北欧神話をモチーフにした美しすぎるRPG『ヴァルキリープロファイル』の魅力とは?【周年連載】

ライターM
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 あの名作の発売から、5年、10年、20年……。そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。

 第103回でお祝いするのは、1999年12月22日にエニックス(現スクウェア・エニックス)から発売されたPlayStation専用ソフト『ヴァルキリープロファイル』です。

 本作については、アプリ版の期間限定セールに合わせたコチラの記事でも特集していますのであわせてご覧ください。

 なお、ゲーム画像はアプリ版のものです。

 本作のモチーフとなった北欧神話といえば、今やエンタメ業界では説明が不要なレベルで、武器や神々の名前が認知されています。

 本作は、主神オーディンの命に従って英雄の魂をヴァルハラへと導く戦乙女・ヴァルキリーにスポットをあてた、正統派の北欧神話ファンタジーとなっています。

 神話に詳しい方にとっては、『ヴァルキリープロファイル』では本来の神話とは一部キャラクターの性別や設定が違うというツッコミがあるかもしれませんが、本作ならではの世界観ということで、そこはゆるく目をつむってください。

世界観が美しすぎる!

 まず何よりも触れておきたいのが、PlayStationの2Dグラフィックとしてはあまりにもクオリティが高いという点です。“美しすぎる云々”と書くと胡散臭く聞こえてしまうのが難ですが、北欧神話特有の神秘性を感じさせるリアルタッチのキャラクターは多くのゲーマーを虜にしました。

 今回の記事ではアプリ版の画面写真を使用しているのですが、アプリ版ではHD対応のグラフィックでより精細になっています。

 本編ストーリーは北欧神話が巧みにアレンジされていて、主人公レナスの行動選択に応じて結末が劇的に変化するという点も話題を呼びました。分岐についてはアプリ版で気軽にプレイできるようになったためネタバレは控えます。

 ただ、筆者のような社畜根性に溢れるまじめ人間がプレイすると、非常にモヤモヤする結末が待っているとだけ書いておきましょう。

 分岐のキモとなるのがレナスの封印値。アーティファクト(お宝)入手の際「本来の持ち主に返さないと評価が……」などと脅されれば、それはもう素直に献上してしまうというものです。

 レナスの手で神界に召されるエインフェリア。それぞれの生前のエピソードも事細かに描かれていて、サブキャラクターへの感情移入というか、ただの手駒では終わらない仕組みも好感が持てました。

 いかんせん、ほとんどのキャラクターが無念の最期を遂げているあたりが、世界観のもの悲しさを加速させます。

わりと容赦ない難易度に絶句

 システム自体はいわゆる横スクロールのアクションで、敵シンボルと接触するとバトルが発生するというオーソドックスなものです。

 問題はストーリー後半のバトルの難易度で、敵の一撃があまりにも重すぎてパーティメンバーが景気よく召されまくったため、一定確率で復活するスキルや、アイテムを自動で使用するスキルを組み合わせるスタイルが定番となっていました。

 ゲーム開始時に3種類の難易度を選べるのですが、レナスの素性が明かされるエンディング(いわゆるベストエンディング)はノーマル以上でないと見られないなど、アクションが苦手な人にはやや敷居が高かったのも事実です。

 定期的な査定を挟んで行われるダンジョン探索やエインフェリアの確保&育成はかなり自由度が高く、それでいて行動を起こす度に時計の針が進んでしまう点や、イベントの発生パターンがプレイヤーによって異なる点も攻略を困難にしていました。

 地上界の声を聞くだけでも時間が経過。攻略情報なしの初見プレイでベストエンディングを迎えるのはほぼ不可能です。

 また、ダンジョン探索においてもわりとテクニカルな操作が求められて、宝箱のコンプリートなどを目指すには、晶石と欠片を駆使して足場を作ったり、針穴を通すようなタイミングでジャンプしたりと、これまたアクションが苦手のプレイヤーを泣かせるようなバランスでした。

 足場作りとハイジャンプを駆使してようやくたどり着ける宝箱など、プレイヤーの腕を試すような仕掛けが盛りだくさん。

 冗談のような話ですが、ゲーム開始直後のダンジョンクリア後、脱出方法が分からず延々とさまよったというプレイヤーも少なくありません。実は壁沿いに晶石を撃って階段を作るだけというオチが……。

今なお人気の高いシリーズ

 『ヴァルキリープロファイル』のシリーズ作品としては、2006年にPS2『ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア-』と一作目をリメイクしたPSP『ヴァルキリープロファイル -レナス-』(PSP)が、2008年にゲームシステムを大きく変更したDS『ヴァルキリープロファイル 咎を背負う者』、2016年にはiOS/Android『ヴァルキリーアナトミア -ジ・オリジン-』などがリリースされています。

 今回の記事で使用したアプリ版『ヴァルキリープロファイル -レナス-』では、イベントやバトルシーンでなければどこでもセーブ可能だったり、オートプレイ機能まで備えていたりと、オリジナル版よりも遊びやすくなっています。

 神々しさと儚さを滲ませる憂いを帯びた立ち姿は、ゲーム史上屈指の美麗イラストではないでしょうか。

 最後に余談ですが、よりお手軽にシリーズの世界観を満喫したいという人には、アプリオリジナルの『ヴァルキリーアナトミア -ジ・オリジン-』がオススメ。リアル等身で描かれる滑らかなモーションは必見です!

  • ▲『ヴァルキリーアナトミア -ジ・オリジン-』より。歴代キャラクターの共闘や、他作品とのコラボも楽しめます。

キャラクターイラストを掲載





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『ヴァルキリープロファイル』

  • メーカー:エニックス(現スクウェア・エニックス)
  • 対応端末:PS
  • ジャンル:アクションRPG
  • 発売日:1999年12月22日
  • 価格:7,140円

VALKYRIE PROFILE -LENNETH-(ヴァルキリープロファイル -レナス-)

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応端末: iOS
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2018年3月22日
  • 価格: 2,200円(税込)

VALKYRIE PROFILE -LENNETH-(ヴァルキリープロファイル -レナス-)

  • メーカー: スクウェア・エニックス
  • 対応端末: Android
  • ジャンル: RPG
  • 配信日: 2018年3月22日
  • 価格: 2,200円(税込)

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