スクエニ童話RPG『グリムノーツ』運命に抗う者達の物語の完結、迫る! 4周年記念インタビュー
- 文
- イナヤ マギ
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スクウェア・エニックスのiOS/Android用アプリ『グリムノーツ Repage(リ・ページ)』と『グリムエコーズ』。『グリムノーツ』が1月21日に4周年、『グリムエコーズ』が3月28日に1周年を迎えます。それらを記念した合同インタビューを4回に渡ってお届けします。
第1回の『グリムエコーズ』インタビュー前編に続き、第2回は『グリムノーツ Repage』のインタビュー前半です。
今回はクライマックスが迫るメインストーリーの裏話をメインにお聞きししました。ネタバレがありますので、読むときにはご注意ください!
1回1回をクライマックスだと思ってストーリーを進めている
――先日“グリムノーツの想区”が配信され、『グリムノーツ Repage』のメインストーリーもそろそろ佳境に入り、『グリムノーツ』が来年1月に4周年となる今の率直な気持ちを聞かせてください。
大泉:企画に関わった5年前の今頃から、こうして今まで続けられたこと、そして去年からSOWさんにバトンタッチして、良いシナリオを書いていただいて4周年を迎えられることは本当に嬉しく思っています。
石井:ちょうど大泉くんの誕生日から始まったんですよね。
大泉:そうですね。あの頃はまだ20代でしたよ。
穂里:いよいよ、来るところまで来たという感じですね!
――昨年からメインストーリーの担当となったSOWさんですが、『グリムノーツ』にはいつからかかわっていたのですか?
SOW:収集イベントなどで参加していたので、実は3年半近くかかわっています。
大泉:2016年の夏ぐらいからですよね。ゲームの配信が始まったのが2016年1月なので、かなり早い段階から参加していただきました。
SOW:『グリムノーツ』のシンボル収集イベント“臆病者の桃太郎”からかな。
『グリムノーツ』関連のフォルダを見たら2016年からあって、ビックリしました。仕事を片っ端からやってて、気づいたら3年以上経ってたという印象ですね。
――石井さんはいかがでしょうか?
石井:アプリゲームはシステム重視で運営をするケースが多いので、その中には、物語の終わりを決めずにストーリーを書き続けて、サービスが終わりそうになったら無理やり完結させる、下手したら途中で打ち切りみたいに終わることもあると思います。
『グリムノーツ』については、物語の結末を決めて動いていました。どういうシナリオ作っていくかをしっかり決めて、2年で一度区切りをつけた形で一度完結させ、『Repage』へとつなげられたのは、大きな意味を持っていると思います。
今配信している『グリムノーツ Repage』も2年でしっかり完結に向かって運営できているのは、いいことじゃないかなと思っています。
――穂里さんはキャラクターデザインをずっと担当してきて、どう感じたでしょうか?
穂里:自分自身が1本のタイトルに企画の段階からこんなに長く関わったことは少なかったので、正直驚いています。
主人公やアリスなどたくさんのキャラクターを生み出したり、ストーリーに合わせていろいろな要素をデザインに盛り込んだりと、なかなか味わえない経験ができて楽しかったです。
その反面、いよいよストーリーが佳境に入り、自分の生み出したキャラクターたちとのお別れも見えてきているので、さみしい気持ちもありますね。
――確かにストーリーは、かなり盛り上がってきていますね。一応、ゲーム内で“最終話”という言葉は使われていませんけど。
穂里:名言はしていませんが、そろそろ物語の決着が近いと、プレイヤーの方々は察してはいるとは思います。
SOW:ここ3回くらい、「次が最終決戦だ!」って雰囲気が流れてるからね(笑)。
穂里:ラストの引きがすごすぎて、「次が決戦だ!」、「いや次こそが最終決戦だ」みたいになってる気もするけど(笑)。
“プロメテウスの想区”の時も最終回のノリがありましたが、今度こそ本当に物語の結末が近づいてきている感じがしますね。
石井:この言葉だけだと、引き延ばしているように見えるかもしれませんね(笑)。でも、ちゃんと終着点は決まっていますので、ご安心ください!
