【BitSummit】好きなタイトルが続々とコンシューマ化! 会場で気になった作品を紹介 2日目3/3【電撃PS】

まさん
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 2019年6月1日(土)と6月2日(日)の2日間にかけて、京都勧業館・みやこめっせで開催された日本最大のインディゲームイベント『BitSummit 7 Spirits』。今年は多様性をテーマに、国内外を問わず多数のゲームが展示されて例年を超える盛り上がりを見せていました。

 前回の記事に引き続き、電撃PlayStation編集部のインディゲーム担当ライターのまさんが、ブースや注目タイトルを紹介していきます。

  • ▲大盛況のうちに幕を閉じた今年のBitsummit。毎年のことなのですが午後から人が一気に増えるので、遊びたいゲームがある人や大手ブースを狙っている人は午前中のうちに来るのがオススメですよ。

 2日目のレポート記事もいよいよラスト! というわけで最後はテーマにとらわれず、会場内で目に着いたものや注目のブースを語っていきたいと思います。

会場で気になった作品のピックアップ紹介

『PIRATES 7』


電撃PSでも取り上げたライターお気に入りのオリジナルのSRPG!

 電撃PSのインディページ・DENGEKI INDIE XXX。ここでは、PSにこだわらず他機種からPCゲームまで幅広く取り上げているのですが、そこで過去に紹介した作品があります。それが、DLsiteで販売されていたS・RPG『PIRATES7』。今回のイベントでは、先日発表されたNintendo Switch版が展示されており、自分も試遊することができました。

 ゲームとしてはオーソドックスなSRPGながら、クリティカルや運の要素を極力排除したゲーム性。明るく前向きなキャラクターたちなど、このジャンルが苦手な人でも楽しめる作品です。PC版はマウスで操作するゲームだったのですが、コンシューマー版はコントローラー操作になっており、コンシューマーゲームとして違和感なく遊べるようになっています。

 自分も記事を書く前にPC版はクリアしており、勢いで電撃オンラインのおすすめDLゲームの記事もガッツリ書かせていただいた、お気に入り作品の1つですね。

 戦闘演出がシンプルで派手なゲームではないのですが、ライトなSRPGとして楽しめますし、キャラクターも立っていて楽しいんですよ。個人的に好きなゲームなので、開発のひづめさんにミニインタビューを行ってみました。こちらもあわせてどうぞ。

──まずは、移植の経緯から教えてください。

開発:これまでは自分が発売したゲームの英語版をSteamに移植していたのですが、同じことをやっていてもあまり変わらないと思ったからです。今回はUnityで作っていたので、移植もしやすいのではないかと考えました。

 あとは、今だとPS4やSwitchへの移植が流行り始めているので、自分もやってみたいと思ったんですよ。そこでPlay,Doujinさんに連絡したら、あっさり決まって驚きました。

──発売の目途は立っているのですか?

開発:今は少しやらなければいけない問題が残っているのですが、それを片付けて夏ぐらいに出せたらいいなと思っています。

──完全にPC向けだった操作性から、ちゃんとコンシューマー向けの操作に置換されていて驚きました。

開発:『ファイアーエムブレム』のようなS・RPGは昔からコンシューマーで出ていましたし、操作の違和感はないと思います。また、今回はただの移植よりもちょっとした追加要素を入れたほうがいいと思ったので、ステージなどの増やせるところは増やしました。

──ボリューム的にはPC版より少し多くなる程度でしょうか?

開発:それくらいですね。PC版の20ステージから2ステージ増えました。それから、キャラクターも増えたので1回遊んだ人も違う感じできるかもしれません。

──ちなみに、この世界観で次回作を作るとしたらSRPGになるのでしょうか?

開発:本作は過去に出した作品と世界観がつながっています。過去に出したゲームはアドベンチャーで、毎回ジャンルが違うんですよね。だから、おそらく次回作を作るときもジャンルが変わると思います。ただ、今回はUnityでちゃんとしたシミュレーションRPGを作ったので、これを1回で終わるせるのはもったいないとも思っています。何かに使えたらいいなと思っているので、どこかで再利用するかもしれません。

──イラストレーターのカイエダヒロシさんは、どのような繋がりで採用されたのか教えてください。

開発:ボクは、基本的にいきなりメールやDMを送ってお願いするのですが、すぐに「やります!」と言ってもらえました。

 『PIRATES 7』が展示してあったPlay,doujin!ブースでは、ほかにも1日目の記事で紹介した『モチ上ガール』をはじめ、電撃PSのインディコーナーで取り上げた作品が多く展示されていました。ここの作品は、自分のコーナーで取り上げている作品が好きな人。同人系のゲームが好きな人たちにもオススメですね。

  • ▲過去に電撃PSで掲載した、リズムに乗って戦う対戦ゲーム『PHRASEFIGHT』も展示。対戦する相手がいると盛り上がるゲームですが、1人用でも楽しい作品です。

『Muse Dash』

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スマホで高評価を得たリズムゲームが、ついにコンシューマハードで遊べる!

