『百英雄伝』インタビュー:100人の英雄やドットアニメにこだわり抜いた大作JRPGは 、フルボイスの“劇場”などの寄り道要素も充実!【電撃インディー】
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いよいよ発売日が4月23日に決定し、ますます期待の高まるJ-RPG『百英雄伝』。本記事では、開発者4人が語ってくれたインタビューを紹介します。
今回は、脚本&ゲームデザインの村山吉隆氏、キャラクターデザインの河野純子氏、プロデューサー&アートディレクションの村上純一氏、ディレクターの小牟田修氏の4人にお話を伺いました。
ドット絵にこだわった苦労や、膨大なボリュームを持つ寄り道要素“劇場”についてなど、気になるお話を聞くことができました。
100人以上のキャラクターとドットアニメへのこだわり
――発売日が2024年4月23日に決定しましたが、現在の開発状況を教えていただけますでしょうか?
村上純一氏(以下、敬称略):すでに開発は終盤に入っており、チューニングやバグチェック、ローカライズ対応など、最も忙しい時期に入っています。
――『百英雄伝』はKickstarterキャンペーンで多くの支持を集めた作品です。ユーザーのみなさんからの希望や意見は、どのように取り入れていますか?
村山吉隆氏(以下、敬称略):多くの希望、意見が寄せられました。それらの中で、百英雄伝という一つの作品において何が正しいかをスタッフで吟味していきました。
特に我々が予想していなかったのが、よりハードな環境で遊べることを求めた意見でした。これらは、システムに取り入れられました。
――あらためてですが、本作は『百英雄伝』のタイトル通り、圧倒的な数の英雄が登場します。100人以上のキャラクターのデザインや性格付けで意識していることを教えてください。
村山:百英雄伝の多数のキャラクターは、それらの中からプレイヤーが好みのキャラクターを探し出せることを狙っています。そのため、いろんな人にとってのバラエティある“魅力”を想像するのが大変でした。
河野純子氏(以下、敬称略):今回は主に性格や育ってきた環境など、キャラクターの内面をいかに形にしていくかを重視してデザインしていきました。
――100人の英雄のなかには、戦闘以外で活躍するキャラクターにもいるのでしょうか。具体的にどのような役割を持っているのか、教えてください。
小牟田修氏(以下、敬称略):なにせ100人以上いますから、戦闘以外で活躍するキャラクターも大勢います。鍛冶屋に防具屋、道具屋などのお店担当のキャラだけでなく、街を発展させるのに欠かせない、建築士、木こりや鉱夫、牧場や農場の主。料理人や劇場の支配人に温泉カピバラなどの娯楽担当もいますよ。
――それぞれ、お気に入りのキャラクターがいれば教えてください。
村山:ペリエールというキャラクターが好きです。貴族の娘で、かなり気が強くて物事をなんでも馬力で押し進めていく感じのキャラクターです。戦闘でも使えます。
河野:公平を期するというわけではないのですが、やはりすべてのキャラクターです。ただ、おじさん系は描いていて楽しかったので(笑)、ぜひおじさんたちの活躍を見ていただければ嬉しいなと。おじさん、たくさんでてきます(笑)。
村上:自分はヒルディといって、セイの補佐をしている女性がいるのですが、金髪でスラっとしていて、すごく好みです(笑)。演劇も最高です。
小牟田:公開されているなかでは、マーカスです。骸骨のような姿をしていて、キャラクターの人気投票のときも1位になったキャラクターです。声がとてもいいんです。
――個人的には、役職として、テレポートをしてくれる人がいるのかが気になります(笑)。
村山:やはりRPGなので、テレポートできないと困りますから(笑)。テレポートはちゃんとあります。
――ドットアニメに関するこだわりがものすごいですが、その理由を教えてください。
村上:今、敢えてドット絵のゲームを出すのであれば、今までにない様な表現が出来ないとダメだなと思ってやってきました。
ただ、想定以上に作るキャラやアニメ数が多く、ドット量産が最も地獄の作業でした(笑)。普通に作るだけでも、とんでもない量なので、個人的にだいぶ諦めた表現もあります。
JRPGとしてのこだわりを詰め込んで圧倒的なゲームボリュームに!
――『百英雄伝』はJRPGとして「いろんなコンテンツがひとつのゲームの中に内包されていて、いろんな楽しみ方ができる」ものの再現を目指しているとのことですが、その"いろんな"の部分を教えていただけますでしょうか?