―――“グリムノーツの想区”のラストの攻防はすさまじく、あそこで物語が終わってもおかしくないストーリー展開でしたよね。
SOW:1回1回のストーリーをクライマックスのつもりで書いてます。
石井:漫画家さんにも、そういう方いますよね。連載をしつつも、毎回ここで終わってもいいような作りで描いているそうです。
SOW:実際、ヒット作を描いている漫画家さんなんか、50週目標での物語完結を考えるらしいですからね。私も、毎回「ここで終わってもいい」という気持ちで最後まで書いていこうと思います。
――梁本さんはいかがでしょうか? 物語のラストが見えてきているというところで今の感触をお聞かせください。
梁本:『グリムノーツ』は、童話を舞台にした作品なので、プレイヤーの方々にとって好きな物語というのが必ずあると思うのです。
例えば『不思議の国のアリス』が好きで、またアリスの想区が見たいなって思っても、ストーリーの設定上見られなかったり、見られてもかなり後になってしまったりしますので。
2年で一度しっかりと終わらせて、『グリムノーツ Repage』という新たな形でもう想区をローテーションして、また違った形で楽しめたらという思いもありました。
『グリムノーツ Repage』も『グリムノーツ』と同じく、しっかり盛り上がってるところでエンディングを迎えられたらと思っています。
プロメテウスの正体は、最初はエクスではなかった!?
――ストーリーに関してなのですが、当初の構想からイメージ通りに進んでいるんでしょうか? それとも結構変わってる部分があるのでしょうか?
大泉:当初は『グリムノーツ Repage』の構想がなくて一部で物語が終わる予定でしたし、創造主もグリム兄弟ぐらいしか設定がなかったので、かなり変わったと思います。
ですが、世界観の大枠は当初からの構想通りですし、運命の書を持つ童話のヒーローたちがいる世界で、“何者でもない者”がどういう風に自分の物語を紡ぐかというテーマは貫き通せたとは思います。
先ほどもお話したとおり、去年からメインストーリーをSOWさんに引き継いでもらっています。
『グリムノーツ Repage』の構想が始まったあたりで、モリガンの決着やエンディングなど既にラストまでの大枠の流れは決めてはいましたが、その後の細かい展開やキャラクターの感情の起伏というところに関しては、SOWさんに書いていただいた部分が多いですね。
――例えば、原初の語り手であるアルケテラーの設定は、どなたが作ったのでしょうか?
大泉:それは僕ですね。元々ストーリーテラーの大元になるような存在がいるというのは、モリガンを設定するときから作っていて、それを6想区目で初めて名前を出しました。
昔読んでいたSFのようなテイストを取り入れたいと思っていて、漠然とイメージだったアルケテラーの設定を書きながら少しずつディテールを詰めていった感じです。
――プロメテウスの正体は、どの辺から決まっていたのですか?
