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ネタバレあり感想:『キングダム』71巻は敵も味方も危ういフラグが立ちまくりでヤバい…。番吾の戦いは一体どうなる!?

タダツグ
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 発行部数1億部を突破した人気漫画『キングダム』。その最新刊となる71巻が2月19日に発売されました。今回は読み終えてみての感想記事をお届けします。

※記事内には『キングダム』のネタバレが含まれています。

『キングダム』71巻感想(ネタバレあり):気になる新キャラの登場に危ういフラグの数々……番吾の戦いは序盤から激荒れ

 待望の『キングダム』71巻が発売になりました。今回から第二次趙北部攻略戦がスタートします。

 今回の遠征、軍を取り仕切るのは六大将軍の王翦(おうせん)。彼のみならず、六将からはもう1人、山の民の王である楊端和(ようたんわ)も屈強な軍を率いて参戦しました。さらに、将軍となった王賁(おうほん)の玉凰軍(ぎょくほうぐん)と、我らが李信(りしん)の飛信隊。めちゃくちゃ豪華な顔ぶれが揃っての趙攻めとなり、秦がそれだけ今回の作戦に勝負を掛けていることがうかがえますね。

 対して、迎え撃つ趙軍を率いるのは趙国三大天である李牧(りぼく)。前年に“肥下の戦い(ひかのたたかい)”であの桓騎(かんき)をも討ち取った恐るべき相手ということで、今回も彼の存在感は不気味でした。

 ここで念のための確認ですが、皆さんは前巻(70巻)の“史書に戦国期にあって秦軍に最大級の犠牲を出したと記される大戦が幕を開ける”という不穏過ぎる煽り文句を覚えておられますか? 自分は正直、71巻を読み進めれば読み進めるほど、この不穏な言葉が頭をよぎりまくりでした。

 嫌~なフラグがにょきにょきと立ちまくりだと思いませんか? しかも、味方だけではなく敵にまで(汗)。物語の構成がいよいよ立体的になってきたというか、これだけの大戦争なわけですから、そもそも一方的な勝利というのはありえないのかもしれません。

 さておき、読んでいて嫌な汗が出てくるシチュエーションも多数あり、そこがまた面白いんだからすごいですよね『キングダム』は。原泰久先生の手のひらの上で踊らされている感もあり、それが正直心地いい(笑)。

 ということで、ここからは自分が読んでいて気になった“不穏なフラグ”について語っていきたいと思います。

注目ポイント1:ついに顔を見せた司馬尚の強敵オーラ。こいつ絶対強いよ!

 今回、李牧が率いる趙軍の兵数は30万人。秦の軍勢は25万人ということで、数字のうえでは兵数に5万もの差があります。これはちょっとやそっとでは埋まらない数ですよね。

 加えて、今回は李牧ですらその実力を認めている趙の将軍・司馬尚(しばしょう)まで参戦してきました。これまでは後ろ姿などしか描かれなかったこの司馬尚、ようやく顔がお披露目されたわけですが……めちゃくちゃ“猛者”のオーラを醸し出してやがるッ! この隠しきれない強者感、きっと皆さんも同意していただけるのではないでしょうか。

 楽彰(がくしょう)やカン・サロといった、彼に仕える武将たちからして一筋縄ではいかなさそう。とくに楽彰は、肥下の戦いであの蒙恬(もうてん)すら追い詰めた相手ですからね。絶対に油断できない!

 それにしても……三大天への任命すら断り、これまで自身の領地である“青歌(せいか)”から決して出てこなかった司馬尚がなぜこの番吾の戦いに出陣してきたのか? 大いに気になるところです。李牧とのなんらかのやり取りがあったことは間違いなさそうですけどね。

 考えても見れば、秦軍はオールスターでこそあれど。王翦しかり、楊端和しかり、李信しかり、誰もが一度は李牧と相対しており、互いに実力のほどはわかっているわけです。そんなところに、まだ力の全容が分からない敵将が現れたこの局面。司馬尚たちの存在が、秦軍にとって非常に厄介なことになりそう……そんな予感が止まりません。

注目ポイント2:地の利にも勝る趙軍。番吾には罠が仕掛けられている!?

