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『フェイト/サムライ レムナント』インタビュー。TGS試遊版の見どころ、育成&やり込み要素、DLC情報をチェック!

Ak
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 2023年9月28日(木)発売予定(※)のPS4/PS5/Nintendo Switch/PC(Steam)用ソフト『Fate/Samurai Remnant(フェイト/サムライ レムナント)』。

※Steam版のみ9月29日発売予定

 今回の記事では、本作の開発チームの中心人物である庄知彦プロデューサーと松下竜太ディレクターにインタビューを実施。TGS試遊版の見どころやプロモーションの手応え、発売後の展開についてお聞きしました。

  • ▲プロデューサーの庄知彦氏。
  • ▲ディレクターの松下竜太氏。

TGSでは冒頭ストーリーかサーヴァントアクション、2種類の試遊版から選んで遊べる

――TGS試遊版の見どころについて教えてください。

庄知彦氏(以下、敬称略):2つのモードをお楽しみいただけることですね。ゲーム序盤の吉原のストーリーを体験できるモードと、敵のマスターとサーヴァントとのタッグと戦えるモードがあります。

 タッグ同士で戦えるモードでは、ランサー陣営(地右衛門&ランサー)を相手に、2対2で戦うとどんなアクション体験ができるかというものがわかるようになっています。また、逸れのランサーであるクー・フーリンも味方として操作することができます。

 ちなみに、どちらも作中の一部分を切り取ったものです。

――それぞれのモードのプレイ時間はどのくらいですか?

庄:ストーリーを体験できるモードは15分、サーヴァント戦が楽しめるモードは10分です。どちらかを選んで遊べますが、どちらも遊んでいただけたら嬉しいですね。

――試遊台はどのくらい用意されますか?

庄:50台です。一人でも多くの方に遊んでいただけるよう、コーエーテクモゲームスの歴代タイトルのなかでも、最大規模の試遊コーナーを用意させていただきました。

奈須きのこさんはシナリオ以外にもゲーム全般を監修

――逸れのサーヴァントは、『Fate』シリーズのファンにはお馴染みのキャラクターも多いように思います。彼らの選定理由について教えてください。

庄:ファンサービスの側面もありますが、江戸を舞台にした本作の世界観にマッチするかどうかというところを重要視しています。ファンサービスと物語の両面で最終的には決めていった感じですね。

 あとは、伊織とセイバーの物語に絡んだ時に面白くなるかどうかも、選定基準になりました。

 ちなみに逸れのサーヴァントは、異傳(いでん)と呼ばれるサブクエストのトリガーにもなっているので、そちらを追うことで、逸れのサーヴァントの魅力をより知ることができるようになっています。

――やっぱりファンからの反応が大きかったのは、若旦那やランサーの登場でしょうか?

庄:一番反応が大きかったのはFGOFESでの発表時でしたが、キャラクターとしては若旦那の反響が一番大きかったと思います。金ピカの衣装のインパクト的にも(笑)。あとはタマモアリア(逸れのライダー)も注目度が高かったですね。

――サーヴァントの真名予想では、キャラクター原案から真名を予想している人も多いですが……。あえて予想を楽しんでもらうために、原案を公開したということもありますか?

庄:原案公開については予想を楽しんでいただくため、というよりは、原案を生み出してくださったクリエーターの皆さんをご紹介したい、知っていただきたい、という面が強いですね。ただ、ヒントを出し過ぎてしまったんじゃないかと思ってもいます。タイトルとしては新情報をどんどん公開したいですが、ヒントを出し過ぎてしまうと真名予想の楽しみを奪ってしまってしまう可能性もあるので、難しいところです……。

――シナリオには、奈須きのこさんから出たアイデアなどもあるのですか?

庄:アイデアはもちろんのことですが、そもそもプロットの作成から奈須さん、タイプムーンのシナリオライター陣のお力をいただいて作っています。その上で、世界観、物語、台詞、用語すべてにおいて『Fate』の魅力が表現できているかを見てもらっています。また、シナリオだけでなく、ゲーム体験として『Fate』かどうかも実際にゲームをプレイしてチェックしてもらっています。

 敵のやられ方などの細かい部分まで、全般的に監修していただきました。

――ということは、奈須さんはかなり本作をプレイされているのですね。

庄:そうですね。お忙しい中、開発途中のバージョンをプレイしていただきました。

成長要素やハクスラ要素も豊富に用意

――ゲーム全体の難易度はどのくらいになりますか? 難易度を高くすると一撃死する場面などもあるのでしょうか?

