルも上がりやすいため戦闘が苦になりません。ハクスラのお手本のようなバランス!

 シリーズ恒例のタウンポータルもあるので、町への帰還も一瞬です。最初から覚えているので、特別なクエスト等も必要ありません。ダンジョンで荷物がいっぱいになってしまっても、一度街に戻ってかばんを整理してから戻れば問題なし。

 ちなみにアイテムはサイズによって占めるマス目のサイズが変わる仕様は撤廃され、本作ではどんなアイテムでも1マスで済むようになりました。便利になりましたが、個人的にアイテムをパズルのように組み合わせるのが好きだったので、そこは少し残念かも……。

 なお、本作はオンライン接続が前提の作りとなっており、プレイしているとほかのプレイヤーとすれ違うことも少なくありません。私は、これまでの『ディアブロ』シリーズはソロで遊ぶのが普通で、たまにフレンドを招待して2人旅をする、という程度のものでした。

 ですが本作では問答無用でオンラインの大海に接続されるため、町にいるとさまざまなプレイヤーが画面を横切っていきます。まるで『ディアブロ』のMMORPGを遊んでいるような感覚で新鮮でした。

 町を出てもほかのプレイヤーと会うことはあり、ワールドイベント(フィールドに一定間隔で発生するイベント)に挑んでいる最中、どこからともなく別プレイヤーが現れ、一時の共闘をすることも。まさにMMO的ですよね。

 敵をせん滅し終えたら、報酬の宝箱を開けてサヨウナラ。宝箱から出るアイテムはプレイヤーそれぞれが入手できるため取り合いにもならず、とくに挨拶もなしでそれぞれの冒険に戻る、非常にドライな関係です。一応エモートも使えるのですが、プレイ中にエモートで交流を図っているようすは見られませんでした。サツバツとした世界だから……ね。

 MMOライクというと、無数の人がいるせいで『ディアブロ』の陰鬱で重苦しい世界観が損なわれるのでは……? と危惧する人もいるかもしれません。しかし、少なくともベータテストではサーバーが細かくレイヤー分けされているのか、同じ空間に同居する人数はそこまで多くない印象です。特に町から一歩外に出ていくと、めったに出会わないくらいでした。もしかすると、共闘する人間の数は、多すぎず少なすぎずのバランスを取っているのかもしれません。

 もちろんほかのプレイヤーがいることで戦闘がラクになる側面はありますが、個人的に気に入ったのはほかのプレイヤーのオシャレが見れること! 前作にもあった要素ですが、手に入れた装備は鍛冶屋で分解することで外見を保存することができ、今の装備へと上書きすることが可能です。さまざまなプレイヤーのこだわりのキャラクターを見せあうのも、楽しみのひとつになりそうです。

陰鬱な世界観で紡がれる救いのなさそうな展開、これぞダークファンタジー!

 『ディアブロ』シリーズはパッと見てもわかる通り、ダークファンタジーです。本作はCERO:Zで発売されるということもあり、シリーズ屈指の陰鬱な画面(誉め言葉)であることは間違いないでしょう。死体がたくさん転がっているのは当然として、内臓がベロンチョしたり、うじ虫っぽい敵がワサワサしたりと、恐れずに言えばプレイヤーを選ぶ描写も少なくありません。

 しかしこれこそが『ディアブロ』の世界。そしてそんな中で描かれるストーリーも、おそらく大団円というものではないでしょう。ベータテストで実装されているクエストの数々を見ても、「よかったね」で済むクエストはほぼありません。大抵誰かが死んだり、登場人物がろくでもなかったりします(笑)。

 サブクエストは、主にこの暗い世界に住まう人々の生きざまを描いたものが多く、サンクチュアリと呼ばれる人類の世界がいかに過酷かを知る教科書となるはず。生きることさえ苦しみになりかねない世界だからこそ、悪魔や天使にすがる人々の情緒がより映えるといえるでしょう。

 一方でメインクエストは、シリーズ代々続いてきた悪魔と天使、そして人間たちの戦いを追うものになっていくと予想されます。本作のメインの敵として描かれている悪魔・リリスは、イナリウスという天使とともにサンクチュアリを生み出した存在。かつては協力していたふたりですが、今では敵対しているようす。

 今回のベータテストの範囲は物語の序盤に過ぎませんが、すでにリリスもイナリウスも登場しており、その存在の大きさもあってグッと引き込まれます。ここからどう世界が動くのか目が離せません。

 往年のファンにとっては、過去作の町であるトリストラム(の成れの果て)などが登場するのも心躍る要素かと思います。年代としては『ディアブロ3』から数十年後が舞台となっているようですが、はたしてそのまま荒廃せずに残っている土地はいかほどあるのでしょうか……。

 ちなみに、『ディアブロ』のようなクォータービューの作品は自分のキャラクターがつねに上から見下ろされるうえ、キャラクターも小さく表示されるため、ストーリーへの没入度が低いのが欠点だなと思っていたのですが、なんと本作からは自分のキャラクターがガッツリ反映されるカットシーンが挿入されるように! それもあってか、本作では比較的細かい容姿カスタマイズが可能となっています。

 顔や髪型のパターンはそこまで多いというわけではないものの、化粧や装飾品は豊富。入れ墨も入れることができ、最終的な印象はけっこう幅広そうに思いました。なお、化粧と装飾品はワードローブで変更することができました。

 キャラクターカスタマイズとカットシーンのおかげで、自分が『ディアブロ』の世界に主人公としてかかわっているという感覚を強く感じられるようになったのは大きいですね。

 まだベータテストの段階とはいえ、序盤でこれだけ夢中にさせてくる『ディアブロ4』。発売されたら、いったい何人の時間を吸い上げてしまうのでしょうか……! 今回初めて『ディアブロ4』を知った方や、購入を迷っている方は、ぜひ週末のオープンベータテストに参加して、本作の悪魔的魅力に浸かってみてください。溶けた時間の責任は取りかねますが……!

©2023 Blizzard Entertainment, Inc.

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