 X.D.のブースには、スマホで大人気の音ゲーアクション『Muse Dash』が展示されていました。スマホ版は、過去に“名作インディゲームをスマホで遊ぶ! バラエティに富んだ“ワイルドインディ”第2回【電撃PS】”の記事でも取り上げているくらい、おもしろさが保証済みのリズムゲーム。

 2ボタンだけの操作で上下のノーツをたたくだけのシンプルな操作性と、アクションゲームを遊んでいるようなプレイ感がうまく融合して、とても楽しいんですよ。自分はリズムの神様から徹底的に嫌われていて、本当にちっとも音ゲーへの適性がないのですが、たたくノーツがシンプルでわかりやすく、指がつりそうな操作もないので問題なく遊べています。

 もちろん、高難度の曲やノーツの配置もあるので、ガチなリズムゲーマーも満足できるはず。スマホのタッチ操作に最適化されたゲームですが、タッチではなくコントローラーのボタンを押すので、画面が指で隠れないのも利点ですね。それもあって、スマホ版よりも遊びやすいと思います。

 公式Twitterによると、Nintendo Swirch版は全ての楽曲パックを収録。DLCも無料で更新されるそうです。使用できる女の子たちも本当にカワイイですし、衣装チェンジなども楽しめるので、ぜひプレイしてみてください!

『魔女の迷宮』

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1000回どころか無限に遊べる!? 操作性バツグンのローグライクRPG

 オレンジキューブが開発したスマホ用ローグライクRPG『魔女の迷宮』のブースもありました。ちなみに、みなさん『魔女の迷宮』はご存知でしょうか? これは、いわゆるローグライクRPGなのですが、スマホ版が非常に高評価なゲームなんですよ。

 ローグライクとひと口にいってもいろいろありますが、本作はいわゆる『不思議のダンジョン』系のオーソドックスなタイプ。スマホの操作性に特化したUIになっており、とても遊びやすくておもしろいんです。

 自分もハマった作品で、今回のイベントではスマホ版をベースにしたSwitch版が展示されていました。もともとスマホ版の時点で操作性が良いゲームだったのですが、Switch版でも操作性のよさは健在。まったく違和感がありません。

  • ▲クラシックコントローラーのどのボタンを押せば良いのかわかりやすく、アイコンで効果が見やすいのも流石です。

 Bitsummitでは、会場限定の特別ダンジョンがプレイ可能。地下5階まで潜るとボス戦に挑めるようになっていました。ボスまでは楽勝だったのですが、自分は運がまったくないのがネックに。「ワープの薬」を飲んでボスの隣に移動するという謎現象を連発し、運の悪さでやられてしまいました……。とはいえ、スマホ版同様にバッチリ楽しめたので、製品版が出たら買って遊びたいですね。

『My Friend Pedro』


DevolverDigitalらしさあふれるアクロバットアクション!

 

 血! 暴力! 爆発! 銃撃! 破壊といった感じのスカッとするゲームが多いDevolverDigital。今年は、フロムソフトウェアの名作ロボットアクション『メタルウルフカオス』を復活させた『METAL WOLF CHAOS XD』をはじめ、Devolverらしさあふれるソフトが遊べました。レッツパーリィ!

 人が多くてなかなか遊べなかったのですが、なかでも気に入ったのが『My friend pedro』です。本作は友人を名乗るバナナのペドロに従って、二丁拳銃で殺し屋どもをせん滅するヤバげなスタイリッシュアクションとなっており、まさにDevolver Digitalとしか言いようのないゲームでした。

 遊んでみたところ、用意されているアクションの種類がかなり多彩。ゲームに慣れていけば、それらを組み合わせてスタイリッシュに戦っていけるのがクールですね。空中をスローモーションでゆっくり降下しながら照準を左右の敵にセット。着地と同時に両手を広げて敵を撃つ……といったカッコいいアクションも自由自在!

 イカレた世界(たぶん、バナナが友人に見えているのでイカれている)で暴力を振りまき、ダンスを踊るような動きで人の命を奪う。あまりにもDevolver過ぎる内容ですが、単純によく出来ています。この手のジャンルが好きなら要チェックですよ!