大泉:黒幕についてはかなり早い段階で考えていて、当然ながらその黒幕の名前が冠された想区が登場する時には、完全に確定していました。
ただ、外見についてはかなりギリギリまで決まりませんでしたね。
穂里:石井さんから、エクスを取り込むというアイデアが出たんですよ。
最初は、あくまでエクスくんは囚われの身ぐらいの設定だったのですが、新主人公と旧主人公を戦わせるほ方がエグくていいからと、エクスの体がプロメテウスに乗っ取られることに(苦笑)。
なので、顔を隠したプロメテウスのデザインに調整が入り、初登場時のシルエットからは、少しデザインが変わっているんですよ。
SOW:石井さんはけっこうエグいネタを好むことが多くて、そういうネタを提案しても結構通してくれるのが、数少ない良いところですね(笑)。
一同:(爆笑)
大泉:『グリムノーツ』を一旦完結させて、そこから新しい主人公に引き継ぐという形で『グリムノーツ Repage』になったのですが、『グリムノーツ』は当初考えていたエンディングとは違い、モヤッとした形で終わってしまったので、しっかり終わらせたいという気持ちはありました。
石井:開発当初から、シナリオはあんまりダラダラ続けるより、2年くらいのスパンで考えたほうがいいのでは、という話自体は出ていました。
とはいえ、けっこう突然のタイミングで大泉君から一度完結させたいと言われて、調整がめちゃくちゃ大変でしたけど(苦笑)。
そんなこんなで、キャラクターを入れ替えて『グリムノーツ Repage』にしようとなったときに、エクスと戦わせるのがいいんじゃないかと思ったんですよね。
『グリムノーツ』の世界観を壊さず、しっかり解釈して物語を紡ぎたい
石井:そういえば『グリムノーツ Repage』になるとき、大泉くんに「SOWさんにメインストーリーをお願いしようか?」と聞いたんですけど、「嫌です。自分でやります」って言われたんですよね。結局、SOWさんにお願いすることになったけど(笑)。
SOW:その中途半端な行動で、どれだけ俺が大変だったか!(笑)。ちょうどいいので聞いてくださいよ!!
『グリムノーツ Repage』を引き継ぐ際、大泉さんが今後のあらすじ的な構成メモを作ってくれたのですが、最初のほうの想区は起承転結がついた10行ぐらいのしっかりしたものだったのに、後半になったら2行になり、1行になり、最後は一言だけしか書かれていなくて、かなり困りました。
フォルテムの想区には“カーリーの遺産”と書いてあったのでどんなものかなと、深夜に大泉さんに電話をかけて聞いてみたら「どういうものだと思います?」って、逆に聞き返されまして(怒)。
タクシーでかけつけて、直接文句を言いに行こうかと思いましたよ!(苦笑)
大泉:ええ。あそこはSOWさんからツッコミが入るかなと思ってました……(笑)。
SOW:大泉くんのその一言だけのアイデアから、俺がどれだけ頑張ってた物語を広げていったことか……。
石井:大泉くんって、SOWさんが先輩であることを忘れてる時があるよね。
大泉:忘れてませんって! 本当に申し訳ないと思ってますよ!
――では、後半になればなるほどSOWさんがアイデアを膨らませていったという感じでしょうか?
SOW:そうですね。言うなれば、目的地が地図のここら辺というのは書いてあるのですが、「どうやって行くのかは書いてないので、自分で調べろ」みたいな引き継ぎだったんですよ。
なので、点と点を線で繋げるイメージで書いていました。
大泉:そもそも想区のシナリオというのは、だいたいのモチーフとテーマぐらいしか決めてなくて、プロットの段階で初めて考えるって言うことが多かったんですよ。
引き継ぐときにはありったけの構想は書いていたのですが、最後のほうはかなり少なかったかも……。
石井:具体的な構想はなかったと(笑)。
大泉:こういう結末に持っていくために、物語の構成的にこの想区ではマストでこのことについて回収したい、説明したいという構想はあったんですけどね。
例えばフォルテムの想区で言えば、物語の全体像として、ロキとカーリーをこのタイミングでもう一度ちゃんと活躍させたいという考えがありまして。
なので、彼らがフォルテムの学園を作って。そこから遺産が見つかるようなエピソードにしたいと考えてはいたのですが、そういえばその先の“遺産”が何かを考えていなかったなあと、SOWさんに聞かれて初めて気づきましたね(笑)。
SOW:本当にひどい時には、大泉くんに聞いても「それ何でしたっけ?」と聞き返してくるからね。俺、2分ぐらい止まったわ!
石井:その逆で、「実はこういう風に考えてました」と、後から設定が増えるパターンもありますよね(笑)。
SOW:そうなんですよ! 「実はこういう風に考えてました」と「実はこれ、こうだったのです」というのが本当に多い!
