『異種族レビュアーズ』原作者インタビュー。アニメは無修正版を激推し!
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- カワチ
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1月11日から放送中のTVアニメ『異種族レビュアーズ』。多種多様な種族が暮らす世界を舞台に異種族娘たちが営むスケベなお店に通って、そのサービスのすべてを余すことなくクロスレビューしていくというもので、その攻め過ぎな内容から大きな話題となっています。
ここではニコニコ漫画の“ドラドラしゃーぷ#”で連載中の原作漫画の原作・原案を手掛ける天原先生と、作画のmasha先生へのインタビューの後編をお届けします。
インタビュー前編では原作漫画の誕生秘話や裏話などを中心にお聞きしましたが、後編ではTVアニメ版に関する感想などをうかがいました。
クリムの輪が欠けた理由など、先々の未公開設定も踏まえてアニメ制作に協力
――アニメ化に際して、制作スタッフにオーダーをしたことや相談をしたことはありましたか? また、逆に相談をされたことはありましたか?
天原:基本的にやっていたことは、まだ本編で語られてない設定周りの部分を伝えることでした。
たとえばアニメ版の1話の脚本が上がってきた時期、本編は魔法都市に行くあたりの場面までしか進んでない状況だったので、クリムの輪が割れた理由などはまだ描かれていませんでした。
そのため、あがってきた1話の脚本を見ると、クリムの輪っかが怪物に殴られて割れているシーンなどがあったので、クリムは天界で輪が割れたあとで地上に落ちて、そのあと怪物に襲われる流れなので、怪物に殴られて輪が割れるシーンは省略してくださいというような感じのオーダーを出しました。
あと、個人的に出した要望は「おごってやるぞ」と言われたクリムがスタンクやゼルを追いかけるとき、一回飛ぼうとしたけど飛べずにつまずいて走りに切り替える一瞬の動作をコンテに入れてもらったことですね。
クリムは基本的に飛んでばかりであまり歩かないんですが、あのときだけは羽を怪我していて飛べなかったので歩いているという設定がありました。
もともとアニメ化が決定したときの最初の会議の段階では、本編のシナリオ数が1クール分にかなり足りなかったので、軽いオリジナルシナリオのプロット案を何本か書いたりもしました。
でも、脚本が全部上がってくるまでのあいだに半年ぐらいの時間があったので、本編のネームをかなり前倒しして渡したところ、1クール分に足りたのでオリジナルプロットは不要になって消えました(笑)。
あとはアニメ化する際、サキュ嬢に名前がないと脚本を書くのに不便なので名前がない嬢に名前をくださいというオーダーがありましたね。ほぼ全員、種族の特徴をもじったような名前をつけています。
――本編のネームを数か月先行で描いて渡せるという筆の速さがすごいですね。
天原:むしろ締め切りギリギリで描き始めるみなさんのほうが信じられません、自分は怖くてできません(笑)。
――幻のオリジナルプロットについても気になります。もし差し支えなければ、一例を教えていただけると助かります
天原:サキュバス店に行く旅の道中で敵を薙ぎ払っているうちに、じつは悪の組織の野望を知らず知らずのうちに止めていたとか、そういうストーリーを考えていました。
――ファンタジーRPGのノリが強いアイデアもあったんですね。masha先生はデザイン面などで相談されたことなどはありましたか?
masha:私からさせていただいた一番大きなオーダーは「スタンクをもう少しマッチョにしてください」というものでした(笑)。
そのほかは色味にせよデザインにせよ、アニメ制作についてはアニメ畑の方の判断が私の判断より正しいと思っていましたので、天原さんの頭に描く世界観に反するものでなければ基本的には口出しは必要ないと考えていましたね。
キャラデザのうのまことさんやアニメスタッフの方々からあがってきたものはどれも素晴らしく、期待以上の出来栄えのものばかりでしたので、実際口を挟む隙なんてありませんでしたけれど(笑)。
――実際に動いてしゃべるスタンクたちを見た感想はいかがでしたか? また、“無修正版”を見た感想は?
