『リトルナイトメア2』レビュー。ライターが「徹頭徹尾ヤバイ。見つかりたくない」と語ったキャラって?
- 文
- まさん
- 公開日時
バンダイナムコエンターテインメントが、PS4/Nintendo Switchで2021年2月10日に、Xbox One/PCで2021年2月11日に発売予定の新作『LITTLE NIGHTMARES2-リトルナイトメア2-』。製品版を最後までクリアしたライターによるプレイレポートをお届けします。
(※PS5/Xbox Series Xでも2021年発売予定。PS4/Xbox One版を所持している人は無料アップグレードを提供予定。ただし、PS4のパッケージ版を所持している場合、PS5デジタル・エディションではアップグレードできません)
本作は、幼いころに感じた恐怖をテーマにしたサスペンスアドベンチャー『リトルナイトメア』の続編です。電波塔が支配する謎の街を舞台に、紙袋を被った少年・モノと前作の主人公・シックスが協力しながら困難を乗り越え、電波塔を目指す物語が描かれます。
開発は、前作と同じくTarsier Studiosが担当。恐ろしくも美しい幻想的なグラフィックはより磨きがかかり、メインストーリーもボリュームアップ。前作の主人公がパートナーとして登場しますが、主人公の“モノ”が体験する物語として単体でも完結した作品になっているので、続編である本作からプレイを始めても支障はありません。
美しくも恐ろしく、恐ろしくも美しい絶望の世界
Gamescomに合わせて体験できたメディア用体験版を遊んでからというもの、本作の続きが気になって仕方がなかった自分。体験版のレビューではハンターから逃げ惑い、巨大な街にたどり着く時点で終わったのですが、その段階でも前作を越えるじめっとした恐怖感と、AIで動くパートナー・シックスと協力しながら進む謎解きの楽しさが感じられて先が楽しみになりました。
そして、今回は満を持しての製品版。自分は先行して最後までプレイできたのですが、前作を越えるボリュームと絶妙な謎解きの数々に夢中になり、駆け抜けるようにクリアしちゃいました。とくに収集要素を探さず、前作を遊んでいて謎解きの答にも気づきやすいほうだとは思うのですが、それでも10時間以上のボリュームがあり、ホラーのアドベンチャーとしてはなかなかの長さ。2日かけて、じっくりと楽しませてもらいました。
正直なところを言うと、仕事なので一気にクリアしてしまったのが残念なんですよね。今回は本当に背景が美しくて、立ち止まってじっくり観察しないともったいないくらい。寂しくも巨大な町の景観は、どこを切り取っても絵になります。ホラーゲームは1つの場所に留まりたくないものですが、陰鬱な雰囲気なのに息をのむほど幻想的。プレイ中に何度も足を止めてしまったくらい、探索するだけで想像力が膨らむ魅力的なエリアが登場します。
学校や病院などの新しいエリアへ向かう道中では敵らしい敵が出るシチュエーションも少なく、自分が小人になったような感覚で街の隙間や屋根裏を飛び回れるのもうれしいところ。絵になる風景を探して意味もなく歩き回ってみたくなるんですよ。もっとも、それは束の間の休息。建物に入ったが最後。脱出するまでは、まったく油断できない恐怖体験が始まります。静と動のコントラスト。安心と不安の繰り返し……。ただただ恐ろしいだけではなく、美しく心落ちつく場面があるからこそ、前作よりもさらに恐怖を感じるゲームになっています。
謎解きの導線も洗練されていて、理不尽に迷うこともありませんでした。怖さを感じさせる仕掛けも巧みで、続編としての意義を感じます。
逃げ惑うだけではなく、立ち向かう展開も!
巨大な怪異から逃げ惑うことが基本となっていた『リトルナイトメア』ですが、本作では“武器”を持って怪異に立ち向かう場面もあります。前作でも怪異を落下させるようなシチュエーションはありましたが、今回はもっとアグレッシブ。落ちているナタやハンマーを振るって頭にゴツン! 二度と立ち上がれないようにボッコボコにできちゃいます。怪異と言えど、鈍器には弱い!
