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『サガ』に触れてこなかった舞台大好きライターが『SaGa THE STAGE 再生の絆』を初観劇。まさかの展開に驚きっぱなしの3時間!(ネタバレあり)【サガステ】

ことめぐ
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 スクウェア・エニックスのスマートフォン向けRPG『ロマンシング サガ リ・ユニバース(ロマサガRS)』の舞台『SaGa THE STAGE~再生の絆~』が、東京・池袋サンシャイン劇場で上演されました。

 レポート前にまず筆者の『サガ』歴をお話したいと思います。

 大変恐縮なのですが私はゲームの『サガ』シリーズをプレイしたことがありません。特にやらなかった理由もなく、なんとなくプレイするきっかけがなかったというところでしょうか。もちろん、シリーズの大筋の内容などは存じております。

 また、筆者は普段から舞台をよく見に行きます。

 今回の舞台にノエル役を演じている佐藤アツヒロさんが所属する“SMILE-UP.事務所”のアイドルのみなさんのファンなので、彼らが出演している舞台によく足を運びます。

 ですが、アツヒロさんが『サガ』の舞台にご出演されていることはお恥ずかしながら存じておりませんでした……。しかも、1公演目から役は違えど出演されていたと知って大変驚きました。ですので、ゲーム×アツヒロさんの舞台をぜひ観たいと思ったんです。

 今回はそんな筆者が好きな“舞台”というものを通して、初めて『サガ』に触れる貴重な機会をいただいたので、『サガ』初心者ではありますが、いち演劇ファンとして、“ゲーム”というものを愛する者として観劇した感想を写真を交えながらレポートしていきたいと思います。

 なお、本公演は2月29日~3月3日の大阪公演、配信アーカイブ、Blu-rayの発売を控えているので、ストーリーは大まかにご紹介し、筆者が感動したポイントを書いていきます。

※この記事には舞台『SaGa THE STAGE~再生の絆~』のネタバレが含まれています。

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イゴマールのかわいすぎる演技が最高! ゲーム本編を描いたスピード感あふれるステージに圧倒された第1幕

 池袋のサンシャインにある“サンシャイン劇場”に来るのは3度目。しかも全てスクエニさんの舞台を観劇するために来ています。


  • ▲この劇場は真ん中から後ろの席が結構な段差になっていて、ものすごく視界が良好です。ですので、観劇するにはもってこいの会場だと個人的に思っています。

  • ▲ロビーにはイラストの展示も!

 ステージに目をやると、岩のブロックのようなものが左右にあるだけ、というシンプルさにびっくり。

 ステージに驚きつつも開演を待っていると、開演数分前にステージが一変。ブロックの後ろにスクリーンがあったようで、そこに酒場の様子が映し出されました。

 ガヤガヤと賑わう酒場には、詩人(野村知広さん)とモグラ……ではなくモール(原武昭彦さん)、金色の髪が美しいキャット(片田ミチルさん)の姿が。

 3人の愉快なやりとりが繰り広げられた後、その場で詩人が語りだし本編はスタート。

 今回の『SaGa THE STAGE~再生の絆~』は、『ロマサガRS』の“ポルカ編”のその後に焦点を当てた完全オリジナルストーリー。本編中に描かれなかった物語の続きを楽しめる内容となっています。

 上演時間は1幕・2幕共に約1時間半、合計3時間という大ボリューム。1幕はスピード感のある展開でポルカとイゴマールの戦いを描いていきました。

  • ▲ポルカ・リン・ウッド(松田凌さん)。さらわれた妹のリズ(高槻かなこさん)を探すために塔士団に。

 まず驚いたことは、出演キャラクターの多さ。登場シーンが少ないキャラクターもいましたが、きちんと一人ひとりの見せ場があり、愛を感じました。

  • ▲ポルカをはじめとした新八星、異世界の戦士たち、七英雄が勢揃いするシーンには圧倒されました。1キャラずつ感想を語りたいところですが、超長文になってしまいそうなので、またの機会に……。
  • ▲リズの娘のジョー(七瀬恋彩さん)、息子のバート(岸本勇太さん)。2人は双子の姉弟です。