天原:アニメ本編よりも先にアフレコ現場でスタンクたちが下書き状態で動いてるのを見たときのほうが、本当にアニメになってるんだなという実感が大きかったです。
そのときに声の収録なども全部聞いていましたので、完成品は「あのとき見てたものが全部がっちり完成してるーっ!」という印象でした。
無修正バージョンも似たような感じで、製作中に渡されるキャラの設定画裸体サンプルがモロですし、アニメ本編の無修正版はある意味修正版なので衝撃は少なかったです。
――mashaさんはいかがでしょうか?
masha:最初に動いている姿を見た時は感動しました。間島さん、小林さんをはじめとした声優さん方の演技が本当に馴染んでいて、まるで漫画のキャラクターたちがそのまま喋りだしたかのような錯覚を覚えました。素晴らしい仕事をしていただき、大変感謝しています。
また、私も無修正版を見たのですが、個人的には修正版ではなく無修正版を強く推したいと思います。というのも、乳首を本当に気合を入れて描いてくれているんですよね(笑)。
あれだけ気合の入った作画を見られないのは作品として本当にもったいないと思いますので、エロ目線でなくとも、可能であれば無修正版での視聴をおすすめしておきます。
天原:インターネットの感想でも、乳首の先のへこませ具合がどうとか、まるで陶芸家の感想のようなものが出ていておもしろかったです。
――視聴した範囲のアニメで、印象に残っているシーンやセリフがありましたら、教えてください
天原:このインタビューの段階では、まだ第1話しか見れていません。そのなかではエンディングの曲が転調してからのハッスル騎乗位タイムがむちゃくちゃやってるなと思いました(笑)。
●TVアニメ「異種族レビュアーズ」オープニングテーマ 視聴動画
●TVアニメ「異種族レビュアーズ」エンディングテーマ 視聴動画
エロ以外の部分だと掲示板記事の報酬を渡しに来たメイドリーが軽やかにふわっと飛んでくる場面とか、漫画では見えない仕草が印象的ですね。
原作者目線だと、スタンクやゼルが「ジャングル海底砂漠雪山ダンジョンそこに可愛い子がいるならどこにだって行く!」と言ってるのを見て、「そう言えばそんなことも言わせたなぁ……ほとんどそんな旅していないな、こいつら」と思いました(笑)。
雪山とか砂漠を苦労して旅して移動する場面をきっちり描いても、あまり意味がないなと思ったので、さほど冒険には行ってないんですよね。
masha:私は気合の入ったレビューシーンですかね。じつはレビューの裏で流れている喘ぎ声はアドリブなので、アフレコ現場で音響監督さんに声優さんが喘ぎ声の相談をされているのを見たときは、なんだか申し訳なくなりました(笑)。
画面のほうも、レビューシーンは各話バリエーション豊かに作っていただいたので、原作のレビュー文がどんな風に紹介されるのかも楽しみにしていただけたらと思います。
――アフレコでは監督などからも何か話などはありましたか?
天原:発音やイントネーションをよく聞かれましたが、全然決めてないので答えようがありませんでした(笑)。
masha:あとは1話目だったこともあってみんなで「ひどいアニメだなあw」といった空気でしたね。エロアニメかよ、と(笑)。ただ、こちらとしてはアニメ側で全力に悪ふざけに振っていただけるのはうれしい限りです。
――先日、監督にもお話をうかがいましたが、とても楽しそうでした!
masha:それは何よりです(笑)。
天原:クリタマカットとか言ってましたね(笑)。
――いろいろなお話をありがとうございました! 最後に、『異種族レビュアーズ』のファンに向けたメッセージをお願いします。
天原:小説やアンソロジー、アニメとここまで大きく『異種族レビュアーズ』が広がってくれたのも読者の皆様が応援してくださったおかげです。そのことを大きく感謝するとともに、これからも応援して支えていただければ幸いです。
masha:この記事が公開されるころには、いろんな意味でTVアニメ『異種族レビュアーズ』の本領が発揮されているころかと思います。この本気のアニメが全力で1クール走りきれるよう、皆さん応援をよろしくお願いいたします!
(C)Amahara 2020 (C)masha 2020
(C)天原・masha/株式会社KADOKAWA/異種族レビュアーズ製作委員会
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