『ラピスリライツ』公式コミック第1巻をレビュー。アニメと異なるストーリー展開に注目!

セスタス原川
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 電撃コミックスNEXT(KADOKAWA)から発売中の『ラピスリライツ 1』(漫画:ヒロイチ、漫画版構成:永井真吾、原作:Project PARALLEL)のレビューをお届けします。

 本書は、KLabとKADOKAWAによる“魔法”דアイドル”をテーマとしたメディアミックスプロジェクト『ラピスリライツ ~この世界のアイドルは魔法が使える~(ラピライ)』の公式コミカライズ作品。現在も電撃大王にて連載中です。

 また、TVアニメ『Lapis Re:LiGHTs(ラピスリライツ)』が7月よりTOKYO MX、BS11ほかにて放送・配信中です。

コミックスは出会いの物語

 『ラピスリライツ』はアニメ、ノベル、コミックでそれぞれ異なるストーリーが展開。本書では、主人公のティアラが学院に入学するシーンから、4人の仲間と“LiGHTs”を結成し、他のユニットのメンバーたちとも交流を深めていく物語が描かれます。

 時系列は、前回レビューした公式ノベライズ作品『ラピスリライツ 魔女たちのアルバム LiGHTs編』とは異なり、アニメと同じく“LiGHTs”結成初期の物語が展開します。アニメと同じようなシーンも描かれていますが、コミックスでは物語の流れや設定に異なる部分があり、アニメを見ている方でも新鮮な気分で読み進められます。

『ラピスリライツ 魔女たちのアルバム LiGHTs編』のレビューはこちら

 作中では、“LiGHTs”のメンバーとなるロゼッタ、ラヴィ、アシュレイ、リネットをはじめ、“supernova”“IV KLORE”“この花は乙女”“シュガーポケッツ”“Sadistic★Candy”のメンバーも続々と登場します。

 登場キャラクター数は、ユニットの数も影響してコミック1巻分としては圧巻の人数。しかも、どのキャラクターも個性が立っており、新キャラクターが登場するたびに会話の雰囲気も変化するので、飽きることなく物語を読み進められました。

キャラを全面に押し出したダイナミックなイラスト

 コマ割りは、キャラクターをダイナミックに描いた大きなコマが目立つスタイルです。

 コマにあわせてキャラクターも大きく描かれているので、彼女たちのかわいらしさ、美しさをこれでもかというほど堪能できました。キャラクターの全体像が描かれているシーンも多いので、表情だけでなく服装まで手が込んだ書き込みがされています。

 特にライブシーンである“オルケストラ”は大胆なコマ割りがされており、表情や衣装はもちろん、キャラクターの歌って踊っている様子が躍動感のある形で描かれていました。

  • ▲常に笑顔を見せてくれるティアラ。王女らしく頼れる一面からちょっと世間知らずな一面まで、コミックスでもたくさんの顔を見せてくれます。

“supernova”のユエとエリザの関係性

 ティアラは入学して間もなく“supernova”のユエに出会いますが、王女であること、かつて世界一と言われた魔女・エリザの妹であることを見抜かれてしまい、なぜか険悪な態度を取られてしまいます。

 その後、ユエとエリザとの関係性がほのめかされますが、詳しいことは1巻では明かされないまま。ティアラ、ユエ、エリザにどのような深い関わりがあるのかは、コミックスの重要なポイントになるようです。

 ユエは、独特なスタイルで観客を賑わす“LiGHTs”とティアラを頑なに否定し続けますが、彼女たちが分かり合える日は訪れるのでしょうか?


  • ▲続きが気になる形で終わりを迎えていたので、第2巻の発売が待ち遠しい……。

『ラピライ』らしいゆるい雰囲気もたっぷり

 コミックスでは『ラピスリライツ』らしいかわいらしさに加えて、女の子たちのちょっと抜けている雰囲気もコミカルに描かれています。

 中でも、“LiGHTs”でも一番のお調子者キャラのラヴィの言い間違いシリーズは必見。「こんでぃしょなー(コンディション)」をはじめ、クスっと笑ってしまうような言い間違いをほぼ毎話で披露してくれます。

  • ▲第1巻の時点でラヴィの“迷言”が飛び出しまくり。真顔で間違いを指摘するアシュレイの表情もたまりません……!

 他にも、騒ぎすぎで理事長に怒られるシーン、リネットがアイドルオタク気質を発揮してしまうシーンなど、かわいくもあり、おもしろくもある場面が随所に見られました。

  • ▲小説でのリネットは「グヘへ…」な感じが強かったのですが、コミックスでの彼女はアイドル好きな純真な女の子という印象。これからどのようになっていくのでしょうか……?

 コミックスは、アニメや小説とは異なる切り口や設定で描かれており、アニメや小説とあわせて楽しむことで、キャラクターの心情や関係性などがより理解できるようになります。

 読んでいるうちに、新たなキャラクターの関係性や内面も見えてくるので、これを読まずして『ラピスリライツ』を語るべからず……は言い過ぎかもしれませんが、「より深くラピスリライツを知りたい!」という方は必読です!

 また、KADOKAWAの無料漫画総合サイトコミックウォーカーでは、“LiGHTs”結成までが描かれる1話から3話までに加えて、最新話が無料配信されています。試し読みがしたい方、コミックスの続きが気になる方はこちらも要チェックです!

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『ラピスリライツ 1』

  • 漫画:ヒロイチ
  • 漫画版構成:永井 真吾
  • 原作:Project PARALLEL
  • 発行:電撃コミックスNEXT(KADOKAWA)
  • 発売日:2020年7月22日
  • 判型:B6判
  • ページ数:178
  • 定価:737円(本体670円+税)

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