『グリムノーツ』のときの収集イベントやサブイベントの時にもよくやられましたね。最初から言っとけと!
大泉:小説を書く感覚で、自分の頭のなかにいろいろな設定をためこんでしまっていたこともあり、設定の共有がちゃんとできてなくて、SOWさんには迷惑をかけてしまいました。
SOW:自分もライトノベル作家ですが、ノベライズ作品を多く書かせてもらっていることが多くて、そういう仕事のときは原作者の作った設定を齟齬なく解釈したいと思っています。
『グリムノーツ』では、大泉くんの作った空気感が好きで遊んでいるという方たちばかりですので、それを守りたいということもあり、少しきついことを言ってしまいますね。
それは大泉くんのため、ひいては『グリムノーツ』の世界観を守るために僕は心を鬼にしてやってるという感じです。
石井:でもカーリーの遺産の時は許さないと言ってましたよね。あの時は7年は言い続けてやるって。
SOW:まだ2年しか経ってないから、2025年まで言い続けてやるからな!
大泉:やだよー!!
一同:(爆笑)
『グリムノーツ Repage』はSNSでダイレクトな反応が返ってくるのが嬉しい
――SOWさんはこの1年の『グリムノーツ Repage』を振り返って、いかがですか? 大変だったり、思い出深かったりしたエピソードはありますか?
SOW:このゲームってプレイヤーの方々からシナリオの反応がダイレクトに返ってくるのがいいなと思いました。
けっこうショックな展開だったときに、Twitterとかで反応しているプレイヤーの方々さんのを見るのは嬉しいですね(笑)。
穂里:言葉を失っているプレイヤーの方々を見るのが楽しくてしょうがないって、SOWさん悪いなぁ(笑)。
SOW:石井さんみたいにエグい展開をして楽しむというわけではありませんよ。
例えば、何かしらのキャラクターがリタイアしたり、裏切ったりしてショックを受けるということは、それだけそのキャラを好きになってくれたという証だと思うので、シナリオを書いている者からすると、結果として嬉しいということです。
――SOWさんはアンデルセンの想区からメインストーリーの担当になったんですよね。
SOW:そうですね。童話の原作者といえば誰でも思いつくのがグリム、アンデルセン、イソップですが、その中で『グリムノーツ Repage』において最大のキーキャラクターがアンデルセンだと思うので、こいつをちゃんと印象付けないといけないなと。
しかも、ストーリー上、この1話で彼はどこかに行ってしまうし、他の創造主と違ってバリエーション違いも出ないキャラクターなので、この1話で良くも悪くもプレイヤーさんの心に残さなきゃいけませんでした。
だから、かなりプレッシャーは大きかったですね。あのときは、メールだけでなく、大泉くんに何度も電話もかけて念入りに書きあげました。
穂里:キャラクターをデザインする立場からの感想を述べると、それまで大泉くんがくれる創造主の設定は名前くらいしかなかったんですよ。なので、ストーリーを読んで、察してデザインしていく感じでした。
ところがSOWさんに代わってからは、こういう設定だからこういう風にしてくれと言う意見をベースに、僕もこういう風にやりたいと、意見の交換をしてデザインを進めることが増えました。
なので、もしかしたらアンデルセンを境に創造主の雰囲気やデザインというのが若干変わってるかもしれませんね。
石井:アンデルセンの想区は、かなり評判が良かったよね。
――メインのシナリオライターがSOWさんに変わったことは、プレイヤーの方々には伝えていなかったのですか?
