『ディアブロ 4』インタビュー。壮大な戦いに巻き込まれる人間の苦悩に、ある登場人物が使っていた武器。“生きている”世界をよりディープに楽しむための視点
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※『ディアブロ 4』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
Blizzard Entertainmentから、2023年6月6日(火)発売となる『ディアブロ 4』。6月2日(金)からはアーリーアクセスが開始されている。
5月13日~15日に開催されたサーバースラム終了後に、『ディアブロ 4』の気になる仕様面などの点について、ゲームディレクターのジョー・シェリー氏にインタビューを実施。製品版が世に出たいまだからこそ明かせる内容も含めて、ぜひ熟読してほしい。
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※この記事はファミ通.comに掲載された記事を転載したものです。
“生きている”世界をわかりやすく体験できる
――本作でリリスとイナリウスの物語が掘り下げられることになった経緯をお聞かせください。
ジョー:リリスとイナリウスのふたりは、サンクチュアリという『ディアブロ』の世界を作り上げた存在です。根本には創造主としてのふたりを描きたかったという意思があります。さらに、天使と悪魔が協力するという観点もまた興味深い。ここを掘り下げてみたかったというのもありますね。
ジョー:もうひとつの観点として重要なのが、この世界に存在するもうひとりの主人公である“人間”です。壮大な戦いに巻き込まれている状況やその苦悩は、物語の大きな一部。プレイヤーの皆さんに実際に(『ディアブロ 4』の)世界に入り、この世界に住んでいる人間の観点で物語を観ていただきたいという意図もあります。
――本作をオープンワールドで表現するうえで、力を入れた点を教えてください。
ジョー:まずはシンプルに、“『ディアブロ』の世界であるサンクチュアリをお見せする”というのが大事な点ですね。これまでのシリーズでは、どちらかと言うと、ダンジョンに潜って戦闘するというコアなゲーム性を重視してきました。その中でどうやって世界を描いてきたかと言うと、キャラクターやアイテムのバックストーリーを通じて匂わせたり、サイドクエストなどを活用してきました。
しかし、この世界をしっかり見せるとなると、オープンワールドという形で“生きている世界”を表現しないといけない、と考えました。そうして世界にフォーカスするだけではなくて、いままでのコアなゲームプレイの核になっているダンジョン探索の部分についてもしっかり作りたい。そう考えたため、多数のダンジョンをしっかり入れ込んだ“生きている”サンクチュアリを表現しました。
ジョー:加えて、いままでのシリーズになかった要素として、プレイヤーが起こす行動によってストーリーが進行しつつ、それに付随して見える世界も変わっていく点があります。サイドクエストなどでも変化は起きますし、ステージという意味でも雪が降っている地域から砂漠地帯まで幅広い地域があり、その変化もまた生きた世界として楽しんでいただけると思います。
さらに、エンドゲーム(エンディング到達後の世界)に入ってからも生きた変化は実感できます。ナイトメア・ダンジョンなどで、ゲームプレイそのものが変わっていきますから。
●関連動画『ディアブロ IV』|エンドゲーム
――今作で使用できる5クラスは、どのような理由で選別されたのでしょうか。また、今後これまでのシリーズ作品で登場したクラスが登場する可能性はあるのでしょうか。
ジョー:新しく登場するクラスについては、現段階ではコメントを控えさせてください。『ディアブロ 4』の5クラスについては、いままでの『ディアブロ』シリーズでの人気やおもしろかった部分を再度実現させたいという意図から選択しました。シリーズの使用率などのデータを参考にしており、これは従来のシリーズファンに向けてのアプローチとなります。
ジョー:新規のプレイヤーの皆さんに対しては、使ってみてわかりやすい、パッと見てどういうクラスかすぐに理解できる点を意識しました。たとえばバーバリアンなら近接武器で敵を殴り倒していくとひと目でわかりますし、ネクロマンサーは魔術師然としていて召喚スキルを使ってゲームを攻略していく。こういったファンタジーアクションRPGとしてのわかりやすさは重要です。
世界にふたつとないビルドやユニークアイテムを目指して
――続けて仕様面について教えてください。4人でいっしょにマルチプレイで遊ぶときとソロプレイ時で敵の強さは変化するのでしょうか。