 途中、殺陣シーンが何度かあり、大きな武器を手にステージを動き回りながら展開される戦闘には目を奪われっぱなしでした。

 スクエニさんの舞台は殺陣が多い印象。本公演は人数が多く、武器も衣装もしっかり作り込まれていて、迫力がより一層すごかったです。

 ゲームに登場するゴテゴテな武器を持ちながら戦うので、なんだか本当にその世界にいるようでドキドキワクワクしました。

 1幕はなんと言ってもキュートな魔物・イゴマール役の平山佳延さんの迫力ある演技が炸裂。

 平山さんの狂気に満ちた姿と声は、会場の空気を飲み込んでしまうほど。イゴマールがステージに現れると、もう一瞬で彼女色に染まってしまうんですよね。筆者はイゴマールのキュートな(?)演技の中毒に。もっともっと出てくれ! と思ってしまったほどです。Blu-rayを買ってリピートするしかない(笑)。

  • ▲顔、衣装、スタイル、声、全てが美しいポルカの父・バルテルミー(三浦涼介さん)も登場。なんかもう全てが美しすぎてステージに降り立たれた瞬間、息をのみました。あまりにも2次元。双眼鏡で追っている方がものすごく多かったです。
  • ▲ポルカとバルテルミーの悲しい対決も描かれました。なんという残酷な運命。

 イゴマールが世界を手にし、最悪の悲劇が目の前に迫った時、ジョーが“禁忌の賭け”を実行。そのため世界は救われたものの、ポルカ達の前からジョーは消えてしまいます。

 ジョーを探すため、決意を固めるポルカ。イーヴリン(土屋アンナさん)が「(仲間は)もしかして目の前にいるかも?」と言い、それを聞いてポルカが「みんな……頼む。力を貸してくれ。」と口にすると、後ろにいる5人が微笑み頷く、というシーンで1幕を締めるという演出に鳥肌。

  • ▲土屋さん演じるイーヴリン。

 あまりにも美しく仲間の尊さを感じる幕引きで2幕への期待がとても高まりました。

 1幕は、ゲームでのストーリーがとても上手くぎゅぎゅっと詰め込まれていました。ですので、『ロマサガRS』をプレイした方にとってはストーリーの振り返りができ、それを生で見ることができたのでとても感慨深かったのではと思います。

 私のようにゲームを未プレイであっても、ややスピード感があったものの、キャラクターはみんな個性的ですし、ストーリーもとても分かりやすく区切られた構成になっていたので、すぐに理解ができました。

 ですので、未プレイだしなぁ……という方も臆せずにぜひ観ていただきたいなと思いました。

 1幕はゲームでいう“序章”。2幕からは、ポルカ達の新たな物語が綴られていきます。

ここはお笑いのステージ……? と錯覚するほど笑いっぱなし。泣けるシーンもあって感情のジェットコースターが止まらなかった第2幕

 15分の休憩を挟み、2幕がスタート。

 イゴマールとの戦いを終えたものの、ジョーがいなくなり悲しみにくれていたポルカ達。きっと悲しい雰囲気で始まるのだろうなと思ったら……なんだか様子がおかしい。

 突然、軽快な音楽(怪傑ロビンのテーマ)が鳴り、ポルカとリズがなんか黒いめちゃくちゃだっさいコスチュームを着てる!?!? 

 これにはもう客席は爆笑。急にお笑い会場に来た空気になり、筆者は大困惑。

 そして、2人の姿を見たバートも お か し い。変な格好になってしまったポルカとリズが、バートにコスチュームをプレゼントするも拒絶。バートはプレゼントを置いていこうとしましたが、ポルカに「持ってけよ!!」と怒られ、イヤイヤ持っていくシーンにも爆笑。

 サガステ後半ってもしかしてお笑いパートなの……!? というくらい、2幕は”笑い”が詰まった内容に。1幕のシリアスな展開は一体なんだったんだ……!? と本気で思ってしまいました……笑。

 2幕は1幕の世界から2年後。ポルカ側、七英雄と順番に切り替わっていく構成になっていました。

 ここでまたもや筆者は油断しておりました。

 七英雄は次元転移を繰り返し、新天地に到着。異世界に来て早々、なにやら言い争いが始まったなぁとステージを眺めていると……。

 相手にしてもらえないクジンシー(和合真一さん)がトランプマジックを始めます。このあともキックボードで登場したり、もうやりたい放題(笑)。

 ちょっとこれは後で検証しなければならない。“サガステ”っていつもこうなの……?(笑)