 加えて、趙軍には地の利もあるところが不気味。秦からすれば敵国領内での戦いになるわけですし、前回から今回の戦いまでの空白期間で、李牧は戦いの場となる“番吾(はんご)”にも、なんらかの罠を仕掛けているようですから。

 71巻では、この罠というのがなんなのかまでは具体的になっておらず、自分としては気をもんでいるところ。というのもこの罠の存在、番吾に捉えられている壁(へき)が口にしただけの“匂わせ”ですからね。読者はもちろん、まだ王翦たちも知る由がないわけです。

 壁のあんちゃんが生きていたことはめちゃくちゃ朗報だといえるのに、よりにもよって彼の口からヤバめなフラグを語らせるあたりに、原先生の演出力を感じました。嫌でも印象に残りますよ……ザラザラとした砂を噛んでいるような、嫌~な印象が……。

注目ポイント3:李牧にも……むしろ側近のカイネにヤバめなフラグも?

 嫌なフラグが立っているのは、じつは秦側だけではないんですよね。というのも出陣前、ついに李牧がカイネに対する気持ちを吐露したじゃないですか。「ずっと側にいてほしいと思っている」と。……まあ、告げたのはカイネ本人に対してではなく、側近である馬南慈(ばなんじ)に対してなんですけどね(笑)。

 我々読者からすれば、ずっと“李牧ってカイネのことめちゃくちゃ好きじゃね?”と睨んできたわけで、そういう意味では“ようやっと”な告白なんですけど。

 これ、馬南慈にこぼすだけならよかったものの、じつはドアの向こうにいたカイネにしっかり聞かれてしまっているんですよね……。結果、ちょっと嫌なフラグになっちゃったな、と。命を懸けて戦う戦場では、このような色恋フラグは力にもなる反面、破滅にもつながりかねないというのは、この手の物語の“王道”ですから(汗)。敵とはいえカイネのことがお気に入りの自分としては複雑です。

 じつのところ、李信と羌瘣(きょうかい)にも同様の“両想いフラグ”は立っているのですが、彼らに関しては「この想いが戦場のギリギリの局面で生きるための力になる」と李信が断言してくれたこともあり、悪いフラグには思えません。が、李牧とカイネはどうなのかな……。思えば70巻で結婚した尾平(びへい)にも、同様のフラグが立っていたりもするわけで、ここらへんは色々な意味で見逃せませんね。

注目ポイント4:飛信隊に加わった新戦力たち。松魁ってもしかして……

 
 これはまだ憶測の域を出ないのですが。今回、新しく飛信隊に加わった新メンバーが何人かいましたよね。そのなかで、自分は松魁(しょうかい)のことが気になっています。“松”という姓、どこか飄々とした表情、得意武器は“槍”、そして干斗(かんと)に向けた意味ありげな視線……お前、あの松左(しょうさ)の身内じゃないのか!? 

 松左といえば、朱海平原の戦いで干斗たちを守るために己の身を捨てて戦い死亡した人気キャラ。松魁がそんな松左の血を引く男だとすれば、イチファンとしては胸アツではあるのですが……。気になるんですよね、彼が干斗を一瞥した時の視線、そのなんともいえない冷たさが。

 上にも書いたとおり、松左の死因は“窮地に陥った干斗たちを守るため”でした。もしかすると松魁の心中に“干斗たちさえしっかりしていれば松左は死ななかった”という想いがあるのだとすれば……これ、戦場でちょっと嫌な方向に転がりかねない気はしています。

 松左は死の間際、まだ若輩者だった干斗に自分が大事に使っていた槍を渡しており、干斗はその槍を使い続け、いまでは飛信隊になくてはならない戦力へと成長しつつあります。いわば、松左の想いを受け継ぐ者のはずなんですけどね……。松魁がどう思っているのか。そもそも、彼は本当に松左の血族なのかどうか。ここらへんもめちゃくちゃ気になるところです。

 ということで、本当に先行き不透明な形で始まった番吾の戦いの攻防が描かれていく『キングダム』第71巻、現在好評発売中です。記事を読んで気になったという方は、ぜひご自身でも手に取ってみてもらえればと。ここからどんどん盛り上がっていくと思いますのでね! それでは、今回はこのへんで。

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