SOW:シナリオライターが変わったというのをプレイヤーの方々の方に伝えてしまうと先入観を持ってしまう可能性があったので、しばらくは私がメインに変わったということは言わないでくださいとお願いしていました。
クレジット表記でも、年明けまではメインのほうに書かれてなかったくらいですね。
逆に1年で一番大変なのは、今現在です。今後の想区のプロットを出したところ、1つの話にまとめるとボリュームが大きくなりすぎるので、前後編くらいにしようということになったのですが、締め切りは変わりませんと言われましてて。
同じ期間で、仕事が単純に倍になりました……。
そんなときに限って、自分は引っ越しの予定を入れていて、引っ越し屋さんが運んでる隣でパソコンを打ってましたよ。想区のシナリオにプラスして収集イベントも書かなければならないので、どれだけ書けばいいんだと絶望しています(苦笑)。
今年1番印象深かったのはアニメ化
――石井さんや大泉さんは、今年1年を振り返っていかがですか?
石井:自分は基本的に『グリムエコーズ』の方で忙しかったのですが、『グリムノーツ』について言うなら夏コミの整理が大変でしたね(笑)。
――コミケですか。『グリムノーツ』は結構早い時期から、コミケなどのイベントに出展していますね。
石井:そうですね、オリジナルのタイトルとして開発を始めたときにコミケの出展は考えていました。
1年目の冬コミからずっと出店していましたが、回を重ねるごとに来て頂いてるお客様が増えているのはありがたい話ですね。
大泉:僕も『グリムノーツ Repage』は基本的に手を離れているのですが、2019年の1月にアニメ化されたのは嬉しかったですね。
最近でも、アニメのBlu-ray発売記念イベントの朗読劇の脚本を書かせてもらったので、そちらも印象に残っています。
朗読劇では、ゲームで語られてなかったキャラの話をお願いできませんかと言われたので、シンデレラの想区から出発する直前のエクスとレイナの会話や、ロキとジャンヌ、タオとシェインの絡み、アニメ本編のエンディング直後のロキとカーリーの会話などを書きました。
石井:ただ、あの朗読劇はアドリブだらけで、けっこう台本とは違うセリフが多かったんですけどね。
大泉:そうですね。ロキとジャンヌの絡みで笑いが起きたって聞いて、「そんな台本書いたっけ?」ってなりました(笑)。
でも、自分の作ったキャラクターたちがアニメや声優さんの演技でどんどん広がっていくのは、やっぱりうれしかったですね。
――梁本さんはいかがでしょうか?
梁本:今年1年はプロデューサーとして、プレイヤーの方々と面と向かって関われる立場にあったので、良くも悪くもプレイヤーの方々の方との関わりで印象的だったことが多かったです。
例えば、コミケで販売していたアイテムが少量だったので開場すぐに売り切れてしまって、後から来たお客様に残念な思いをさせてしまいまして……。これは本当に申し訳なかったです。
石井:遠くから『グリムノーツ』のために来てくださった方もいましたからね。グッズの販売数は計算が難しいところもありますが、プレイヤーの方々をがっかりさせないように頑張っていきたいと思います。
梁本:あとは個人的にロキとカーリーが好きだったので、朗読PVを作成しました。
“過去からの想いの受け継ぎ”というテーマが好きなので、そちらとも絡めて制作したのですが、期間が短かったこともあって、自分が思う60%ぐらいしか表現できなくて悔しかったですね。
(編集部注:カーリーの朗読劇については、紹介記事“涙腺崩壊やむなし。なぜ上坂すみれさんの『グリムノーツ』朗読PVがエモいのか?”もあわせてお楽しみください)
SOW:そういえば、その朗読PVのセリフを私が書いたのですが、これも問題が発生しまして……。
梁本:実は、完成後にネタを追加してもらったんですよ。
SOW:読みながら少しずつ少女から女性へと年を取っていくようにしてください、って、書き終わった後に言われましたね!
梁本:できあがったセリフがすごいクオリティが高かったんで どうしても修正したかったのです。「事前に言ってください」と、めっちゃ怒られました。
――穂里さんもこの1年は『グリムエコーズ』がメインだったとは思いますが、『グリムノーツ 』の1年を振り返っていかがでしょうか?
