『風来のシレン5plus』プレイレポ。全34種のダンジョンとライブ探索表示で初心者からベテランまで大満足

梅津爆発
公開日時

 スパイク・チュンソフトから12月3日に発売されるNintendo Switch/PC用ソフト『不思議のダンジョン 風来のシレン5plus フォーチュンタワーと運命のダイス』のプレイレポートをお届けします。

 今年で25周年となる『風来のシレン』シリーズ。日本にローグライクゲームを根付かせたであろう本シリーズの、5年振りになる最新作が12月3日に発売されます。

 この記事では『風来のシレン』を1作目からリアルタイムでプレイし続けてきたライターによるプレイレポートをお届けします。

ダンジョンの構造が毎回変わるから、何度遊んでも違う展開に!

 まずは『風来のシレン』の特徴を紹介します。本作のジャンルはRPGですが、一般的なRPGとは異なる点が多いです。もっとも大きな特徴は“ダンジョンへ入るたびにレベルが1に戻る”、“ダンジョンの構造や出現アイテム、モンスターの位置や種類が毎回異なる”の2点。

 このため“攻略できなかったダンジョンを、別のダンジョンでレベル上げしてから再挑戦”みたいなことや、“攻略サイトでダンジョンの形を調べて最短距離で進む”なんてことはできません。

 つまり毎回、誰も知らないアナタだけの冒険を初期状態から楽しむことができるのです。

 ところでRPGのおもしろさのひとつは、キャラクターを強く成長させることにあると思います。本作では毎回レベル1に戻ってしまうため、一見すると成長の楽しみがないように思えますが、それは違います。

 本作で成長するのはキャラクターではなく自分自身なのです!

 例えば本作に登場する“毒消し草”は、飲むと“ちから”を最大値まで回復できます。この基本的な使い方についてはアイテムの説明文に書いてあるのですが、特定のモンスターに投げ当てると50ダメージを与えたり、武器に合成するとドレイン系の敵に与えるダメージが上がったりなど、特殊な使い方については説明がありません。村人からヒントをもらうことはありますが。

 また“鉄の矢のワナ”をシレンが踏むと、鉄の矢が飛んできてシレンに当たりダメージを受けますが、アイテムを罠の上に落ちるように投げるとシレンに当たらない方向へ矢が飛んでいきます。壁に当たった矢は消滅せず床に落ちるので、何度も罠を起動すれば矢を集めることが可能です。

 ダンジョン内でいろいろなことを試して知識と経験を増やし、自身を成長させることで、ダンジョンのクリアを目指すのが本作のおもしろさなのです。

 本作のベースとなる『風来のシレン5』は10年前に発売されているため、細かい変更点などはありますが、ネット上を探せば攻略情報はすぐに見つかります。「自分で1からすべて試して調べるのは大変そう……」と思う方は先人たちの知恵を遠慮なく活用するのがオススメです。

 なお、シレンのレベルは毎回1に戻りますが、装備品についてはダンジョンから無事に持ち帰ることができれば引き続き利用できます。そのため武器や盾の性能を強化したり、モンスターをたくさん倒して装備自体のレベルを上げたり、特殊効果のある印を増やしたりなど、装備を強化する楽しさは十分に味わえます。

 ちなみにダンジョン内で倒されたら装備を含めた所持アイテムはすべて失われてしまうため、強力な武具を装備している時の攻略は楽ですが、緊張感はあります。事前に“タグ”を付けておくことで失ったアイテムが戻ってくる救済措置があるため、初心者でも安心です。

メインシナリオでは物語を楽しみ、クリア後はさまざまなダンジョンに挑戦


 本作のメインシナリオでは、不治の病に侵された恋人・おユウの死の運命を変えるためフォーチュンタワーに挑むジロきちを中心に物語が展開します。シナリオに沿っていくつかのダンジョンへ挑むことになりますが、特殊なルールはなく、フロア数も短めなので初心者でもクリアしやすくなっています。

 ジロきちと一緒にダンジョンを進むのですが、彼は倒されると墓になり、その状態で先へ進むと強制的に脱出扱いとなり先へは進めません。墓に回復アイテムを投げると復活するので、回復アイテムをたくさん保持しておくか、ダメージを受けないように守りながら進めるのが攻略のコツです。