村山:『百英雄伝』の多数のキャラクターたちの活躍所をいかに作るかがテーマになっており、時には戦闘で、時にはお金儲けのために奔走したり、本拠街での施設ではその多数のキャラクターたちがプレイヤーの手で配役できる“劇場”といったもの等が用意されています。
――バトルは個人戦から集団戦まで複数のタイプがあるとのことですが、それぞれのポイントと、注目のシステムを教えてください。
村山:一対一の戦いとなる一騎討ちは、よりドラマチックな展開を見せるために単純な戦いというよりもシナリオを持った戦いとなっています。
集団戦となる戦争システムでは、百を超えるキャラクターたちをチーム分けしてそれぞれにスキルを発揮したりの楽しみと、戦場の醍醐味を感じられるような演出が行われます。
――100人となるとかなりの物量だと思いますが、ドットアニメにしたことでの苦労はありますか?
村上:敵対するキャラやNPC等を含めるとその数倍のドット絵とアニメが必要になるので、まずは量をどうこなすかで苦労しました。
とにかくキャラ数がとても多いので、1人に割り当てる量の配分や、クオリティラインの維持がとても難しく、表現においては、カメラが動く3D空間に2D絵をどう成立させるかにかなりの苦労をしました。
――現在リリース中の『百英雄伝 Rising』との繋がりについて、改めて教えてもらえますでしょうか。こちらプレイしていると、何かお得なことはありますか?
村山:ストーリー的には『百英雄伝Rising』をプレイしていなくても本編は楽しめる形になっています。
ただ、『Rising』の主人公たちやその他のキャラクターが本編でも登場するのでその変化を楽しんだり、『Rising』をプレイしているとニヤリとしちゃう部分はいくつか仕掛けたりしています。
――ゲームのボリューム的にはどれくらいになりそうでしょうか?
村山:スタートしてストーリーを追っていくだけで40時間くらい、脇道にそれ出すと、その倍くらいかなと思います。
――AAAクラスの大作RPGくらいのボリュームはありそうですね。では、やはり脇道的なやり込み要素も多く搭載されているのでしょうか。
村山:はい、とくに“劇場”は、かなりのやり込み度を持っています。キャラクターを役に振り分けて演劇を行えるのですが、演目ごとのキャスティングを自由に設定できるんですよ。
誰をどの役にでも配役可能なので、それぞれのキャラクターがすべての役でのセリフを持っています。しかも、男性キャラクターを女性役にすることもできますので、すべて聞くのはかなり大変だと思います。
――誰をキャスティングするかで演目の印象もガラッと変わりそうですね。
小牟田:しかも、このキャラクターは“女性の役になるとちゃんと女性のように喋る”など、1人1人に設定があるんです(笑)。それにあわせて作っています。
――ちなみに声優さんもすべて違っているのでしょうか?
河野:はい、ほぼ被りはないです。なので100人単位でいますね。『百声優伝』です(笑)。
――ちょっと気の早い話ですが、今後のシリーズについては何か考えていますでしょうか。
村山:自分の場合、お話を作るとき、1つ大きな世界があって、その歴史から、一部の場面を切り取って作るという形をとっています。もちろん1つの作品として完結していますが、ほかにも色々な場面があると思うんです。できれば、今後もそんないろいろな場面を作っていきたいなとは思っています
――『百英雄伝Rising』のように、ジャンルが違うこともあるのですか?
村山:いろいろな形でできれば嬉しいですが、まだ先のお話なので、どうなるかはわからないです(笑)。
――では最後に、発売を楽しみにしているファンについて、最後にメッセージをお願いします。
村山:多くの楽しみを持ったJRPG『百英雄伝』。その戦いの姿を見る事を楽しみに、これからも応援をよろしくお願いします。
河野:クラウドファンディングのキックスターターから始まって、すごく時間がかかってしまいました。本当にお待たせして申し訳なかったのですが、ようやくお見せできる形になったと思います。発売まで、あとちょっとだけお待ちください。
村上:お待たせして申し訳ありませんでした。その分、魂を削って作っていますので、ぜひ楽しみにしておいてください。
小牟田:発売日も決まって、もう間もなくリリースされます。コンテンツの量もキャラクターの数も相当の数になっていまして、遊びつくせないくらいのボリュームになっていると思います。ぜひ楽しみにお待ちください。
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