穂里:思い出深いことと言えば、やっぱりアニメですね。自分が描いたキャラクターが動いているということに感動しました。
ゲーム内だと、エクス君とレイナの物語をプロメテウスの想区で完結させられたことです。
『グリムノーツ』は、リリース当初から“王子様とお姫様とそれを助ける魔女の物語”というテーマで作っていて、いつかエクス君をちゃんと王子様にして、王子様とお姫様の物語をやれたらなと思っていました。
『グリムノーツ Repage』になって主人公がレヴォル君に変わってからも、SOWさんが綺麗な形で物語を終わりに導いてくれていて、なんだか感慨深いですね。
逆に大変だったことは、SOWさんへの引継ぎが進んだあたりでエレナの衣装を変えたいとSOWさんが言い出したことですね。
SOW:今度は俺が文句を言われる番か!(苦笑)
穂里:エレナの衣装を変えるのはいいと思ったのですが、そうなると、立ち絵だけじゃなくて、いろいろな演出を作り直さなきゃいけなくなるわけですよ……。
SOW:新衣装になってからも再編は行うからね。
穂里:再編は最初のものをベースにして、もう一度描き直しました。
新しくクリエイションの演出も追加されたので、そちらはレイナのポージングをベースに描いた感じです。
次の想区まで時間があまりなかったので、かなり大変でしたが、なんとか間に合ってよかったです。
思い出深いのはアリスの想区と灰雪姫の想区
――大泉さんとSOWさんの思い出深い想区を教えてください。
大泉:自分が担当したところで言うとアリスの想区ですね。
『グリムノーツ』のアリスの想区はエクス達よりの話になって、きちんと描けていないという心残りがずっとあって、『Repage』ではアリスの物語にある裁判の話を膨らませてレヴォルたちの目指すものを表現しようと思いました。
SOW:アンデルセンの想区とかプロメテウスの想区も印象深いのですが、灰雪姫の想区も思い出深いものがありますね。
アニメでも出てきましたが、白雪姫が魔女になり、そして白雪姫になるという循環の世界なので、どうやってもバッドエンドになって後味が悪くなってしまう。この循環の世界を何とかして砕けないかと思って書いたのが灰雪姫の想区です。
この呪いを砕くお話で『グリムノーツ Repage』のテーマともいえる“運命に抗う者達”をしっかりと表現できたと思っています。
――灰雪姫の想区は、大泉さんの時から構想があったんでしょうか?
SOW:確か灰雪姫の想区の設定は2行しか書いてなかったですね。“白雪姫と毒林檎の魔女の間にいる人”とだけ。
大泉:あとエレナとモリガンの決着をつけるための想区として考えていました。
SOW:それだけだと物足りないのでもう1つ加えたいなと思って、ティムと、かつてヘカテーだったルイーサが再び参入すると言う話を盛り込みました。
ここでもルイーサの新イラストをお願いして、イラストの仕事を増やしています(笑)。
メインシナリオの担当が私に変わってからは1つの想区に対して3つから4つの話を並行させることが多いのですが、この想区はすべてての話をうまく収めることができたなと、自画自賛しています。
次回インタビューは近日掲載予定
次回インタビューは『グリムノーツ』が4周年を迎える1月21日ごろに掲載予定。ネタバレも含みつつ、『グリムノーツ』インタビューの後編をお届けします!
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グリムノーツ Repage
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応端末: iOS
- ジャンル: RPG
- 配信日: 2016年1月21日
- 価格: 基本無料/アイテム課金
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グリムノーツ Repage
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応端末: Android
- ジャンル: RPG
- 配信日: 2016年1月21日
- 価格: 基本無料/アイテム課金
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グリムエコーズ
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応端末: iOS
- ジャンル: RPG
- 配信日: 2019年3月28日
- 価格: 基本無料/アイテム課金
グリムエコーズ
- メーカー: スクウェア・エニックス
- 対応端末: Android
- ジャンル: RPG
- 発売日: 2019年3月28日
- 定価: 基本無料/アイテム課金