アニメ『ID:INVADED』レビュー。事件は犯人の真相心理"イド"のなかで起きている!(ネタバレあり)

長雨
公開日時

 2020年1月5日から放送が始まったTVアニメ『ID:INVADED(イド:インヴェイデッド)』は、監督・あおきえい氏(『fate/Zero』、『アルドノア・ゼロ』ほか)、脚本・舞城王太郎氏(『龍の歯医者』ほか)など、豪華クリエイターが集結したこの冬注目のオリジナルSFミステリ作品です。

 発表会でその存在感に魅了され、第2話までで早くも圧倒されてどっぷりハマっているライターが、名探偵・酒井戸や物語の魅力などをレポートしていきます!

あらすじ

 殺意を感知するシステム“ミヅハノメ”を用いて、犯罪事件を捜査する組織、通称“蔵”。

 そして、“ミヅハノメ”のパイロットとして犯人の深層心理“殺意の世界(井戸)に入り、事件を推理する名探偵・酒井戸。

 頻発する凶悪かつ謎多き事件と、そこに見え隠れする連続殺人鬼メイカー“ジョン・ウォーカー”の影を追っていく。

1話:酒井戸はカエルちゃんの死の真相を追う名探偵

 主人公の名探偵・酒井戸(声優:津田健次郎)が目覚めたと思ったら、いきなり彼の体がバラバラになるという衝撃的過ぎる展開からスタート。腕や足が輪切りにされ、ブロックのパーツのように分解されていく状況&記憶喪失なことに、彼同様に見ている私も「いきなり探偵退場? どうなっているの?」と大混乱です。

 そんな視聴者の気持ちなどつゆしらず、酒井戸は“自身の体がバラバラだけど繋がっている”というこの世界の法則に気が付きます。さすが名探偵は発想が違うし、こんな状況でも冷静だと感心してしまいます。

 彼は自身の体と同じようにバラバラになっている世界で、女性らしき人物のすらりとした足を見つけます。しかし、その人物のいる場所と酒井戸のいる場所は離れていて……。

 どうするのかと思ったら酒井戸は体がバラバラになっているという特徴を生かして、ロケットパンチの要領で手を飛ばして(ここの演出、すごく気持ちいい!!)二つの空間を繋ぎ合わせてしまいました。

 そのあとも空間をつなげたり、手だけ移動させて鍵を開けたり、バラバラの利点を最大限に活用する酒井戸。彼にとって“バラバラ”であることは意味があることだったんですね。

 酒井戸はやっと女性のもとに到着しますが、その人物は胸に刃物を刺された状態で死んでいて……。

 「空間だけでも謎なのに、さらに事件まで起こるのか」と驚く私とは対照的に、酒井戸は彼女が“カエルちゃん”であること、そして自身が名探偵で彼女の事件を解決しなければいけないことを思い出すのでした!!

 “井戸”のなかで起きた事件の被害者だから、“カエルちゃん”なんでしょうか(井の中の蛙大海を知らず的な)?

 何から何までありえないこの世界は、殺意を感知するシステム“ミズハノメ”を利用して犯罪事件を捜査する組織・通称"蔵"が監視する仮想空間だったのです。酒井戸は探偵役として犯人の深層心理“殺意の世界(井戸)に潜り込み、そこで事件を解決するという使命を担っていたのでした。

 酒井戸が現在潜っている“井戸”は、人の頭に穴を空けるという凶悪な連続殺人犯“穴空き”。バラバラになった世界を動き回って、情報を集めていく様子がすごくスタイリッシュ&疾走感があってかっこいいんですよね。

 犯人を追うのは、酒井戸だけではありません。彼が見たもの、触れたものを“蔵”が解析して、実働部隊・外務分析官のメンバーに情報として伝えることで仮想空間だけではなく現実の犯人を追い詰めていくという展開がおもしろいんですよ。先の読めないドキドキ感を満喫できるのは、オリジナル作品だからこその楽しみですよね。






 外務分析官は殺意を検知する“ワクムスビ”によって、犯人を見つけ出します。その“ワクムスビ”が新たな殺意を感知したことにより、外務分析官の本堂町(声優:M・A・O)にピンチが!! といういいところで、第1話完。2話連続放送でよかったと心から思いました(笑)。


2話:殺人鬼メーカー“ジョン・ウォーカー”の影

 “穴空き”の正体が富久田(声優:竹内良太)だとわかり、捕獲まであと一歩に迫りますが逃げられ、本堂町が連れ攫われてしまいます。

 それによって被害者を自分の家族と認識している富久田の“井戸”の世界に本堂町が出現。現実で起こったことが、こんなにも早く“井戸”に反映されるとは……。本当に深層心理の世界だったんだと、改めて思い知らされました。

 富久田を追うなかで酒井戸は、被害者ではない謎の人物と対峙します。その人物は、連続殺人鬼メーカー“ジョン・ウォーカー”という危険な存在で……。


 いきなりそんなラスボス的なのと遭遇して大丈夫なのかと思っていたら、酒井戸が思い切りよく投げ飛ばしてしまって笑ってしまいました。

 どうやら富久田が怯えている存在ではあるものの、彼の“井戸”では大きな力はないようで一安心です。“ジョン・ウォーカー”については今後物語が進むなかで迫っていくようなので、ささいな情報でも見逃さないようにしていきたいですね!

 一方現実では本堂町に対して、富久田が自分が犯罪を犯す理由などを語ります。被害者と同じように富久田の頭にも穴があいていて、「ここから入った風がこっちに抜けるとき世界が少しだけキレイになる」と言いきる辺り彼の危険さがよくわかります。しかも竹内さんの低い美声が、より富久田の怪しさや壊れている感じを強調していて怖いなと思いました。

 本堂町の機転によって状況が変化し、酒井戸は新たな“井戸”に投入されるのですが……。

 本堂町の運命や富久田を無事に逮捕できたかは、ぜひ本編で見届けてください。


どこまでも奥が深い“井戸”の世界

 物語が始まったばかりですが、気になるところが多すぎる本作。ポイントになりそうなところをいくつかまとめてみました。

●“井戸”に入れるのは殺人犯
 殺人鬼の真相心理“井戸”に入ることができるのは、殺人を犯したことがある人間だけだと作中で語られています。酒井戸も例外ではないということでしょうか……。

 酒井戸の現実の姿である鳴瓢秋人の部屋には、家族らしき写真がたくさん張られていました。それが彼の過去、そして名探偵・酒井戸が執着している“カエルちゃんの死”とどんな関係があるのか気になるところです。

●“井戸”は複数ある

 2019年12月8日に行われた先行上映イベントのトークショーで津田さんと竹内さんが注目ポイントとして、“井戸”を上げていました。

 第2話までに登場した“井戸”からもわかる通り、犯人によって“井戸”の内部はかなり違っているようです。今回はバラバラになっていた酒井戸が、今度はどんな姿で、どんな事件を解決するのか見るのが楽しみです。

 ほかにも“ミズハノメ”や“ワクムスビ”など日本神話の神様の名前が使用されている意味はあるのかとか、富久田がこのまま退場するとは思えないとか(12月のトークショーのゲストに竹内さんが来てましたし……)。何度も見返して、理解を深めつつ次回の放送に備えたいと思います。



 みなさんもぜひ、名探偵・酒井戸が挑戦する謎多き『ID:INVADED(イド:インヴェイデッド)』”の不可思議な事件に一緒に挑んでみてくださいね。


(C)IDDU
(C)2019「イド:インヴェイデッド」製作委員会