松下竜太氏(以下、敬称略):デフォルトの難易度設定では、アクションの中でサーヴァントとの共闘感、育成要素などの重要さがしっかり実感できる難易度にはなっています。

 もちろん難易度変更も可能で、アクションゲームが苦手な人のための難易度もあり、そちらではゲーム体験自体は損なわない程度に、ミスが許されるバランスになっています。

 難易度を高くすると、アクションゲームが得意な方でもしっかりとした手応えを感じていただけるようになっています。

 一撃死に関しては……厳しい聖杯戦争なので、一部のサーヴァント戦ではあるかもしれません。

――サーヴァント戦は、比較的難易度が高くなっていますか? そもそもサーヴァント相手に戦える伊織がすごいというのもありますが……。

松下:そうですね。基本的には手強い戦闘になりますが、とはいえそこまで理不尽なバランスにはなっていません。終盤では敵も強くなりますが、主人公も成長していくのでちょうどいい緊張感が楽しめるかと思います。

――伊織自身のアクションもゲーム進行で進化していきそうです。まだ未公開の三つの型はどうなるのでしょう?

松下:これまで詳細をお伝えできていなかったのですが、伊織の持つ型は五輪の書に対応した5つです。公開済みの地の型、水の型に加えて、火の型、風の型、空の型ですね。

 それぞれ解放タイミングは異なりますが、解放されると同時に対応したスキルツリーの領域も解放されるので、強さもグッと一段階上がるかと思います。

 また、今回のTGSに出展している試遊デモのうち、戦闘を楽しめる“業火に身を墜とす者”では火の型も使用できますので、ぜひ楽しんでみてください。

――伊織は育成要素が豊富ですが、最終的にはサーヴァント並に成長していくのでしょうか?

松下:伊織は“強くなりたい”という剣士としての思いがありますので、それがアクションゲームのプレイヤーと一致した動機になっています。

 マスターとサーヴァントって、設定的にはものすごい力の差があるんですが、それに今回は伊織の成長と、プレイヤーの手による攻略が加わることで、勝機が生まれてきます。

 最初はスキルツリーが真ん中のひとつの円しかないですが、型を開放していくとツリーの範囲がごそっと増えて、最終的には5つの円になります。ツリーでは基礎ステータスも強化できるので、解放されるごとにしっかり強くなれます。

――スキルツリー以外の成長要素にはどんなものがありますか?

松下:“魔術拵(まじゅつこしらえ)”という収集要素があって、刀のパーツを集めて組み換えることができます。

 伊織は剣豪なので、成長要素やミニゲームにもそれらしい要素が多く用意されています。

――魔術拵はハクスラ要素でもあるのでしょうか?

松下:おっしゃる通りで、スキルにランダム要素があるので収集とカスタマイズが楽しめるかと思います。武士のたしなみを楽しみながら、伊織を強くしていってほしいです。

――基本的には伊織を操作しつつ、一章の途中では武蔵ちゃんを操作できることもありました。伊織以外のキャラクターは、任意で操作を切り替えられるようになるのでしょうか?

松下:スポット参戦するキャラクターもいますが、逸れのサーヴァントに関しては、交流を深めることで、もう1人のサーヴァントとして、しばらく自由に連れ歩けるようになります。

――ということは、そこで武蔵ちゃんを連れ歩けることも?

松下:武蔵ちゃんは逸れのサーヴァントではなく、伊織の師匠であると同時にれっきとした敵陣営のサーヴァントなので、毎回味方をしてくれるわけではない微妙な立場ですね……。ちなみに武蔵ちゃんのアクションは、バーサーカー霊基であることを感じられる爽快感とすさまじさになっています。

――セイバー以外のサーヴァントのスキルツリーも育成できますか?

松下:逸れのサーヴァントのスキルツリーも、セイバー同様に育成可能です。

――逸れのサーヴァントでは、キルケーの参戦も話題になっていました。キルケーの参戦はどのくらいの段階で決まっていたのですが?