 ジロきち以外にも、タオ、小次郎太さま、おコンなど仲間になるキャラクターがたくさん存在し、彼らと協力しながらダンジョンを攻略することも可能。なお、仲間のレベルがダンジョンの出入りで下がることはないため、仲間を強化していけばメインシナリオのダンジョンはクリアしやすくなります。

 メインシナリオクリア後は、さまざまな特殊ルールが設定された数々のダンジョンへ挑むことになります。“本編クリア後からがシレンの本番”と思っているベテランプレイヤーも多いです。


 なお本作では本編クリア前でも、お金を稼ぎながら進む“ガマラの逆襲”や、シレンもモンスターも2連続でダメージを受けると倒れる“二撃の道”など15種類以上の特殊ダンジョンへ挑めるので、「特殊ダンジョンを早く遊びたい!」というベテランプレイヤーにも最適です。

新機能のライブ探索表示で遊びやすさが大幅アップ!

 本作の新機能で個人的に一番うれしかったのはライブ探索表示機能です。通常はコマンドを開かないと表示されない“所持アイテム”、“セット中の技”、“ちからや経験値などのステータス”、“シレンの状態”などをつねに表示させることが可能になりました。こちらは、表示しないこともできます。


 この機能が便利だと実感できたのは、未識別の腕輪を装備した瞬間に力の最大値が上がったのがわかって“ちからの腕輪”と識別できた時です。今までならメニューを開かないとわからなかったので。所持アイテムとシレンの状態の常時表示もとても便利です。

 壺の中身までは表示されませんが、それでもかなりの便利さなので一度使ってしまうと表示なしには戻れないかもしれません。

 さらに現在のダンジョン名やダンジョン内での経過時間と経過ターン数も表示されるため、動画配信時にも最適な機能だと思います。

 新機能としては他にも、ダンジョン内で倒れた他のプレイヤーを救助できる“風来救助”システムが全世界対応になったり、一度聞いたBGMがいつでも聴けるようになる“BGM図鑑”が実装されたりなどがあります。



コンセプトが異なる3つの新ダンジョン!

 PS Vita版『風来のシレン5plus』の時点でも、メインシナリオ以外のダンジョンが25種類以上ありましたが、本作ではさらに3種類の新ダンジョンが追加されています。今回はメインシナリオクリア前でも挑戦可能な2つのダンジョンを実際にプレイしてみました。

 新ダンジョン1つ目“無刃の荒野”は、武器が落ちていないダンジョン。しかもモンスターに通常近接攻撃をしてもダメージをほとんど与えられなくなっています。代わりに矢や石などの飛び道具が比較的多く出現するため、それらの残数を意識しながら潜るダンジョンです。

 なお、初期状態でも飛び道具を所持しています。


 このルールを読み、モンスターにダメージを与えられるアイテムをたくさん集めつつ、積極的に使ってモンスターを倒していく作戦を立てました。フロアを回ってアイテムを回収しているとさっそくギタンを発見。ギタンはお金なので普通は買い物などに使うのですが、これをモンスターに投げ当てると金額の10分の1のダメージを与えることができるのです。

 ただし一度でも所持金として拾ってしまうと敵に投げられなくなるため、壺に入れるなどして攻撃アイテムとして拾い集めました。


 さらに矢系のワナを見つけたらそこにアイテムをわざと投げ落とし、ワナが壊れるまで矢を発射させて落ちた矢を安全に回収していきました。そのように集めたアイテムを使ってモンスターを積極的に倒し、シレンのレベルも上げます。視界が明瞭で画面内なら通路にいても部屋内の敵の位置がわかるので、遠距離攻撃はかなり当てやすかったです。


 このダンジョンの天敵は、投げたアイテムをキャッチして投げ返してくるひまガッパ種。ドラゴン草を飲んで炎を吐けば倒せますが、アイテムがもったいないので無視して進むことに。なお、ひまガッパ種は地面にアイテムが落ちているとシレンを無視してアイテムと同じマスへ移動するので、矢を1本撃つだけで簡単に誘導できます。


