【ゲーム雑談紀行】ゲームタイトルが長くなる理由とは？

　電撃の編集やライター、クリエイターなどなど、いろいろな人とゲームについてゆるく話をしていくコーナー“ゲーム雑談紀行”を掲載します。

　第13回の話題は、ゲームのタイトルについて。ディースリー・パブリッシャーの岡島信幸さんと語っていきます。

参加者

岡島信幸さん

　ディースリー・パブリッシャーのプロデューサー。同社を代表する『SIMPLE』シリーズや『お姉チャンバラ』シリーズ、『地球防衛軍』シリーズなど、多数のタイトルを手掛ける。

kbj

　電撃オンラインの編集。ディースリー・パブリッシャーのタイトルでは『ドリームクラブ』や『お姉チャンバラZ～カグラ～』、『地球防衛軍』シリーズなどが大好き。

　『Vitamin』シリーズや『STORM LOVER』、『Custom Drive』などの乙女ゲームもプレイ。

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ゲームタイトルが長くなる理由とは？

kbj：ゲームのタイトルですが、どのようにしてつけているのですか？

岡島：自分の担当するタイトルは、私の独断と偏見でつけているところがあります。『デジボク地球防衛軍』はどうだったかな……最初は『ボクセル地球防衛軍』にしようと考えていましたが、“ボクセル”という単語が使いづらかったので、“デジタル”と“ボクセル”で造語を作って、『デジボク地球防衛軍』としたんだと思います。

kbj：「ま～るい地球が四角くなった!?」というのは？

岡島：それは単純にゲームのコンセプトですね。私は長いタイトルをつける傾向がありまして……。

kbj：存じています。『夏色ハイスクル 青春白書（略）』（※1）で最初に正式名称を見た時に、正直、意味がわかりませんでした。

※1『夏色ハイスクル 青春白書（略）』：ディースリー・パブリッシャーから、2015年に発売されたオープンワールド学園恋愛アドベンチャー。正式タイトルは『夏色ハイスクル★青春白書～転校初日のオレが幼馴染と再会したら報道部員にされていて激写少年の日々はスクープ大連発でイガイとモテモテなのに何故かマイメモリーはパンツ写真ばっかりという現実と向き合いながら考えるひと夏の島の学園生活と赤裸々な恋の行方。～』と123文字。

岡島：あれはゲームの内容を理解してもらうために必要な要素を書き出していった時に、「どうせタイトルが長くなってしまうのであれば、全部入れてしまえ！」ということで、あのタイトルになりました（笑）。

　『デジボク地球防衛軍』のタイトルについては、長くしようとして入れたのではないのです。ナンバリングの『地球防衛軍』シリーズと差別化するためにも、「本作の地球は四角いんだ！」ということは絶対に外せないというのが私の中にはありました。

　どのようにして入れるかは悩んだのですが、なんとなく最初に入れました。

kbj：そこは“なんとなく”になるんですね（笑）。

岡島：後から見た時に、電車の中の広告が掲出されている日●研さんのキャッチフレーズに近いとも思ったのですが、それは偶然です。

kbj：そのうえでサブタイトルを後ろに付けられたと。

岡島：日本のゲームなので、日本語のタイトルをつけたい。ただ、海外でもリリースするので“EDF”であることをタイトルからわかってもらいたい。英語も入れておかないとダメだろうということで“EARTH DEFENSE FORCE”を入れて、ブラザー要素も加えたところ……結局長くなったと！

kbj：御社が情報を出す際にも、毎回（略）を付けられていますね。

岡島：『夏色ハイスクル』で長いタイトルを付けた時、プロモーションチームから「こんな長いタイトルを付けて、どうすればいいんだ！」とメチャクチャに文句を言われたんですよ。

kbj：プロデューサーなのに文句を言われたんですか!?（笑）

岡島：え!?　プロデューサーでも文句は言われますよね？　普通は言われない？

　とにかくそこで「う～～ん……（略）を入れればいい！　この（略）も正式タイトルなんだよ」と苦肉の策を生み出して乗り切りました。それで今回も（略）を使っているわけです。

kbj：長いタイトルにした場合、毎回プロモーションチームから反対の声が上がるのですか？

岡島：最近はもうありませんが、昔はありました！（笑）。『夏色ハイスクル』の時はとにかく言われましたね。

kbj：SIMPLE DSシリーズでもすごく長いタイトルのソフトがあったと記憶しているのですが……。

岡島：ああ、免許をとる『THE 自動車教習所DS』（※2）ですね。

kbj：ああ、それです！

岡島：あれはしょうがないです。なぜなら、そのソフトで勉強ができる免許の種類を単純に書いているだけで、いわば基本説明になります。なので、悪くありません！

※2『THE 自動車教習所DS』：ディースリー・パブリッシャーから、2007年に発売されたDS用ソフト。正式タイトルは『THE 自動車教習所DS ～原動機付自転車・普通自動二輪・大型自動二輪・普通自動車・普通自動車二種・中型自動車・大型自動車・大型自動車二種・大型特殊自動車・けん引～』と80文字。

kbj：なるほど（笑）。岡島さんはゲームの要素をタイトルに入れたがる傾向にあるのでしょうか？

岡島：そういう時もありますし、そうでない時もあります。『地球防衛軍』も『お姉チャンバラ』もシンプルです。『ドリームクラブ』だって特にサブタイトルはないですからね。

　ただ、タイトルという意味で話すと本作は“ボクセル”ではなく“デジボク”にして、検索の面で結果的にはよかったですね。響きの面でも、なんかカチッとしてそうな感じですし。

kbj：確かに濁点が多いため、四角い感じがあって死角なしですね。……おあとがよろしいようで。

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