『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス』稼動から10年! 『EXVS.』シリーズ5作品を振り返る

あんまさ
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 アーケードで稼働中の『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス』シリーズ(以下、『EXVS.』シリーズ)が、2020年9月28日で10周年を迎えました。それを記念した企画記事をお届けします。

 『EXVS.』シリーズは、さまざまなガンダム作品の機体が2on2の戦いを繰り広げる、人気シリーズ。アーケードで稼働後、コンシューマタイトルとしてもリリースされています。機体の動きを再現したアクション、わかりやすいのに奥深いシステム、作品の枠を超えたゲーム性などから、多くのユーザーに評価されているタイトルです。

 本記事では、アーケードで稼動した『EXVS.』シリーズの5作品をメインに、家庭用に移植されたバージョンを含めて振り返っていきます。作品ごとに印象深かった出来事やアップデートも紹介していくので、懐かしさを感じながら堪能していただければ幸いです。

極限進化『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス』

リリース日:2010年9月28日
PS3版発売日:2011年12月1日

 “極限進化”をテーマに、『EXVS.』シリーズの1作目となる『エクストリームバーサス』が2010年に稼働。ノアール筐体となり、巨大なライブモニターが追加されたことも、ゲームセンターに足を運ぶ人の眼にインパクトを与えたことでしょう。


 他にも、ネットワーク機能を使ったアップデートによって、機体の調整や追加などの配信が容易にできるようになったのも大きな進歩です。米国のメジャーバンド“リンキン・パーク”とタイアップしたテーマソングも話題になりました。

 基本システムや機体コストといった部分は『機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダムNEXT』を踏襲し、『機動戦士ガンダムSEED 連合vs.Z.A.F.T.』の覚醒システムのように、機体性能を一時的に引き上げる“エクストリームバースト(EXバースト)”を追加。グラフィック面が大幅に向上し、格闘をステップでキャンセルする“エクストリームアクション”を使った格闘コンボの爽快感といった、過去作になかった印象深さでプレイヤーを引き込みました。

 もう1つ忘れてならないのは、専用ICカードと携帯サイトコンテンツ“ガンダムVS.モバイル”の実装。アミューズメント施設でICカードを購入し、筐体に設置されたICカードリーダーを通すことで、戦績保存や階級の昇格判定などを行うといったもの。

 ライブモニターにICカードを刺せば、自分のリプレイを検索して閲覧できたのも衝撃的でした。また“ガンダムVS.モバイル”を介することで、プレイヤーネームの登録や称号・ゲージデザインなどの設定が可能になったもの本作から。プレイヤーネームを公開することで、プレイヤー間との交流のきっかけになったのも、盛り上がりを見せた要因の1つであったかと思われます。

 さまざまな要因から、『ガンダムvs.』シリーズの革命児として華やかなデビューを果たしたと言える作品であるでしょう。

ピックアップその1:ロケテスト時のコスト仕様

 リリースされる以前、プレイヤーが初めて触れる機会を設けたロケテストでは、機体の総コストは1000に設定されていました。機体ごとにコストが細かく設定されており、それぞれ530コストだったり420コストだったりとさまざまで、コストオーバーもありません。システムとしては『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vs.Z.A.F.T.II』に近しいものでした。

 もしもこのコストシステムが採用されていたら、現在の『EXVS.』シリーズのシステムも大きく変わっていたのかもしれません。

ピックアップその2:マスターガンダムの襲来

 本作においてもっとも記憶に残るアップデートと言えば、マスターガンダムになるでしょう。初の追加機体“マスターガンダム”が、非常に凶悪な性能を持った3000コストとして参戦を果たしました。当時のゴッドガンダムが2500コストだったため、「師匠がゆえにコストが高く設定された?」という点でも話題になりました。

 性能のなかでも“やばい”としか表現できなかったのが格闘チャージの“石破天驚拳(Lv3)”。その大きさに反して強力な誘導、回避や防ぐ手段を知らない者であれば、成す術もなく食らってしまいます。

 稼働当初に参戦したこともあり、シールドをする習慣がまだプレイヤー間で浸透してなかった点も、この技の強力さに拍車をかけていたと思われます。とはいえ、シールドを行っても石破天驚拳と一緒に近づいてくるマスターガンダムに横からめくられてしまうなんてことも……。