 終盤ではフロア中の敵の位置がわかる“気配察知の腕輪”が拾えたため、危なげなく25Fに到達してクリアできました。報酬はモンスターを一撃で倒せるレアアイテム“王闘児ダマ”です。1度クリアすると99Fまで潜れるようになります。


 新ダンジョン2つ目“死線の回廊”ではまず、突入時に目標ターン数を1000~99999の間で設定します。ダンジョン内での累計ターン数が設定したターンになると突風が吹き、強制的にダンジョンから出されてしまうのです。

 つまり最小限の行動でダンジョン99Fを潜ることが求められます。なお私は最小ターン数の1000に設定して遊んでみました。

 ダンジョンの基本ルールはいわゆる“もっと不思議のダンジョン”で、ほとんどのアイテムが未識別状態で出現します。これらをいつのタイミングでどのように識別していくかが勝負の分かれ目。ちなみに私は簡単に識別できる物以外は使わず温存する作戦にしました。


 このダンジョンで特に悩ましいのは、どれくらい稼ぎプレイをするのかの判断です。1つ目の“無刃の荒野”で行ったワナを利用する矢集めや、モンスターを利用したアイテム収集や強化などはどれもターンを経過させてしまいます。とはいえ、逆に階段を見つけたらすぐに次へ進んでいると、レベルやアイテムが足りなくて途中で力尽きる可能性が高いです。

 “アイテムや経験値をどこで稼ぎ、集めたアイテムを駆使してどのようにターンを節約して奥深くまで潜るのか”をつねに意識する必要がある上級者向けのダンジョンだと思いました。


 いやらしいことに階段を見つけにくい迷路状のフロアもありました。迷路をどのように突破するのかも本ダンジョンのポイントなのかもしれません。ちなみに私の初回プレイ時は、終了ターン直前の980ターン目で狂戦士の種を飲んで暴走し、12Fで力尽きました。


 2度目の1000ターンチャレンジでも13Fで時間切れになったので、かなり難しいダンジョンだと思います。一応1000ターンで10Fは潜れそうなので、99Fなら1万ターン以内にクリアできるかもしれません。

 初心者なら1000ターンに設定してどこまで潜れるかを気軽に試せますし、超上級者なら99Fを攻略できるギリギリのターン数を見極めて設定するのがおもしろそうです。


 なお新ダンジョン3つ目“運命神の裏庭”は、メインシナリオダンジョンクリア後に挑戦可能です。モンスターを一度の攻撃で倒すと経験値を多く得られ、逆に何度も攻撃するとその分経験値が減っていくダンジョン。モンスターをいかに一撃で倒せるかが、シレンの成長度合いに影響を与えるそうです。

やりこみ要素も充実で、1000回遊んでも遊びきれない大ボリューム!

 本記事の冒頭で“本作で成長するのは自分自身”と書きました。それは正しいのですが、だからと言って毎回すべてが初期状態に戻るわけではなく、コツコツと集めていくやりこみ要素もかなり充実しています。

 既存のアイテムに新たな能力が追加された“新種道具”を作れるので、自分で考えた最強のアイテムを目指してみるのもおもしろいでしょう。便利なアイテムや激レアなアイテムと交換できる“ポイント”をダンジョン内で集めたり、レアアイテムを収集して図鑑を埋めるのもやりがいがあります。



 さまざまな救済要素で本作がシリーズ初プレイとなる人でも遊びやすいようになっていますし、久しぶりに遊ぶ人にとっても34種類のダンジョンがあるので飽きることなく遊び続けることができます。

 どんなプレイヤーにもオススメできるシリーズ最新作『風来のシレン5plus』は12月3日発売。お値段もかなり手頃で、プレイ時間に対するコスパは圧倒的です。しかもパッケージ版には秘蔵資料やシリーズ歴代のアートワークを収録した60ページの特別冊子が付属されます。こちらもお見逃しなく!

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不思議のダンジョン 風来のシレン5plus フォーチュンタワーと運命のダイス

  • メーカー: スパイク・チュンソフト
  • 対応機種: Switch
  • ジャンル: RPG
  • 発売日: 2020年12月3日
  • 希望小売価格: 3,980円+税

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