ネタバレあり感想:『MFゴースト』19巻は『頭文字D』ファンにとって熱すぎる。“赤城の白い彗星”がついにカナタと…!

タダツグ
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 『頭文字D』のしげの秀一氏が描く新たな“公道最速伝説”漫画『MFゴースト』。最新19巻が発売されましたので、読み終えてみての感想記事をお届けします。

※この記事には『MFゴースト』のネタバレが多数含まれています。未読の方はご注意ください。

『MFゴースト』最新19巻は“熱海ゴースト編”が開幕!

 世界中で爆発的な人気を誇る公道レース“MFG”での戦いを軸に、青年たちの葛藤と成長が描かれてきた本作。物語はいよいよ最終第5戦に突入しました。その名も“熱海ゴースト”。毎度ながら、しげの先生のコースに対するネーミングセンスには目を見張るものがありますね。かっけえ!

 とくに今回は、作品タイトルにもある“ゴースト”という単語を冠しているだけに注目せざるをえないところ。作品全体を貫く壮大なテーマがこのコースに内包されており、レースを通して語られていく……かもしれません。正直、読み進めるのがかなり楽しみ。

 そんな“熱海ゴースト”のコースは、当然ながら熱海周辺とのこと。面白いのは、コース中に2カ所ほど間欠泉が噴き出すポイントがあることでしょう。間欠泉の名前は“貫一”と“お宮”。聞いてピンときた方もいるかもしれませんが、これは尾崎紅葉の小説『金色夜叉』の登場人物が名前の由来と思われます。ネーミングセンスの輝きよ!

 ちなみにこの間欠泉、レース中に突然噴き出すことがあるようで、直撃を受けると手痛いタイムロスになります。実際、予選のタイムトライアルではあるドライバーがこの間欠泉の洗礼を浴びたことで失速していましたよね。しかも貫一とお宮、一度に両方からアタックされるというモテっぷり。これには読んでいて笑ってしまいました。

 誰が食らったのかまではあえて書きませんが、彼には「こんなところでこんなモテ方をしてどうする?」と言いたい(笑)。実況の田中さんからのツッコミも切っ先が相当鋭くて、個人的にツボでした。

 そうかと思えば彼、タイムトライアル後にとあるMFGエンジェルとちゃっかり距離が縮まったりもしていて。ほんと、物語を横から盛り上げてくるというか、生粋のエンターテイナーなのは間違いない。

 さておき予選のタイムトライアルでは、カナタをはじめ各ドライバーたちが続々と好タイムをたたき出しており、読んでいて興奮しました。カナタのみならず、みんな成長している!

 この全体的な進化は、カナタという天才の出現に触発され、ドライバーのみんなが“MFG”というレースそのものを見直しているからこそ起こったものだと僕は解釈しています。

 そもそもこの“MFG”を興したのは、あの“公道最速理論”を突き詰めてきた天才リョウ・タカハシこと高橋涼介ですからね。きっと、涼介なりに構築した独自のドライバー育成メソッドがあり、みんながそれに薄々気づき始めたのかな、と。実際はどうなのかまだわかりませんが。

 とにもかくにも、佳境を迎えつつある予選のタイムトライアル。次巻で登場するであろうベッケンバウアーが、ポールポジションを奪うのかどうか、ますます目が離せません。

イチファンとして語りたい! 担当ライター注目ポイント(ネタバレ注意)

 ここからは、とくに大きなネタバレを書かせてもらいたいと思います。『頭文字D』時代からのファンとして、めたんこ燃えるシチュエーションがありましたゆえ……。まだ19巻を未読&詳細までは知りたくないという方は、とくにご注意いただければ。

 ……と念入りに前置きしてまで書きたかったこと。それすなわち、カナタと高橋涼介の邂逅です。ついに、やっと、涼介キターーーーーーーッ! ぶっちゃけレースシーンでもないのに、テンションあげあげになりました(笑)。

 『頭文字D』の主人公であり、カナタにとってはドライバーとしての師匠でもある藤原拓海。彼に大きな影響を与えたのがこの髙橋涼介ということで、カナタとの絡みを楽しみにしていたわけですが。まさか、“亡くなったカナタの父親の主治医を務めていた”という、密な設定が用意されていたとは思わず! 涼介がカナタに目をかけていたのは、拓海の弟子ということだけではなかったんですね……。なんてドラマティック!

 じつのところ、涼介はあくまで医者としてカナタを訪ねてきており、自分がMFGの創設者であることは彼に明かしませんでした。そんな涼介に対し何か感じる部分があったのか、カナタは来年以降の身の振り方を相談することに。めちゃくちゃプライベートに踏み込む相談を初対面でもちかけるあたり、涼介に拓海の面影を重ねていたりするのかもしれませんね。

 そんな悩めるカナタに対し、涼介が送ったアドバイスとは……? いやもう、このシーンは激萌えすぎて、何度も読み返してしまいましたよ。このアドバイスでどこか吹っ切れたような表情になるカナタにますます感情移入。そして、ますます涼介のことが好きになってしまった瞬間です。

 これまで以上の集中力を発揮しそうなカナタ。レース本戦でどんなドライビングを見せてくれるのか、今からワクワクが止まりません。願わくば、悲願の初優勝を飾ってほしい! マジで待ちきれない……。

 ということで、今回ご紹介した『MFゴースト』第19巻は現在好評発売中です。まだお手に取っていないという方は、ぜひお見逃しなく!

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