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レビュー:【イーグレットツー ミニ】35年ぶりの『ワードナの森』は大人の分析力で臨むと案外優しい難易度だった~!

安部理一郎(有限会社スプロケ)
公開日時
最終更新

 タイトーから12月21日(木)に発売される、『イーグレットツー ミニ』専用ソフト収録SDカード『アーケードメモリーズVOL.2』のなかから、比較的マイナーなタイトルをピックアップしてレビューしています。

 今回のタイトルは、『ワードナの森』です。

  • ▲『ワードナの森』は、1987年にリリースされたアクションゲーム。開発はシューティングゲームのメーカーとして有名な東亜プラン。

 ほかにも下記の4タイトルをレビューしていますので、ぜひあわせてチェックしてください!

・1985年『ワイバーンF-0』
・1987年『特殊部隊U.A.G.』
・1988年『中華大仙』
・1989年『クライムシティ』

賑やかなゲームセンターの片隅にひっそりと入荷

 1987年デビューの『ワードナの森』は、当時、僕が出入りしていた繁華街のゲームセンター(タイトー直営店)では、どちらかというと目立たない存在でした。

 1987年といえば、アーケードゲーム、それも、シューティングがふたたび花盛りだったころ。入口付近にはまず『ダライアス』や『ストリートファイター(初代)』、それから『ミッドナイトランディング』があり、花形のシューティングでは『R-TYPE』、そのタイトーの直営店にはなかったけれども『ドラゴンスピリット』。『サイコソルジャー』が花を添え、麻雀コーナーでは『スーパーリアル麻雀PⅡ』が大人の世界を垣間見せてくれました。

 お隣のセガのロケーションでは『アフターバーナー』と『スーパーハングオン』に『SDI』。もう、街に出るだけで東京ゲームショーか、というぐらいに当時のゲームセンターは賑わっていたのです。

 『ワードナの森』は、そんな賑やかなゲームセンターの片隅に、ある日突然ひっそりと入荷していました。主人公はずんぐりしていて、画面は「森」のせいか、アースカラーが多く、音楽もパッと聞いて耳に残るほど、ヌケがよい曲があるわけではありません。

 正直制作者様には本当に申し訳ないですが、主張があまりなく、パッとしないなあ、というのが第一印象でした。でも当時の僕はとにかくすべてのゲームにお金を入れないと気が済まない中学生でしたので、パッとしないと思いつつもコインを投入します。

  • ▲『ワードナの森』はアーケードゲームには珍しく、最初にネームエントリーがある。開発者インタビューによると、「当時RPGにハマっていて、RPGを作りたかったがアーケードなので……」ということのようだ。

制作者が仕掛けた罠につぎつぎとはまっていく

 ネームエントリーから始まるオープニングに面くらいつつ、1面がスタートしました。弾を撃ちながら進む、オーソドックスなジャンプアクションのようです。序盤の砲台に囲まれたシーンで、まんまと被弾して、ミスとなります。

 続いて、アスレチックコースを越えたところの小高い丘の上で、たくさんの敵が沸いて囲まれ、初期装備の魔法では太刀打ちできずにミス。そして1面終盤の溶岩の上をツタで渡るシーン。ここも、一番上まで登ってからジャンプすると頭を打って落下してミスとなり、ゲームオーバーです。

 制作者が仕掛けた罠につぎつぎとはまっていくこの感覚……! このころのアクションゲームは一発死、体力ゲージのような甘えた仕様はありません。死んで覚えるしかないようです。

  • ▲1面終盤のツタを渡っていくシーン。上まで登り切ってからジャンプすると、天井に頭をぶつけて落下してしまう。写真の位置ぐらいから跳べば先に進むことができる。「まんまと」開発者の罠にかかってしまった心境だ。

 当時の僕は、限られた予算の中からゲーム代を捻出し、いかに長く遊べるかが重要でした。時間にして3分足らず、ゲームセンター側から見た接待度合いでは満点の回答だったと思いますが、当時の僕は「もうちょっと遊ばせてくれても……」という感想だったと思います。

 その後、確認のために2~3度はコインを入れた記憶がありましたが、まだ未熟な僕はそれほど『ワードナの森』に親しみを覚えることもなく、80年代後半のアーケードゲームラッシュの波に飲み込まれていったと記憶しています。

約35年ぶりに『アーケードメモリーズVOL.2』でクリアを目指す!