こちらを散々追いかけてきた“いじめっ子”をハンマーでボコボコにしていると、逆に自分が怪異側になったような背徳感。常に武器を持っているわけではありませんが、その場に落ちている物を拾って反撃できるようになったのが心強いです。立ち向かえるというだけでも安心感が段違い。
逃げ惑うこともホラーゲームの本質ではありますが、追われ続ける恐ろしさから一転。あれだけ恐ろしかった相手をワナにはめ、ハンマーで砕いて倒せちゃうのがうれしい。逃げるだけではなく、怪異に立ち向かって対処できるのもホラーの醍醐味。きっといつか倒せるという希望が持てるので、怖いゲームが苦手な人でも遊びやすいかもしれません。もちろん、倒せない怪異や立ち向かうこと自体が怖くなるような存在もいますが……フフフ……。
巨大な存在との命を賭けたかくれんぼ&鬼ごっこ
武器で倒せる要素が追加されているとはいえ、本質は巨大な存在から逃げること。子どもの頃に感じた恐怖の再現という意味でも、前作以上に巨大な存在の不気味さが増しています。個人的には、学校のチャプターで登場する“先生”がお気に入り。もう、徹頭徹尾ヤバイ。見つかりたくない相手です。
学校のエリアはいじめっ子たちから逃げ惑う構造自体が楽しいのですが、巨大な先生が出てくるシチュエーションがゾクゾクするんですよ。机の影や隅に隠れてやり過ごすステルスゲームのような体験も、緊張する場面から逃れられた時の安堵感も程よく、個人的には本作に登場する建物のなかで一番怖かったエリアかもしれません。このあとに登場する建物も怖いのですが、学生時代の記憶を呼び起こすようなイヤ~な怖さがあります。
見つかってから一気に捕まる時も怖いのですが、見つからないように立ち回るステージの構造も見どころ。妖怪のように不気味な先生が目を光らせている教室のなかで、じっと息を潜めるじわっとした焦燥感をぜひ体験して欲しいです。まるで、自分がJホラーの登場人物にでもなったかのような、地に足の着いた感覚が生理的に怖すぎます!
身体的に痛い描写が多用されているわけでもないのに、締め付けるような恐怖の描写が絶妙。前作のようにライトを使って探索する要素もありますが、これもまた恐ろしい……。逃げるルート自体が一種の謎解きになっている場所もあり、何度も捕まるので逃げ道がないのかと錯覚しそうになることも。とにかく、初見ではよくやられます。してやられたと思う仕掛けも盛りだくさんです。
とはいえ、ご安心を。間に合わずに「死ぬ」場面は多いのですが、その代わり本作ではチェックポイントの間隔が非常に短くなっています。初見では酷い目にあう場所が多いだけに、リトライがしやすいのはうれしいですね。それだけやられるということでもありますが……。巨大な怪物に襲われると「うっ!」となるくらい怖いのですが、勇気を振り絞ってリトライしましょう。
前作以上に魅力的な世界を探索できるおもしろさに加え、恐怖を煽る演出も謎が謎を呼ぶ描写も、より強化された本作。前作をクリアした自分でも、まだうまく飲み込めていない部分があり、物語を考察しながらもう1度遊んでみたい衝動に駆られています。このシリーズを未プレイの人でも、本作を遊んでから前作に挑んでみるのもアリ。作り込まれた良質なホラーゲームなので、ぜひ2作品とも遊んでみてください!
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LITTLE NIGHTMARES2-リトルナイトメア2-
- メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
- 対応機種:PS4
- ジャンル:ADV
- 発売日:2021年2月10日
- 価格:3,600円+税
LITTLE NIGHTMARES2-リトルナイトメア2-
- メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
- 対応機種:Switch
- ジャンル:ADV
- 発売日:2021年2月10日
- 価格:3,600円+税
LITTLE NIGHTMARES2-リトルナイトメア2-
- メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
- 対応機種:Xbox One
- ジャンル:ADV
- 発売日:2021年2月11日
- 価格:3,600円+税
LITTLE NIGHTMARES2-リトルナイトメア2-
- メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
- 対応機種:PC
- ジャンル:ADV
- 発売日:2021年2月11日
- 価格:3,600円+税
LITTLE NIGHTMARES2-リトルナイトメア2-
- メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
- 対応機種:PS5
- ジャンル:ADV
- 発売日:2021年
- 価格:3,600円+税
LITTLE NIGHTMARES2-リトルナイトメア2-
- メーカー:バンダイナムコエンターテインメント
- 対応機種:Xbox Series X
- ジャンル:ADV
- 発売日:2021年
- 価格:3,600円+税