『Wattam(ワッタン)』


みんなが笑顔になる独特の世界観とゲーム性が魅力

 SIEブースで、もっとも注目を集めたといっても過言ではないのが『Wattam(ワッタン)』。電撃オンラインのメディアハイライトアワードを受賞していましたが、『塊魂』の高橋慶太さんが作っているだけあって普通じゃありません。

 操作するキャラクターを変えて、それぞれができることを行うとイベントが進んでいく……という構造だけなら普通のRPGっぽいのですが、横で見ていても説明されてもよくわからない!

 市長は爆発するのが仕事。市長以外が帽子を被ると吹っ飛ぶ。人間の鼻が歩いて話しかけてくる。ゲーム中で起きる出来事を書いても、頭がおかしくなったとしか思われないでしょう。それくらい、独特の世界が展開していきます。ゲーム内で起きることへのインパクトが大きいため、試遊台の周りも常に人だかり。とくに、外国人の方も多く注目していた印象です。今後の動向含めて、いろいろ気になる作品でした。

『音効炒飯』



ビニール袋をガサガサさせて料理を作る!? 特殊すぎる変わり種

 第1回の記事で、鳥の羽を模したコントローラーのゲーム『鳥川鳥三』を紹介したのを覚えているでしょうか。じつは、ヘンなコントローラーのゲームは『鳥川鳥三』だけじゃなかったのです。『鳥川鳥三』を作った製作集団・Wataru Nakano×MIYAZAWORKSは、そのブースの裏で同じようにヘンテコなコントローラーのゲームを展示していました。それが本作『音効炒飯』です。

 もちろん、自分でも遊ぶつもりだったのですが、意外と人がいて遊ぶ機会が得られないまま……。仕方がないので、今回は同行していた編集の方にプレイをお願いしてきました。彼の感想と、開発者のミニインタビューを合わせてどうぞ!

【音攻炒飯】インプレッション(by編集あ~や)

 「チャーハンを炒める音って、ビニール袋をガサガサする音に似てるんですよ」そんな音楽効果の知識をゲームに落とし込んだのが『音効炒飯』。ビニール袋をいかにガサガサして“チャーハンを香ばしく炒めているか感を出せるか”という1点しかゲームの評価基準がないんですが、これがめちゃくちゃおもしろい!

 不思議なことに「今あまり音が出てないな」と思っていたら、ゲームの中でもうまくチャーハンが炒められておらず、「今俺うまくできてない?」と思ったら、実際ゲーム中でもうまく炒められているんです。なによりビニール袋をガサガサすると、たしかにチャーハンを炒めているような気持ちになってくる(笑)。

 そして個人的には“どうビニール袋をガサガサすれば“チャーハンをうまく炒められている”と判断されるか?”がわからないことが最大の魅力だと感じましたね。ゲーム風に言うなら、どうビニール袋を操作すればいいかわからないから、まぐれでいい音が出てもいい音を出し続けられないんですよ。「あれっ? あれっ?」と思いはじめたら、このゲームにハマった証拠。自分はそうなって2秒後には、もう必死でビニール袋をガサガサしていました。

  • ▲手元がボケているのがその証明です。

 あと、下手くそなプレイでも、遊んでいても見ていても楽しいんですよね。上手くできても楽しいし、上手くできなくても楽しい。プレイしていてほっこりするゲームでした。家に帰ってから、いろいろなビニール袋をガサガサしたのは言うまでもありません。個人的にはマチのほっとステーションのビニール袋が一番それっぽい音が出ました。みなさんも一度騙されたと思って、家でビニール袋をガサガサしてみてください。マジでチャーハン炒めてる気分になりますから!

 最後に『音効炒飯』を開発された中野亘氏にお話を聞きましたので、ご紹介します。

――本作の着想はどこにあったのでしょうか。

中野氏(以下敬称略):もう20年ぐらい、小さなアニメーションやゲームを作っているのですが、昔“チャーハンを炒める”というインタラクションを作ったんです。その時に、チャーハンを炒める音がビニール袋で出せるな、という発見があったんです。で、去年の夏頃に、部屋の中にスーパーで貰ったレジ袋が大量にあって。処分しないと、と思っていた時にそのことを思い出したんです。普段はアニメーションに音を付けていたのですが、音にアニメーションを付けるとゲームになるのではないかなと。「音をマイクで入力して、チャーハンを炒めさせたらどうなるかな?」と思って作ってみました。

