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またもや神ゲー『FF6』。SFC時代のスクウェアRPGのドット絵芸術の極北であり、ティナたち14人の主人公の群像劇のスケールの大きさも圧倒的【ピクセルリマスターファイナルファンタジー6】

文:スズタク

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最終更新:

『FF』シリーズ黎明期ともいえる『I』~『VI』までをリマスタリングし、現代によみがえらせた名作『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』シリーズ

 何年にも渡って進化してきた過去のシリーズを同時にリマスターし、6作すべて同じクオリティで楽しめる本作から、それぞれの作品をあらためて解説します。

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 『ピクセルリマスター』シリーズは、1作目~6作目の単発のほか、すべてセットになったバンドル版も発売中。本記事では、スーパーファミコン(SFC)最後のシリーズ作となる『ファイナルファンタジーVI(FF6)』を紹介します。

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 なお、『ファイナルファンタジーVI』(ピクセルリマスター)は、PC、アプリ、PS4、Switchで楽しめます。今回は、PS4版『FF6』を使っての紹介となります。

SFCの限界を超えて作り込まれたシリーズ第6弾

芸術的なピクセルアートで描かれる、多彩な主人公たちの群像劇


 『FF6』は、1994年4月2日にSFCで発売された作品。SFC最後のナンバリングタイトルであり、ドット絵の『FF』の集大成とも呼べるような完成度を誇りました。

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 前2作からさらにパワーアップしたドット表現は、ハードの限界を超えたレベルと称されるほど。とくに背景や敵のグラフィックなどは、ピクセルアートの極地を思わせる芸術的な美しさがあります。

 プレイヤーキャラクターが数多く登場し、特定の1人を主人公としない群像劇のように描かれるのも特徴。各キャラクターには明確な個性があり、戦闘面でも専用のバトルコマンドを与えられています。

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 バトルは『FF4』から続くアクティブタイムバトル(ATB)システムで、最大4人のパーティで戦うことが可能。仲間が増えていくと自由にメンバー入れ替えができるようになり、誰を編成して冒険するかという楽しさを味わえました。

 また、本作独自の要素として魔石システムが登場。キャラクターに魔石を装備させることで魔法を覚えることができ、自分好みの性能に育成することができました。

魔法が滅んだ世界でガストラ帝国の野望が燃え上がる


 『FF6』の舞台は、1000年前に勃発した“魔大戦”によって魔法の力が消え去った世界。それまでの『FF』シリーズの象徴だった“クリスタル”が廃され、機械の力が文明の中心となっています。

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 そんな世界ではガストラ帝国が台頭しており、帝国は魔法に代わる新たな力“魔導”によって世界征服を計画。プレイヤーはさまざまな境遇の主人公を操作し、ガストラ帝国の野望に立ち向かうことになります。

 過去作では単なるコマンドの一種に過ぎなかった魔法ですが、本作ではストーリーの中核を担う要素として扱われています。ゲームをある程度進めるまで魔法を扱えるキャラクターは限られているほか、魔法の使い手に対する人々の目線なども従来とは違っているのが見どころです。

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 また、ストーリー上で大きな転換点を迎えると、世界がガラッと様変わりするのもポイント。絶望と希望が入り混じった展開はかつてないほどドラマチックで、『FF6』が愛される要因の1つとなっています。

バラエティに富んだ総勢14名のキャラクター


 『FF6』のプレイヤーキャラクターは計14人存在し、それぞれが主人公として扱われています。なかには特定の条件を満たさないと加入しないキャラクターもいて、仲間探しも醍醐味となっています。また、手順次第では永久離脱してしまう者もおり、今でも語り草になるほどに……。

 ロックの“ぬすむ”やシャドウの“なげる”など、大半のメンバーには固有コマンドがあり、そのキャラクターの個性となっています。バラエティに富んだ性能の主人公たちを、好きなように組み合わせて戦えるのが本作の魅力です。

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 また、ゲーム中には複数のパーティを切り替えながら攻略するシーンやダンジョンなども登場。プレイヤーキャラクターの多さを生かした本作ならではの遊びで、今までにないおもしろさを満喫できました。

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 ストーリー終盤になると仲間同士が離ればなれになる事態が起こりますが、世界各地をめぐって仲間と再会していく胸アツな展開につながります。この過程で流れるフィールド曲“仲間を求めて”は、シチュエーションと非常にマッチした名曲として大人気!

自分好みに魔法を修得できる魔石システム


 本作の育成要素となるのが
魔石システム。これは、入手した魔石をキャラクターに装備させ、熟練度を貯めることで魔石に秘められた魔法を修得できるという仕組みです。魔法によって修得できる早さ(=熟練度のたまりやすさ)が異なり、強力な魔法は覚えるのに時間がかかるという差がありました。

 魔石システムが解禁されたあとは、基本的に誰でも魔法を扱うことが可能。お気に入りのキャラクターに好きな魔法を覚えさせることができ、自由度が一気にアップします。

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 魔石の名称は従来の召喚獣にならっており、魔石を装備していると戦闘中に一度だけ召喚魔法を使うこともできます。魔石自体の種類も豊富に用意されており、コレクション要素としても夢中になれるものでした。

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 さらに、一部の魔石には装備した状態でレベルアップするとパラメータが上がる効果も! あまり深く考えずに育てても問題なくクリアできる『FF6』ですが、この魔石ボーナスを意識してレベル上げをすると、より強靭なキャラクターを作り上げることができます。

ピンチのときに発動できる隠し必殺技!


 戦闘中、キャラクターが瀕死状態で“たたかう”を選択すると、低確率で隠し必殺技が発動します。この技はすさまじい威力を持ち、キャラクターによっては相手を即死させる効果を秘めています。

 まさに一発逆転の切り札と呼べるものですが、発動条件がかなり難しいのがネック。キャラクターごとにカッコいい技名とエフェクトも用意されているのですが、普通にプレイしていると拝めないまま終わってしまうことも多かったとか……。

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 当時は幻の大技として扱われていた隠し必殺技ですが、各キャラクターに専用の特殊技を持たせるというアイディアは、後続に受け継がれる大きな功績でした。次回作の『FF7』以降、キャラクターにはそれぞれド派手な必殺技が用意されるのが恒例となり、個性付けの面でもひと役買っています。

『ピクセルリマスター』で生まれ変わったオペラシーンにも注目!!


 『ピクセルリマスター』シリーズは、基本的にオリジナル版の演出・描写に沿ったリマスターですが、『FF6』のオペラシーンだけはかなりアレンジが加わっています。2Dのキャラクターと3Dの背景を組み合わせることで、立体的かつ臨場感たっぷりにオペラシーンが作り直されています。

 そして、肝心の歌声はなんと生歌収録! しかも日本語だけでなく、英語、韓国語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語の計7バージョンが収録されているという豪華っぷりです。

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▲3D背景とカメラアングルを駆使したオペラは必見!

 すでに『FF6』を遊び尽くした人でも、このオペラシーンのためだけに『ピクセルリマスター』をプレイする価値があると感じています。各言語ごとに聞き比べてみるのも楽しいですよ!

 また、『FF6』といえば過去作に負けず劣らず名曲ぞろいなのも有名。前述の“仲間を求めて”だけでなく、各バトル曲、キャラクターごとのテーマ曲、17分超えのラスボス曲“妖星乱舞”などがゲームを盛り上げてくれます。

 かつて遊んだ人も未プレイの人も、SFC珠玉の作品をぜひ『ピクセルリマスター』で味わってみてください。

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スズタク:RPGとアクションをこよなく愛するライター。近年、シミュレーションRPGのおもしろさに気づき始める。



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