今さら聞けない、伝説の神ゲー『ファイナルファンタジー』のすごさ。ファミコン版より快適になった今、ぜひシリーズの原点を体験してほしい【ピクセルリマスターFF1】
- 文
- Go
- 公開日時
- 最終更新
『FF』シリーズ黎明期に生まれた『I』~『VI』までをリマスタリングし、現代によみがえらせた名作『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』シリーズ。
何年にも渡って進化してきた過去のシリーズを同時にリマスターし、6作すべて同じクオリティで楽しめる本作から、それぞれの作品の魅力をあらためて解説します。
『ピクセルリマスター』シリーズは、1作目~6作目の単発のほか、すべてセットになったバンドル版も発売中。本記事では、大きな衝撃とともにゲーム界へ鮮烈なデビューを飾った、『ファイナルファンタジー(FF1)』を紹介します。
なお、『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』は、PC、アプリ、PS4、Switchで楽しめます。今回は、PS4版『FF1』を使っての紹介となります。
『FFピクセルリマスター』関連記事
- またもや神ゲー『FF6』。SFC時代のスクウェアRPGのドット絵芸術の極北であり、ティナたち14人の主人公の群像劇のスケールの大きさも圧倒的【ピクセルリマスターファイナルファンタジー6】
- 神ゲー『FF5』はジョブチェンジに青魔法とやりこみ要素満載。ストーリーや音楽の完成度も高すぎる【ピクセルリマスターファイナルファンタジー5】
- ネタバレあり:ATBがコマンドバトルに革命をもたらした『FF4』。セシルやカインらが紡ぐ壮大な物語は、最後はなんと●●まで行っちゃうことでも有名【ピクセルリマスターファイナルファンタジー4】
- ゲームの歴史に多大な影響を与えた神ゲー『FF3』。ジョブチェンジに召喚獣、多数の隠し要素と、RPG好きに絶対おすすめ【ピクセルリマスターファイナルファンタジー3】
- 『ファイナルファンタジー2』レベルの概念なし、味方を殴ってステータスを上げる成長システム、重厚なストーリー。どのRPGとも異なる魅力を放つ【ピクセルリマスターFF2】
- 今さら聞けない、伝説の神ゲー『ファイナルファンタジー』のすごさ。ファミコン版より快適になった今、ぜひシリーズの原点を体験してほしい【ピクセルリマスターFF1】
シリーズ最初の作品には、すでに『FF』らしさでいっぱい!
最初の作品からまさに紛うことなき『FF』シリーズ!
『FF1』は、1987年12月18日にファミリーコンピュータ(FC)で発売されました。当時は『ドラゴンクエスト』の大ヒットもあって、RPGというジャンルに大きな注目が集まっていました。
その最初の作品は、キャラクターを操作し、世界を巡り、戦って成長し、そして物語を進めるというRPGのセオリーをしっかり踏襲。さらに、選択したジョブによって成長が異なるシステムや、クリスタルを中心にした王道ファンタジーのストーリーなど、今も脈づく『FF』らしさもすでに確立されていたのです。
王道ファンタジー世界で展開する物語
実は『FF1』の世界観とストーリーは、ファンタジーの王道でありがながらも、2,000年という遥かな時を越える壮大なもので、ちょっとSFチックな展開もあります。
また、一番最初に倒したボスが実は〇〇〇〇だったり、その最初のボスを倒して初めてタイトルクレジットが表示されるなど、ストーリー面も演出面も、当時としては斬新なもので、ゲームの物語としては最先端でした。
FCの初期のゲームということで、セリフの数は少ないですし、説明不足の点もあり、想像力で補完しなくてはならない部分が多かったのですが、そんな想像の部分もまた魅力の1つでした。
設定がないからこそ想像力が刺激される!