ジョー:マルチプレイはこちらとしてもぜひ楽しんでほしい部分なので、「マルチプレイで遊ぶとより楽しい」と思っていただけるゲームデザインになっています。難易度はソロとあまり変わりはありません。
ただし、人が多いぶんゲームの体験という部分では調整が必要と考えています。敵のHPが少し多くなったり攻撃が少し強くなったりといった微調整は入りますが、基本的にはひとりで遊ぶときと変わらない感覚で、大勢でわいわいと楽しんでいただけるように調整しています。
――この世界で挑戦できるワールドボスは、何体出現するのでしょうか。
ジョー:まずは3体のワールドボスが実装されます。ですが、あくまでリリース時の数です。『ディアブロ 4』はライブサービスをお約束していますので、今後いろいろなワールドボスが追加されると考えていただいて大丈夫です。
――サーバースラムではワールドボス“アシャバ”のレベルは25で固定でしたが、製品版ではどうなるのでしょうか。
ジョー:アシャバはサーバースラムとオープンβテストでは25レベルでしたが、これはあくまでテスト段階の話で、製品版ではもっとレベルが高い状態で出現します。テストではプレイヤーの皆さんに、ワールドボスとの戦いがどういうものか楽しんでいただくために25レベルで登場させました。
ジョー:さらにワールドボス以外にも、世界のなかで起こるワールドイベントも用意されています。これはボス1体を倒すのではなく、人間の世界のなかで起きる大きなイベントに挑むという、大きなアクティビティとなります。
――力の古文書が獲得できるダンジョンは、いくつくらい用意されるのでしょうか。
ジョー:話が少しずれますが、まず本作のレジェンダリーアイテムについて説明させてください。こちらとしては特定の装備というより、“レジェンダリーパワー”として考えています。実際、アイテムを壊すことでそのパワーを化身として引き出すシステムがあり、アイテムとしてはフォーカスしていません。
力の古文書はそれに関連するもの。サーバースラムで解放されていたエリアは実際のゲーム内のほんの一部で、ほかの場所で得られる古文書はロックされていました。製品版では4つのエリアが追加されるので、そのぶんダンジョンも増え、得られる力の古文書の数も大きく増えています。
ジョー:レジェンダリーパワーは別々の違うアイテムに同じパワーが付属していることも十分ありえます。このパワーを引き出してどう使うかはプレイヤー次第ですので、キャラクタービルドの方向性を考えるのも大きな楽しみのひとつになります。
――レジェンダリーよりもさらにレアなユニークアイテムの効果は、アイテムに紐づいた固定のものなのでしょうか。それともレジェンダリーのように、ランダム付与されるものなのでしょうか。
ジョー:ユニークアイテムは『ディアブロ』や『ディアブロ 2』の非常にレアだったアイテムを意識して作成しました。“一品物に近いもの”として考えるとわかりやすいかと思います。各アイテムのパワーがものすごく強いのはもちろん、『ディアブロ 4』のゲーム世界に紐づくアイテムでもあります。あるキャラクターが使用していたアイテムであったり、アイテムそのものに物語があります。
もし見つけたなら、自分しか持っていないという高揚感が得られるアイテムであることは間違いないでしょう。また、エンドゲームに入るにつれてステータス面はさらにアップグレードされていきますので、最大レベルになってから見つけられるユニークアイテムは、この世界にひとつしかないものになります。それらを手に入れる喜びも、ぜひ味わってほしいですね。
――過去作では、ユニークアイテムを誰かが獲得すると、同じ場所にいる他プレイヤーのところには出なくなるという仕様がありました。『ディアブロ 4』ではどうでしょうか。
ジョー:今作のアイテムドロップは、プレイヤーごとに個別の扱いとなります。同じ場所にいながら同じユニークアイテムがドロップするということも、非常に可能性は低いですが起こりえます。
――誰が最初にそれらを手に入れるのか、楽しみですね。では最後に、『ディアブロ 4』のサービス展開について展望をお聞かせください。
ジョー:今後についてはライブサービスの展開は当然として、まず『ディアブロ 4』のリリース自体はあくまでスタートラインであると考えています。リリースされたバージョンの本作は、世界を創り、その世界にプレイヤーが入れるという初期段階です。
我々はこれからいろいろなストーリーやダンジョン、シーズンイベントなどを実装していくことで、この世界をさらに楽しいものにしていきたいと考えています。今後の展開については盛りだくさんのものをすでに準備していますので、ぜひ楽しみにしていてください。
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