 前半はこんな笑いどころなかったじゃない!! というか、七英雄までこんな風になるとは思っていなかった……! 完全に油断してしました。

 しかも、家で台本を読んでいて気づいたのですが、「キックボードに乗ったクジンシーが一行の背後を横切り、去っていく。」と書いてあり、あまりのシュールさに家でも笑ってしまいました(笑)。

 他にも七英雄は、笑いどころ(?)がありました。

  • ▲筆者が観劇しようと思ったきっかけでもある七英雄・ノエル役の佐藤アツヒロさん。殺陣がとてもカッコよかった……! 銀髪と甲冑、とてもお似合いでした。そんなアツヒロさんがまさかあんなことになるなんて……。

 七英雄にタームが襲いかかり、乱戦へ突入。

 そんな中、ダンターグ(阿見201さん)が必殺技を「思いつかない!」と言うとあの“閃きヘルメット”持った黒子さんが登場。そして、ダンターグが被ると「爆砕超ぶちまかし!」を発動。

 その後は我も我もとヘルメットの取り合いに(笑)。……さっきまでのカッコいい七英雄どこ行った……!?

 ロックブーケ(宮崎あさみさん)が「サガステ初登場なの!」と言うと、ヘルメットを即譲ったワグナス(中村誠治郎さん)マジ紳士。

 そしてそんな様子を下から眺めていたノエルがみんなを見つめだし(イヤな予感)、真剣な表情で「俺はこれまで一度もこれをかぶったことがない。一度経験してみたかった。頼む」と言い出すと会場は大爆笑。

 ノエルが被り、「スターライト!!」と言うと、敵を一掃。そして全員で「倒せたーーーーー!!」とキャッキャする姿があまりにも可愛くてキュン。ここで私、無事に“七英雄推し”となりました。黒子さんに肩ポンされるワグナスもかわちいでした。

 ……話を戻しまして。

 ポルカ達は“始まりの君”となってしまったジョーを救いに、七英雄は教皇を倒しにそれぞれ向かいます。

 2幕では歌のパートもたっぷりでした。

  • ▲土屋アンナさんは2幕ではリアルクィーン・ラプタス役として登場し、妖艶なダンスと歌声を披露。あまりの美しさに見惚れてしまいました。
  • ▲ポルカ、リズ、バートの歌唱シーンも。囚われたジョーの母・リズ役の高槻さんの歌声には思わず涙。子を想う母の気持ちが、歌声から痛いほど伝わってきました。

 物語は最終局面に。

 奇跡が起こるものの、ジョーを助けるには誰かが犠牲にならないといけないということが発覚します。そして悲しい戦いが再び起きてしまいます。

  • ▲またあの時の苦しい気持ちに押しつぶされそうになるポルカ。そして彼の選んだ道とは……。

 ポルカ達は死闘の末、元通りになったジョーを取り戻すことができました。

 ポルカ、リズ、ジョー、バートは元いた世界へ戻ります。その様子を優しく見守る視線を感じながら……。

 スクリーンに大きく『SaGa THE STAGE~再生の絆~』と映し出され、幕を閉じました。

 最後の挨拶にもキャラクターの個性が出ていました。土屋さんがおちゃめな感じで挨拶をしているのがギャップ萌えしましたし、ターム達がお辞儀してるのがあまりにも可愛かったです。

 そして挨拶が終わるタイミングで音楽に合わせてステージに全員が戻り、ポーズをとるのですが、あれだけの大人数で完璧に揃っている姿に感激。

 お世辞などガチで抜きで、『ロマサガRS』の世界が、ポルカ達が大好きになりました。3時間という決して短くない時間をポルカ達と一緒に過ごしたからか、彼らと別れるのが本当に辛かったです……(泣)。それくらい世界にのめり込んでしまいました。

 スクエニさんの舞台は、最初にも書いた通り本当に“スクリーン”を使った演出がすごいんです。魔法のエフェクトや街の情景をスクリーンに写し、本当にを放っているように見えるんですよね。ですので、ストーリーの世界への引込み力がすごい。