 他にも、特殊射撃の“十二王方牌大車併”がダウン追い打ちでスタンが確定するなどなど……強力な理由は多々ありますが、とにかく止められない性能であったと10年前ながらも記憶しています。

ピックアップその3:リリース機体andリリースナビ決定戦

 一部の解禁機体やナビは、全国のプレイヤーが2つの勢力に別れて、勢力ごとの総獲得GP(ゲージデザインなどを購入するゲーム内マネー)を競う戦いで決められました。各プレイヤーは解禁してほしい機体orナビを選択し、プレイ。ポイントをためていき、イベント終了時に勝利した勢力のものが先行して解禁されました。

 例としては、プレイヤーナビの“ラクス・クライン VS ギレン・ザビ”や“ラファエルガンダム VS クロスボーン・ガンダムX1 フルクロス”など。今では順次解禁方式となっていますが、おもしろい試みであったと思われます。

極限進化は加速する『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト』

リリース日:2012年4月5日
PS3版発売日:2014年1月30日

 『エクストリームバーサス』の続編となるシリーズ第2弾。参戦機体は、PS3版『エクストリームバーサス』で新たに登場した機体やダウンロードコンテンツ機体に加えて、ストライクノワールやスターゲイザーといった新規作品&機体も多数収録されていました。

 基本操作やシステムは前作をベースに、“エクストリームバースト”が2種類に変更。一気に敵へ攻め込むアサルトバースト(通称Aバースト)と、じっくりと敵を追い詰めるブラストバースト(通称Bバースト)のどちらかを選択。戦術や立ち回りに大きな変化をもたらしました。

 また、前作では特定の機体しか使えなかったバーストアタックを、全機体で実装されたのも本作からです。

 他にも、専用ICカードが廃止され、プレイヤーデータの記録がアミューズメントICカード(バナパスポートカード、Aimeカード、おサイフケータイ)に変更。新カスタマイズ要素として、パイロットとプレイヤーナビの衣装変更の追加もされました。



 さらに『月刊ガンダムエース』にて連載を行っていた『ガンダムEXA(エグザ)』から“エクストリームガンダムtype-レオス機”が参戦するといった新要素が満載でした。

ピックアップその1:黒い悪魔到来!

 強力すぎるといった印象を与えた、本作初の追加機体である“バンシィ”。当時のバンシィはサブ射撃のビーム・サーベル【投擲】の弾数が2発であったり、出撃時からNT-Dシステムを使用できたり、デストロイモード時のメインが2発強制ダウンであったりなどなど……3500コスト級と言われるほどの性能でした。

 プレイされている筐体に映る機体のほとんどがバンシィであることも珍しくはなく、障害となる存在をお互いに破壊しあっていたことを今でも鮮明に覚えています……。

ピックアップその2:家庭用『EXVS.』シリーズとして長く愛された作品

 2014年1月30日に発売されたPS3版『フルブースト』。PS4版『マキシブーストON』が発売される6年以上の間、PS3をこの作品のためだけに起動していた人も少なからずいたのではないでしょうか?

 内容としてはアーケード版『フルブースト』の最終バージョンの仕様&機体数に加えて、次回作である『マキシブースト』の機体がダウンロードコンテンツとして参戦し続けた結果、相当数の機体を使用できました。アミューズメント施設ではシリーズ最新作を、自宅ではPS3版『フルブースト』で練習するといったプレイヤーもいたでしょう。筆者もアーケード版とコンシューマ版を含めて、この作品を1番プレイしていたかと思います。

極限進化を突き破れ! 『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブースト』

リリース日:2014年3月6日

 アーケード版『EXVS.』シリーズの第3弾で、前作からさまざまな機体の性能やコストが見直されました。参戦作品としては『機動戦士ガンダムAGE』シリーズ、外伝作品からは『機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY』や『機動戦士ガンダム00V』などの機体が収録されています。

 本作の大まかな変更点は2つ。まずは“EXバースト”が1種類になった代わりに、“EXオーバードライブ”が追加されました。こちらは射撃攻撃が強化される“シューティングドライブ”と、格闘攻撃が強化される“ファイティングドライブ”から選択。簡単に説明するのであれば、後継作で登場するシューティングバーストやファイティングバーストに近いものと言うのがわかりやすいでしょうか。


