『ファイナルファンタジー2』レベルの概念なし、味方を殴ってステータスを上げる成長システム、重厚なストーリー。どのRPGとも異なる魅力を放つ【ピクセルリマスターFF2】
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『FF』シリーズ黎明期ともいえる『I』~『VI』までをリマスタリングし、現代によみがえらせた名作『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』シリーズ。
何年にも渡って進化してきた過去のシリーズを同時にリマスターし、6作すべて同じクオリティで楽しめる本作から、それぞれの作品をあらためて解説します。
『ピクセルリマスター』シリーズは、1作目~6作目の単発のほか、すべてセットになったバンドル版も発売中。本記事では、独自の成長システムや複雑な人間関係を描いた物語がユーザーの心をつかんだ『ファイナルファンタジーII(FF2)』を紹介します。
なお、『ファイナルファンタジーII』(ピクセルリマスター)は、PC、アプリ、PS4、Switchで楽しめます。今回は、PS4版『FF2』を使っての紹介となります。
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画期的システムが満載だったシリーズ第2弾!
新機軸なシステムにファンも驚き!
『FF2』は、1988年12月17日、前作からほぼ1年後にファミリーコンピュータ(FC)で発売された作品です。王道ファンタジー+王道RPGで人気となった『FF1』ですが、続編の『FF2』では、システムも物語も大きく変化してファンを驚かせました。
まずはシステムでは、レベル制を廃止するという大胆改革! 今では珍しくありませんが、当時は画期的で、こんなやり方があったのかと驚いたものです。
また、主人公=自分という概念が薄く、登場キャラクターに緻密な設定が儲けられ、“物語の主人公”という立場を取るようになりました。ストーリーに沿って行動し、会話もするので、ロールプレイ的な要素は薄れましたが、まるで映画を観るように、物語に没入することができたのです。
映画的なゲームというのは『FF』シリーズではずっと言われてきたことですが、その最初の作品となったのがこの『FF2』と言えるかもしれません!
熟練度で強くなる成長システム
先述のように、本作ではレベル制が廃止され、武器や魔法は使ったぶんだけ強くなる、いわゆる熟練度システムが導入されています。
武器は系統ごと、魔法は魔法ごとに熟練度が設定されていて、使ったものだけが、個別で上昇していくようになりました。
さらに、最大HPは、ダメージを受けた量によって上がっていくので、強くなるため、あえて敵の攻撃を受けることもしたものです。
しかも、本作では味方に攻撃もできるので、最終的には味方を殴ってまで強くすることに! なかなか壮絶ですが、これまでとは違った成長システムは、かなり新鮮な気持ちで遊べたのです。
武器防具の装備に関しても制限がなく、誰が武器で攻撃するか、誰が魔法を使うかも自由。おかげでプレイヤーごとに育て方もかなり違っていました。
ちなみにフリオニールが武器攻撃(主に剣)、マリアが魔法と弓、ガイが素手攻撃(もしくは斧)というのが鉄板だったと思います。自分もそうでしたが、魔法をすべてマリアに押し付け、彼女だけいろんなことをするので、上がり方が中途半端だった覚えがあります(笑)。
世界観&ストーリーも奥深く
『FF2』は、ストーリー性が重視された最初の作品としても有名です。物語では、帝国の侵略を背景に、4人の若者たちがレジスタンスとして戦いに飲み込まれていく姿が描かれます。
4人の主人公たちは名前も背景もしっかり設定(名前の変更は可能)され、自分自身の投影ではなく、物語の中の人物として描かれていました。
さらに登場するサブキャラクターも魅力的で、賢者のミンウやモンクのヨーゼフ、王子のゴードン、女海賊のレイラ、竜騎士のリチャードなど、多くのキャラクターが物語を彩ってくれます。
今も語り継がれるミンウの悲劇
本作では物語の背景に戦争があるので仕方ないのですが、戦いのなかで、多くの人が犠牲となってしまいます。
そのなかでも忘れられないのが、やはりミンウの最後。彼は帝国に対抗するため、アルテマの本を求めてミシディアの塔に向かいます。そして最上階の封印を解くために全魔力を解き放ち、魔力を使い果たしてしまうのですが……。
その肝心のアルテマが、そんなに強くないという皮肉(笑)。武器で攻撃した方が与えるダメージが大きいため、無理に魔法を使う必要がありませんでしたからね。序盤で仲間になったときは、メチャクチャ強かったのに、なんでこんな魔法のために……と思った人も多かったのではないでしょうか。
ワードメモリーシステム
『FF2』で特徴的なシステムとして、ワードメモリーシステムが挙げられます。人々の会話の特定の言葉を“おぼえる”で覚え、それを別の人に“たずねる”で訪ねることができるのです。
ファンには有名な合言葉である“のばら”というキーワードは、このシステムで最初に覚える言葉でした。
ストーリー展開以外にも、特定の言葉に反応するキャラクターがいたりと、単なるメモ帳ではない、物語を補完してくれるシステムとしても活躍してくれました。
『FF』らしさがさらに固まる
システム的には独自のものになりましたが、『FF』らしい魔法、武器、モンスターは健在。さらに本作で、初めてシドが登場しました(『FF1』では名前だけ登場)。
今回はポフトの町で飛空船の定期便を営んでおり、比較的序盤から移動手段として活躍してくれます。このときから、飛空艇とは切っても切れない間柄だったのですね。
そして忘れてはならないチョコボも初登場! 本作ではチョコボの森で登場し、移動手段として活躍。あの軽快なテーマミュージックといっしょに、フィールドを駆け回ります。
新しい独自のシステムと、さらなる『FF』らしさの確立という、2つの要素を満たした作品は、シリーズの歴史を語る上ではずせない作品です。
90年代の作品だけに難易度はちょっと高めですが、『ピクセルリマスター』ならブーストモードもありますので、ぜひ挑戦してみてください!
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