  • ▲イゴマールのシーン。スクリーンに注目して見てみてください。

 もちろんスクリーンだけでなくセットもあり、上手く併用しているのが本当に素晴らしいです。

 舞台のBGMもすごいこだわりっぷり。『サガ』シリーズの作曲をされている伊藤賢治さんによると、この舞台用にかなりの新曲やアレンジがなされたとのこと。

 そのままゲームの音楽を流せばいいとなりそうですが、この舞台のためにたくさん楽曲をアレンジ、制作されたとのことを知り感動。

 そして、写真からもわかると思うのですが、キャラクター達の衣装や武器がどう見ても本物にしか見えないんです。

 役者のみなさん、きっとこの服普段から着ていますよね? というくらいのフィットっぷり。

 あとでポルカ達のイラストと役者のみなさんを見比べてみたのですが、あまりにもそのままでびっくり。

 音楽、衣装、ステージセットなどいろんな箇所で、舞台に関わっているスタッフのみなさんのこの舞台へのアツイ想いが伝わってきました。本当に抜かりがない。

 初めての“サガステ”は、演者のみなさんからも、スタッフのみなさんからも愛情を随所で感じるステージでした。

 予想していなかった笑いどころもあり、緩急のあるステージになっていて退屈さも感じませんでしたし、何よりポルカ達が全員好きになってしまいました。彼らに出会えて本当に良かった。

 観劇が終わり、Xでサガステの感想を見ていたら、アツヒロさんファンが『ロマサガRS』のキャラクター達のことを語っていらっしゃって(きっと以前からご観劇なさっている方なのかなと)、なんだか好きなものが繋がっていく様子が見られて鳥肌が立ちました。

 “ゲーム”も”演劇”も元を辿れば同じエンターテインメント。

 何かがきっかけで“好き”の連鎖が起こって、エンターテインメント業界がさらに盛り上がっていくといいなとも思えた観劇となりました。

 集合写真を見ただけで尊い気持ちが爆発するほど沼りました。もう最後の方は七英雄カワイイ!! ターム達きゃわいい!! という大ハマりっぷり(笑)。現実のこういう虫は大嫌いだけど、ターム大好き!!

 そして、この素敵すぎた公演はBlu-ray化が決定しています。あまりにも嬉しい! 筆者は劇場で予約し損ねてしまったので、ビジュアルシート付きのものを注文しました。

 今回は足を運べなかったけれど見てみたい! という方、観たけれどまたお家でも感動を味わいたい! という方も、ぜひお手元にお迎えしてみてはいかがでしょうか。

 調べてみるとサガステの第二弾は“七英雄”がテーマのお話だったようですね。ぜひ観たいと思ったのですが、もう手に入らないようで落ち込みました。アマプラで見られる作品もあると分かったので必ず観ます。

 そして私、4月25日発売の『サガ』シリーズ完全新作『サガ エメラルド ビヨンド』でゲームの『サガ』デビューをしてようと思います。

 完全新作でイチから楽しめそうなので、発売のタイミングが個人的にとても良かったかもです。

 もちろん今回の舞台の元である『ロマサガRS』もプレイしてみようと思います。ストーリーを一気に見られるそうなのでそちらをまず見てみたいなと(そのような神機能があるとは知らず……舞台前に見たかったかも)。

 『サガ』というとても歴史のあるゲームに、“舞台”という形で初めて触れることになりました。観劇して本当に良かったです。

 気が早いかもしれませんが、次の公演があった時は絶対に観劇します。それまではゲームの方で『サガ』の世界をたっぷり楽しもうと思います!

『SaGa THE STAGE~再生の絆~』概要

【原作】
ロマンシング サガ リ・ユニバース(株式会社スクウェア・エニックス)

【世界観監修・脚本原案】
河津秋敏(株式会社スクウェア・エニックス)

【脚本・演出】
とちぼり木(株式会社スクウェア・エニックス)

【音楽】
伊藤賢治

【出演】
松田 凌 高槻かなこ 七瀬恋彩 岸本勇太
新田健太 原武昭彦 野村知広 伊澤彩織 石橋直也 御寺ゆき 大平峻也
土屋アンナ 三浦涼介
中村誠治郎 平山佳延 阿見201 川田 祐 和合真一 宮崎あみさ
佐藤アツヒロ
及川崇治/湯田昌次/片田ミチル/岡本麻海/松野咲紀/松藤拓也/久保田浩介/望月祐治/白崎誠也/松岡凛/園田玲欧奈


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