――遊ばれた方の反響はいかがでしょうか。

中野:大反響です。今日は、ちょっとウケるかどうかすごく心配で朝まで胃がムカムカしていたのですが……本当によかったです。

――遊ばれる方はやはり、思い思いのスタイルでビニール袋を扱うのでしょうか。

中野:みなさんバラバラで、個性的です。

――最高評価を出すコツはあるのでしょうか。

中野:じつは私もわかりません(苦笑)。なので、「やってみてください」と言われると困っちゃうんです。上手い人は本当に上手くて、僕も驚いています。

――ちなみに、ビニール袋は新しい方が音が出やすいのでしょうか。

中野:新しい方が音は出やすいです。だんだんやわらかくシワシワになって、チリメンみたいになってくるんです。なので、家から大量に持ってきたビニール袋を適当なタイミングで取り替えています。じつは、ゲーム自体は音量だけを拾っているんです。音量とテンポをみて、いい炒め方かどうかを判断しています。波形などを撮ろうとすると、ボイスチェンジャーみたいにタイムラグが発生してしまうんです。だから、じつはマイクに「ワー!」と言っても、チャーハンは炒められるんです(笑)。でもあえてビニール袋でチャーハンを炒めていただこうと。

――それがゲーム性、というわけですね。

中野:実際、ビニール袋をガサガサすると、チャーハンを炒める音に聞こえますからね。音効の知恵がゲームに役立つとは思いませんでしたが(笑)。

――他の場所で『音効炒飯』を展示する予定はないのでしょうか。

中野:今のところはインディゲームのイベントでの展示を予定しています。

――個人的にはこういったミニゲームが大量に入っている筐体がゲームセンターにあると盛り上がるんじゃないかなと感じました。

中野:去年作った『箱だけのブルース(※ダンボールを上げ下げするゲーム)』でも、「なんでこれをゲームセンターに置かないの?」と言われることがありました。『音効炒飯』なら、スマートスピーカーなどを活用すれば遊べるのかな、と思ったりもしますが……。


このように“イベントでしか遊べないゲーム”というのは、『音効炒飯』以外にもたくさんあります。来年には、ぜひ会場に足を運んでいただいて遊んでみてください!

オマケ:安定したタイトルで楽しませてくれた大手ブースの数々

 ほかにも気になるタイトルが目白押しでしたが、最後はちょっと趣向を変えて、会場内で目立っていた大手ブースを紹介しつつお別れといたしましょう。まず、1番手は任天堂ブース。

 ここでは、オシャレなカフェのように作られた空間で『Undertale』や『Minit』といったNintendo Switchで配信中のインディゲームが遊べるようになっていました。

 外側の壁には発売前のタイトルなどがいくつか並んでいましたが、今年は未発表の新作を出すというよりも既存のタイトルを宣伝する方向に力を入れた印象ですね。それだけ、Switchのインディが充実してきた証なのかもしれません。ちなみに、私はほとんどのソフトを購入済みだったのですが、会場内で初めて遊んだと思われる子どもたちの姿もあり、まだまだ広がっていく余地を感じました。

 さらにもう1つブースを紹介。TGSで出展されていた気になるタイトルを、ズラッと取り揃えていたUNTIESブースもインパクトがありました。『有翼のフロイライン Wing of Darkness』や『ジラフとアンニカ』など、以前から注目を浴びていた作品やコンシューマー版が望まれていたタイトルが多数あって、わかってる感がスゴイ!

  • ▲個人的には、イベントで追っていた『アンリアルライフ』のNintendo Switch版が決定していたのもうれしいところ。

 イベントで見かけるたびに遊ばれていた『常世の塔』もコンシューマー版を展示。全体的にスキがなく、本当に安定のラインナップでした。どれも発売が楽しみです。

 それから、SIEブースも忘れてはいけません。なかでも、とくに注目したいのが『HARDCORE MECHA』ですね。『スーパーロボット大戦』のようにヌルヌル動くアニメーションがウリのアクションで、ロボットアニメ好きからの注目度が非常に高い作品なんですよ。 PS4版が6月27日に配信されるので、ロボットアニメ好きなら絶対買っておくべきタイトルだと思います。私も買いますよ。絶対。


 さて、2日間を通して非常に多くの作品が遊べたBitsummit。今回のレポートで紹介したゲームは、本当に一部にすぎません。まだ行ったことがない人には、ぜひこの熱気とインディゲームの質の高さを現地で体験してもらいたいです。すでに来年の開催も決まっているので、ゲームが好きな人は予定を開けて参加してみください。後悔はしませんよ。私も来年までに2人以上に分裂するべく頑張ります。人間を超えたい……!