 相違点としてあるのは、EXバーストとは別枠で使えたところ。画面中央下に表示された円形のゲージが最大まで貯まった際、シューティングドライブならメイン射撃を、ファイティングドライブなら格闘を行うと連動して発動しました。これに合わせてEXバーストを使って一気に攻めるか、EXバーストを温存に回して後に使うかが本作の立ち回りにおいて非常に重要であったと記憶します。

 そしてもう1つ、大きな変更点と言えるのが1500コストの実装と1000コストの廃止。最低コストである1000コストを使ってたプレイヤーにとっては、撃墜されるタイミングや、EXバーストの使い方が大きく変わったことでしょう。

 総じて、本作では過去作と違った戦略性や操作性を求められたため、戸惑いを見せるプレイヤーが多かったです。

ピックアップその1:対戦の裏で盛り上がりを見せたVS.コンクエスト

 “ガンダムVS.”モバイルと連動したCPU戦モード“VS.コンクエスト”。全国のプレイヤーがエリア争奪戦を繰り広げるモードで、シーズン終了時に多くのエリアを占有した勢力が勝利するモードです。

 勝利するとリリース機体の先行使用権やゲージデザインなどがもらえたため、本モードをガッツリプレイしていた人を多く見ることができました。おもしろい要素としては、出てくる敵としてプレイヤーの分身が出現したため、知り合いのプレイヤーがCPUとして出てくるというハプニングもあったこと。

 また、本モードのみ機体のカスタマイズができるので、対戦で使える機体よりも強力な性能で楽しめた点も外せません。レイドボスといった他プレイヤーとの協力要素も合わさって、多くのプレイヤーに愛されていた理由の1つではないでしょうか。

ピックアップその2:“真夏のマキシブースト祭り”は2度刺す!

 本作の最大級のアップデートと言えば“真夏のマキシブースト祭”。短いスパンで機体が一挙に参戦していくというイベントで、こちらは2年続けて開催されました。2014年の機体ではバンシィ・ノルンやリ・ガズィ、2015年の機体ではナイチンゲールやダブルオークアンタ フルセイバーが印象に残っているのではないでしょうか?

  • ▲画像は2015年のもの。

ピックアップその3:怒涛のエクストラ機体参戦

 本作では通常のリリース機体に加えて、“ガンダムVS.モバイル”会員が使用できる権利を獲得できた“エクストラ機体”が参戦し続けていました。こちらは、PS3版『フルブースト』でダウンロードコンテンツとして登場しています。こういったイベントもあったため、現在の『EXVS.』シリーズのなかで、稼働中の新規参戦機体数が1番多かったアーケード版のタイトルは『マキシブースト』となっています。

極限進化が共鳴(リンク)する! 『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブースト ON』

リリース日:2016年3月9日
PS4版発売日:2020年7月30日

 テーマである共鳴(リンク)という名の通り、全国のプレイヤーとオンライン対戦(リンク)ができるようになった『EXVS.』シリーズの第4弾。今までは同じ施設内でしか対戦できなかった環境が一変した作品です。

 人が集まりにくい朝や深夜に近い時間でも、場所を問わずに他のプレイヤーと対戦できるようになったのは、プレイヤーにとっても、店舗にとってもありがたいとしか言いようがありませんでした。また、『ガンダム Gのレコンギスタ』や『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』、『ガンダムビルドファイターズ』シリーズの機体が参戦して話題となりました。

 システムとしては、前作『マキシブースト』にあったEXオーバードライブが廃止され、3種類のバーストシステムが追加されました。他に大きな変更点と言えば、僚機の機体の耐久値を見えるようになったことです。これにより、味方の耐久値を瞬時に把握できるようになり、耐久値の調整が非常にしやすくなったと思われます。

ピックアップその1:長く遊ばれていたタイトル

 次作『エクストリームバーサス2』が稼働したのは2018年10月。単純計算で『マキシブースト ON』は2年半の間、最前線で稼働していたわけです。

 さらに本作は『エクストリームバーサス2』稼働後もサービスが行われており、最終的に2019年11月26日23:59まで、ネット接続ならびに『マキシブースト ON』対応“ガンダム VS.モバイル”まで稼働していました。

 実際に並べておいてある店舗では、以前の動きを見るために操作してみたり、気軽に遊んでみたりするプレイヤーがいました。

ピックアップその2:PS4移植版で再度盛り上がる

 2020年7月にPS4版『マキシブースト ON』が発売されました。アーケード版の全機体に加えて、『ガンダムビルドファイターズ』のザクアメイジング、『ガンダム Gのレコンギスタ』のモンテーロ、パッケージ版特典/ダウンロード版早期特典として『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のガンダム・バルバトスルプスレクスが登場しています。