パーティメンバーは4キャラで、最初に4人のジョブと名前を決めることになります。そこには、名前も性格もデフォルトの設定があるわけではなく、自由に決めることができます。
あくまでも主人公=自分というスタンスで、彼らはゲーム中も一切喋ることがありません。このタイプは『FF』シリーズでは珍しいのですが、これが自由な想像を可能にしてくれたのでしょう。自分や友人、好きな人の名前を付けたり、ゲームやアニメのキャラ、推しの名前を付けたりと楽しみ方も人それぞれで、誰がどんな名前を付けているのかを知るのも楽しかったんです。
ちなみに、名前は“おまかせ”ボタンで簡単に決めることも可能。おまかせで出てきた名前に愛着が湧くこともあるので、どんな名前になるのかを見るのも一興です。
変な名前を付けて始めたら、すっかり馴染んでいつの間にか気に入ってしまっていたなんてこともあるので、しっかり考えましょう。あとで変更という便利な機能はついていません(笑)。
まさに古き良きRPGの体現!
システムは、古き良きRPGの原型といった感じで、フィールドやダンジョンを探索し、自身を育てながら、物語に沿って世界を旅していく伝統的なスタイルとなっています。
魔法は回数制で、レベルごとに使用回数が決まっているなど、ちょっと今とは異なる部分もありますが、ファイア、ケアル、そしてエクスカリバーなどなど、魔法や武器にはすでにお馴染みの名前が登場しています。
また、セーブはフィールドならいつでも可能で、20カ所までできます。さらに、オートセーブとダンジョン中の中断セーブも搭載。
オリジナル版ではセーブは1つのみで、宿屋とフィールドでテントやコテージを使ったときのみ可能だったので、かなり遊びやすくなりました。
サイドビューはバトルシステムの革命!
本作のバトルシステムは、画面左に敵、右に味方が並んで、互いに攻撃しあうというお馴染みのサイドビュースタイル。
お馴染みとは言っても、この作品がそもそもの始まりでした。もっと古いPCゲームなどではあったかもしれませんが、少なくとも家庭用ゲーム界に浸透させたのは、本作だったと言ってもいいのではないでしょうか。
とにかく一見してわかりやすく、想像しやすかったのが特徴です。横向きのキャラクターたちが攻撃してちょこちょこ動くのも可愛かったし、ダメージを受けるとしゃがんだり、HPが0になると倒れたりと、意外に表情豊かです。
ちなみに本作ではジョブチェンジはできませんが、物語が進むと各ジョブ上位のジョブにクラスチェンジできます。このときちょっとだけ等身が伸びて大人っぽくなります。
あなたは奇数派? 偶数派?
80年代から90年代の『FF』シリーズは、奇数派と偶数派にわかれて、よくどっちがいいか討論されていたことをご存知でしょうか。
奇数の『FF1』『FF3』『FF5』はジョブシステムを搭載し、キャラクターよりもシステムを重視。対して偶数の『FF2』『FF4』『FF6』は、キャラクターとストーリー重視と、毛色がハッキリ分かれていたのです。
どっちがいいかはもちろん個人の好みなので、結局決着が付くことはなかったのですが、なかなか熱い論争を繰り広げていたのでした。ちなみに私は奇数派で、とくに『FF5』が好きでした!
『ピクセルリマスター』ならサクサクプレイも!
当時のRPGは今ほど親切ではなく、本作もどこか不親切な部分は残っています。とくに、次に何をすべきかの指針がほとんどなく、次にどこへ行けばいいのかわからないということが起こりやすいのです。
また、普通に物語を進めているだけだとレベルが足りなくて全滅することもあり、しっかりレベル上げすることも必要でした。そうした手間もまた、面白さの1つなのですが、本作には“ブーストモード”があるので安心です!
経験値4倍やエンカウントなしなど、『ピクセルリマスター』シリーズ共通で、さまざまな機能が搭載されているので、忙しい人でも大丈夫です。
長い歴史を持つシリーズなので、最近の『FF』はプレイしていても、昔のシリーズは未経験という人も多いでしょう。しかし最近の『FF』が好きなら、昔の『FF』もきっと気に入ると思います。
『FF1』は全体的にはシンプルで、まさに『FF』の原点ここにありといった印象なので、シリーズを知らない人は、ぜひまずはこの『1』から初めてみてはいかがでしょうか!
© SQUARE ENIX
LOGO & IMAGE ILLUSTRATION:© YOSHITAKA AMANO
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります