超話題作・阿賀沢紅茶『氷の城壁』を読んだ感想は…「尊い」とリアルが詰まった等身大の高校生の青春漫画。単行本化もうれしい!

電撃オンライン
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 阿賀沢紅茶先生の漫画『氷の城壁』1巻と2巻が、7月4日に発売されます。

 ちなみに阿賀沢紅茶先生の最新作『正反対な君と僕』の最新4巻も7月4日に発売されます。こちらもぜひ!

阿賀沢紅茶の初連載作品。大人気縦スクロール漫画が、ついに紙媒体で発売

 『氷の城壁』は、少年ジャンプ+で『正反対な君と僕』を連載中の、阿賀沢紅茶先生の初連載作品です。小雪・美姫・湊・陽太の4人を軸に、高校生のリアルな友情・恋・悩みを描いた青春群像劇です。

 縦スクロール漫画で話題になった本作ですが、単行本化にあたり、コマ割りを組み直したものが発売されます。形式上単行本化が難しい縦読み漫画を、組み直してまで発売するという異例の事態が、本作の人気を物語っていますね。
※LINEマンガ・コミックシーモアでは電子版が先行配信されています。

 1・2巻が同時発売、以降毎月1冊刊行が予定されていきます。

 筆者は縦読み漫画(ウェブトゥーン)が苦手だったのですが、『氷の城壁』は、縦読みならではの工夫を感じるコマがあり、ストーリーも含めて興味を惹かれ、読み進めることが出来ました。この事については、集英社オンラインで公開されている阿賀沢先生へのインタビュー“【漫画あり】大ヒット縦スク漫画『氷の城壁』が待望の単行本化! ブレイク作家・阿賀沢紅茶が語る「ウェブトゥーンと紙の漫画」の違いと面白さ”を読んでいただきたいと思います。このインタビューを読んで、ウェブトゥーン=縦読みの漫画、との考えがウェブトゥーン=漫画と似た形式の新種のエンタメなのかも…という考えに変わりました。

 例えばですが、キャラ同士がメッセージアプリでやりとりをしているシーンがあるとします。通常の形式の漫画だとコマの1つで”メッセージアプリのスクショを見ている”と思うのですが、ウェブトゥーンだと実際の動きともリンクして“メッセージアプリでキャラのやりとりを見ている”感覚に近くなるんですよね。これは個人的アハ体験でした。漫画のコマ割りにも、ウェブトゥーンのスクロールにもどちらにも魅力があるのだと実感しました。

 なので、縦読みですでに読んだ方も、単行本版はまた違った感覚で楽しめると思います。見比べてみるのも良いですね!

登場人物の悩みや行動がとにかく刺さる! 誰もが“あの頃”を思い出すようなストーリー

 人付き合いが苦手な小雪は、幼なじみの親友美姫以外とは関わらず、クールで怖いイメージを持たれていました。そこへ、美姫と同じ塾に通っていた陽太と湊が加わり、小雪の学校生活に変化が起こります。人当たりの良い陽太はすぐに小雪と打ち解けますが、湊は小雪の苦手なタイプ…。好きで1人でいる小雪に、かわいそうだから話題をふってあげようとする湊。小雪の心はどんどん警戒や嫌悪の気持ちに。

 一方湊は小雪が気になり、普通に話して笑顔も向けてもらえる陽太にモヤモヤします。そんな湊に不機嫌な美姫。こ…これは、小雪→陽太→美姫→湊→小雪 の一方通行ラブなのでは!? と読んでいて思うのですが、小雪ちゃん含め皆の気持ちがまだわかりません。

 親友や友達でも、気遣って本当の気持ちを言えない・確認できないもどかしさ。そこからくるすれ違いなどが、本当にリアル。無駄なモノローグがなく、キャラの言葉や表情で“何かある””きっとこう思っているはず”と思わせる描写が見事です。

 自分もこんな事友達に相談したことある! 同じように悩んだことある! と思うような、等身大の高校生がそこに存在して、あの頃こんなこともあったなぁ~と、青春時代に思いを馳せる。そんな素敵な漫画です。うらやましさと同時に登場人物たちのピュアで尊い気持ちも堪能できる傑作です!

 ボイコミでも2話まで見られるので、是非チェックして下さい。

『氷の城壁』1巻の内容は?(商品紹介ページより)

 人と接するのが苦手で、他人との間を壁で隔ててしまう氷川小雪。高校では誰ともつるまずに1人で過ごしていたけど、なぜかぐいぐい距離を詰めてくる雨宮ミナトと出会い──?

 孤高の女子・小雪、学校の人気者・美姫、距離ナシ男子・ミナト、のんびり優しい雰囲気のヨータ。どこかちょっとこじれた4人の、もどかしい青春混線ストーリー、第1巻!

『正反対な君と僕』最新4巻の内容は?(商品紹介ページより)

 修学旅行の準備が始まり浮かれる鈴木たち。

 山田のことを意識し始めた西さんは、班行動でどこを回るか山田から訊かれて!?

 鈴木は谷くんと同じ班になり、最終日の自由行動は二人きりで回る約束をする!

 色々な関係が動き出す修学旅行編スタート!! 共感マックスの等身大ラブコメ、第4巻!!

※画像は公式Twitterのものです
©阿賀沢紅茶/集英社

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