『Revive ~蘇生~』は世紀末を飾った骨太トラップアドベンチャー。一寸先は闇……どころか死!?【周年連載】

ライターM
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 あの名作の発売から、5年、10年、20年……。そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。

 第100回でお祝いするのは、1999年10月28日にデータイーストから発売されたドリームキャスト専用トラップアドベンチャー『Revive ~蘇生~』です。

 トラップアドベンチャーを知らない人に向けて簡単に説明すると、ここ数年で人気アトラクションとして定着した“リアル脱出ゲーム”を思い浮かべていただければわかりやすいのではないでしょうか。昔からゲームに触れてきた人には、2004年ごろにWeb公開された『CRIMSON ROOM』などがおなじみです。

 アドベンチャーと言っても会話選択肢でルートが分岐するテキストタイプのタイトルではなく、画面内をカーソルでくまなく調べてヒントやアイテムを見つけて謎を解いていく、昔懐かしいタイプのシステムとなっています。

 一見、何もないと思われるようなところに重要なアイテムが隠されていることも。しかも、ほぼノーヒントなうえに、カーソルを合わせるポイントが少しでもズレていると反応しないというデリケートな仕様です。



 今回なにゆえ本作をピックアップしたかといえば、20周年ということに加えて、筆者が熱烈な米倉千尋さんのファンだからという個人的な理由もあったりします。本作のOP主題歌『FEEL ME』を歌われている米倉千尋さんは、シンガーソングライターとして活動されており、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の主題歌『嵐の中で輝いて』などでも有名です。

攻略情報抜きでハッピーエンドを迎えるのは至難の業!

 まずは本作のストーリーを軽く説明していきましょう。

 物語の舞台は謎めいた海洋開発研究所。主人公とクラスメイトの水谷菜緒は、不穏な手紙によって招かれた妹を探すべく研究所に忍び込みます。

 しかし、2人を待ち受けていたのは命を脅かすようなアクシデントの数々。妹を探し出し、突如封鎖されてしまった研究所から脱出すべく、所内で出会う人々と協力して生還を図ります。

  • ▲研究所内は俯瞰視点のマップ画面で移動を行い、行く先々でイベントが発生します。

 キャラクターデザインを手がけたのは長年にわたって美少女を描かれてきた、うめつゆきのりさん。声優陣も雪野五月さんをはじめ、飯塚雅弓さん、丹下桜さんなど、人気&実力ともに抜群のメンバーがキャスティングされています。

 当時流行していた美少女ゲームのようにヒロインごとのエンディングも用意されているのですが、フラグ立てはわりとシビアで、ゲーム内でもそれらしきヒントはありません。好感度の可視化やツリー表示などは皆無。

 なによりも謎解きの難易度が高く、ときにはキャラクターの生死に関わる時間制限付きのイベントまで用意されているため、こまめなセーブが欠かせません。

 研究所潜入直後、いきなり発生する生存イベント。画面左上の現在時刻がタイムリミットのカウントダウンに切り替わって、間に合わなければ命を落とすことに……。


 二酸化炭素消火装置と酸素マスクで対処するか、水を溜めてシーツを濡らして消火するかで見られるイベントグラフィックが変わります。好感度にも影響が!?

 なお、プレイ経験者であれば「あ~……」と唸ってしまうようなポイントが少なからずありました。

 例えばクリアに必須となる情報が生存イベント終了後に配置されているため、初見では助けられなかったり、“正解となるアイテムを使っている”にも関わらず、わずかにカーソルがズレていたことで“間違ったアイテムだ”と指摘されるのは、心が折れそうになります(苦笑)。

サイコサスペンス風味の世界観がたまらない!

 懐かしのゲームとはいえ、謎解きと物語についてはネタバレになる部分は書かないのですが、怪しげな研究所で行われる生命や記憶に関わる生体実験や、作品名にもなっている“蘇生”、禁忌を匂わせる“Project:Alchemy”など、この手のキーワードが琴線に触れた人にはオススメです。


 ただ一点、死体の描写がわりとグロテスクなので、その手の作品が苦手な人はご注意を。

 参考までにいくつかの例を紹介しておきます。

  • ▲死体描写はこのレベル。大量の虫とか腐乱した何かがといった、生理的にアレな内容は無いのでご安心を。
  • ▲研究所内にある貯水槽にて研究者の玲子がピンチに! 生存イベントに失敗すると……。
  • ▲当時はややトラウマになる絵面として話題になりました。

▲みごと救出に成功すると、わりとご褒美なのではと思えるシーンが……。

 難易度が高いうえに、エンディング数も多いため、やりごたえはかなりありますし、マッチする人であればかなり楽しめる本作。ただ、これからプレイする環境を整えるのは正直大変です。前作にあたるセガサターン専用ソフト『慟哭 そして…』がリマスターされて最近発売されたので、本作もリマスターされることを願いつつ、記事を締めたいと思います。

 ソフトには、ミニドラマCD、プレミアムセル画3枚、メモリアルテレカ応募券が同梱されていました。なお、電撃オンラインの某編集さんはトレーディングカードを持っていたので、あわせて掲載します。なお、トレーディングカードはコンプではなく、極度のネタバレイラストは外しています。





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『Revive ~蘇生~』

  • メーカー:データイースト
  • 対応端末:ドリームキャスト
  • ジャンル:アドベンチャー
  • 発売日:1999年10月28日
  • 価格:6,800円(税別)

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