庄:キルケーについては比較的終盤に決まったと思います。ちなみに元々はもっと多くのサーヴァントの参戦も予定していたのですが、最終的にはしっかり物語を楽しんでいただける数にしようと、今の数になりました。

 最終的に各クラスのサーヴァントを一騎ずつ用意しようとなったときに、キャスターについては他にも候補がいて迷いに迷ったのですが、ここはキルケーがベストだろうと、武内崇さん、奈須きのこさんとすり合わせて決まった感じです。

――キルケーに豚にされるシーンも衝撃的でした。

松下:やはりキルケーに会うなら、豚にはされるだろうなと(笑)。ゲームで豚を操作できる機会もなかなかないと思うので、そこを楽しんでほしいです。

――シミュレーションゲームのように盤面を進んでいく“霊地争奪”は、重要度の高い要素なのでしょうか? それと、やはりモデルは『FGO』の“聖杯戦線”ですか?

庄:結果的には“聖杯戦線”に近いものになりましたが、モデルにしたわけではないですね。

 “霊地争奪”は、聖杯戦争の戦略、戦術的な面を楽しんでいただくために取り組んでいたものですが、元々はもっと戦術シミュレーション要素の強い複雑なものでした。これは『信長の野望』なのか、と(笑)。最終的にアクションRPGとしてのアクション要素、シミュレーション要素、その他の要素のバランスから、今のシンプルな形に落ち着きました。

――江戸の各地を歩ける本作ですが、フィールドの種類はどのぐらいあるのでしょうか?

松下:フィールドの規模が違うのでカウントが難しいですが、およそ20種類くらいですね。それぞれ時代劇の江戸らしい期待通りの魅力がありつつ、特色の違う街になっています。

――フィールドでの探索要素にはどんなものがありますか?

松下:フィールドに落ちているアイテムを収集するほか、各地の建物を巡るなどの探索要素もあります。あとはチャレンジ要素もあり、手応えのあるお尋ねものとの戦闘も楽しめるので、江戸を満喫してください!

――全体的なボリュームはどのくらいになりますか?

庄:実際に私がプレイしたときは、メインミッションだけやり、寄り道はあまりしないプレイで50時間はかかりましたね。やり込み要素やサブクエストなどをすべてやると100時間以上お楽しみいただけるのではないかと思います。

――周回要素やエンディング分岐はありますか?

庄:『Fate』ということで周回要素はあります! プレイヤーの選択肢によってストーリーが大きく分岐する点ところもがあるので、そういうところを2周目で遊んでいただければと。2周目では単なる分岐だけでなく、ストーリーが変わるところ、追加される要素もあるので、新鮮な気持ちで楽しんでいただけると思います。

――ちなみに『Fate』らしく、バッドエンドみたいなものはあるのでしょうか?

庄:実は当初は入れるつもりだったのですが……最終的には入れないことになりました。アクションRPGなので、選択を間違えたことでそのまま殺されたり、ゲームオーバーになっちゃうのは流石にないかなと。

DLCでは3つの大きなストーリーが追加!

――現在の開発状況はいかがですか?

庄:本編の開発は終わって、今はDLCを鋭意開発中です!

――DLCの内容や販売形式はどんなものになりますか?

庄:3つの大きなエピソードが追加されます。。それぞれただお話が追加された、というよりは、それぞれで色々な意味で楽しみが増えるものになりますね。販売形式としては、シーズンパスの販売も予定されています。

――DLCのストーリーはどうなりますか? 新規サーヴァントの登場なども気になりますが……。

庄:時系列としては、本編の途中のストーリーになります。本編は本編だけで完結するようになっているので、イメージとしては横に膨らむ? ……という感じでしょうか。。新規サーヴァントが何者なのかは、まだ秘密でお願いします。本作らしいサーヴァントなのでご期待ください!

――発売前に期待を膨らませているファンに向けて、メッセージをお願いします。

松下:本作は『Fate』シリーズファンの方にも十分満足できるような作品に仕上がっています。細かな仕込みなども用意してるので、そこにも気づいていただければと思います。

 そこまで『Fate』にくわしくない人でも、イチから聖杯戦争のセオリーや空気感が学べるようになっているので、そこも期待して手を取っていただければなと思っています。

庄:『Fate/stay night』からシリーズの大ファンで、ずっと『Fate』のゲームを作りたいと思っていました。そのときから『Fate』の魅力でありコアな要素である聖杯戦争を、アクションのゲーム体験で楽しめるものを作りたいと考えていて、ようやく形にできました。

 『Fate』シリーズのコアなファンの皆様にもバッチリ楽しんでいただけるものになっていますし、アクションゲームが苦手な方でも楽しめるようになっています。『Fate』が好きな方すべてに、プレイしていただければ嬉しいです。

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