※ダウンロード版早期購入特典は終了しました。

 昨今の情勢からアミューズメント施設に足を運びにくくなったこともあり、現在でも多くのプレイヤーが本作を楽しんでいます。

 また、過去作を遊んでこなかった新規プレイヤーも増えているように見えます。もしも、本記事を読んでいる人で『EXVS.』シリーズを遊んだことがないという人がいれば、この作品から遊んでみるのもオススメです。

ネクストリーム『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

リリース日:2018年10月30日

 全国で稼働中の『EXVS.』シリーズ第5弾。『エクストリームバーサス』から『エクストリームバーサス2』に、次の“エクストリーム”になるというところから、“ネクストリーム(ネクストエクストリーム)”というキャッチコピーがつけられています。

 注目すべきポイントは、『EXVS.』シリーズで8年間使われていたノワール筐体から、筐体と基板が一新されてフルHDの画質に対応したところ。これにより、機体をはじめとするグラフィック表現が大幅に進化したり、バトルシステムが変更されたりと、大きな変化を遂げました。

 エクストラ機体など一部機体は稼働当時収録されなかったものの、多くの既存機体の武装が見直され、修正が加えられています。

 システムとしての変更点としてはEXバーストがあげられます。EXバースト時に機動力を上げる“モビリティ(M)バースト”と、僚機の武装回復&覚醒ゲージを上昇させる“リンケージ(L)バースト”の追加。

 稼働からしばらくの間、“リンケージバースト”が非常に強力なEXバーストとして注目されていました。低コストがあえて2回落ちることで、LバーストでEXゲージを僚機に送り続けるという戦術も流行していました。本作では、僚機のEXゲージが見えるようになったのもあり、適したタイミングで使えるようになっています。

 現在では、機体や戦術に合わせて好みでEXバーストを選択するようになっています。

 もう1点の大きな要素は、マッチング画面でEXバーストを選択できるようになった点。こちらは“チームシャッフル”のルールで重宝されています。僚機に合わせたEXバーストを選択し直せるようになったのは、戦術に大きな影響を与えたのではないでしょうか。

ピックアップその1:外部機能の追加

 新筐体の付属品としてゲームパッドが常設化されています。コンシューマ版から本作に入った人でも、操作感はそのままにプレイできるようになりました。“ガンダムVS.モバイル”を通じてキーコンフィグができるので、間口が広がったと思われます。

 他にも、イヤホンジャックが導入されたことにより、騒がしい場所でも没入感に浸れるようになったのも大きな変化でしょう。

ピックアップその2:プラスコインモードや新モードの実装

 間口が広がったという意味では、プラスコインモードの存在も大きいです。200円投入(店舗の設定次第)で、チームホールドでは6戦か4敗、チームシャッフルでは5戦か3敗まで必ずプレイできます。

 初心者だけでなく、対人経験の少ない友人を誘ったり、ゲームセンターで出会った人と気軽に遊べたりと、勝敗をそこまで気にせずプレイできるようにもなったでしょう。

 それ以外では、“トレーニングモード”の実装や、遠くの友人とチームホールドがプレイできる“オンラインタッグ”の登場により、プレイヤーのスタイルごとにゲームを楽しめるようになっています。

そしてアーケード版タイトルは“クロスブースト”へと進化する

 10周年を飾るタイトルとして『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2 クロスブースト』のリリースが先日告知されました。

 “クロス”はX(ローマ数字の10)と、オールガンダム作品の世界観が交わる中で、モビルスーツが武器を交えて戦うイメージとのこと。仲間やライバルとの熱い感情が交差する、2on2バトルゲームとしての王道進化を象徴する意味が込められているようです。

 11月上旬にクローズドベータテストが開催されるとのことで、どういった作品であるか、新情報に期待したいところ。システムにどのような変化が見られるのか? また、どういった新規機体が参戦されるのかに注目しつつ、『EXVS.』シリーズの進化の系譜を、1プレイヤーとして見守っていこうと思います。

©創通・サンライズ ©創通・サンライズ・MBS

機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2

  • メーカー: バンダイナムコアミューズメント
  • 対応機種: AC
  • ジャンル: アクション
  • 稼動日: 2018年10月30日
  • 料金: オープン