 そこから約35年もの月日が流れた2023年。僕はゲームライターとしてイーグレットツー ミニ『アーケードメモリーズVOL.2』同梱の電撃TAITO STATION VOL.3の制作に携わり、『ワードナの森』の担当になりました。

 この35年間、ゲームの攻略技術は進化しました。録画が簡単にできるようになり、連射装置は標準装備、他人のプレイは動画サイトで参照可能。すべてが手探りでプレイしていたあの頃とはスタート地点が違います。それから、僕の理解力も向上したはずです。

 「昔クリアできなかったゲーム、今遊んだらクリアできちゃうかも!?」……と、挑戦するゲームはたいてい惨敗してしまうのですが(おもにシューティング)、『ワードナの森』はどうでしょう……?

 結果から申し上げますと、全5面、無事ワンコインクリアを達成することができました。まあ、そうでなければ攻略記事は作れませんしね!

 ポイントを考えてみると、①ミスしたところは原因を考えて、2回目はミスしないようにする ②ミスしやすいところは心の準備をしてから臨む(移動する炎を跳び越えるところとか) ③敵の複合攻撃は少ないゲームなので、敵が強い場合は対処法を考えて進む ④セーブ機能を使って練習する ⑤35年寝かせていたゲームなので、詰まったら素直に動画サイトを見る……などなど、今考えれば攻略として基本すぎることばかりなのですが、中学生の自分はまだそれが判ってなかった(もしくは実行不可能だった)わけですね。

  • ▲ロード&セーブで練習し(最終的にはワンコインクリアしました)、動画サイトで安全地帯を参照すれば、35年前に惨敗したあのゲームもこのとおり! これが大人になるってことだよ!
  • ▲イーグレットツー ミニなら、3カ所までセーブ&ロード(いわゆるステートセーブ)が可能なので、苦手なところやこの先ミスしそうな予感がするところでセーブしておいて、何度でも練習できるのがメリット。

 というわけで、今改めて『ワードナの森』を遊んだ感想としては、やったらやったぶんだけ先に進めるゲームとして、手応えのある、とてもオススメの1本でした。

「ナイトストライカー」をはじめ、10タイトル収録。『アーケードメモリーズVOL.2』12月21日(木)発売!

 『アーケードメモリーズVOL.2』は、1985年から1995年までの間にゲームセンターに登場したゲーム10タイトルを収録した『イーグレットツー ミニ』専用ソフト収録SDカードです。本体のSDカード用スロットに差し込むことで、収録タイトルを遊ぶことができます。

 『アーケードメモリーズVOL.2』は、電波新聞社が展開する「インテリジェントコントローラ サイバースティック」対応で、ゲームセンターの臨場感そのままに対応タイトルをお楽しみいただけます。

※サイバースティック対応タイトルは「オペレーションウルフ」「ナイトストライカー」のみです。

製品紹介PV

収録タイトル紹介動画

『アーケードメモリーズVOL.2』製品情報

 『アーケードメモリーズVOL.2』には、全32ページの特典DX攻略本「電撃TAITO STATION VOLUME3」と10タイトルの「インストラクションカード ミニ」、特典「タイトー70周年記念ステッカー」が同梱されます。

発売日:2023年12月21日(木)

『アーケードメモリーズVOL.2』(10タイトル収録SDカード)

希望小売価格:8,778円(税込)
同梱物:特典DX攻略本「電撃TAITO STATION VOLUME3」(全32ページ)、インストラクションカード ミニ(10タイトル)、特典「タイトー70周年記念ステッカー」

『イーグレットツー ミニ』本体+『アーケードメモリーズVOL.2』セット【限定生産】

希望小売価格:19,778円(税込)
商品内容:
・イーグレットツー ミニ(40タイトル内蔵/ケーブル付属)
・アーケードメモリーズVOL.2(10タイトル収録SDカード)/特典DX攻略本「電撃TAITO STATION VOLUME3」(全32ページ)、インストラクションカード ミニ(10タイトル)、特典「タイトー70周年記念ステッカー」、セット特典「IMAGE CARD(復刻版)」2種

■イーグレットツー ミニ

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